最新の観てきた!クチコミ一覧

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沖縄戦と琉球泡盛

沖縄戦と琉球泡盛

燐光群

吉祥寺シアター(東京都)

2024/11/30 (土) ~ 2024/12/08 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

タイトルそのままの内容である。
坂手洋二は90年代から、一貫して政治的立場(支持政党という意味ではない)を明らかにして演劇を作り続けてきた演劇人でその演劇を上演する自ら主宰する燐光群もまたいくつかの他の作家作品もあるが、坂手作品を上演し続けてきた。出発は小劇場だから、旧党派的左翼演劇とは明確に一線を画し、ポジションを言えばいわゆる「リベラル・左派」といったところだろうか、旧弊としか言いようのない旧新劇の主流と異なる体制批判演劇を作ってきた。時代とともにスタイルも新しい。レッテル張りは坂手の望むところではないだろうが、その立場からいくつかの世に広く受け入れられた優れた作品もある。もともと素材の選び方も、芝居のつくりも「うまい」作家なのである。
坂手が推進した社会の現実の葛藤とその進むべき道筋にドラマを見るいわゆる「社会派」作品も時代とともにかわってきた。
ここ十年ほどは、中津留章仁。古川健。横山拓也、シライケイタ、と若い作家の台頭も著しい。彼らは、体制や政治批判に軸足を置くときも、坂手以前の作家が置いたように、敵役に安易に批判対象を置いたりしない。敵役もまたこの社会の中で機能を持っている現実をよく知っているからである。彼らは左右を問わず政治的党派の言説を鵜呑みにしたりはしていない。彼らは事実やデータを重視する。カポーテ以来のニュージャーナリズムに近い。
この坂手の新作は、根底に日本の琉球に対する長年の批判があるが、それを琉球の酒事情の事実から解こうとしている。ドキュメンタリ-演劇といったスタイルである。作家本人が酒好きだなと、思わせるところもあって、そういうところでは足を取られない長年ぶれずに作品を発表し続けてきた円熟さが見えた。
それにしても長年劇団を支え、最近ではテレビや映画のいい脇役が務まるようになった長年の戦友の俳優たちも年輪を重ねたなぁ。長い公演だがほぼ満席。


はんなま砦は夜更けまで

はんなま砦は夜更けまで

大統領師匠

駅前劇場(東京都)

2024/12/04 (水) ~ 2024/12/08 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/12/04 (水) 19:00

名前は知っててベテラン劇団だが観るのは初めて。ファンタジーかと思ったら違って(ある意味ファンタジーかもしれないが)、SFチックな展開のコメディだが、シリアスな部分もあり面白い。115分。
 中心メンバーの遊佐邦博は電動夏子やサイコシス・かはづ書屋などで観てるが、今回は大島朋恵出演ということで観に行くことに。中世を思わせる「砦」が舞台のファンタジー、…、かと思ったら、全然違って、すぐにSFっぽい流れとなって、興味深い物語が展開される。笑わせる要素が多いし、実際笑うのだけれど、若干ご都合主義ながら深刻な要素も含み謎解きの要素もある、という見事なストーリーだった。変幻自在の美術も巧みな感じで楽しませてもらった。推しの大島は癖のある脇役、かと思ったら、超重要な役割を演じて、これもまた楽しい(コメディっぽい演技をする大島を観るのは何以来かなぁ)。

ポプコーンの降る街2024

ポプコーンの降る街2024

劇団大樹

Route Theater/ルートシアター(東京都)

2024/12/04 (水) ~ 2024/12/08 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

初日観劇、ほぼ満席。
現実と夢想を交差させ、優しくも切ないファンタジー作品。それは心の彷徨のようでもある。梗概は説明の通りだが、その謎めいたことを記すとネタバレになってしまう。当日パンフによれば、本作は1992年 文化庁舞台芸術創作奨励賞佳作を受賞し、劇団大樹では2005年に初演したとある。そして20年振りの再演にあたり、新たなシーンを追加し更に深みが加わっていると。初演を観ていないから何とも言えないが、タイトルや説明にある「ポプコーン」が膨らんで弾けたような…映画を観ながら食べた記憶があるが、その懐かしき味わいと香りがするよう。

