最新の観てきた!クチコミ一覧

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CARNAGE

CARNAGE

summer house

アトリエ第Q藝術(東京都)

2025/03/26 (水) ~ 2025/03/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

初日を拝見。面白い。見応えあり。ナイロン100℃水野小論が思い立っての初プロデュース、海外戯曲をアトリエ第Q劇場で、とだけで未知数だが(否未知数だけに)興味津々であった。
この劇場ではしばしば「劇場」という場(ロケーションを含めて)を意識する観劇体験になる事が多いのだが、本作では開始から劇世界に引きずり込まれる。ソファ、椅子、花を活けた器、電話台といった室内の具象アイテムが飾られてはいるが、(人を超えない存在感で)芝居の進行を支える。これらがタイトな盛りに見えるのはタイトな台詞劇が出来ている事の投射だろう(途中「消え物」を用いるが得てして散漫になりかねない所それさえも計算の内に処理されている風に見えるのを感心しながら見ていた)。
今思い出すに・・2組の夫婦、フランスで、と言えば、ゼレール作品「嘘」があった。ワン・シチュエーション(コメディ)の範疇と言って差支えないが、警句が辛辣で安易な笑いを許さないものがある。攻めた会話が役者個々によって十分に咀嚼され吐き出されているように見える快感。

初日ゆえネタバレは控え、我が注目の一人伊東沙保はやはり秀逸だった、と申すに留める。
後日追加したし。

青少年のための純恋愛入門

青少年のための純恋愛入門

バザール44℃

STスポット(神奈川県)

2025/03/18 (火) ~ 2025/03/23 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

深谷氏の新ユニットへの興味で観に行ったのだが、タイトルからもっと頭でっかち系な抽象度の高い内容かとの予想は裏切られ、がっつりドラマであった。もっともタイトルに「入門」とある通りの(解説者ありの)講座形式を取り、進行するが、3組のカップルの恋愛模様が「恋愛入門」のサンプルのレベルを遙かに超えてディープな人間模様が描かれる。笑える場面は芯を穿った場面。一方台詞が輝く(美しい)場面もあった。

アンサンブルデイズ

アンサンブルデイズ

Bunkamura

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2025/03/20 (木) ~ 2025/03/23 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

東急デパート本体が早々に解体された風景は見ていたが、COCOONが残っていたとは知らなかった。懐かしさも手伝って、また新しく始動した本格的俳優教育プログラムの成果と松尾スズキ作品を観たさに、出かけた。
朱雀組しか観られなかったが、シングルキャストも何名か居り、玄武組と大きな差が生じる余地は認めず。というより松尾スズキのこの新作が3時間弱に及ぶ大人計画本公演並みの本域作品であり、時宜に適った笑える台詞やキレイに通じる荒唐無稽さと、役者志望の若者(彼ら自身でもある)を登場人物としながら痛い人間像、爛れた人間像を手心加えずに描き出す。要は、芝居の中身の方に引き寄せられていた。
約一名、遠目にも既視感のあった俳優はムシラセ等で何度か目にした女優。初見での印象(せいぜい二年前)に比してもスケール感が増し(芝居と役のタイプもあるのだろうが)、他の若い役者たちも松尾作品を奏でる要員として存分に振り切れた演技を繰り出している。
片チームだけでそれなりの人数がいるが、開始して三、四場面で既に俳優個々の役のキャラ付けが出来上がっており、脳内で腑分けされている。これまで松尾氏を劇作家としては我流、独特で舞台化ありきでどうにか成立しているタイプだと、何とはなしに思っていたのだが、彼らのために書き下ろした本作を観て改めて劇作家としての力量を流石と唸った。
多用される歌、群舞(ムーブ)もよく、アンサンブルもグレード高く、胸熱で終演の拍手を送ったのであった。

CARNAGE

CARNAGE

summer house

アトリエ第Q藝術(東京都)

