ITOYAの観てきた!クチコミ一覧

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音楽劇 ガラスの仮面~二人のヘレン~

音楽劇 ガラスの仮面~二人のヘレン~

彩の国さいたま芸術劇場

彩の国さいたま芸術劇場 大ホール(埼玉県)

2010/08/11 (水) ~ 2010/08/27 (金)公演終了

満足度★★★★

現実でも成長を続ける2人.劇中劇,クライマックスは「奇跡の人」!
開演15分前のアナウンス。
客席から舞台上にキャストがちらほらと集まり出し、柔軟体操や発声練習が始まる。
(今日は、美帆さんの誕生日らしく、客席から入る途中でファンから花束が贈られてました。)
舞台上では、バックステージツアーらしき一行とキャストが入り混じっている。
舞台の作られる過程を観客も共に実感。たしか前作も同じだった。
そして、ダンスしているうちにそのまま本編が始まり、例の「原作漫画の登場人物が描かれた巨大なパネル」が舞台上で行き来し、天女が宙をフライングするオープニング。
ここから一気に「ガラかめ」の世界に引き込まれて、あっという間の3時間弱でした。

前作から2年。
本作ではライバル同志の二人の成長を描いています。
主演の二人、大和田美帆と奥村佳恵は、現実の世界でもあれから明らかに実力をつけてきています。
二人が演じる劇中劇も見どころで、「嵐が丘」「王子と乞食」「ハムレット」「テンペスト」、そして「奇跡の人」がクライマックス。
泣けました。
他にも美内先生オリジナル劇「石の微笑」「おんな河」も登場。
今回はその二人がフライングするシーンもあります。

そして夏木マリさんの月影先生も前よりしっくりハマってます。
他に個人的に注目は黒木マリナさん。
劇団一角獣の紅一点。
普通のセリフはほとんどなくて、歌とダンスで活躍。

原作からして舞台を描いた作品であり、それを舞台化している作品なので、そもそも演劇についての原点を問うようなシーンもあります。
なぜ演劇をやるのか、と。

ここまで来たら、さらなる続編、そして完結まで、期待してしまいます。

ロックンロール

ロックンロール

ホリプロ

世田谷パブリックシアター(東京都)

2010/08/03 (火) ~ 2010/08/29 (日)公演終了

満足度★★★

イギリスとチェコスロバキア、ロックで語る激動の20年!思想は変わっても愛は不変。
イギリスとチェコスロバキアを舞台に、1968年からの激動の20年間、教授と教え子愛と友情、思想の葛藤の物語。
時代を彩るロックとともに語られる二人と家族の半生。
市民は、何度も政治に振り回されても、人と人の愛情は変わらない。

個人的にお気に入りの俳優さんたちが大挙出演!
市村さんは確固たる信念の教授として主演。
秋山菜津子さんが母娘二役、教授とヒッピー、正反対のようであり、しかし母娘なので気性は同じという難しい役を好演。
前田亜季さんも母娘二役、しかも一役は秋山さんと同じ人物の若い時という、複雑な関係。
「売春捜査官」の黒谷友香さん、劇団metroの月船さららさんも出演。
キャラメルボックスの西川弘幸さんは劇団公演ももちろんいいんですが、外部出演作のほうが面白い。
黒谷さん、月船さん、西川さんも出番が少なくて難しそう。
山内圭哉さんは、かつらで出てくるだけで可笑しくなっちゃ
いますが、いつになく気弱な?インテリな?役が印象的。
もっともっとナイーブな役をやったら面白いだろうなと思いました。

流れ姉妹〜たつことかつこ〜 第一章

流れ姉妹〜たつことかつこ〜 第一章

真心一座 身も心も

TOKYO FM HALL(東京都)

2010/08/19 (木) ~ 2010/08/28 (土)公演終了

満足度★★★★★

青山円形を再現した囲み舞台。大人の役者さんたちが真剣だけれども余裕で遊んでいる感じが楽しい。
会場のTOKYOFMホールは、半蔵門・お濠の前、ワコールの隣、東京FMのビルの2F。
初演が青山円形劇場と聞いていて、再演が違う劇場なので、さすがにもう円形舞台ではやらないだろうな…とちょっと残念がっていたのですが、会場に入ってびっくり。
三方客席の囲み舞台にパイプ椅子!
まさに広さも座席配置もちょうど青山円形劇場のようで、初演と同じ環境で楽しめます!さすが!気が利いてる、わかってらっしゃる。

先行予約の恩恵で、Fブロック1番という最前列中央真正面!
冒頭の殺陣では刀の切った風を感じるくらいのド迫力です。

さて、芝居のほうでは、第二幕、第三幕は観たんですが、一幕が未見だったところ、次回公演のファイナルを前に、シリーズのそして劇団の出発点がほぼ同じ演者で観れるという好企画!
すぐ飛びつきました!

