じべ。の観てきた!クチコミ一覧

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笑う女。笑われる男FINAL

笑う女。笑われる男FINAL

BIG FACE

シアターX(東京都)

2010/02/24 (水) ~ 2010/03/03 (水)公演終了

満足度★★★★

いわば「老舗の松花堂弁当」
両国らしき町の商店会のオジさんたちが東京国際マラソンに出場しようとする下町人情系コメディ。
内容的には決して意表を突くような展開はないものの老獪(爆)…もとい、円熟味のある作品で、いわば「老舗の松花堂弁当」。オーソドックスなネタを少しずつ取り合わせつつ、そのそれぞれに老舗ならではの味がある、な感じ。
全体の流れとか場面構成はもちろん、それぞれの家族(従業員も含む)の会話シーンにちりばめられた笑いなども実に巧み。
また、出演している女優が昨年完走しており、それをそのまま劇中に取り入れ(といっても劇中人物が、という設定だが)その完走祝いの宴会場面から始まって彼女に刺激を受けたロートル(失礼!)たちが「来年はオレも走るゾ」という導入部や、出演者が今年の大会で実際に走るなんてセミ・ドキュメンタリーな部分もあるのがユニークだし面白い。
しかも大会前日まで・当日・翌日以降で3バージョンあるということだし。
(当日と翌日以降は、当日に撮った大会の映像が加わり、前日までのものに「映像特典:もうひとつのエンディング」的な部分が附加された模様)
さらに、終盤で破乱もありつつ、親子ネタ(また弱点を突かれてしまった)を含めてすべてが丸く収まる結末もうまく出来ていて、ホントに巧い。

The Heavy User

The Heavy User

柿喰う客

仙行寺(東京都)

2010/02/27 (土) ~ 2010/03/02 (火)公演終了

満足度★★★★★

今回もその手法に舌を巻く
勤務中に突然自殺した女性の母に、娘の同僚だったと名乗る女性から「自殺ではない」という電話が入るが、それには時々ノイズが混じっており…という状況から始まるサスペンスホラーで今回もその手法に舌を巻く。
フランス公演作品の事前お披露目ということもあってか、まずカタカナのカンペを読んでいるような(笑)英語の挨拶から始まり、それを直す「リピート・アフター・ミー」的な2人のやりとりに他のメンバーがコーラスのように加わってリズムを形成し、「言葉のSTOMP」みたいだな…と。
そうして始まる本編、電話に入るノイズを会話をする2人以外の全員が声で表現して、その音の感じに『呪怨』などのジャパニーズモダンホラーを連想。
それはそのまま前半の物語に漂う雰囲気にあてはまり、事情聴取をした刑事も…なんて、モロに『呪怨』(笑)(あ、いけね、あっちのネタバレか?)
が、ノイズの正体というか、自殺させたモノの正体が明らかにされる後半は、実体を持たない意識生命体が登場するSF小説のオモムキ。
それに「自ら命を絶つ行動をする生物は人間だけである」なんてことも絡ませて、あっちもこっちもσ(^-^) の好きな要素取り合わせ、みたいな。
あ、「怪奇大作戦」や「BLACK OUT」に似たニオイもあるか?
また、冒頭の「言葉のSTOMP」以外にも「ソロとコーラス」的な手法が時折挿入され、それはある時は芸能山城組のパフォーマンスあるいはそのバックグラウンドであるバリ島のケチャを想起させ、ある時は「言葉(台詞)による交響楽(※)」のようで、これも面白い…ってか好きなんだな。
※ 提示したテーマ(台詞あるいは言葉)をソロやトゥッティ、カノンなどで奏し、他のテーマなどが出てきた後に再現したり、変奏したりなんてのが似ている
そんなワケで、アフタートークの質問でσ(^-^) のいきなりのシンプル・クエスチョン4連発は以下でカッコ内は回答。
1.清水崇作品などジャパニーズホラーはお好き?(NO:但し知っている)
2.芸能山城組は御存知?(NO)
3.ではバリ島のケチャは?(研究した)
4.交響曲はお好き?(交響曲というかオーケストラが好き)
質問と言えば「これまでの内容も踏まえてタイトルの由来を」という締めに相応しい質問も良く、それに対しての「女性からワタシのドコが好き?と訊かれるのと同様一番難しい」という回答も言い得て妙。
そのアフタートークでの話によれば、前回の海外公演作品『恋人としては無理』では「身体の模倣」を、今回は「言葉の模倣」「耳からの伝播」をテーマにしたとのこと。