2025/03/26 (水) ~ 2025/03/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

面白い、お薦め。
初めて観る演目、映画「おとなのけんか」(邦題)としても上映されたそうだが 観ていない。舞台は、虚構の世界を空間と時間を使って どう描き出すか。しかし この劇は、現実の出来事をその時間の中で紡ぐ、言い換えれば 現実を舞台という虚構の世界で描くといった感覚だ。敢えて空間を作らず、時間も流れない。今そこにあるリアル、その漂流するような会話や行動を覗き観るといった楽しさ面白さ。

舞台はフランス、登場するのは二組の夫婦、その4人が 子供の喧嘩の後始末を話し合うために集まる。中流階級でリベラルを自認する人達が、いつの間にか本質からずれた話し合いになり、だんだんと興奮し我を忘れる。リアルな空間と時間、その中で役者陣の自然な演技が臨場感を増していく。自然(体)という確かな演技、それが異様な雰囲気を漂わせていく。喧嘩の当事者である子供は登場しないが、会話の端々からどのような子供で親子関係なのかが垣間見えてくる。色々なところに飛び火した会話を通じて、一人ひとりの人物像が立ち上がる。いつの間にか(リベラルという)化けの皮が剝がれ 本性剥き出しの激論、それがどこに辿り着くのか目が離せない。少しネタバレするが、この舞台をひっ掻き回す者でありモノが肝。

舞台美術は、話し合いが行われる家のリビングルーム。その光景がさらに現実味を帯びるような錯覚に陥る。どこにでもあるような空間だが、工夫も凝らしている。それは劇中でトイレ、洗面所に行く場面では、ある舞台セットを回り込むという動作が加わる。その動線が同一空間の中で別の意味合い(廊下)を表しているようだ。細かいところだが、これによって居住空間の広がりを的確に表現している。実に丁寧な演出で巧い。
(上演時間1時間25分 休憩なし) 追記予定

ネタバレBOX

舞台美術は、中央にソファとテーブル、その斜め横に椅子2つ。後ろの壁際に2つの置台ー1つは電話、もう1つに煙草、酒瓶が乗っている。客席側の上手/下手に本の山、中央の花瓶に50本のチーリップが活けてある。中流階級の家庭、本の山は 仕事であり良識等といったリベラルの象徴か。

登場人物は わずか4人。被害者側の夫婦=ヴェロニク(水野小論サン)はライター、ミシェル(小林タカ鹿サン)は雑貨商、加害者側の夫婦=アネット(伊東沙保サン)はファイナンシャル・プランナー、アラン(小野健太郎サン)は弁護士。子供同士が喧嘩をして、棒を振り回して相手に前歯2本を折る怪我をさせる。初めのうちは穏やかに話していたが、だんだん本来の目的と違う方向で議論し始める。その行き違いとなる分岐点が曖昧、ただアランの携帯電話が頻繁に鳴り、話し合いが度々中断し、皆 少しずつイラついてくる。一方、ミシェルの母親からも電話が…。この姿を現さない相手(電話)に翻弄されていく。
以降 追記予定
Better Days

Better Days

“STRAYDOG”

アトリエファンファーレ高円寺(東京都)

2025/03/26 (水) ~ 2025/03/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/03/26 (水) 18:00

初日のアクアチーム公演を観てきました。
歌ありダンスあり、笑いあり、そしてしんみりくるシーンもあり、とても満足のいくひと時でした。

お目当てだった美喜あい圭さん、とても可愛かったな💛

TARKIE~伝説の女たち~

TARKIE~伝説の女たち~

ケイローズ株式会社

有楽町よみうりホール(東京都)

2025/03/24 (月) ~ 2025/03/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

日本のエンターテイメント黎明期をエンターテイメント作品に
波乱に富んだ時代背景、松竹少女歌劇団vs宝塚歌劇団の対立シーンは格別に面白く、戦争の闇の中、水の江瀧子さんの逞しさに光を感じました
なんと演劇にも関わる時期があったというのも興味深い
見入っているうちに演出が植草克秀さんだった事を思い出し、あぁ確かにと
めくるめく生バンドでのレビューショー、ラストに向けての大盛り上がり、とことんエンターテイメントで満たされていくスタイルはかつてのジャニーズ公演と通じるところが多い(宝塚との相性も良いし)
アフタートークでは植草さんご本人も登壇
少年隊仕込み、演者に近く親しみやすい演出家という雰囲気がしました