夢から始まるお約束、映像と人物を組み合わせたオープニングから、姉妹の放浪の始まり、話は北海道の刑務所から、南の沖縄まで。
昭和の東映任侠映画を思わせる、アクの強い独特の作風の人情劇が展開。
随所に笑いが入った、強烈で深刻なメロドラマがクセになる。
出演者も個性派ぞろいで、大人が集まって真面目に面白いことをやっている感じがいいんです。

村岡さんの昭和な優しさは毎回毎回男の凌辱を呼び、
千葉さんは男らしく気ぐるみ動物と毎回格闘、
河原さんはひょうひょうと保護監察官なのに悪くて軽く、
坂田さんはいっつもダメダメで悲しく空回り。

初代ゲストラバー(ゲストの一人は恋人役枠というルール)松重さんは寡黙で得体のしれないもぐり獣医。
鋭い眼光と長身でいつも特殊な役回りが多い松重さんですが、今回のような比較的(あくまでも比較的、)普通の人のほうが味があっていい。

初代ゲストレイパー(ゲストの一人はレイプ役枠というルール)粟根まことさんはさすがに強烈なキャラクター。
しかも途中でガラッと変わる。

変幻自在のガヤ4人衆のうちの新メンバー、
市川しんぺーさんは、奇しくも3舞台連続河野演出。
しんぺーさんの女装が目立たないメンバーっていうのも
よく考えるとすごい。
体当たりの信川清順さんと並んでも全く遜色ない!!

さらば八月のうた

さらば八月のうた

劇団M.O.P.

紀伊國屋ホール(東京都)

2010/08/04 (水) ~ 2010/08/16 (月)公演終了

満足度★★★★★

最終公演東京千秋楽!さらば劇団M.O.P.
この日に合わせて、夏休みをシフトさせました!!
劇団M.O.P.を初めて観たのが2008年7月の「阿片と拳銃」、すでに解散カウントダウン。
そして、2009年7月「リボルバー」で、本作。
ついに解散です。
もっと前から観たかったですが、今となっては仕方ない。

レトロな世界、大人の話、あったかい劇団の雰囲気。
恒例、カーテンコールでのバンド演奏ともお別れですか。

結成26年の劇団の解散公演は、とある歌い継がれた「別れのうた」にまつわる年代記。
どこかにありそうなラジオ番組に寄せられた「ある歌」を探してほしいという投稿から物語は始まる。
ラジオのパーソナリティーの緑子さんと小市さんの掛け合いが、ありそうで、それっぽくて楽しい。
そして横浜の船を舞台に、戦前から現代にいたるまでの様々なエピソードが、時代を前後しながら語られていきます。

最初は断片的な話が、芝居の進行につ入れて徐々につながっていく展開はさすがにお見事。
笑って、泣いて、「別れのうた」を軸にした人の心の移り変わりは、最後は綺麗につながっていく。
最後にふさわしいお話でした。

広島に原爆を落とす日

広島に原爆を落とす日

RUP

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2010/08/06 (金) ~ 2010/08/22 (日)公演終了

満足度★★★★★

愛する人の頭上に原爆を。逆説的に唱える平和。演劇で歴史をねじ伏せてみせる。
にわか演劇ファンの私ですが、つかさんがもういないと思うと、超涙もろくもある私は最初っから泣きっぱなしでした。
パンフレットにあった「歴史をねじ伏せる演劇」という表現そのままに、開戦から原爆投下までの、様々な歴史と実在の人物が、不謹慎などという言葉は飛び越えて、見事に荒唐無稽に再構築されて猛スピードで駆け抜ける。
原爆投下も、ナチスドイツも、第二次世界大戦のすべてが、ただ2人の愛のために動いているかのように。
こんな物語は、つかさんにしか書くことができないのではないか。