機械城奇譚【当日券あり!1時間40分です】

機械城奇譚【当日券あり!1時間40分です】

少年社中

劇場MOMO(東京都)

2010/02/26 (金) ~ 2010/03/07 (日)公演終了

満足度★★★

「オトナのための童話」なオモムキ
壊れて役に立たない機械が大半の店に、深夜、店主と知り合いらしき女性が呼び出され、店主の言うことには深夜0時を過ぎると機械たちが人間のカタチになり動き出す…という導入部からの物語。
もともとファンタジー要素が強い上に今回は「アナザーワークス」と銘打っており、通常の冒険系ではなくメルヒェンっぽい味わいも加えた感じ。
午前0時を過ぎると…という設定に「おもちゃのチャチャチャ」を連想したこともあって「オトナのための童話」なオモムキ?
が、女性の正体が明かされる中盤からは一転。序盤に出てきた「今夜、死ぬ」という店主のメモがクローズアップされ、そういえば呼んだ理由も店の品たちのその後の依頼であったし…なんて思っていたら、一旦明かされた女性の正体が覆されてさらに新たなフェーズに入るという。
ここで記憶障害の人物のために芝居を繰り返すことに劇団離風霊船の『どいつもこいつも!』を連想しつつ、毎夜繰り返してきたループから新入りによって抜け出すハナシか、とようやく全貌を理解。
がしかしビターな結末を迎え、時計が時間を戻してくれないので自ら0時前を再現するラジオが切ない。
ではありながら、最終的には優しく…いや、必ずしもそうとは言い切れないか、「希望を残す」の方が的確か、な終わり方なので安心。

上海バンスキング

上海バンスキング

Bunkamura

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2010/02/23 (火) ~ 2010/03/14 (日)公演終了

満足度★★★★

若手バージョン的なものでも上演して欲しい
よくもこれだけのメンバーが集結したモンだ。まさに奇蹟?
それだけに一部若い頃のシーンで登場した時に笑いが起こったり、設定年齢に見えなかったり、そうでなくてもロビーコールで間近に見たら「老けたなぁ」な方もいたりするワケで…(笑)
考えてみるとファイナル公演当時、大半のメンバーは現在のσ(^-^) より若かったハズで(自分も含めて)時の流れというものをヒシヒシと感じる。
そんな作品だけにステージ上・客席ともに同窓会みたいな?(笑)
あるいは往年の人気バンドの再結成コンサート的な?(演奏シーンもあるので、それじゃほぼまんまか…)
で、一部新たな部分や改変された部分アリ。
新たな部分は「あの日の**」という役名で7人ほど装置の2階部分(これも新設)や舞台の端で進行を見守っている役者がいること。これが衣裳やメイクによっていかにも登場人物の若い頃に見せていて○。
一説によるとメインの役者に「万が一のこと」があった時の保険でもあるそうなんだそうだけれど、さもありなん。(その日の配役は上演1時間前に決定するそうだし)
改変は以前あった舞台横の「クラブの客席」がなくなったこと。
これはクラブの場面での臨場感的なものが欠けるし、リクエストを出すシーンがわかりにくいし、「海ゆかば」で兵士がかけつけるのも客席通路を走ってくるので不自然(『HAIR』で警官がかけつける場面を連想)だし、なんだかなぁ…。
とはいえ、声高ではないながらもジワリと反戦を訴える内容、終盤の幻想シーンの切なさ、演奏そのものの楽しさなどやっぱりイイものはイイ。
が、ムリにオリジナルメンバーにこだわるのではなく、若手バージョン的なものでも上演して欲しい気がする。

