各団体の採点
BOYSとGIRLSの2バージョンで上演された本作だが、時間の都合でGIRLSしか観られなかったのが残念。
ある事件の容疑者となった日本人女性9人。彼女たちが監獄の中で繰り広げる犯人探しを、スリリングな展開と細やかな演出でエンターテインメント性の高いものに仕上げていた。
監獄というワンシチュエーション、ほぼ出ずっぱりの役者、謎解きのために張られた数々の伏線、意外な結末……。
よく観る・聞く感じかと思うかもしれないが、これらの要素(それもある一定以上のレベルのもの)をまんべんなく盛り込み、2時間近く観客を惹き付けるためには、かなりの筆力と演出力が必要となる。なので、「よく挑戦したなぁ」というのが観る前の感想だった。
アメリカ、カンザス州にある小さな町の留置所に入れられた、9人の日本人のお話。犯人探しのエンターテインメント推理劇でした。客席前列まで張り出した具象美術は、高さもあってしっかりしたものです。
役者さんは、「こんな場合、この人はこうするだろう」と想像して作り出した、架空のしゃべり方をなぞる(真似する)ような演技をされているように見えました。どこにもいない誰かの皮を被ったような演技を見ても、フィクションの中に浸ることはできず。外側から物語がどういう方向に進むのかを眺めていました。
4/22(水)マチネ終演後のスペシャルイベントでは、作・演出の松本陽一さんの司会のもと、BOYS版、GIRLS版両方の出演者が全員登場。BOYS版を観た観客へのGIRLS版の紹介や、公演DVDなどの宣伝も兼ねたもので、ファン向けの企画のようでした。「CoRich舞台芸術まつり!2009春」のことも紹介してくださっていました。※クチコミにも丁寧にコメントをくださって、ありがとうございます。
無料配布の当日パンフレットはA3サイズのフルカラー。ファンクラブ会員募集やDVD、写真集(なんと8000円!)の販売なども充実しています。
開演15分前から舞台上で役者さんがトークをされていました。WEB上で行っていることをライブでもやるという企画で、観客へのサービスおよび宣伝をがんばっているのが伝わってきました。