わたしの紅皿

わたしの紅皿

劇団銅鑼

銅鑼アトリエ(東京都)

2025/03/19 (水) ~ 2025/03/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/03/25 (火) 14:00

西日本新聞が終戦からしばらくして設けた女性の投稿欄「紅皿」を題材にした舞台。市民の投稿欄が朗読され、その物語が舞台で演じられることによって、当時の女性たちの思いが生き生きと浮かび上がった。演じるということで伝わる力、その力強さを存分に感じることができる。

舞台で取り上げられている投稿が書かれたのは、朝鮮戦争特需で日本が経済復興し、自衛隊の発足(再軍備)が進められているころだ。戦争で家族を失った女性たちの多くが「もう戦争はこりごりだ」と感じており、舞台では「再軍備は絶対に反対」と言い続ける母親が登場する。その息子が「大国に守られているだけでは自分の国は守れない」などと言って自衛隊への入隊を打ち明け、母親と激しく衝突する。

複雑化する国際情勢、パワーバランスの中で、自国をどのようにして他国の侵略から守るかというのは、戦後80年たった今も変わらない論点だ。しかし、舞台が扱っている当時と決定的に違うのは、「再軍備反対」と声高に叫ぶ女性たちの姿が今は見られないこと。また、それに加えてさしたる議論もないまま、自衛のための再軍備どころか、敵基地を先制攻撃する軍備までそろえようとしているところが大きく異なる。
「戦争などもうこりごり」という市民の姿がはっきり見えないところが当時よりいかにも危うく映る。舞台ではこうした現状まで直接的に触れられていないが、原作者がここを意識しているのは明らかだ。客席もこうしたメッセージを受け止めて、舞台に見入っていたと思う。

単に投稿を読むだけならそれで流れてしまうかもしれないが、舞台化されることで、客席では投稿によって何度も涙をぬぐう姿もあった。「読む」から「見て感じる」へ。演劇という伝え方のパワーを知った貴重な時間だった。

わたしのおはなし

わたしのおはなし

東京ノ温度

新宿眼科画廊(東京都)

2025/03/14 (金) ~ 2025/03/18 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/03/16 (日) 13:00

元ネタのないオリジナルだし川島さんは出演しないし、と新境地?
そこで語られるのは時間ものでは馴染みのパターンで、そこを丁寧に描くために理屈っぽい感が無きにしも非ずだが、そのテが好きな身として「因果律と運命論」などに「あーそれな♪」と頬が弛む。
(以降ネタバレBOXへ)

ネタバレBOX

15年後の未来から来た廻里が「身体ごと来た」のではなく「心/意識だけ今のメグリに入った」ことの「舞台での見せ方」とそれを観客に悟らせる会話が巧い。(「もう一人のメグリ」であるアイナ(?)の舞台表現と会話での明かし方も同様)
あと、廻里が母をとめようとする理由を明確にしないので事故死かと思ったが終盤で15年後に戻った廻里が「また病院」と口にすることで命に別条がないことを察して胸をなでおろす。川島さんの優しさか?
極めてやわらかい道

極めてやわらかい道

ゴーチ・ブラザーズ

本多劇場(東京都)

2025/03/20 (木) ~ 2025/03/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★

デビューして間もないころ、松井大悟の劇団の舞台で見た。十年前。下北沢の小劇場だったが、この再演は本多劇場だ。それだけに、大筋は変わっていないが、細かいところに手が入っていて、今風の男優に当てて直したところでは一群の若い「推し」女子客だけがどっと嬌声を上げる。尤も全体の入りはやっと半分というところで、この作者も難しいところにきている。
芝居は一時期はやった引きこもり族の純情愛物語で、外側には自己愛的なセクハラ、パワハラ、暴力が張り付いている。そこは風俗的なのだが、ドラマが10年たつと照準が合わなくなる。
三十近い男たちが純情を寄せるコンビニ女店員の日々の生活をのぞき見して話し合っては自己愛の完結を共有する、というのでは、長持ちがしない。今のご時世ではノゾキは即犯罪でご用になりかねない。その為にボール紙で外から見えないようにのぞきあなをつくる、などという小細工からして嘘っぽい。その思いの描き方が異常、暴力、セクハラと紙一重というところで描かれていたからで、かつては当時の若者風俗として容認されていた。
引きこもり族全盛期にはある種のリアリティはあっただろうが、時代がこの芝居を難しくさせている。
ゴー値ブラザーズの長塚圭史も阿佐スパの時代にはこういう青年期の客気充満の身勝手ドラマで売り出したが、これではどうにもならんと方向転換した。面白い物である。10年たって、再演でみると言うことはあまりないことだが、考えさせられることもある公演だった。

