実演鑑賞
満足度★★★★★
初日を拝見。面白い。見応えあり。ナイロン100℃水野小論が思い立っての初プロデュース、海外戯曲をアトリエ第Q劇場で、とだけで未知数だが(否未知数だけに)興味津々であった。
この劇場ではしばしば「劇場」という場(ロケーションを含めて)を意識する観劇体験になる事が多いのだが、本作では開始から劇世界に引きずり込まれる。ソファ、椅子、花を活けた器、電話台といった室内の具象アイテムが飾られてはいるが、(人を超えない存在感で)芝居の進行を支える。これらがタイトな盛りに見えるのはタイトな台詞劇が出来ている事の投射だろう(途中「消え物」を用いるが得てして散漫になりかねない所それさえも計算の内に処理されている風に見えるのを感心しながら見ていた)。
今思い出すに・・2組の夫婦、フランスで、と言えば、ゼレール作品「嘘」があった。ワン・シチュエーション(コメディ)の範疇と言って差支えないが、警句が辛辣で安易な笑いを許さないものがある。攻めた会話が役者個々によって十分に咀嚼され吐き出されているように見える快感。
初日ゆえネタバレは控え、我が注目の一人伊東沙保はやはり秀逸だった、と申すに留める。
後日追加したし。