最新の観てきた!クチコミ一覧

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うつろな恋人

うつろな恋人

エレベーター企画/EVKK

大阪市立芸術創造館(大阪府)

2025/03/08 (土) ~ 2025/03/09 (日)上演中

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/03/08 (土)

求めすぎた愛情と自分の居場所、壊されたくない自分。
淡々と演じてられていましたが、はっ!と思ったり、ゾッとしたりしました。
澤井さん、怖いよ。笑
優しくしても、相手には好意とは限らない。
でも、ああ来られたら、好意は抱くと思う。
紙一重ですね。
お芝居観られてありがとう

プシュケーの蛹

プシュケーの蛹

中央大学第二演劇研究会

シアター風姿花伝(東京都)

2025/03/06 (木) ~ 2025/03/09 (日)上演中

実演鑑賞

満足度★★★★★

 タイゼツ、ベシミル❢! 華5つ星(追記後送)

ネタバレBOX

 板上構築物は2層構造を為し、場面によってやや奥が2階部分、手前が1階部分や地階になる。尚上階の一部床が抜けており下の階へ降りることができる。
 物語は居抜きの物件に新たに入居してきた漫才トリオ・マトリョーシカの大野、中山、小西3名の若者と、入居先の住人、大家、宇宙人、研究所所長(るりの父・大和)及び研究員たち、警官ら、新聞拡張員、幽霊たち、幽霊と付き合いのあるバーのマスター兼古物商の郡司ら。因みにマトリョーシカのメンバーはその苗字とは反対に体の大きさは大野が一番小さく、小西が一番大きい。無論中山の体躯は二人の中間である。小学校時代からの幼馴染でマトリョーシカの名はこの仲良し3人組に同級生が付けた仇名である。最もお笑いに興味があるのは大野のみ。他の2人は興味の在りかが全く異なる為この先お笑いの世界でホントにやって行けるのか? 極めて疑問である。こんな状態だから生計はバイト代で賄っている。さて彼らが引っ越してきた部屋は居抜き物件であったが、新住人に大家が説明した処では、ちょっと変わった約束事があった。その内容は〝完全に壊れて使えなくなった物以外部屋内に残っている物を捨ててはいけない“というルールであった。その他に大家は奇妙なことを言った「このアパートはね、混沌によって安寧を生み出しているのよ」と。
 引っ越して直ぐ、これから始める生活の為に室内を見渡し使い易いように作業をし始めるとソファに布を掛けた物があった。布を取り去ってみると若い女性が現れた。動かない、冷たい。死んでいる? 等観察結果と推論と更なる観察の末、首にボタンのような物を見付け電源を繋ぐ部分があることが分かった。アンドロイドであった。起動ボタンを押してみるとアンドロイドはスリープ状態からアクティブに転じ桁式、名前等を喋り出した。彼女の名は〝るり“。彼女のデータは毎年、1年間に蓄積したデータを開発者のストレージに送る。それはメモリの容量内で処理を高速化し安定化させる為なので送信後旧データが削除されてしまう。故に1年間のデータしか保持し得ないのである。この更新は8年間、目覚めたのはその8年目、残る日数は59日。るりと共に最後になるかも知れない59日間を過ごそうと決めた中山とるりとのアガペー。そして総てが綯交ぜになっているカオスを通して先にしか進めない時間と過去に依拠する他無い思い出がアウフヘーベンされる詩的世界は、見事という他無い。
カルメン

カルメン

新国立劇場

新国立劇場 オペラ劇場(東京都)

2025/02/26 (水) ~ 2025/03/08 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