登場する中で、名前があるのは探偵・野放風太郎と助手・タキ、それ以外は女・男・老人であり正体が知れない。この抽象的な設定が肝かもしれない。人物の過去や現在など背負っているものを明らかにしていない。唐突にして曖昧な出会い方、緩い関係性の中で謎を膨らませていく。そして絵画の人物とは という謎へ繋げていく。途中から だんだんと事情が分かってきて、言葉の端々から滋味溢れる物語が構築されていく。全体的に抒情的な印象だが、物語とその雰囲気を支えているのがアコーディオンの生演奏、とても好かった。

コロナ禍を経て不寛容・無関心といった世の中になったような気がするが、本作は未練と想いが しっかり詰まっている。それは人間だけではなく身近な動植物に愛と情を注いでいるよう。少しネタバレするが擬人化した猫、そしてアンサンブルとして踊る姿が愛らしく、しかも力強いといった感じもする。そこに過去だけではなく未来が…。
(上演時間1時間50分 休憩なし) 12.08追記

ネタバレBOX

舞台美術は、上演前にキャスタ付の衝立4枚、1枚はドアで他はレンガ壁。そこにHOTEL REGRETの看板が掲げられている。上手にはビールケースが積まれている。開演すると衝立を回転させ探偵事務所内の淡い壁とドアに変わる。要は外観と内装を表している。事務所内の中央にソファ、壁に女性の肖像画が飾られ、上手奥には桜の木、その幹は太く枝は天井を這うように伸びている。下手に演奏スペース。

或る日、突然 サラダオイルを持った女が探偵事務所に入ってきて、風太郎に向かって「私の後をつけていたでしょう」と詰問する。自分をつけていた男の風貌と行動を並び立て事務所を出て行く。その女、壁の肖像画の女に似ている。それから頻繁に事務所に来るようになる。いつしか街に鳥籠を持った老人が現れる。しかし籠に鳥は入っていない。この鳥を探して旅を続けているという。

女が、風太郎に20数年前の消印がある手紙を示し、差出人を探してほしいと依頼する。ここから風太郎と女、そして肖像画の女の関りが愁いを帯びて紡がれる。2人は高校の同窓生、といっても風太郎(20歳)は夜間、女(17歳)は昼間で会ったことがない。2人は同じ座席、風太郎が机に推理小説を忘れ、それを女が読み興味を持った。いつしか文通を、そして会う約束をするが…。その待ち合わせ場所に向かう途中で、風太郎はバイク事故で亡くなる。物語は風太郎の夢オチのよう。風太郎は女一筋だが、女は恋愛を重ね 結婚する。そこに生者と死者の愛情感覚の現実的な違い。

風太郎の夢想の中に女が入り込んだのか、女も死んだのかは判然としない。ラスト 男がサラダオイルを買いに出たまま帰らない妻を探すよう 探偵事務所を訪ねてくるが 廃墟。物語の中で既に時間軸が狂っている。何となく〈浅茅が宿〉を連想してしまう。助手・タキは風太郎の飼い猫。既に20年以上生きている。一方 街に来た老人には生または小さな幸せ(青い鳥)を感じる。女が売春婦に身を落としても生きることが大切。同じ街で、死と生という人が抗えない宿命を描いている。
次回公演も楽しみにしております。
ポプコーンの降る街2024

ポプコーンの降る街2024

劇団大樹

Route Theater/ルートシアター(東京都)

2024/12/04 (水) ~ 2024/12/08 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

初日、観てきました。これは大人のメルヘンか?あるいはクリスマスの奇跡なのか?自分自身沢山の作品を観てきましたがこれは自分にとって新しいジャンルの作品でした。映画にでもなりそうな作品ですね。この団体さん次回作も観たいですね。





品川猿の告白 Confessions of a Shinagawa Monkey

品川猿の告白 Confessions of a Shinagawa Monkey

KAAT神奈川芸術劇場、Vanishing Point Theatre Company

KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)

2024/11/28 (木) ~ 2024/12/08 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