ほおずきの家

ほおずきの家

HOTSKY

J:COM北九州芸術劇場 中劇場(福岡県)

2025/03/22 (土) ~ 2025/03/23 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★

鑑賞日2025/03/23 (日) 13:30

座席1階

■“モデルプレス読者モデル”松本旭平、2年ぶり再演舞台で自信 意気込み明かす
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=137&from=diary&id=8237661

 「鬼灯(ほおずき)」を盆に死者の霊として飾る風習は、日本だけでなく、韓国、ベトナムにもあるらしい。多分、ルーツは中国だろう。
 最近観た某アニメでは「ほおずき」は堕胎を促す毒薬として描かれていたから、いささか不気味な印象も感じないでもないのだが、本作でのほおずきは、ごく小さな、魂の宿る木の実であって、どこか切ない。

 タイトルの「ほおずきの家」とは、北九州にある小さな食堂のことだが、これまた別に死者が大挙して集まっているようなホラーハウスなどではない。主人公の家族を含めて、そこに集うお客たちなどはごく普通の人々。彼らのごく当たり前な日常が描かれるのが「ほおずきの家」のあらましだ。
 仕事帰りにちょっと一杯、でも明日も朝から早いから、飲み過ぎには注意、そんな市井の人々の光景は、現実の北九州でも普通に見かけることなのだろう。要するに本作は、これまで何百何千と作られてきた「ホームドラマ」の一つだ。北九州を舞台にした『寅さん』シリーズと言ってしまってもそう間違ってはいない。登場人物たちのいざこざが「人情」で解決される顛末も、悪く言えば「ありふれた人情喜劇」の展開だ。作者の釘本光はかなり向田邦子に陶酔してるんと違うかな。

 ただちょっとだけ「普通」と違っているのは、この店の女主人・凪が、時折、他人には見えない「誰か」と会話をしていることだ。それは35年前に彼女を捨てて上京、客死した元夫の信洋である。
 信洋は在日コリアンの二世だった。凪との結婚も、そのことが理由で凪の母親に反対され、破談になった。映画監督を目指していた信洋は、本名の「金信洋」名義で1本の゙映画を残し、東京に去った。しかしその時、凪のお腹には、彼との間の娘が宿っていた。
 それから三十数年、信洋は北九州に帰ることなく、凪や娘に会うこともなく世を去った。その信洋の魂と、凪は時折、会話を交わすのである。お互い、後悔がないわけがない。しかし、あの時どうすべきだったかを語ったところで、それは全て取り返しのつかない過去の出来事だ。

 言葉は虚しく虚空に舞う。凪が見た信洋は、本当に本人なのだろうか? 単に凪が見たいと望んだ幻に過ぎないのではないか。信洋を結局は引き止めることが出来なかった凪の心情を思うと、こうして“都合よく”現れてくれる信洋の存在は、やはり彼女自身が自分を慰めるために作り出した虚報ではないかという気がしてしまうのである。
 そのあたりの解釈は観客の想像にお任せする、と言われそうだが、女が先に男を捨てたのでなければ、男は女を捨て土地を捨てて出ていく必要はなかったはずと、どうしても釈然としないものを覚えてしまうのである。全てが許されたような、さっぱりした顔をされてもどうなんだろうね、って思ってしまうのだが。