数年前の再演のプロダクション。建築現場の足場のような鉄骨の組み立てのみの舞台。いつもいつもト書き通りのオーソドックスな演出ばかりだと飽きてくるから時々は現代的・前衛的な演出も望まれるというのは理解できる。ただ、その路線でどんどん行くと、舞台上の情景と歌詞の内容とが不一致・矛盾するようなことになるのが避けられない。誰も歩いていないのに「暇つぶしで通りを歩く人々を眺める」だとか、警察官なのに「伍長」だったりとか、建設現場だかライブ会場だかわからないがとにかく一般人の姿が見えない場所に突如子どもたちの一団が現れて歌い出したりとか、自然ではないことが舞台上で次々発生する。こういう路線の演出なら歌詞の内容との不一致・矛盾はやむを得ないことだが、それが気になってしまうとせっかく名曲揃いのオペラ「カルメン」の音楽を十分に味わえなくなる。個人的には、音楽鑑賞の邪魔になるような演出は勘弁して欲しいと思うが、今のところ、演出が邪魔だと思ったら目を瞑って聴くしかないようだ。
総合的には、先月の二期会の公演のほうが良かったように思う。演技は二期会のほうが優っているし、歌唱は本公演も遜色ないが時々声が良く通らないことがあった。オーケストラの音量とのバランスの問題かもしれないし、劇場の音響特徴なのかもしれないし、歌われる場所の位置関係や方向の問題なのかもしれない。ミカエラ役とエスカミーリョ役はすばらしかった。演出はもとよりこういう路線なので何とも言いようがないが、ラストの第4幕は違和感が否定できず、もう少し本来のストーリー設定に寄ったものでも良かったのではないか。フランス語のセリフがわりと入る点はむしろオリジナルに近いのでは。

屋上のペーパームーン

屋上のペーパームーン

ハネモノNo.4

in→dependent theatre 2nd(大阪府)

2025/03/07 (金) ~ 2025/03/09 (日)上演中

実演鑑賞

満足度★★★★★

大竹野正典氏の作品で実際に起きた事件がモチーフなんでダークな世界観を想像してたら思っきりエンタメ演劇でぶっ飛んだ‼️(モチ良い意味)♪男役を女性が(しかも男役のまま)演じるハードルを軽々乗り越えてたのはエンタメに吹っ切ってたからそこが気にならなかったんかもね♪それが凄い★
特に好きやったのが「ニセ金庫作戦回想シーン♪」ここポップやったしどこかタランティーノ映画のような雰囲気も感じてめちゃめちゃ楽しめた🎵そして見終わってこのお芝居の1番凄いと感じたのは全員が「おっとこ前」やった事☆中でも藤井愛希子さんの男前ぷりは役どころもあるやろけど群を抜いてました☆お見事!あと衣装がポップで可愛かった〜♪

漲(みなぎり)

漲(みなぎり)

九蓮サイダー

Paperback Studio(東京都)

2025/02/27 (木) ~ 2025/03/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

【AC】の回観劇。自意識過剰な女の子と異父姉妹の話。どちらもツボにハマりましたね。次回作も気になります。

七人の墓友

七人の墓友

diamond-Z

荏原文化センター(東京都)

2025/02/27 (木) ~ 2025/03/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

これはグッときます。年を取ると、実に身に沁みる内容ですね。自分は散骨派なのですが。

 韓国現代戯曲ドラマリーディング ネクストステップVol.2

韓国現代戯曲ドラマリーディング ネクストステップVol.2

日韓演劇交流センター

座・高円寺1(東京都)

2025/02/28 (金) ~ 2025/03/04 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

【火 種】観ました。スタイリッシュな舞台なのだけど、何ともブラックで、不条理なコメディ。観終わると、どっと疲れました。

ご町内デュエル

ご町内デュエル

sitcomLab

ザ・ポケット(東京都)

2025/03/05 (水) ~ 2025/03/16 (日)上演中

実演鑑賞

満足度★★★★

Rightチーム観ました。王道路線のコメディですね。大いに笑わせてもらいました。

MIDSUMMER CAROL~ガマ王子 vs ザリガニ魔人~

MIDSUMMER CAROL~ガマ王子 vs ザリガニ魔人~

自由劇場

シアターD300(神戸大学国際文化学部大講義室)(兵庫県)

2025/03/08 (土) ~ 2025/03/09 (日)上演中

実演鑑賞

満足度★★★★★

流石自劇ですね〜
ランタイムは長いが、それを感じさせない展開
もう終わり?とでした
何度も泣きました
涙を止めるには、泣かないと

I CONTACT

I CONTACT

ステージタイガー

松原市文化会館(大阪府)

2025/03/08 (土) ~ 2025/03/08 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

勇気が出ました
ありがとう

『BORDER〜罪の道〜』

『BORDER〜罪の道〜』

五反田タイガー

六行会ホール(東京都)