一言で言えば、宣伝にあるとおり、幻想的なコミックミステリーである。世界的な人気作家・村上春樹の短編から、主人公が共通の二作を、KAAT芸術監督の長塚圭史がイギリス滞在中に見た英国劇団(Vanishing point)と、日英の俳優、舞台技術を出し合った共同制作の舞台だ。二作をつなぐ主人公は人語を解し語る大きな白い尻尾を待つ猿である。物語は、巧みな人形操作を伴いながらイギリス人俳優が演じるこの「品川猿」が、群馬の鄙びた温泉宿の湯男として旅人の前に現れるところから始まる。ファンタジックであり、同時に日本の風俗も生かしたユニークな発端である。この猿が、日本語を教育した先生の仕込みで音楽の好みはRシュトラウスと聞くと、これはきっと村上春樹流のブッキシュな趣向の心得が必要ではないかと身構えてしまう。
だが、(言葉の問題は後で触れるが)難しい心配はご無用で、旅人と猿は就寝時間になった深夜、ひそかに寝酒を楽しんだりする。この発端のエピソードと並んで、港区の高級住宅で、いつの間にか、かつてつけていた自分の名札から「名前」を盗まれたと訴える若い妻とその相談に乗るカウンセラーの物語が展開する。名札を盗んで人間になりたかった猿の犯行で、その犯人を現代の都会の地下の巨大な排水管で追うのが後半の展開である。
あらすじを追うと、荒唐無稽なファンタジックなコメディになるが、その仕掛けはうまく出来ていて面白く見られる。舞台は何もない抽象舞台から始まるが、設定は二つに絞られていて一方は、古来の日本の生活伝統を残す群馬の温泉宿、一方は日本の先端の住宅地港区の地上マンションとその地下である。そこに顕れる品川猿によって、この日本の現代人の生活がコメディになっていく。構成演出のマシュー・レントンはうまいもので、原作を生かしながら、スタイリッシュにテンポよくその世界を進めていく。品川猿に出会うことで、現代人が直面する男女関係や社会での人間関係の在り方は多面的だが、ツボを押さえていて笑いながら、見られる。
休憩なしの1時間30分。
演劇の国際共同制作は最近多面的になっているが、この作品は原作も舞台設定もツーリスティックな風俗的興味からスタートしていながら、その先に現代社会のテーマを見、しかもその謎解きサスペンスに人語を話す猿というユニークな登場人物を配することでコメディとしても成功している。
だがその中で、いつも共通の問題を上げれば、共同制作の言葉の問題だろう。今回は舞台の上部の黒い空間にすべてのセリフを英語と日本語で横書きに表示していくという手法で解決している。悪くはないが、やはり隔靴掻痒の感はぬぐえない。AI時代で最も演劇にとって有効なのは言葉の即時翻訳の発明だと改めて感じた。
来年はイギリスでも地方を皮切りにロンドンを目指すのだろうが、日本の宮崎駿ばかりがおもてはやされているロンドン劇界にも新しい日本発見をもたらすものと期待できる。



はんなま砦は夜更けまで

はんなま砦は夜更けまで

大統領師匠

駅前劇場(東京都)

2024/12/04 (水) ~ 2024/12/08 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

すばらしかったです。まず、舞台の装飾に圧倒されました。アート大好きな人には舞台の装飾に「細かいところにまでこだわってるなー」と感じるはず。そのぐらいよくできています。あと、音効さんがいい仕事されていますね。とくに、爆音がなるシーンでは「ここはIMAXか…」と思えるほどの音圧。舞台の内容もタイムリープものあるあるのわかりにくさがなくすごくよかったです^^

沖縄戦と琉球泡盛

沖縄戦と琉球泡盛

燐光群

吉祥寺シアター(東京都)

2024/11/30 (土) ~ 2024/12/08 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 小生、長年の不摂生が祟って今年は正月明けからアルコールにドクターストップが掛かっているが、今作が提示する深刻極まる沖縄の状況にも関わらず、泡盛を心底飲みたいと思わせる暗くなり過ぎない作品に仕上がっている。ベシミル!!