ほおずきの家/J:COM北九州芸術劇場
https://q-geki.jp/events/2025/hotsky-hozuki/

ネタバレBOX

 下町を人情味のある現世のユートピアであるかのように描く「寅さん」のような物語は、偽善的で好ましいとは思わない。
 北九州にも差別があったことは、在日コリアンの問題として描かれるが、それも三十数年前のことで、今はそんな差別もない、と言いたげな描写が続く。凪の娘は幼馴染からのプロポーズを待っているし、ベトナム人の女性に店の常連客はみんなぞっこんだ。
 そんな嘘くさい話があるか、とどうしても思う。今だって、恋愛の相手が実は在日コリアンの血を引いていると知ったら、結婚は躊躇するって輩は多いだろうし、遊びでもなく本気でベトナム人女性と付き合いたいって男もそういるとは思わない。
 作者は本当に何の疑問もなく、こんな「清く正しい人々」ばかりが集う場所が北九州にあると断言できるのだろうか。私も北九州には一時期住んでいたことはあるし、知り合いも未だに何人もいるけれども、そんな「いい人ばかり」じゃないって印象なんだけどね。
 少なくとも「もう差別なんて全くなくなりました」みたいな描き方はしないでほしかったと思う。そうでないと、どんなに差別を乗り越えた世界を描いたところで、かえって心に響いてこないんだよ。

 作者も北九州出身なら、演出も北九州で幼少期を過ごした横内謙介だったというのも、マイナスに働いた面があるように思う。地元の嫌な部分、悪い面は描き難いってのも分かりはするんだけどね。
 その土地を客観的に観るためには、地元出身じゃない方が良かったんじゃないか。小倉と言えば真っ先に思い浮かぶのは無法松でさ、まあ、あそこまでカリカチュアされてる乱暴者もそうそういないだろうけれど、いかにも小倉人って感じのキャラクターもいなかったよなあと思うのである。
 酒飲んで事故起こすやつが一人くらいいそうなもんじゃない。あんなにゴチャゴチャした人間関係だったなら。

 上手と下手とを異界であるかのように分断した演出も中途半端である。異界なら異界として、他の用途に使うべきじゃない。ある時はあの世、ある時は普通の岸壁、といった感じで、役割がいろいろ変わると、空間の持つ鋭敏さが薄らいでしまうのだ。
 そう、「何か全体的にボケてた芝居」、そう評するのが妥当であるように思う。
ヨコハマ・マイス YOKOHAMA MICE

ヨコハマ・マイス YOKOHAMA MICE

神奈川県演劇連盟

神奈川県立青少年センター・紅葉坂ホール(神奈川県)

2025/03/21 (金) ~ 2025/03/23 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

家族愛をテーマとしたストーリーで年齢問わず楽しめる舞台であった。横浜の土地勘があると更に楽しめる。
立派な施設での回転するセットや効果的な音響は素晴らしく、クライマックスの歌とダンスは迫力があって盛り上がったと思う。

幽霊

幽霊

ハツビロコウ

シアター711(東京都)

2025/03/25 (火) ~ 2025/03/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

面白い。
ハツビロコウらしい重厚にして骨太作品。しかし 今まで観てきた公演、例えば 同じイプセンの前作「ヘッダ・ガブラー」のような重苦しい緊張感はあまりない。逆に この公演の魅力は、テーマ性というか物語性が鮮明で分かり易いところ。当日パンフに代表の松本光生 氏が、イプセンの戯曲をもとに複数の翻訳本やグーグル翻訳を参考に上演台本を書いたとある。そしてタイトルにある「幽霊」、それは現代に生きる我々にとって何なのか、どのような影響を与えているのかを意識したとある。

1881年、イプセンによって書かれた戯曲が 現代日本によみがえり 何を伝えようとしているのか。観客それぞれ思い抱くことは違うであろうが、少なくとも因習や慣習に囚われた閉塞感、不自由さはしっかり描かれていた と思う。また人間が抱いている思い、その願望が封じ込められた時、大きな反動が狂気を生む。それは 本人だけではなく、その家族をも巻き込んで…。