二人の高利貸しの21世紀

二人の高利貸しの21世紀

イキウメ

キッド・アイラック・アート・ホール(東京都)

2010/02/16 (火) ~ 2010/02/28 (日)公演終了

満足度★★★

こんなにも違うのか、的な
1,000万円という巨額の回収(しかも現金)を終えた2人の高利貸し(というより取り立て屋的な感じ)の中篇(50分程度)会話劇、チェルフィッチュ(未見)の岡田利規が前世紀末(←こう書くと大袈裟だな)に書いた戯曲を前川知大が脚色し、演出は各チーム(A~Dの4つ)の出演者自身が行なうという企画で、女性のみ(B:岩本幸子、伊勢佳世)と男性のみ(C:森下創、窪田道聡)ということだけでなくガラリと違った味わい。
同じ台本を使いながらも人物のキャラが違っているのはもちろん、小道具の札束まで違っている(広告などを使ったものと色画用紙(?)を使ったもの)し、オリジナルは男性2人なのだろうが、部分的に女性の方が合っていたりもするし、もうこんなにも違うのか、的な。
やはり「テキストに直球勝負」というA(浜田信也、盛隆二)、男女ペアのD(緒方健児、加茂杏子)も観るべきだったか。(通し券6,000円なんてのがあったら観たな、きっと)
また、前説も他チームのメンバーが行う趣向で、Bは緒方健児がBチームから客に宛てた手紙を読み、Cは盛隆二が自ら描いたCの二人の似顔絵(けっこう上手い)を披露するという…これも楽しい。
そんな内容といい、「ひみつ(←平仮名なのがミソ)集会」的な小規模の会場(笑)といい、何となく「ファンクラブイベント」のようなオモムキもアリ。
なお、会場は11年前に劇団SEINの『MIDNIGHT RADIO STATION』(あぁ懐かしや!)を観に来た後に改装(新装?)されてギャラリーっぽく(実際ギャラリーもある)なっており…。

好きよキャプテン

好きよキャプテン

Theatre劇団子

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2010/02/24 (水) ~ 2010/02/28 (日)公演終了

満足度★★★★

テッパンなネタな上に好みのストーリー
高校時代のボート部の面々が同窓会で30年ぶりに顔を合わせて回想する高校時代…という定番中の定番、テッパンなネタな上に好みのストーリーなので135分の上演時間もアッという間。
それに加えて中心となる'80年にはシッカリ物心がついていたので、「アレは80年の出来事(やヒット曲)だったか」などと回顧に耽る。
(本編で曲が流れたりはしないが、ザ・リリーズも30年くらい前のアイドルだということに今更ながら気付いたりも…)
また、練習台を4台並べての最後の練習の見せ方(劇中でも練習台を使っている設定)に『ペダルをめっちゃ漕ぐ』のレースシーンの演出の原点も見る。
さらにその背後の壁に水面の映像を投影する演出に敷村良子原作(もちろん読みましたとも!)、磯村一路監督の『がんばっていきまっしょい』(98年)のクライマックスシーンが重なって「久々にアレもまた観てみようかな」(DVD所持)とも思う。
で、劇団SEIN時代から贔屓の田澤佳代子が08年4月の『トレジャーのある街 '08』に引き続き外国人キャラなことにニヤリ…。
あと、冒頭で母から同窓会に代理出席を頼まれている女性が終盤で登場してメッセージを代読するのも上手い。
…ってなワケで満足度高し。

『世界の終わり』を囲む短編

『世界の終わり』を囲む短編

Minami Produce

ギャラリーLE DECO(東京都)