ネタバレBOX


 板上は天井から吊り下げられた3本の太い筒のような物体が3本。予算の関係で他の物(泡盛の瓶が立ち並んだ棚やカウンター代わりのテーブル、椅子等は場面に応じて適宜用意される)は、簡易な形態の物を用いている。沖縄の苦境を描くとこのような状況に陥るのかも。なんちって!
 ソ連崩壊以降のデタントで北方に展開していた自衛隊員の多くが対中国戦へとシフト。第1列島線に沿う形で殊に島嶼部である奄美から琉球弧全域に掛けてシフトしたのは気を付けている人々には自明のこと。今作では沖縄のことを描いている関係からであろう、鹿児島県に属する奄美のことには触れていないが興味のある方は調べてみると良い。何れも最大の被害を見込まれる地域の既存の条例等を日本国家というアメリカの属国が無視しアメリカの言うなりに対中国の最前線戦闘地域として機能すべく設定されているのは自明である。自衛隊員は定員割れが続き仮に日本政府が並べる御託通りにある時期戦闘が展開するにしても、中露が組めば核弾頭の数だけでもアメリカを凌駕するし、中国の現在の軍事費を観れば到底日本等の及ぶべき規模ではない。何れが有利か少し頭を冷やして考え直してみるべきである。イケイケで実際に戦闘状態になれば、第Ⅰ列島線状に連なる島嶼地域は再び地獄と化さざるを得まい。こんな愚を避けたい。そのような島民の切なる念(思い)を込めて仕次を繰り返し第2次大戦で失われる迄は200年、300年の古酒(クース)が保存されていた沖縄に再び戦禍が無いよう祈りのような作品である。つまり古酒が生まれる為には平和な世が続くことが前提となる。泡盛が古酒になる迄に親酒(アヒャー)となるものの他により新しい年の酒が理想的には4つ必要だ。最古のアヒャーを1とすると、1の甕から幾らかを飲むなりして減らし2の甕の酒を蒸散などを含めて減った分1の甕に移す。2の甕には3の甕から減った分を移す・・・と継ぎ足し混交して順次より古い古酒としてゆく。この過程で甕が割れるような戦が起こらないことが大事な条件の1つということになる。
 このように沖縄の平和を願う杜氏たちや泡盛を出す飲み屋等の関係者を縦糸に沖縄県東村高江へのヘリパッド建設反対運動に関わって高江に通っていた女性を織機の横糸を通す杼にして物語を自由闊達に編み込んでゆく。
あつい

あつい

Infinity企画 照人ひとり芝居

天満天六・音太小屋(大阪府)

2024/12/04 (水) ~ 2024/12/06 (金)公演終了

満足度★★★

コスパは悪い(時間どおり入場できず、始まりも遅延…実質一時間強)し、最初から躓き感が…
本当に10年継続できる…と疑問が出てきたが、後半はなかなか面白かったし、共感するところも
まずまず 次回期待してます‼️
専門学校の先生だからか、学生風の人も多かった 缶バッチのコンプリートは興味そそるかも

Paper

Paper

Washi+

THE HALL YOKOHAMA(神奈川県)

2024/12/03 (火) ~ 2024/12/03 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

伝統の和紙が、工業品である紙に取って代わられた現代がシビアに描かれ、それに携わる人々、家族の様相が生々しく表現された舞台でした。
時代といえば一言で済んでしまいますが、それに向き合う人の心が丁寧に表現され心に染みてくる良い舞台でした。

青春にはまだはやい

青春にはまだはやい

プテラノドン

「劇」小劇場(東京都)

2024/11/26 (火) ~ 2024/12/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/11/27 (水) 15:00

ファンタジー系(翔んでいるとも言う(笑))な状況から「青春」がクローズアップされてムネアツになるといういかにも笠浦作品な秀作。終盤で最初は丁寧に描きつつ繰り返すうちに短くなるテンポの良さも巧く、こういうの、大好き♪

ネタバレBOX

合宿に集まった高校生たちの世代が違う、というのは劇中で明かされる前に複数のヒント(スマートフォンを知らないとかヒット曲を知らないとか)が提示されるので想像に難くない
そうして状況が見えてくると配役の意味も推測でき。そんな風に観客に「先読み」させる作劇に舌を巻く。
さらに終盤「2024年の彼ら」を訪ねる場で「なぜか覚えている」ことを次第に速度を上げて見せるのも巧い。
only

only

m sel.プロデュース

スタジオ空洞(東京都)

2024/12/04 (水) ~ 2024/12/08 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/12/04 (水) 15:00