2025/03/05 (水) ~ 2025/03/09 (日)上演中

実演鑑賞

満足度★★★★

チケプレでご招待頂き観劇。女子刑務所を題材にした舞台で、前半は軽微な罪を犯した子たちの明るいコメディのような感じで進みますが、後半から重い罪を犯した子たちが入所して来てシリアスな物語が展開しますので、この辺は観る人を選ぶかもしれません。そういうのが大丈夫なら楽しめると思います。カワイイ子も沢山出て来て楽しかったです。ありがとうございました。

血の婚礼

血の婚礼

劇団俳小

駅前劇場(東京都)

2025/03/05 (水) ~ 2025/03/10 (月)上演中

予約受付中

実演鑑賞

満足度★★★★

俳小の海外戯曲上演を観始めた最初が「群盗」。d倉庫で躍動の舞台に大満足した。この舞台の演出も菊池准氏であったとパンフに。
新劇系の俳優の客演を入れつつ公演を打つ俳小は今回も主要な役レオナルド他に客演を配していた。さてその出来は・・まず上田亨氏が音楽(+演奏)と見て「あ」と思う。というのも、この方は舞台を音楽で染め上げてしまう事がある。今回は良かった。挿入した歌・踊りもしつこくはない(歌い方、振付には少し注文を付けたくはなったが、恐らく天井の低い駅前の難点=俯瞰の光景として見せづらい等ミザンス面の問題が障りになった感もある)。フラメンコ・ギターの音色をキーボードで演奏するのに驚いたが、全く違和感がない(ギター演奏仕様の音譜になっていた)。

さて「血の婚礼」は自分の中では別格な作品だ。十数年前松田正隆氏の晦渋な演出で観たのが最初で、後は新国立研修所公演(よく演じていた)、前に無名塾で観た同作者の「ベルナルダ・アルバの家」がむしろ同じ世界観を体現していて、印象が重なっている。だがもっと遡るとスペインのカルロス・サウラ監督の映画でこの世界観の洗礼を受けた事を思い出す(同監督は「血の婚礼」も撮っているが私が観たのは別)。
花嫁が奪われ、婚礼の日の夜が血の夜となった。・・「血の婚礼」の筋書きは言えばただそれだけだ。主人公となる花嫁の、両端に引き裂かれる葛藤、その間のグラデーションでの心情が、どんな人間にも潜む根源的な欲求の「ある顕われ方」である事が窺えるが、それは茫漠として不可解な精神の深淵を想像する事を促される・・自分にとってはそういう作品である。
その意味では台詞に表れない要素(いや台詞のみならずアクションとしての「演技」にさえ表れない何か)が、大きく左右する面が大きい。
俳小の本舞台は鋭く迫る場面を生み出していたが、トータルとしてはやはり「随分難しい作品に挑んだな」という感想が最初に来る。芝居に「完成」は無いと言うが(この作品自体がそうとも言えるが)、創造的模索の道程を見た感である。作品をじっくりと眺めながら、様々な考えを生起させ、二時間ニ十分の道程を歩き切った疲労と共に帰路についた。夜はよく眠れた。

ジョバズナ鼠の二枚舌

ジョバズナ鼠の二枚舌

おぼんろ

新宿シアターモリエール(東京都)

2025/03/04 (火) ~ 2025/03/09 (日)上演中

実演鑑賞

満足度★★★★★

鼓動、鼠は1分間に600から700回、象は約20回だそうです。カラクリの真似をして心臓のあたりを押さえてみましたが1分間に60から70回と言う人間の鼓動はよく分かりませんでした(脈拍は取れましたが)。でも、生まれてこの方1回も休んでいない心臓もやがて止まる時が来るのだと思って、ひとつ決心したのでした。

夜明けのジルバ

夜明けのジルバ

トローチ

赤坂RED/THEATER(東京都)

2025/02/23 (日) ~ 2025/03/02 (日)公演終了

実演鑑賞

鑑賞日2025/02/23 (日) 17:00

11年目で7本目となる
トローチの新作。久々に太田善也の作演で。120分?3月2日まで赤坂RED/THEATER。

Lovely wife

Lovely wife

劇団青年座

本多劇場(東京都)