2010/02/23 (火) ~ 2010/02/28 (日)公演終了

満足度★★★

各編ごとに「原典との距離」「接点の多寡」が異なる
全6編のエピソード、プロローグとなる「世界の終わり」(#1)と全体を締めくくる(エピローグというには長い)「幸せな結末」(#6)は両コースで上演、それに挟まれる2編が変わるというスタイルで、各編は芥川龍之介の短篇を「サンプリング」しているが「原典との距離」「接点の多寡」はそれぞれ異なる。
先に観たAコースではまんまとダマされ「ループするようにも、パラレルワールドのようにも解釈できる」「ドグラ・マグラ的な入れ子構造?」「原作の翻案・オマージュというより “その精神的な部分をベースにした” ってこと?」などと誤読(笑)する。
が、Bコースで内容を把握。南主宰と話したところによればそれでも全貌は読めていないそうだけれど、自分なりには納得。
世界の終わりの直前、天使に採用された男が「天使の実地試験(あるいはOJT)」としてパラレルワールドでのいくつかのケースを処理する中、姪が原因で迎えそうになる終末を防ぐ、というのがσ(^-^) の解釈だが、いかが?>ご覧になった方々

ビリビリHAPPY

ビリビリHAPPY

突劇金魚

こまばアゴラ劇場(東京都)

2010/02/23 (火) ~ 2010/02/24 (水)公演終了

満足度★★★

突拍子のなさが愉快
高校生のスミ子は、隣町にできた大手家電量販店に客をとられて開店休業状態の電器店に1人で暮らしていたが、ある日強盗が入り、しかしひょんなことからその強盗および強盗の彼女であるミドリも同居することになり…という状況から始まる物語。
親が出て行ってしまい1人で暮らす未成年少女という設定は3日前に観たもの、雑居系は1週間前に観たものと、それぞれカブっており(後者は軽くだが)、ホントに集中するなぁ、とオドロく。
以降は何度か訪れる転機によってひらける新たなフェーズの突拍子のなさが愉快で、たとえば「不思議の国のアリス」と通ずる面白さアリ。
また、冒頭でスミ子の語る将来設計を部分的に実践しているミドリの書いている小説の一部を伯爵が実践していて…なリレー式の展開や、強盗とミドリが交わすローレルに関する会話における一般的なケースとの男女の逆転(偏見?)、など、ディテールについても楽しむ。
さらに時々出てくるシロ美はスミ子の妹という設定ながら、実はスミ子の分身というか、別人格というか、心の中のもう1人のスミ子という解釈もできるような気がしたが、深読みあるいは誤読?
そう言えば白いドレスのシロ美と対比させる必要からスミ子が黒いドレスなのは十分理解するも、やはり女子高生役には「記号として」セーラー服を着用していただきたく…(爆)

パニ★ホス

パニ★ホス

PU-PU-JUICE

ザ・ポケット(東京都)

2010/02/18 (木) ~ 2010/02/28 (日)公演終了

満足度★★★

あと20分ほど削れば…
芥川賞作家でありながら10年以上スランプの作家・西園寺が胃潰瘍で入院した「学園ドラマで言えば落ちこぼればかりが集まるクラス」のような(←劇中表現)問題患者ばかりの病室に、ある夜入院中にもかかわらず病院を抜け出して呑み歩く常習犯である娘・レイが窓から入って来て…な物語。
ドタバタ系コメディに父娘ネタや純愛も絡めて悪くはないが、部分的に既視感があったり、一部コメディパートとハートウォーミングパートが水と油の如く分離していたり、なこともあり、135分近い上演時間(カーテンコール含む)が長く感じられてしまうのが惜しい。あと20分ほど削ればスッキリするのに…。
一方、入院した西園寺(と同室の患者およびそこでサボる医師)が、レイを元気付けるために紡ぐ物語(=執筆中の小説)を劇中劇として本筋とは別の役者たちが演じ(ゆえにカテコでは30人も舞台に並ぶ)、一旦筆を置く表現としてそれまで開いていた本を閉じると作中人物たちが速足でそそくさとハケるのが愉快。
また、小説のクライマックスでのヒロインの言葉が思い浮かばず悩む西園寺がレイにその台詞を考えて貰うことで彼女の「言いたくても言えなかったこと」を引き出し、なおかつ小説内と劇中現実を同じ台詞で締めくくって融合させるツクリは見事。
さらに、本筋パートで2人の人物が逝く時に湿っぽくならないよう象徴的に表現するべく(その時だけ)客席中央の通路を使う(ありゃ、するってぇと客席は冥界なのか?(笑))のも巧い。

