満足度★★★★
いわば「老舗の松花堂弁当」
両国らしき町の商店会のオジさんたちが東京国際マラソンに出場しようとする下町人情系コメディ。
内容的には決して意表を突くような展開はないものの老獪(爆)…もとい、円熟味のある作品で、いわば「老舗の松花堂弁当」。オーソドックスなネタを少しずつ取り合わせつつ、そのそれぞれに老舗ならではの味がある、な感じ。
全体の流れとか場面構成はもちろん、それぞれの家族(従業員も含む)の会話シーンにちりばめられた笑いなども実に巧み。
また、出演している女優が昨年完走しており、それをそのまま劇中に取り入れ(といっても劇中人物が、という設定だが)その完走祝いの宴会場面から始まって彼女に刺激を受けたロートル(失礼!)たちが「来年はオレも走るゾ」という導入部や、出演者が今年の大会で実際に走るなんてセミ・ドキュメンタリーな部分もあるのがユニークだし面白い。
しかも大会前日まで・当日・翌日以降で3バージョンあるということだし。
(当日と翌日以降は、当日に撮った大会の映像が加わり、前日までのものに「映像特典:もうひとつのエンディング」的な部分が附加された模様)
さらに、終盤で破乱もありつつ、親子ネタ(また弱点を突かれてしまった)を含めてすべてが丸く収まる結末もうまく出来ていて、ホントに巧い。