満足度★★★
こんなにも違うのか、的な
1,000万円という巨額の回収(しかも現金)を終えた2人の高利貸し(というより取り立て屋的な感じ)の中篇(50分程度)会話劇、チェルフィッチュ(未見)の岡田利規が前世紀末(←こう書くと大袈裟だな)に書いた戯曲を前川知大が脚色し、演出は各チーム(A~Dの4つ)の出演者自身が行なうという企画で、女性のみ(B:岩本幸子、伊勢佳世)と男性のみ(C:森下創、窪田道聡)ということだけでなくガラリと違った味わい。
同じ台本を使いながらも人物のキャラが違っているのはもちろん、小道具の札束まで違っている(広告などを使ったものと色画用紙(?)を使ったもの)し、オリジナルは男性2人なのだろうが、部分的に女性の方が合っていたりもするし、もうこんなにも違うのか、的な。
やはり「テキストに直球勝負」というA(浜田信也、盛隆二)、男女ペアのD(緒方健児、加茂杏子)も観るべきだったか。(通し券6,000円なんてのがあったら観たな、きっと)
また、前説も他チームのメンバーが行う趣向で、Bは緒方健児がBチームから客に宛てた手紙を読み、Cは盛隆二が自ら描いたCの二人の似顔絵(けっこう上手い)を披露するという…これも楽しい。
そんな内容といい、「ひみつ(←平仮名なのがミソ)集会」的な小規模の会場(笑)といい、何となく「ファンクラブイベント」のようなオモムキもアリ。
なお、会場は11年前に劇団SEINの『MIDNIGHT RADIO STATION』(あぁ懐かしや!)を観に来た後に改装(新装?)されてギャラリーっぽく(実際ギャラリーもある)なっており…。