女女女ニョニョニョ

女女女ニョニョニョ

グワィニャオン

阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)

2010/02/18 (木) ~ 2010/02/21 (日)公演終了

満足度★★★★★

西村太佑の新境地
1年契約で顧客に「買われる」職業の女性が存在する「もう1つの日本」、父は金だけ渡して再婚し(後に死亡)母は出て行ったきり戻らずで一人ひきこもる少女が残った金をはたいて「吉田さん」を購入し…。一方、その少女が愛読するホラーマンガの作者(今年になって3本目の女流マンガ家モノだ)はアシスタントとして複数の女性を買って使っており…な物語。
買われる職業に就く女性たちは全員が人を殺した過去を持つ、など珍しくダークな一面もあるものの重くはならず、笑いを交えながらも親としての責任放棄にも言及し、単に「女性のみ(オープニングの生アナウンスのみ通常通り尾形雅宏)のグワィ」ではなく「西村太佑の新境地」といった感じ。
一方、その職業の原点は江戸時代の湯女であるという説明(「本体」が口頭で行なっている設定)を劇中劇風に見せたり、「買われる」側の研修の様子も挿入したり、などのアイデアあふれる見せ方はおなじみの「西村節」で、そういう意味で「一粒で二度オイしい」な感じ。
そんな挿入部分もありつつ、前半は少女の話が中心で、「少女が冷蔵庫に保存していたもの」を明かす直前でマンガ家側のストーリー(前半にも時々挿入されてはいる)に移り、少女が新人の「お試し」的に派遣されると、その日で契約満了となる女性が行方をくらました母であることが判明してクライマックスを迎え「冷蔵庫の中身」も含めてストーリーを収束させる構造がまた見事。
思い返すとクライマックスを中心に哀しい部分も少なからずあり、ホントに新境地。
が、モロモロを含めてテッパンであることに変わりはなく、今回も満足満足ゥ。
なお、タイトルの読みは「にょにょにょ」で、終幕近くに少女がする「姦しい」の読み違い。

SPIRIT

SPIRIT

S×Sプロデュース

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2010/02/16 (火) ~ 2010/02/21 (日)公演終了

満足度★★★★

問題提起と娯楽性の両立
前々回の『SHOUT!!』、前回の『Smile』と同様「日本の今」を描く「社会派エンタテインメント」、今回はダムやゴルフ場などによる山村開発の是非を問いかける内容。
人口樹林を作るだけ作って放置することによる「緑の砂漠」と呼ばれる状態とか、針葉樹は根が浅く地盤の補強にはあまり役に立たないなどというシリアスな事実や、さびれる一方の山村に開発事業がもたらす影響の是と非なども盛り込みながら、開発反対運動をする若者たちの運動に対する疑問(何のために運動をしているのか・始めた頃と趣旨が変わってきているのではないか・開発は必ずしも悪いことではないのではないか)を描き、リーダー格の青年が想っている相手を危険な目に遭わせたくなくてとった態度によりその相手が山に入ってしまい、起こった山崩れから救うべく彼らが根城としているバリケードの位置を教えるために歌を使う(マクロスかっっ!!!(笑))という劇的な終盤を迎えるという構造は、あたかもR.アッタンボロー監督の『遠い夜明け』(87年)の如く、問題提起と娯楽性を両立させて見事。
ここの作品って、毎回そういったツクリで目からウロコがボロボロ落ちまくり…。

