各団体の採点
ガラパ初観劇でした。前回の東京公演は残念ながら拝見できなかったので、楽しみにしていました。
会場のイムズホールでは、400席弱程度の会場をほぼ満員にして、さらに客席には若い人を中心にそれなりに年齢の高そうな方もいて、とても幅広い層の支持を受けている感じがしました。
基本的にコメディー作品を上演し続けていて、今回は少々これまでのカラーと異なり、メッセージ性が今までより強くなったということを地元の方に聞きました。しかし、初めて観た観客からするとそこまで気にするほどのものではなく、どこからどう見てもエンタメ路線まっしぐらだったと思います。ただ、どこかで観たことのある感じがしてしまうのは気のせいでしょうか。
初観劇でした。場内は満席で、開演前からお客さんの熱さ、期待感を実感しました。
内容はコメディと聞いていたので、安心してテンポのよい笑いに身を任せていたのですが、ラストに向かっての展開には驚きました。同じ時間を共有していたはずなのに、時が経ち大人になって道が分かれてしまうことの切なさを感じます。大切な思い出はひとつなのにね。
演者の皆さんの身体能力の高さにも驚きました。
終演後の生コメンタリーに至るまで、とにかくお客さんを楽しませようという姿勢が感じられてとても良かったです。
噂のガラパゴスダイナモス@福岡を初観劇。
まず目に飛び込んできたのは、客席の盛り上がり具合。中ホールにいっぱいの、それも若い(10代とか)お客さんにビックリ。物販コーナーも賑わっているようだったし、これだけやれて現場のスタッフも若い、とくれば福岡の演劇にも夢があるなぁと思わざるをえません。
横広の舞台にいっぱいに組まれたセットも今どき珍しいほど本格。して「正統派コメディー」との呼び声高いカンパニーの芝居ですが……、こちらははじめのうちこそ「笑いをとりにくる」気配いっぱいだったものの、次第に狂気をはらんだ展開に。どうやら今回は、カンパニーとしては「いつもと違う」ことに挑んだようでした。
楽しかったはずの同窓会が一転、過去の過ちを掘り返し、蘇らせる場となっていく。終盤近くの野球の試合再現の場は、過去と現在をつなぐ、とても演劇的な演出で、心打たれるものがありました。
初日の1ステージ目に伺ったところ、観客のわくわく度がハンパない!10代と思われる若い男女が団体で観に来ていたり、ロビー開場中から観客の熱気にあてられ、客席についてからは300席以上を満席にする劇団力を見せつけられました。「前回はあんな役だった役者さんが、今回はこんな役だ」と見守るような、固定客と劇団との幸せな関係も築かれており、いわゆる"大人気の若手劇団"に久しぶりに触れたように思います。
舞台は日本から離れたある島の、南国ムードいっぱいのホテルのロビー兼バー。高校野球部の同窓生が数年ぶりに集まり旧交を深めますが、それぞれが抱える問題が徐々にあらわになっていきます。
今年2月の東京公演同様によく練られたコメディーでしたが、意外にテーマが重くてメッセージ性も強く、終演後しばらく客席にとどまり、受け取った意味を咀嚼しながら余韻を味わいました。
今までになかった方向性を打ち出したようですね。笑いに特化した作品も良いですが、私としては今作で劇団の将来への期待がますます高まりました。
広いイムズの会場を満席にして福岡での人気の高さを感じさせた。役者のエネルギーと、観客のエネルギーが一体化し、とても熱いステージを実現していた。観ていてとても気持ちがいい。また舞台美術も見事で、細部までのこだわりに劇団力を感じた。
役者陣の演技もコメディでありながらそれぞれが誠実な演技で、笑わせようといういやらしさがなく、とても好感が持てる。脚本の笑わせどころ、泣かせどころのバランスも見事である。今回は前回公演から期間的に余裕がない中での新作でありながら、劇団としてさまざまな挑戦も見られ、短期間でここまでの作品を作り上げる創作能力にも感心した。
ただ、今回は舞台を海外にしていることの意味が私にはわかりにくかった。それが残念。それ以外は完成度が高い。