座席1階2列

価格4,000円

故人に対してそれぞれの属性が持つ責任、悲しさ、その度合いがとても丁寧に描かれている。そのベースに個々の思いを乗せている。そこでやっとこの作品に触れた気がする。

登場人物それぞれが迷いながらも気骨のある道を歩もうとしている物語。五人の役者さん全て好演。

これは見てよかった。

青春にはまだはやい

青春にはまだはやい

プテラノドン

「劇」小劇場(東京都)

2024/11/26 (火) ~ 2024/12/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/11/26 (火)

面白かった。すごいなぁ、この設定とか…。私のところは放送部がなく放送委員会しかなくて、Nコンはわからなかったけど、高校演劇の大会みたいなものなのかな?なんて見ていました。それぞれの時代背景もあんなに詰め込んでもちゃんとわかるってすごい!!ラストも良かった。

「コーヒーが冷めないうちに」

「コーヒーが冷めないうちに」

カワグチプロヂュース

萬劇場(東京都)

2024/11/19 (火) ~ 2024/11/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/11/24 (日)

Aチーム観劇。演劇では初めて観ました。
過去に戻ってこれだけは言いたいものがあるって素敵ですね。

ネタバレBOX

幽霊さんが居座ることによっていろいろと面白く、彼女もそれなりに良いことがあったんだよね。と思ったりしました。
寸劇の庭

寸劇の庭

渋谷コントセンター

ユーロライブ(東京都)

2024/11/20 (水) ~ 2024/11/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/11/20 (水)

この前にユーロライブに来たのはいつだっけ?と考えたら「寸劇の館」でした。
このシリーズずっと続けて観ていきたいです。
もうお腹がよじれるくらい笑ったり、おぉっ…と思ったり。
なんかとても良かったな。

峠の我が家

峠の我が家

森崎事務所M&Oplays

本多劇場(東京都)

2024/10/25 (金) ~ 2024/11/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/11/11 (月)

久しぶりに岩松了作品を観たっ!!!!って感じがしました。
それぞれの秘密が…。とても不可思議な空気の流れを感じました。

リフレクション

リフレクション

レイジーボーンズ

小劇場 楽園(東京都)

2024/12/03 (火) ~ 2024/12/11 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

作、演出、キャストのこの顔ぶれは観ておかなければという半ば義務感のような気持ちで初日を観たが、期待を相当上回った。二重構造が目まぐるしく変わり、これで終わりだなと思ったらしつこく(失礼)ラストも魅せてくれる。1時間半、釘付けになりました。

メイジー・ダガンの遺骸

メイジー・ダガンの遺骸

名取事務所

新宿シアタートップス(東京都)

2024/11/30 (土) ~ 2024/12/08 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/12/02 (月) 14:00

メイジー・ダガンは本当に死んだのか?
なんてどうでもよくなってしまうほど、彼女は歌って叫んでスコップを振り下ろす。
このバランバラで一人ひとりがどうしようもなく壊れかけている家族は
血まみれになりながら、どこでどうすればよかったのかを問い続けている。
彼らが信じたのは暴力しかなかった・・・。

ネタバレBOX

灰色一色のキッチン、粗末な木のテーブルといくつかの椅子。
上手には入り口のドア、下手にはストーブと冷蔵庫。
正面奥には左右から木の枝が伸びていて、開演後にそれが揺れた時は
驚いたのと不気味なのとで ”あばらや感”がMAX。
ここでこれから壮絶な家族の黒いバトルが始まる。

最初にブチ切れて喧嘩を仕掛けたのは母親メイジー・ダガンだ。
長年夫の暴力に耐えて来た彼女は、自分の死亡記事を新聞に出し、
娘のキャサリンはそれを見てロンドンから帰って来た。

キャサリンは殴られる母親を見て育ち、愛する女性を殴ることで
自分への愛情を確かめようとする。
こんな風になったのは、殴られるだけの母親を見て来たせいだと思っている。

キャサリンの弟は両親と同居しているが、言動からは障害があるらしいと感じる。
生活力もなく現実に対応できない。
人が死ぬプロセスに異常な関心を持ち、過去には姉が可愛がっていた猫を死なせたらしい。