居りんす。(おりんす)

居りんす。(おりんす)

み企画

萬劇場(東京都)

2010/02/18 (木) ~ 2010/02/21 (日)公演終了

満足度★★★

しっとりとした趣きある大正浪漫
大正時代、吉原の遊郭での人間模様を描いたもので、そう言えば1月の『爾汝の社』や前年11月の『おんな』など、ここのところ遊郭モノが多い…(後者は同じ萬劇場での上演だったし)
前の2本が江戸時代だったのに対してこちらは大正時代という違いはあるのだが。
で、本作。幼い頃の記憶を失った画家が、ある遊女の絵を描いて欲しいという手紙により遊郭を訪れると、彼にやけに親しく接する少女がいるが、彼女の姿は彼と1人の遊女にしか見えていない様子で…という状況から始まる物語。
しっとりとした趣きある大正浪漫(背後にある大正時代のモロモロがにじみ出てくるようでもある)に一抹の切なさや人情の機微的なもの、遊女のプライドなども絡めて鮮やか。
ただ、終盤の火事場面での音楽がやや甘美なのが珠に瑕?
なお、落ち着いた語り口に「昭和のブンガク」的な雰囲気も感じ、思い起こせば先述の2作にもそれはあり、内容もさることながら黒を基調とした装置(3作ともそう)にもその理由があるのか?とも思う。

十二夜

十二夜

東京シェイクスピア・カンパニー

イワト劇場(東京都)

2010/02/18 (木) ~ 2010/02/21 (日)公演終了

満足度★★

大方満足だが大きな減点要素も
かなり昔に観て面白かった記憶はあったもののいくつかの場面と基本設定以外はほとんど忘れており、こうして改めて観たら前年に観た『間違いの喜劇』と設定がソックリなのにニヤリ。
しかしここまで似ていたとは。さすがの沙翁にも「手を変え品を変え」には至らず「手を変えるも品は変えず」あるいは「手は変えず品だけ変え」にとどまった作品があるのね…(笑)
とはいえ、いろんなスタイルの勘違いや想いのスレ違いが交錯する内容はやはり愉快で、兄妹の再会を筆頭にあれこれが丸く収まるハッピーエンドも心地好いのでかなり満足。
おっと、内容だけでなく、動作が独特で歌も巧い道化を筆頭とした出演陣もそれぞれハマっていて見事。
がしかし最近よくある翻案やアレンジものと違って古典的なスタイルの演出なのに、動きだけならともかく「ムーンウォーク」「EXILE」なんて単語を口にしたり「世界に一つだけの花」「また逢う日まで」「さよなら」のような現代の曲を使(歌)われたりすると違和感を禁じ得ず、その度に現実に引き戻されて醒めてしまうのが残念。
ましてやオープニング(とエンディング、さらに途中も)がリュートの生演奏なのでそのギャップもあり評価半減と言っても過言ではない。何故そんな中途半端なことをするのか理解に苦しむ。

ここから、

ここから、

play unit ココカラ。

@quos(東京都)

2010/02/05 (金) ~ 2010/02/21 (日)公演終了

満足度★★★

旗揚げにふさわしくスタートを表現
父親が転勤族だったために「幼な馴染み」というものがいない身としては、互いに幼い頃から知っている間柄の親しさに憧れのようなものを感じ、しかし、そんな中に何かが欠けている感覚があり、それが後半での展開に効いてくるのが上手い

煙が目にしみる

煙が目にしみる

PLUS

アイピット目白(東京都)