それにしても、筧利夫、武田義晴、山本亨 らと若手勢の歴然としたパワーの差。
この差に全く気づくことのなかった「飛龍伝2010」に、遠く及ばない距離を感じる。
容貌からも黒木メイサを思わせる仲間リサは、まだまだ磨き足りない、出し切ってない。
まさかここで出会うとは思わなんだリア・ディゾンの声量の無さはさておき。

カーテンコールでは、無人の舞台中央に、スポットライトが当てられて、つかさんに拍手を。
終演後、パンフレットの追悼の言葉を読んで、また泣いた。
しかし、周囲の観客の反応は普通にみえたのが、とってもさびしかった。

月影番外地その2「ジェットの窓から手を振るわ」

月影番外地その2「ジェットの窓から手を振るわ」

月影番外地

ザ・スズナリ(東京都)

2010/08/04 (水) ~ 2010/08/13 (金)公演終了

満足度★★★★★

40代独身女性の日常は色々あって…。
高田さんの劇団☆新感線などでは見られない、リアルで等身大な部分が見れる『月影番外地』。
第1弾『物語が、始まる』は、本当に静かで悲しーい(良かったけれど)話でした。
引き続き同じく、脚本:千葉雅子、演出:木野花による第2弾は、もっと普通の世界の話。

チラシをみたらてっきりCAの話かと思ってたら、空港にある小さなレストランチェーン店が舞台。
(でも、CAの服装にも理由がある)
レストラン女性支店長(高田聖子)と、友人の元CA(渡辺真起子)、レストラン常連客(宍戸美和公)、有機野菜の納入農家(坂井真紀)、
それなりに訳ありな4人の40代の独身女性たち。
その日常が、ある出来事をきっかけに、少し動き始める。

高田さんがただ一人、マンションの一室で独り言を言う。
一人納得する。
ほほ笑む。
時には泣き叫ぶ。
コミカルながら、ちょっとしんみりとしたり、同感だったり、とってもリアル。

他の方々もそれぞれに個性的で、とっても味わいがあって楽しめました。
こういうの、好きです。
もう次が見たい!!

サーフィンUSB

サーフィンUSB

ヨーロッパ企画

本多劇場(東京都)

2010/08/04 (水) ~ 2010/08/15 (日)公演終了

満足度★★★★

タイトル通りのナンセンスSFコメディでありながら、ほんのチラッと批判も垣間見れる。 
ファンタジー×ゆるい日常=ヨーロッパ企画。

サーフィンUSAをUSBに引っかけてそのイメージをそのまま話にしたような舞台。
どこからをネタばれと言うのか迷いますが……。

タイトル通りのナンセンスSFコメディでありながら、ほんのチラッと批判も垣間見れる。

ネタバレBOX

水の7日間という都会を襲った大水害、
ドームで覆ったIT都市「アキハバレー」、
工業排水の影響で生まれた人魚たち。
どう考えても汚い海辺のコンクリートの一角が舞台。

サーフボードの先端をはずすと、でっかいUSBコネクタになってるバカバカしさ。
サーフィンの体験データを集積するボードで、アクセス回数を競う仲間達を冷ややかに見る、自殺を思いとどまったアキハバレーのOL。
タイトル通りのナンセンスSFコメディでありながら、ほんのチラッと批判も垣間見れる。
また逢おうと竜馬は言った

また逢おうと竜馬は言った

演劇集団キャラメルボックス

サンシャイン劇場(東京都)

2010/07/10 (土) ~ 2010/08/08 (日)公演終了

満足度★★★★

主演2人がWキャスト!微妙な違いも面白い。【海組】はコミカル+クール!
夜の部は、【海組】の東京千秋楽。
今回は主人公の2人をダブルキャストでやるというので、両方を観ることにしました。
1日で!!
海・空2バージョンでは、2人以外にも周りの演技も変わっています。
細かいセリフの違いも結構ありました。
いちいち演じ分けてるのですね。

【海組】畑中智行、大内厚雄 の印象は、コミカル畑中+クール大内の組み合わせの妙でした。

また逢おうと竜馬は言った

また逢おうと竜馬は言った

演劇集団キャラメルボックス

サンシャイン劇場(東京都)