2025/03/06 (木) ~ 2025/03/16 (日)上演中

実演鑑賞

満足度★★★

ネタバレ

ネタバレBOX

青年座『Lovely wife』を観劇。

作・演出 根本宗子が青年座に依頼された作品で、高畑淳子主演ありきのようだ。

売れっ子作家を夫に持つ雑誌編集者・妻の出会いから結婚、終焉を迎えそうな夫婦の顛末記。
同世代の些細な事を描くのが得意な若い劇作家が、枯れていく夫婦の姿をどのように描いていくかが焦点だ。
常にテンションが高く、演技へのエネルギーを一瞬たりとも休ませない演出が持ち味の劇作家の下、老舗劇団の俳優陣はどのように対応していくのだろうか?いやどのように演出されるのだろうか?
過去作では、狭い小屋では収まりきらない俳優たちのエネルギーに何度も圧倒され、劇作家を追いかけ続けたが、今回の厄介な座組で出来るのだろうか?という心配はあり、それを無くしてしまうと全て欠けてしまうのだ。だが俳優たちに狙いをやらざる得ない戯曲を与え、ほと走るエネルギーが劇場に蔓延していた。
ただ圧倒的な劇的な力も、残りの人生を考えなければいけない老年を迎える大人たちを描くには説得力には欠けていた気がする。舞台装置を駆使し、過去から現在、そして若い頃の自分を客観的見れる演出もしていただけに惜しい。小さい劇場なら許されていた表現方法も本多劇場となると観客は納得したくなる終わりも見たくもなるのだと思って劇場を後にしたが、よくよく考えてみるとこの批評は間違っていたと後で気付く。
劇作家は徹底的に男性を罵倒し、女性優位を謳っている過去作を鑑みると、今作も同じような試みがなされている。いつまで経ってもだらしない夫が妻へ投げかけるクライマックスの陳腐な愛の讃歌の場面こそが、劇作家の持ち味を最大限に表している。この箇所に賛否が起こりそうだが、今作の面白さを垣間見れる瞬間と別れ道なのだ。
流石、根本宗子である。
淵に沈む

淵に沈む

名取事務所

小劇場B1(東京都)

2025/03/07 (金) ~ 2025/03/16 (日)上演中

予約受付中

実演鑑賞

満足度★★★

がらんどうの素舞台、暗転すると最小限の寝台や椅子や机がその都度運び込まれる。闇の中、拘束された寝台の上、日本国憲法を暗唱する男。「基本的人権の尊重」を叫ぶ。「うるせえぞ!」「黙れ!」との声とガンガン壁を叩く音が続く中、男は日本国憲法を訴え続ける。一体、誰に?

ここは精神病院、男(西山聖了〈きよあき〉氏)は東大法学部の学生だった20歳の時、統合失調症を発症、2003年に措置入院。一度退院するも父母への暴力行為で2005年再入院。それ以来20年ここにいる。父親が亡くなり、母親(岡本瑞恵さん)が三男である息子を退院させ共に暮らしたいと願い来院。主治医(鬼頭典子さん)はそれを喜び誠実な対応。精神保健福祉士(ソーシャルワーカー=相談援助、社会復帰支援員)の歌川貴賀志氏。看護師の今井優香里さん。看護助手の小栁喬(きょう)氏。だが精神病院の医院長である田代隆秀氏はそれを快く思わなかった。

役者陣は凄腕ばかり。各人、見せ場あり。鬼頭典子さんのまとった優しい雰囲気の受け答え、歌川貴賀志氏の誠実な魂、今井優香里さんの眼差し。岡本瑞恵さん、小栁喬氏は存在がリアル過ぎ。西山聖了氏の望まぬ病気で失った20年の重み。やはりMVPは田代隆秀氏だろう。文句の付けようがない。

これは救いの物語である。地獄の底で喘いでいる者達を何とか救おうと足掻く人がほんの僅かだが現実に確かにいる。何も出来ない問題に対し何とか救う手立てを考えている。治らない病気で見棄てられた人間をそれでも治癒しようとする。その姿に観客は思い知らされる。
是非観に行って頂きたい。

ネタバレBOX

これは仏教、菩薩行についての物語だと思った。他者を救うことにより、自らをも救っていく考え方。兎に角出来ることだけをやろう。出来ないことをあれこれ考えても無意味だ。身の回りの自分に関わっている人間だけでもいい。自己満足の偽善だとしても構わない。苦しんでいる人間を救おう。自分自身を救おう。何故なら全ての人間は救済される為に生きている。