2010/02/16 (火) ~ 2010/02/21 (日)公演終了

満足度★★★★

Bキャスト
演出家は同じながら完全ダブルキャストで、場面によっては立ち位置まで違っていることもあり、これまた印象を異にして、それぞれの面白さアリ。
面白さといえば、鈴置・カトケン・あかぺらともベテランを起用しての上演だったのに対して今回(とファルスシアター)は若い(相対的に?(笑))キャストが中心で、しかし芝居のウソと言おうか演技によってちゃんと相応の年齢に見える(「見せる」?)のが舞台の面白いところ。
また、泉は今まで観たものでは「貫禄のある」(笑)女優が演ずることが多かったものの、今回はむしろ小柄な女優が演じ、口八丁的にカカア天下らしさを表現していたのも◎。
礼子についても、今回を含めて今までに観た12のバージョンの中で一番よく泣いていたが、そういう解釈もまたアリ。
そんな風にいろんなバージョンを観ていると、目の前の舞台を観ながらそれまでに観たキャストが目に浮かんだりするのも楽しからずや。

煙が目にしみる

煙が目にしみる

PLUS

アイピット目白(東京都)

2010/02/16 (火) ~ 2010/02/21 (日)公演終了

満足度★★★★

Aキャスト
この名作戯曲を選んだ時点で半分以上成功と言っても過言ではない(←私見)一方、σ(^-^) にとって過去4団体で通算10回(鈴置P5回、カトケン3回、あかぺら倶楽部、ファルスシアター各1回)観ている大好きな作品なのでその分ハードルも上がるゾ、などと思って観たら、過去に観た4団体のものともまた違ったアプローチながら、それが芝居の面白いところで、十分に「これもアリ」に仕上がっており、結果はやはり大満足。
また、ラストに流れるのが「Smoke Gets in Your Eyes」なのは当然ながらカーテンコールで「Knocking on Heaven's door」というのもイイ。

ハウスシェア~わたしのプリン食べたら死刑~

ハウスシェア~わたしのプリン食べたら死刑~

演劇ユニット3LDK

劇場MOMO(東京都)

2010/02/16 (火) ~ 2010/02/21 (日)公演終了

満足度★★★★

2段構えの構造が○
不運続きで身寄りも住まいも職もない男が忍び込んだのは、赤の他人たちが共同生活をしている家で、家主の計らいにより男もそこで暮らすことになり…という物語。
この家主が「小料理屋の女将で保護司で町内会の世話役」という設定で、そのきっぷの良さが小気味良く、なおかつ「あぁ、この人ならそんな面々を住まわせそう」な説得力もあり。
前半は侵入した男がそこに馴染むまでの期間(1ヶ月少々?)を住人たちの紹介を兼ねて描き、後半はさらに新たな人物を2人も登場させて家主の誕生日に起きた騒動(事件?)をほぼリアルタイムで見せる2段構えの構造が○。
この後半では、古典的ですらあるウソと勘違いによるコメディ要素に始まり、家族や人と人とのつながり(「居心地の良い距離」なんて言葉がイイ)や嘘をつくことの是と非など感動させたり考えさせたりする要素も盛り込んで、まさにヤマ場。チラシでも謳っていた「笑いと涙」が爆発、みたいな。
また、最初とその次の暗転で流れる曲が「危険な関係のブルース」と「ワーク・ソング」と内容と微妙にカブっており、曲名を知っている客への目配せか?などとも思ったり。

バラシ

バラシ

劇団スーパー・エキセントリック・シアター(SET)

赤坂RED/THEATER(東京都)

