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2017年度 1-10位と総評
三人姉妹

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三人姉妹

桜美林大学パフォーミングアーツ・レッスンズ<OPAL>

これまで何度か三人姉妹という芝居を見てきたが、これほど明晰な、我々の人生観へダイレクトに刃を突きつけてくる 演技演出があっただろうか。

言葉を変えれば非常に「わかりやすい」三人姉妹だった。そこが感動的だった。

私は、観劇しつつ演劇的覚醒を実感した。

どうせ茗荷谷で降りるくせに

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どうせ茗荷谷で降りるくせに

GORE GORE GIRLS

僕は数年来の西山雅之さんとゴアゴアガールズの大ファン。

しかし今回の作品は、身びいき抜きに素晴らしい作品。西山雅之が、新しいステージに上った、と思える。

相変わらずの馬鹿馬鹿しさ炸裂のコメディだが、現代に鑑みての深読みがいろいろできる。

ところが、西山雅之は安易に深読みさせよう、などというそぶりは微塵も見せない。

ただただナンセンスで激烈に笑える。

以下、見ていない人でも読んで大丈夫な、ネタバレ、一言。
観劇していて、私は、ひそかに「西山雅之は、平成の安部公房、と名づけ得る」と感じた。

そんな芝居。

僕の本年殿のベスト3には入る作品。

ルート64

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ルート64

ハツビロコウ

いつも感じるが、こちらの劇団の一番すばらしい点は、「戯曲に真剣に取り組む」というところだ。
もちろん、どの劇団だって真剣に取り組んでいるのだろうが、「観客にどうみえるか」以前に「自分の中でどう役人物を内在化させるか」にひときわ心を砕いているように感じられる。

今回も、4人の生きてきた人生の空疎な部分を浮かび上がらせていた演技演出に深く納得、感動した。

次回は、初めて?鐘下以外の、三好十郎作品に取り組むらしい。
これはこれで非常に興味深い。いまから楽しみだ。

あるいは友をつどいて

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あるいは友をつどいて

ハツビロコウ

情緒、センチメンタリズムなどを一切排し、本質部分の論点を、これでもか、という感じでぶつけ合う劇構成が素晴らしい。


メジャー映画やテレビドラマでは作りにくい、こういうドラマこそ、小劇場でやるべき。

メロン農家の罠

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メロン農家の罠

桃尻犬

現代都市近郊の農家を舞台にもきわめてシリアスで深刻な諸問題を内包しているのだが、しかし、大爆笑してしまう、ナンセンスとブラックな笑いの仕掛け。

野田氏の才気、健在、と改めて感じた。

絶対の、お勧め。

JOE MEEK

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JOE MEEK

ピストンズ

初演も素晴らしかったが、今回の再演はさらに一段と緻密さが増しエンターテインメントとしての完成度が高かったように思う。1950年代に少年期を過ごした者として、皮膚感覚的にかの時代の香りを堪能した。

何年かおきに、繰り返し再演されるべき傑作。

エフェメラル・エレメンツ

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エフェメラル・エレメンツ

ティーファクトリー

川村毅作品としては 従来より端正で均衡の取れた 作品となっていた印象。 感動的でした。

今後も 川村毅からは 目が離せないと 強く感じました

サマデーナイトフィーバー

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サマデーナイトフィーバー

20歳の国

久しぶりに観劇した「20歳の国」。青春のキラキラモヤモヤドキドキ感が、以前よりバランスよいエンターテイメント作品として、完成度高くなっている印象を持った。

ミュージカルシーン??の入れ方、それぞれのカップルの編みこませ方が秀逸。

次回は「卒業公演」とのことだが、何らかの脱皮を考えているのか。

ともあれ、次回公演も楽しみだ。

悪童日記

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悪童日記

サファリ・P

あの小説を、的確に抽象化したのがすごい。すごいとしか、いいようがない。

失われた藍の色

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失われた藍の色

「失なわれた藍の色2017」製作委員会

往年の東京キッドブラザースファンとしては、ありがたく貴重な公演。

キッドのキッドテイストをきちんときちんと踏襲し、しかも 現代若者が演じているだけあって新しい。

その兼ね合いがとても良かった。

かつての傑作を今後も公演してほしい。

総評

2017年は観劇数が激減した。年間で86、7作品であったかと思う。しかし 観劇数が減ると、観劇作品を厳選せざるを得ない。 それゆえ自分にとって至極の作品を観る確率が高まり、充実した一年であった。
当然ながら見知らぬ劇団の 思いもかけぬ傑作に出くわすという体験は激減するのだが、私の健康状態などもあって それはやむなしと言う 結論に自分の中では達している。

今年は相変わらず 鐘下辰男、川村毅、西山雅之氏らの作品が心に残った。

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