自分は田代隆秀氏演ずる医院長の台詞に共感するタイプなだけに歌川貴賀志氏の純粋な精神に打たれた。利他行、もう宗教的なものすら感じる。他人がどうではなく自分がどうあるべきか。この問題は難しい。一人ひとりと向き合って対話すること。相手の話を真剣に聴いてやること。美味しいコーヒーを淹れる行為に人間社会の安らぎを託す演出。

植松聖をモデルにした映画、『月』を観ていたので小栁喬氏が闇堕ちするのかと少し思っていた。物語の難を言えば医院長が一人の入院患者に過ぎない西山聖了氏にそこまで拘るのが妙。医院長の性格からするとどうでもいい筈。
血の婚礼

血の婚礼

劇団俳小

駅前劇場(東京都)

2025/03/05 (水) ~ 2025/03/10 (月)上演中

予約受付中

実演鑑賞

満足度★★★★★

いつも素晴らしい舞台を見せてくれる俳小だが、今回は本当に舞台らしい舞台、演劇らしい演劇だった
特筆すべきは上田さんの音楽
フラメンコギター中心だが、場面場面で音楽の入りもフェードもピッタリで、劇的効果ももたらしていた
キャストの演技は早野、吉野両ベテランを中心に仕草、表情とも素晴らしかった
二人以外では加藤、新上の夫婦役や何度目かの西本の表情が印象的だった
小池は何度も主役で観ているからまあこんな感じだよなと言ったところ
ともかくセリフが「詩」のところが多いから、切り替えも大変なのだが、皆口跡もはっきりしていた
また「月」(福島)のダンスのエッセンスが効いていた
メインでない舞台端でも細かな演技がなされていたのは演出、キャストともお見事
劇中結構歌や踊りがあったが、早野、新上、西本の歌が記憶に残った
全体的に婚礼の明るく華やかなシーンもあって明暗のメリハリがはっきりしていた
相変わらずセットの作りこみも素晴らしかった

デマゴギージャズ

デマゴギージャズ

MONO

吉祥寺シアター(東京都)

2025/02/28 (金) ~ 2025/03/09 (日)上演中

実演鑑賞

満足度★★★★★

現代の話に時々明治維新のその祖先の話が絡まり面白かった
質の高い笑いで前日の下らん観劇のうっ憤を晴らす
まあ「デマ」「陰謀論」なんてものがテーマだから現代風刺にもなってる
キャスト皆表情素晴らしく、プロットも良くできていた
そしてこういうベテランの劇団に共通することとして、壁のしみに至るまで舞台美術が良く作りこまれていた
セットが15度くらい(?)斜めを向いているのは黄金比かもしれないな
デマは恐ろしいねぇ、とんでもない方向に導く

淵に沈む

淵に沈む

名取事務所

小劇場B1(東京都)

2025/03/07 (金) ~ 2025/03/16 (日)上演中

予約受付中

実演鑑賞

満足度★★★★

プログラムに精神病院における過去の虐待事件のことが書かれてあったので凄惨な物語を想像したが、そういうシーンはなく、精神医療をより良くしようと努力している人たちが描かれた社会派の内容。

プシュケーの蛹

プシュケーの蛹

中央大学第二演劇研究会

シアター風姿花伝(東京都)

2025/03/06 (木) ~ 2025/03/09 (日)上演中

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/03/07 (金) 18:00

 今回の中央大学第二演劇研究会2024年度卒業公演『プシュケーの蛹』というタイトルだけ見ると、現代舞踏集団群舞公演だと思った。
 しかし、実際観た公演は良い意味で裏切られて、混沌(カオス)としていて、アンドロイドに幽霊、宇宙人、さらに街の奇人変人で超個性的でアクが強い住人が舞台狭しと主人公3人とそれぞれ出会い、それらが複雑に絡み合っていて、最後のエンディングに向かって突っ走る。泥臭く、青春で、もどかしいまでのアンドロイドとの純愛の要素も絡まり、観念的、哲学的な劇でなかなか面白くて、その独特な世界観に引き込まれた。