旧弊的な道徳観・価値観は崩壊し、同時に正当な倫理観も失われつつある。それは自己中心的な思考と行動、そこには欺瞞や強欲が潜み それが社会に蔓延していく怖さ。公演では宗教(牧師)を以って倫理観を説き、その建前に人の希望や願望が抑制されるといった矛盾。舞台という虚構(俯瞰)の世界、しかし現実における世相・世情を見れば、今でも言われ続けていることに気づく。その意味では現代においても色褪せない、根本的な問題を孕んでいる。さらに 少しネタバレするが、近親相姦や安楽死などのセンセーショナルな出来事も描かれている。それが140年ほど前に書かれた戯曲ということに驚かされる。
(上演時間1時間45分 休憩なし) 

ネタバレBOX

変型の二重舞台。舞台美術は 中央にテーブルと椅子、上手にベンチのような椅子、下手奥に机のような置台と壁に大きな鏡。上演前から男が俯いている。そして波の音や船汽笛が聞こえる。全体的に昏く重厚感が漂っている。

舞台は 峡湾に臨むアルヴィング夫人の屋敷。彼女は愛のない結婚生活を否定しつつも、因習的な固定観念に縛られて放縦な夫から離れらずにいた。夫が亡くなり10年、彼の名を冠した孤児院の開院式の前日から物語は始まる。夫の偽りの名誉を称える記念式典を前に一人息子オルヴァルがパリから帰ってくるが、因習の幽霊がふたたび夫人の前に現れる。勿論「幽霊」は比喩であり、公演では2つを示唆しているよう。

1つは、この地での因習や慣習といった前例踏襲といった目に見えない仕来り。かつて夫の放縦に耐えかねて牧師 マンデルスの元へ逃げたが、夫に使えるのが妻の役目と突き放された。夫は召使の女を犯し、それを目撃したアルヴィング夫人は 悪影響を心配し 7歳の息子をパリへ。そして召使が産んだ子が、今 使用人として働いているレギーネ。つまりオルヴァルとレギーネは異母兄妹、何も知らず 悪病に侵された兄は妹に好意を抱き一緒に暮らそうとするが…。もう1つの「幽霊」は 遺伝ー父の放縦は息子に受け継がれ、パリで放蕩な生活を送った。それを共同生活で多くの交友関係といった事から におわせる。放縦な夫は亡くなったが、愛息が忌まわしい「幽霊」を受け継いでいたという皮肉。

この劇は「過去」が起点になっており、それを明らかにするだけではなく物語の回転軸になっている。「幽霊」という目に見えない因習等から逃れようと足掻くアルヴィング夫人、しかし感情はその環境から抜け出せないといった奇妙さ。フランス古典劇の「三一致」の時空の中に回顧という「過去」の目に見えない「幽霊」を見事に立ち上げた。自由を奪われた閉塞感、そんな環境下では能力を発揮出来ない という悪循環に陥る。一方では因習、建前という鎧で身を固めた自己保身、それが宗教(牧師)の言葉となる。

照明は状況を効果的に表す。例えば孤児院が火事になる朱色、時間の経過を表す諧調、そして最後 アルヴィング夫人が愛息オルヴァルを抱きかかえ、日が昇り その陽の中で2人はシルエットといった余韻付けは見事。
次回公演も楽しみにしております。
アオミドロ先生とメダカちゃん

アオミドロ先生とメダカちゃん

演劇ユニット『Yup!!』

シアターココ(愛知県)

2025/03/22 (土) ~ 2025/03/23 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2025/03/23 (日) 11:00

ちょっとふざけたタイトルだったし
チラシのイラストもなんだか芝居とマッチしない感じで
最初ギャグなのかな?と、思って観に行ったんですけれど
構成とかコンセプトとか結構真面目に作られていて面白かったです。
ただ、やっぱり本人立ち直るところが少し弱かったかも。
どっちかって言ったら母親の側に問題あるように思えましたが。
はぴねすシネマ24の松っしーさんも出演されてたのはサプライズだったけれど
相変わらずのハイテンションでちょっと浮いてたかな?
他の俳優さんたちもそれぞれ個性がよく出ていたし
音響さんもあれって、俳優さんの方が音に合わせてるんでしょうかね?
ドアの開閉音とかピッタリ演技と合ってて、
なんかそんなところですごいなと感じながら観てました。