2010/07/10 (土) ~ 2010/08/08 (日)公演終了

満足度★★★★

キャラメルらしいファンタジー。【空組】の印象は、二人とも必死で熱い!!
主人公は、愛読書司馬遼太郎の「竜馬がゆく」の竜馬を敬愛しているから「龍馬」ではなく「竜馬」。

大河ドラマが龍馬になる前から決まっていたという今回の再演は、劇団の節目の度に再演されたキャラメルボックスらしい1作。
現代劇に、主人公がリスペクトする竜馬と、悪役がリスペクトしていた土方歳三が出てきて、2つの世界で対決するというファンタジー。

しかも、今回は主人公の2人をダブルキャストでやるというので、両方を観ることにしました。
1日で!!
いつもながらヒューマンな部分と、2バージョンの違いも楽しみました。
【空組】左東広之、岡田達也 の印象は、二人とも必死で熱い!!

井上ひさし氏追悼公演『黙阿弥オペラ』

井上ひさし氏追悼公演『黙阿弥オペラ』

ホリプロ

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2010/07/18 (日) ~ 2010/08/22 (日)公演終了

満足度★★★★★

井上ひさしさんの遺した言葉の数々。「御恩送り」「株仲間」「銀行の創立」など盛りだくさんの内容に俳優陣好演。
井上ひさしさんの遺した言葉の数々を味わえる作品。
「御恩送り」「株仲間」「銀行の創立」など盛りだくさんの内容。
西洋文化が入ってきても、変わらないものもある。

<IMG SRC="http://image.space.rakuten.co.jp/lg01/91/0000415091/21/imgf019c984zik4zj.jpeg" width="240" height="400" alt="黙阿弥オペラ">

出演者も芸達者揃い。
舞台・映画を中心に着実に伸びてきている藤原竜也さん。
二役の熊谷真実さんは、特におばあさん役が見事。
そして、北村有起哉さんも可笑しい時には、とぼけた味わい。
しかし、こわくて鋭い一面も併せ持っている稀有な存在。

天才バカボン

天才バカボン

男子はだまってなさいよ!

本多劇場(東京都)

2010/07/23 (金) ~ 2010/08/01 (日)公演終了

満足度★★★

「41歳の春だから…これでいいのだ!」超高いハードルに挑戦!バカ!ナンセンス!スチャダラパーの歌もイイ。
観る前、すっごく心配してました…。

でも、観てみたら結構面白かった!
まず、スチャダラパーの歌がイイ。
バカボンのキャラクターたちをスクリーンに写しながら
ラップで歌う「元祖天才バカボンの春」なんか最高です。
かっこよすぎです。

演じる役者さんたちは…
荒川良々さんが、バカボンなのは、誰が見ても一目瞭然。
あまりにそのまんまで、ぴったり過ぎて、
逆に面白みが薄いくらい。

そして、ママは、初舞台の釈由美子さん。
すべてをやさしくあったかく包んでくれる反面、
パパとバカボンを一括する時は厳しくて怖い、
彼女の天然なキャラクターがあってます。
もちろんバカなこともやってのけて、
アドリブっぽいこともこなしておりました。

そして問題のパパは、実際に生前に赤塚先生に取材もした
大人計画の松尾スズキさん。
先日のNHK教育でも、赤塚先生の紹介番組のナビゲータ
でしたが、さすが、ナンセンスな演技も自然にこなす。

このほか、大堀こういちさんのホンカンさんや、
一筋縄ではいかない個性派俳優さんたちが、
レレレのおじさん、ウナギイヌなど、有名キャラを
(一部無理やり)演じてました。
ハジメちゃんは、まだ、ママのおなかの中でしたが…。

ネタは、社会派?コメディやら、不条理コメディ?やら、
パロディもあって、おかしさ、ばかばかしさは多彩。

ただし、とっても気になったのは「下ネタ」に
偏りすぎだったこと。
何も「こぎれいに」とは言いませんが、原作の雰囲気
では、そこまで「下ネタ」ばっかりではなかった
と思いますが。

総じて、とっても難しい題材を、なかなかうまく
まとめていた、っていう感じです。

婦人口論

婦人口論

財団、江本純子

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2010/07/15 (木) ~ 2010/07/25 (日)公演終了