諸悪の根源メイジーの夫は今やただの飲んだくれで、女房と娘の憎悪の対象であり、
最期は娘からさんざん暴行を受け、女房にとどめの一撃、スコップで殴られる。

母親のブチ切れに始まり、他のコミュニケーション手段を持たない4人は、それぞれの方法で
家族を威嚇し合い、常に「猫のやんのかステップ」みたいな戦闘体勢。
激しい罵り合い、今さらの告白、それによる怒りのエスカレート、そして最後はやはり暴力。
暴力で服従させ、自分への尊敬や愛情を測り、足りなければ殴り、
足りていれば ”ではこれならどうだ” とさらに殴る、そうやって生きて来た家族。

途中差し込まれる映像が効果的でとても面白かった。
伝統的なアイルランドの家庭でよく掲げられるというイエスの絵画からイエスが抜け出て
巨大なイラストとなって飛び回るところ、思いがけない迫力にびっくりした。
と同時に、こんな暴力的な家庭にも、伝統的な神の絵が飾られるところに可笑しさを感じる。

作品の解説にある「ダークな軽快さとシャープなグロテスクさ」という
戯曲のタッチを楽しむ域に、とても私は達していない。
ただオヤジを殺して初めて少し朗らかになった女房を見ると、本当にこれから
3人で家族再生ができるんじゃないか、と言う気がするから不思議だ。



ゴーギャンおやじ2

ゴーギャンおやじ2

グワィニャオン

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2024/11/27 (水) ~ 2024/12/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

熱い脚本と役者さんの熱量がすごかった!

ネタバレBOX

パート2の人生もいいかなと思えた。次行ってみよう!
リフレクション

リフレクション

レイジーボーンズ

小劇場 楽園(東京都)

2024/12/03 (火) ~ 2024/12/11 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

なかなか巧妙な構造の台本で面白い。もちろん青山・狩野の両一流舞台俳優による掛け合いとなれば面白くないはずがない。

リフレクション

リフレクション

レイジーボーンズ

小劇場 楽園(東京都)

2024/12/03 (火) ~ 2024/12/11 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

想像を遥かに超えて面白い。凄まじい才能が爆裂している。誰もが認める天才の集結。青山勝氏と狩野一馬氏のユニット、「レイジーボーンズ」はCOMPLEXを彷彿とさせる。(JACROW演出助手・野月敦氏もメンバーの一人)。脚本は中村ノブアキ氏の書き下ろし、ONEOR8の田村孝裕氏が演出。二人芝居とされていたが実質は音楽担当の宏菜さんも含めた三人芝居だった。
東京ドームでコンプを観に来た大観衆の前、突然現れたアイナ・ジ・エンドが最高のステージングで喝采を浴びるような舞台。天才は天才を知る。このシチュエーションで舞台二作目の新人がよく暴れ回れるものだ。末恐ろしい。宏菜さんはギターも巧く手が綺麗。
脚本も圧倒的。入れ子構造が互いのイニシアチブを奪い合い二転三転し続けるようなメタフィクション。このアイディアにもひれ伏す。
演技合戦としても面白く、玄人から素人から唸らされるだろう。終演後の物販では脚本が飛ぶように売れた。宏菜さんのCD直販もあり。「来年3月30日、王将を下った先の下北沢LOFTでワンマンがあるそうだ。」
メチャクチャ面白い。是非観に行って頂きたい。

ネタバレBOX

lazybones=怠け者。

脚本家(青山勝氏)と小説家(狩野一馬氏)がTV局の会議室で落ち合う。青山氏はかつて小説を書いており、開いていた講座の門下生だったのが狩野氏。青山氏は小説を断念してTVの道へ、狩野氏は文学賞を総ナメしてベストセラー作家に。今では立場が逆転した二人、狩野氏の小説をTVドラマ用に脚本化するのが今回の青山氏の仕事。だが狩野氏は青山氏の脚本にどうも納得いってない。

劇団「道楽兄弟」は兄(青山勝氏)の脚本と弟(狩野一馬氏)の演出コンビでのし上がってきた。開幕直前だが今回の脚本が弟にはしっくり来ない。

どうも狩野一馬氏が西尾友樹氏とだぶる。役者としてのDNAが近いのでは?デ・ニーロVSアル・パチーノみたいにいつの日か演技合戦で戦って貰いたい。

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