満足度★★★
「オトナのための童話」なオモムキ
壊れて役に立たない機械が大半の店に、深夜、店主と知り合いらしき女性が呼び出され、店主の言うことには深夜0時を過ぎると機械たちが人間のカタチになり動き出す…という導入部からの物語。
もともとファンタジー要素が強い上に今回は「アナザーワークス」と銘打っており、通常の冒険系ではなくメルヒェンっぽい味わいも加えた感じ。
午前0時を過ぎると…という設定に「おもちゃのチャチャチャ」を連想したこともあって「オトナのための童話」なオモムキ?
が、女性の正体が明かされる中盤からは一転。序盤に出てきた「今夜、死ぬ」という店主のメモがクローズアップされ、そういえば呼んだ理由も店の品たちのその後の依頼であったし…なんて思っていたら、一旦明かされた女性の正体が覆されてさらに新たなフェーズに入るという。
ここで記憶障害の人物のために芝居を繰り返すことに劇団離風霊船の『どいつもこいつも!』を連想しつつ、毎夜繰り返してきたループから新入りによって抜け出すハナシか、とようやく全貌を理解。
がしかしビターな結末を迎え、時計が時間を戻してくれないので自ら0時前を再現するラジオが切ない。
ではありながら、最終的には優しく…いや、必ずしもそうとは言い切れないか、「希望を残す」の方が的確か、な終わり方なので安心。