満足度★★★★

テーマは"痴漢"!馬渕英俚可・初音映莉子競演!毒あり下ネタありの婦人達の"口論"
江本純子さんのひとり劇団第3弾。
馬渕英俚可さん・初音映莉子さん目当てで観劇。

「目が見えない人」の体験施設を訪れた一行と、盲目の
インストラクターの、ほんの小さなアトラクション内の旅。
真っ暗なはずが、ふとしたはずみで照明がついてしまう。
そこにあったのは、橋や電車の座席と吊革、砂場、トイレの
便座など、暗闇で経験するはずの障害物の数々。
ネタが事前にばれてしまって興ざめの一行だが、
目が不自由なインストラクターだけは、それに気づかずに、
真っ暗闇でのツアーを続けようとするが…。

江本さんならでは、毛皮族のような、下ネタや毒を含んだ、
なかなか他では見れないようなシチュエーションと演技。
これを演じるのは…(やはり女優さん中心で)
主演は馬渕英俚可さん。
一番常識的な一般人OLの役。
今回は今までで一番普通で、本人に近い役柄かもしれません。
初音映莉子さんは高飛車で口が減らない後輩OL。
澤田育子さんはあまり背景が見えない役。
さすがに堂々としてます。
野村恵里さんは、ベッキーをすらっと美人にしたような容姿。
いずれもほかでは絶対見れない(澤田さんはみれるか)
格好やせりふに、多少は、引きそうになりながらも
独特の語り口を楽しみました。

この組み合わせも珍しく、しかも小劇場の目の前で見れる。

なんか、やっぱり駅前劇場でやりそうなエグイ話。
障がいのある人にも当然、悪い人も変な人もいるよ、と?

女優さんたちの演技を楽しみたいと思っているうちに、
バタバタとあっという間の2時間弱でした。

千秋楽だから?かカーテンコールに出てきた着物姿の
江本純子さんは、舞台上の風車をその場で手にとって
「今日のキャラは水子です」みたいなことを言ってました。
やっぱり変な方です。

X day

X day

地球ゴージャス

天王洲 銀河劇場(東京都)

2010/07/16 (金) ~ 2010/08/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

出演者それぞれの挑戦。森さんシリアス・ストレートな芝居観たい!藤林さん中国人,中川さんカリスマ美容師,good!
前作の大掛かりな総合エンターテインメント劇から
一変して、俳優6人の手作り感のある凝縮された作品に。

出演者6人がそれぞれ、演技だけでなく、歌、踊り、
パフォーマンス、楽器演奏など、新しい役、新しいことに
挑戦する舞台は、「私自分自身ももっと挑戦しなくては」
と思うほどにまっすぐな熱意が伝わった!

一番印象的だったのが、藤林美沙さんの中国人です。
喋りまくる中国語なまりの日本語のイントネーションがほんとに見事!
そしてそのバイタリティ!
観ていて自然で、すんなり入ってきました。

同じくらい森クミさんの精神科医もシリアスで良かった!
プロフェッショナルで孤独で、ひんやりとした感触が。
特に最初のACTのとき。
終盤はギャグに引っ張られすぎてしまって、ちょっと残念。
今後、もっとシリアス・ストレートな芝居が観たい!

中川晃教さんのカリスマ美容師のはじけっぷりもさすがです。
歌とダンスはもちろんすごいですが、
それより役柄の、楽しい中にも(けど実は複雑)
男気で変わり者のスタッフを集めて美容院をしている
という背景が、ちょっといいです。

最終ACTのカウンターバーでみんなの人生が
交錯するという構成も、面白いけれども、
無理やりで都合良すぎてありがちな感じもしましたが、
その日をX-dayとして、それぞれの人生を歩き出すシーンは、
やっぱり、グッと来ました。

2番目、或いは3番目

2番目、或いは3番目

ナイロン100℃

本多劇場(東京都)

2010/06/21 (月) ~ 2010/07/19 (月)公演終了

満足度★★★★

「解明されることを目的としていない」数々の謎。ケラさんと劇団の挑戦は続く。
何らかの災害のために、荒れた町を救おうと北の町から来た人々。
国の復旧作業の順番は、現時点から「2番目、或いは3番目」だという。

古典劇のような衣装と舞台に繰り広げられる、少しシュールで
可笑しくて、残酷な物語。
「解明されることを目的としていない」数々の謎が印象的です。
謎は、ただそれぞれのシチュエーションを作りだすためにだけ
存在しているように感じます。
特に「あの生き物」とか!!