 小西、中山、大野の三人はトリオでお笑いコンビを組んでいるが、目指す方向性や目標、将来像が違う。劇が進むに従って、小西は研究所でアルバイトを始めると宇宙人とひょんなことから出会い、大野は昼は骨董屋で夜はBARという明らかに胡散臭くて怪しげなBARのマスターに勧められるがままに飲んだお酒の効果によってか不思議と幽霊が普通に見えるようになった。
 そして劇の最初のほうで小西、中山、大野がシェアハウスを始めたアパートの中で見つけたアンドロイドるりを造った技術者を探そうとただの優しさから捜索を始めた中山が、アンドロイドるりと一緒に過ごすうちに、59日でるりとの現在の記憶が全て消えると分かっていながらも、本気でるりに恋をしていった。
 劇の途中から、るりが実はある豪雨の日に研究所所長が運転する車に乗った家族諸とも崖から海に落ち、海難事故で所長のみ助かり、娘のるりは遺体で見つかったが、人間として生かせないと知った所長はアンドロイドとして娘のるりを蘇らせ、今の技術では永久に生かせる程の高性能なアンドロイドは無理だと断念しつつ、現在の技術ではこれが最大限といった限界レベルでアンドロイドの命を持たせるといったような、アンドロイドるりを造った研究所所長や所員たちの思惑や、過去、所長の娘や妻に対する未練や後悔が滲み出ていて、アンドロイドるりの新事実や秘密が次々に暴かれていき、驚き、感動した。
 そして、終盤アンドロイドるりに対して純粋な愛を感じるようになっていた中山は新事実や秘密を次々と知り、とうとう耐えられなくなってるりと車で逃避行する。そういった状況の時に、小西が宇宙人との交流のことや大野の幽霊の話が全然違って進行していたようで、ここに来て仲間の中山とアンドロイドるりを探そうと、街の人たちも巻込み、一致団結し、繋がってきて、大変興味深く、良い意味でこれぞ混沌(カオス)だと感じた。
 何気に宇宙人や幽霊、アンドロイドやゴーストバスターズが街の景色に溶け込み、街の人たちに紛れ込んでいるのがさも普通といった感じに描いているのが、藤子不二雄のSF(少し不思議)な感じで緩く描いているのが、ある種の究極の多様性であり、何かじんわりと不思議な暖かさを感じた。

 ただし、純愛的なのは良いが、最終的に中山だけ蛹になることで、アンドロイドるりとの出来事を覚え続け、忘れないようにしようとするのは違うと感じた。それは、観念的、哲学的な終わり方としては良いかもしれない。
 しかし、アンドロイドるりとの想い出を引きずって諦めたか思考停止しているようにしか見えない蛹になるという結末よりか個人的には、娘と妻を海難事故で失って、娘をアンドロイドとして蘇らせ、妻の幽体をアンドロイドるりに移植せんとする研究所所長がアンドロイドるりの本当の持主で、元所長の娘だとしても、アンドロイドるりを真に愛しているのならば、中山が研究所から奪還し、きつく抱きしめ、涙が止めどなく溢れると、何かの拍子にアンドロイドるりが自らの意思を持ち、記憶が停止していたのが一気に蘇る軌跡が起き、ハッピーエンドというほうが良いと感じた。

 また、今回の劇は、ファンタジーでSFで、混沌(カオス)としていて、哲学的なのは良いが、闇陣営が出てこないのが物足りなく感じた。学生演劇にしては、プロとしての才覚があり、学生演劇に特にありがちな、内輪乗りもなく、大いに笑えて、感動もでき、とても良くできているだけに、残念だった。
 起承転結もしっかりと出来ていたが、惜しいと感じたのは、やはり闇陣営が出てきて、闇陣営によるリンチ(爪を剥がす。無論本物ではない。眼を刳りとる。本物でない墓石で叩く。鞭打ち。緊縛。本物でない指を叩っ切る)により息も絶え絶えの状況に追い込まれる等、残酷な場面、瀕死の場面、今まで信頼してた筈の仲間に裏切られたり、宇宙人の仲間の宇宙タイムパトロールに追い掛け回されたりと言った、激的だったり、緩急の激しい場面を入れ込むと、より劇に振り幅があって、完成度が高まると感じ、これからも劇作家の人には、プロの劇団を立ち上げて、書き続けてほしい。期待しています。

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