青少年のための純恋愛入門

青少年のための純恋愛入門

バザール44℃

STスポット(神奈川県)

2025/03/18 (火) ~ 2025/03/23 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

旗揚げ公演らしく、熱も演出のアイデアも盛沢山でした。
正直、物語が裏返るまでは、退屈さのほうが勝ってしまって。
終盤30分の展開はなかなか面白かったのだけど、そこに至るまでは丁寧だけど冗長すぎた。
序盤から中盤まであれだけやるなら、ラストにもう一段飛び越えるものが観たかったかも。

二対一

二対一

壱劇屋

CBGKシブゲキ!!(東京都)

2025/03/19 (水) ~ 2025/03/23 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

一幕が不満でした。
兄弟の物語、親子の物語。ここらが本筋部分であるわけなので、そこをもっとわかりやすくして欲しかったな。
周辺にも色んなドラマ、人の想いががあって、そこらも存分にってのはわかるのですが。
情報量が飽和して焦点が定まらない感じがありました。
東京支部さんのワード有り、パラデュール観た時以来、そこらが気になるところだったりします。
リピートしながら考察して楽しめば一幕は味わい深い気がするのだけど、そういうのは演劇でやるにハードル高すぎる気もします(リピート観劇するハードルが高い)。

二幕はもう最高の一言でして。
終盤の怒涛の殺陣は言わずもがな。
今回は、その前段階のお祭り。まあ、福男選びなんですけどね。
観客まで巻き込んでの大運動会があったりして。
めちゃくちゃ楽しかったです。

TARRYTOWN

TARRYTOWN

TARRYTOWN実行委員会

浅草九劇(東京都)

2025/03/15 (土) ~ 2025/03/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

歯応えのある作品を求めるおとな向けの小編成ミュージカル。
首無し騎士の伝説が語り継がれ、ミソジニーやホモフォビアが溢れかえる郊外を舞台に、ふたりの男とひとりの女の屈折含みの生活と、不毛な三角関係が描かれる。

それぞれの感情と思考、嗜好までもがこれでもかとばかりに詰め込まれた歌の情報量の多さときたら。これを歌いこなして、ドラマのグルーヴをつくっていくのは、腕に覚えがあるメンバーでなければ難しいだろう。

ネタバレBOX

しかも、3人は対話しているようでいて、あらかじめ分断された場所に立ち、ほとんどの台詞、歌を正面(客席)に向けて発している。孤独な三人の”対話”は、近づきそうで近づけず、分かり合えそうで分かり合えず、だからこそ、目が離せない。

そして訪れる、砂を噛むような、後味の悪い結末、とも言えないいったんの帰結。抜け出せそうで抜け出せない苦しみは続く。それは、ここが閉鎖的な郊外の、古い言い伝えが生き続ける街だからだろうか。否、考えてみれば、ほとんどの人は、大都市ではない、こうした周縁に住んでいるではないか。
あのね、あの時、あの夜の音。

あのね、あの時、あの夜の音。

劇団さかさまのあさ

ひつじ座(東京都)

2025/03/20 (木) ~ 2025/03/23 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/03/23 (日) 18:00

価格4,000円

昨年初めて観た時に大好きになった団体さん。今回もすぐチケット取って拝見しました。
舞台美術や衣装はとても明るく可愛らしいのに、心の奥底に沈んでいる果てしない哀しみをそっと掬ってくれる、そんな話に感じました。
ちょっと昔の死語達もキャラクターとして主人公の探し物の旅に出て、長い迷いの旅から現実に戻るまでの舞台は私たちが悩みや哀しみとの葛藤とシンクロするかのようでした。
また次も絶対観に行きます。

あのね、あの時、あの夜の音。

あのね、あの時、あの夜の音。

劇団さかさまのあさ

ひつじ座(東京都)

2025/03/20 (木) ~ 2025/03/23 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2025/03/20 (木) 13:00

可愛いファンタジーのふりして人生の懊悩を描き救う、とんでもない劇団だなと思いました。

今回は当日券出ない日も多くて、次からは早めに予約します!