舞台出演は2回目の谷村美月さんの参加に、新しい空気を感じます。

くちづけ

くちづけ

東京セレソンデラックス

シアターサンモール(東京都)

2010/07/07 (水) ~ 2010/08/01 (日)公演終了

満足度★★★★★

泣いた!初東京セレソンデラックス!表現が難しいテーマを時に明るく、時にシリアスに、真正面から面白く描く。
知的障がい者のグループホームと障がい者の自立がテーマ。
新聞の小さな記事にあった、ある哀しい事件がヒントになっているという。
映画やテレビドラマでは、きっと制約が多くて真意を描けなかっただろう。

前半は、このテーマに過度に神経質にならずに明るく楽しい。
しかし中盤以降、厳しい現実が徐々に迫ってくるシリアスな展開に。
クライマックス、久々に何度も泣きしました。

前から見たかった金田明夫さん、やっと観れました。
以前からドラマの脇に欠かせない存在として「沙粧妙子-最後の事件」
から気になってました。
本作の中心になる、娘を想う愛情、娘と過ごした人生がしみじみと
伝わります。

今回、かなり難しかったと思うのは、宅間孝行さん、加藤貴子さんら
による障がい者の演技です。
結構自然に見えるうえに、屈託がなくユーモラスで魅力的に見えました。

他に印象的だったのは「仮面ライダーファイズ」OG、芳賀優里亜さん。
終始明るくまっすぐなキャラクター。
自分より10歳以上年上であるグループホームの住居人たちに対する自然な態度や、
長年自分を守ってくれた彼らとの特別な友情が、
とってもあったかく感じました。

真夏の迷光とサイコ

真夏の迷光とサイコ

モダンスイマーズ

青山円形劇場(東京都)

2010/07/08 (木) ~ 2010/07/18 (日)公演終了

満足度★★★★

”ストイック”な語り口のミステリー、サスペンス。初モダンスイマーズ。
初モダンスイマーズ、そして私の好きな青山円形劇場。
この、最前列から間近に感じる緊張感と静かな迫力、ドラム等の生演奏、
がたまらない。
全体的にトーンを落とした暗めの照明と、モノトーンでシンプルな舞台装置は、
物語全体と同様に、落ち着いたストイックな雰囲気を前面に押し出していました。

YOUさんは、ご本人の持つ雰囲気を生かした配役。
不幸な出来事の影響か、感情を出さず終始淡々とした物言いで。
虚構の世界との決別にいたるまでを静かに演じる。

ミステリアスな導入から、サイコ・サスペンス風になりながら
軽いヒューマンで収束する。
大仰でなく声高でなく、あくまでも静かで”ストイック”な語り口。
暑い夏に味わう、ひんやりとしたクールな感じ。
こういうのもいいと思った。

ファウストの悲劇

ファウストの悲劇

Bunkamura

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2010/07/04 (日) ~ 2010/07/25 (日)公演終了

満足度★★★

蜷川演出,アイディアに驚き。歌舞伎一座による「ファウスト」の上演。
蜷川さんは毎回驚かせてくれます。
会場に入ると、いつか見た赤い提灯が並び、幕も歌舞伎の配色の縦じまのもの。
そして、木場さんの口上に拍子木。
幕が開くと、2階建てのハーフミラーの舞台裏、
そこには和服姿で化粧している役者たちなどが透けて見える。
もっと後ではステージの床下すら見える。

そう。
今回は、歌舞伎一座による「ファウスト」の上演という設定。
それだけでも面白い。
音楽も和風で歌舞伎で、舞台上の騎士も見得を切る。
舞台装置も特別。
悪魔と天使はワイヤーで宙を飛び交い(勝村さんもマメさんも…)、花火と炎も立ちあがる。

そして豪華な役者さんたち。
野村さんの強いセリフはさすが。
他には特に、ひょうきんな騎士の長塚さんの演技が面白い。
意外な出演は大林素子さん。
(実はバレーボールの前は役者志望だったそうで)
最初「ふしだら」役ではわからなくて、休憩でパンフを見てやっとわかった。