2010/02/10 (水) ~ 2010/02/18 (木)公演終了

満足度★★★★

満足度高し
いろんな人の繋がりを断ち切る(=バラす)裏稼業を営む「バラ師」グループを描いたストーリー、劇団K助の金沢主宰(脚本)の手口(笑)はよく知っている(←つもり)ので、最終的なオチはかなり早い段階で予想できたものの、そこに至るまでのサスペンスあふれる展開は全く先が読めず、途中で「ありゃ、やっぱりそういうオチではないのかな?」と思ってしまうくらい。だもんで、「予想できた」というよりは「結果的にそこに落ち着いた」という方が的確か。
まずは頼朝と義経の不仲を仕組んだ男が「バラ師」の起源であり現リーダーの祖先、ということで頼朝と義経はマンガチックな映像(スチル)、家臣と実行者を役者が演じて見せることでヤるなぁ、と。
以降、映像(スチルだったり動画だったり)を効果的に使い、場合によっては「なんでアレ(←役者が演じた部分)だけリアルで立体的なんですか」と出演者がツッコミを入れたりもする手法が愉快。
一方、メイン部分である夫婦を別れさせるために互いの猜疑心を膨らませて行く手口は巧妙だし、バラ師チームがたどる末路はコワい(このあたりで予想したオチよりもビターなのか?と思った)し、でハラハラドキドキしつつ、最終的な落としどころは「あぁ、やっぱりぃ」で安心(?)し、満足度高し。

たゆたう、もえる

たゆたう、もえる

マームとジプシー

こまばアゴラ劇場(東京都)

2010/02/13 (土) ~ 2010/02/16 (火)公演終了

満足度★★★★★

ほとんど感服
大きな括りで言えば「家族モノ」ではあるが、(σ(^-^) の弱点であるところの(爆))「家族の絆」よりも肉親であるがゆえの甘え(と反発)から生じた溝を描いており、優しさの中からビターテイストが時折表出して、ふわりとした感触なのに強く握るとトゲがある、な感覚。
またそれが、中心となる姉妹(とその弟)の子供時代・少女(少年)期・大人になってからの3つの時代を過不足無く描きつつも90分のワクにキッチリ収めるというのが見事。
さらにその3つの時代はもとより、同じ時代の中でさえも部分的に時系列に沿わない並べ方をしながら、ちゃんとわかる(どころかむしろわかりやすい?)のも巧みだし、回想や説明の短いシーンをサラリと挿入する手口(笑)も上手く、ほとんど感服。
そんなスタイルで、子供ゆえの無神経さ・残酷さでやってしまった(その時はそう思っていなくても大人になってから振り返ると)取り返しのつかないことや、そんな子供時代・少女期の体験が大人になっても尾を引いていることなどまで語って、ホントに巧い。
小説などでテレパシーを「頭の中に直接響く声」などと表現することがあるが、これは「心の中に直接響く芝居」で、共感というよりも共鳴。遠赤外線の如くジワジワ効いてきて、観終わってからもホロリとしたり…。
あと、上方から吊るされた丈が3メートルはあろうかという6着の赤いニットのワンピース(そこから垂れた糸を血に見立てる手法も含む)も印象的。
しかし当日パンフ(に挟んだ紙片)に大半が夫を喪った女性の心境を詠んだものである俳句を載せて涙腺を緩めておいて最初に見せるのが子供たちの情景(郷愁をそそるんだ、これが)というのは卑怯!(笑)

five plots ~名探偵登場~

five plots ~名探偵登場~

Last Brand

アイピット目白(東京都)

2010/02/11 (木) ~ 2010/02/14 (日)公演終了

満足度★★★★

評価は真っ二つかも
タイトル通り、とある私立探偵の事務所を舞台にした5つの連作短編集ながら、それぞれサスペンス・ミステリーだったりシチュエーション・コメディだったりとスタイルがすべて異なり、しかも5編が時系列にそって並んでいるワケではないという凝ったツクリ。
さすがに台詞が全部尻取りだったり、時間の経過に従って使う文字を1つずつ減らしていったりというムチャ(笑)をする作家だけのことはある…。
個人的には「パロディ・ミュージカル」と銘打った第3話に特にウケるが、もちろん他の4編もそれぞれタイプが違って面白く、90分程度にしか感じなかったものの、確認したらシッカリ120分経っていたという。
が、逆に全体の統一感に欠けるという弱点もあり、そのどちらに重きを置くかで評価は真っ二つかも。

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