零れ落ちて、朝

零れ落ちて、朝

世界劇団

JMSアステールプラザ 多目的スタジオ(広島県)

2025/03/22 (土) ~ 2025/03/23 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

「人間の尊厳を問う物語」

 現役の精神科医として医療現場に携わっている作者が、太平洋戦争中にアメリカ軍の捕虜に生体解剖を施した「九州大学生体解剖事件」を題材に、グリム童話『青ひげ』をモチーフに創作した2023年初演の再演である。

ネタバレBOX

 波音と鳥の声が響き渡るなか、上演がはじまると奥から娘(小林冴季子)が出てきて観客に向け身の上を語り始める。娘はちいさな山のうえにある城に青ひげを生やした男に嫁され、いつも床を白く磨くようにと命じられていた。城のなかには入ることを禁じられた部屋があり、そこで男はなにかよからぬことをしていると街の人々に噂されているのだ。部屋のなかを知りたいという誘惑に負けた娘が扉を開けた先に目にしたものは、おびただしい数の死体の山だった。

 やがて青山という男(本田椋)がやってきて自らの仕事について語り始める。医師である青山は弟子(本坊由華子)とともに病気の患者にリスクの大きい施術をすることで、他病院よりも大きな実績をあげようと躍起になっていた。しかし度重なる失敗で患者はことごとく死に至り、そのことを隠蔽しつづけてきたのである。青山は保身のため娘に城の床を拭きつづけろと命じていたことがここでわかる。やがて大佐(本坊由華子・二役)がやってきて、無差別爆撃を行った敵兵の捕虜を生体解剖しないかと青山に声をかけ――開戦から戦中、そして敗戦へと移り変わる激動の時代のなか、次第に娘と青山は狂気の世界へ足を踏み入れていく。

 本作の特徴は説明的な台詞を極力廃し、似たような場面を繰り返し反復しうねりを作りながら展開することで、観客を登場人物の感情移入させやすい作劇を採用した点である。また何役か兼ねる俳優がゴツゴツした荒っぽい動きや振りで台詞を述べることで、感情の波が視覚的にも豊かな情報として舞台上に再現されていた。当初は穏やかだったSEも次第にノイズまみれのそれに変転していく。いわば音楽劇や舞踊劇に近い感触の作品である。場面が進むにつれて同じ台詞でもまったく異なるニュアンスで聞こえる発見もあった。

 舞台を観ていて私はシェイクスピアの『マクベス』を想起した。己の名声を求め道を誤る青山と脅迫的に汚れた床を拭き続ける娘の様子もさることながら、3名の村人たち(出演者3名が兼役)の会話が時代背景や青山夫妻の状況を客観的に説明する役割を担っていた点は、マクベスに予言し今後の展開を示唆する荒地の魔女たちと重なって見えた。くわえて、ダジャレのような台詞や、「よくわからぬことはよからぬこと」(これは娘の台詞だが)に象徴される倫理観を根底から揺さぶろうとする作者の意図も、荒地の魔女の「きれいは汚い、汚いはきれい」に重なって聞こえてきた。

 加害の物語を書くことで戦時に近い状況にある現代を問うという作者の主張は明確であり、そこに熱演が加わることで並々ならぬ思いはひしひしと伝わってきた。とはいえ一点に向って進んでいく物語は図式的であり安全でもある。最後にぽつねんと座る性も根も尽き果てた青山の姿は、私にとっては舞台中盤からある程度予測ができるものであった。加害に至らざるを得なかった人物の背負ったものもぜひ見たかったと思うのは望蜀だろうか。
泡風呂で生まれなおす

泡風呂で生まれなおす

COLLOL

cafe MURIWUI(東京都)

2025/03/20 (木) ~ 2025/03/20 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

夜の回観ました。朗読劇4本立て、なかなかに楽しめました。田口アヤコさんの自作、45歳になったジョバンニの話は妙にリアルで切なくて、泣けますね。多分賢治も泣いている(笑)。川上弘美氏のaerは未読で、この場で初めて聴きましたが、女性の生理と性の話、ツッコミどころが多くて、笑ってしまうけど、笑ったらハラスメントになるのかな。原作をじっくりと読みたいと思いました。

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