厠の兵隊 公演情報 劇団桟敷童子「厠の兵隊」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    現代の民話
    一言で表現すれば「見事な現代の民話」。母に対する少年の思慕が生み出した幻想あるいは妄想が切ない。


    昭和中期(推定)、夫に先立たれた月子は息子の透を連れて夫の郷里にやって来るが、そこには「厠神」を敬う風習があり…な物語。
    土着的・民間伝承的なものをベースにした、地に足がついているというか底力があるというか…な人間ドラマと、ギミックまで仕込んである手の込んだ装置がいつもながらステキ。
    で、月子に言い寄る(ちょっと違うか)人物たちの相次ぐ失踪というミステリー、母に対する透の思慕によるものではありつつ、もちろん子供1人でできることではなく、6人の厠神が手を貸しているようでもあり、しかしどうなんだろう?なところが幻想的と言おうか民話的と言おうか、桟敷童子の真骨頂かも。
    また、そんな透と厠神たちに “ダークな「ユタとふしぎな仲間たち」” を感じたりもして…(笑)
    さらに終盤、舞台上のたいこ橋をはねあげて登場する戦車は圧巻。それまで時々出てきたおわい屋の車(車体に書いてあった「シワイ屋」(=吝嗇)は屋号か?)もよくできていたし…。
    あと、ベートーヴェンの交響曲第7番が、恒例(?)の歌のみならず、劇伴としてもいくつかのアレンジで使われており、こんなにもマッチするとは意外。
    いや、もちろん「のだめ」でお馴染みの第1楽章ではなく、ジャック・ルーシェが様々なヴァリエーションでアルバムを作ったこともある第2楽章ですがね…。
    ちなみに客入れ・客出しのBGMは第5番の第1楽章。

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    2010/04/21 16:28

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