話は、学者「ファウスト」が悪魔に魂を売り、あれよあれよという間に結末に至った感じでした。

ザ・キャラクター

ザ・キャラクター

NODA・MAP

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2010/06/20 (日) ~ 2010/08/08 (日)公演終了

満足度★★★★

まさかの内容で驚いた。あの事は風化させてはいけない,と。
タイトル、出演者から予想していた内容とは全く異なる、まさかの内容で驚きました。
あの事を、風化させてはいけない、と。

ユーモアも、ちりばめられてはいても、時々ドキッとする、ゾッとする瞬間がある。
そして、そのテーマは重くのしかかる。
集団の中で何かが変わり続け、その内に誰にも止められずにエスカレートしていく怖さ。

また、今回は「書道」が大きくかかわるため、言葉遊びもいつになく多い。
その「紙」を、ギリシャの「神」に引っかけて、そこにもおおきく比重がかかっています。

宮沢えりさんは、細い体に力強い演技。
古田さんは、変わらず飄々と堂々とした貫禄で悪役を担う。
銀粉蝶さんは、稽古中にけがをされて、途中からの出演。
今回はいつになく若く元気な印象でした。
そして、なによりも、ポスタービジュアルにも通じる、
アンサンブルによる、からみつくうごめく人々が迫力あり。

恋する剥製

恋する剥製

クロムモリブデン

赤坂RED/THEATER(東京都)

2010/06/22 (火) ~ 2010/07/04 (日)公演終了

満足度★★★★★

初クロムモリブデンは大正解!パワフル、カラフル、ダンサブル、爆笑、文句なしに面白かった!
私にとっての初クロムモリブデンです!
キャラメルボックス「さよならノーチラス号」に森下亮さん、
久保貫太郎さんが客演されていたのと、キャラメルの成井さんか
加藤さんがクロムモリブデンのパワーをパンフレットで高く
評価されていたので、ずっと気になってました。

結果、大正解!文句なしに面白かった!

「デタラメ占い・人生相談」をマンションの一室でするために
集まった男女。
そこに若い女が新たに入ってから、そのグループはしだいに
新興宗教の集団のようになっていって…。
そのころ隣室の「恋愛代行業」のオフィスでは、
新たな相談者のための計画が、実行されようとしていた。

パワフルで、カラフルで、ダンスもあって、そのうえ大爆笑。
めまぐるしく次々に変わる舞台。
独特のリズム感とユーモアと勢いに包まれていたものは…
どっちに転んでもいいような占い師のことば、
新興宗教とテロ、恋愛相談所、別れさせ屋、恋バナが苦手な人。
中身は深い…かもしれないのに、
とにかくいちいち笑えて最高でした。

せっかく初めて観たクロムモリブデンでしたが、
次の公演は来年!
遠い!

密室のゲーム 確率捜査官 御子柴岳人

密室のゲーム 確率捜査官 御子柴岳人

シン×クロ

恵比寿・エコー劇場(東京都)

2010/07/03 (土) ~ 2010/07/11 (日)公演終了

満足度★★★

確率論で事件の謎を解く!ライトノベル感覚の舞台。「心霊探偵八雲」スタッフの新作。初エコーです。
赤い左目で死者の魂を見て事件を解決する「心霊探偵八雲」の
原作・脚本・演出スタッフによる新作。

特殊能力を持つ天才だが、性格が変なイケメン探偵・刑事が
主人公のミステリー、助手は若いヒロイン、というパターン
を踏襲。
今度は、確率論で事件の謎を解く、警視庁特殊取調対策班の
数学者が主人公。
頭脳労働のため糖分補給が必要なので、常にチュッパチャプス
をくわえています。

捜査の中で、いくつか確率の理論が応用されている点が面白い。
心理学も、確率の結果が元になっているというのも納得。
肝心の事件の真相は、最後のほうで、ひとひねり合るのがイイ。
もっとどっぷりと数学の要素が強いほうが面白いかも。

ただし、捜査に数学を取り入れるというのも海外テレビドラマに
あったし、「ガリレオ」にも似てます。

若いキャストが多い中、劇団イキウメの安井順平さんが、
いつものクールで論理的なキャラクターで刑事を好演。
八雲第一作「心霊探偵八雲 いつわりの樹」にも
出演されてました。
ちはる さんも、もうすっかり母親役。
オープニング・タイトルのダンスでは、本編の役とは違って
はじけてました。

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