実演鑑賞
満足度★★★★★
両バージョン鑑賞
「余裕あり。ふらりとどうぞ」「余裕あり。今すぐ予約!」
朝に夕に流れてくる流山児主宰の気迫のFacebookに、大楽の1本だけ観るつもりがどうしても両方観たくなって、無理矢理予定をこじ開けて両バージョンを拝見した。
しかし、肉体的にも精神的にも、ここまで激しくぶつかり合う芝居ってまずお目にかかれない。
「悪の美学」なんてかっこいいものではなく「どうしてそうなるんだよ」「何考えてるんだよ」とツッコミながら観ているのに、それでいて、このブザマな4人の男たちが幸せになってほしいと祈ってしまうのはなんだったんだろう。
まず西沢バージョンを拝見して、塚原ディックの膨大な台詞からあふれる説得力にこちらまで納得させられそうになり、バグ、ドニー、ビリーそれぞれのジャンキーたちにあり得ない感情移入をしてしまい、やっぱりこちらも観てよかったと興奮気味に思ったのが先週のこと。
その後に流山児バージョンの千穐楽。
そこでもう一段、腰が抜けた。
これだけの役者さんの、これだけの真剣勝負が観られるってどんだけ贅沢なんだ!
ここまですごい芝居が観られるとは思わなかった。単純に、いや、もう、とにかく面白かった。理屈じゃない。
ストーリーは先にわかっていながら、金縛りにあったような状態で口を開けっぱなして観ていたと思う。
この日この時間に自分がこの場に居てこの作品が観られたことに、とてつもない幸せを感じた。
これが区民割引で4000円!安すぎる!