満足度★★★★★
青山円形を再現した囲み舞台。大人の役者さんたちが真剣だけれども余裕で遊んでいる感じが楽しい。
会場のTOKYOFMホールは、半蔵門・お濠の前、ワコールの隣、東京FMのビルの2F。
初演が青山円形劇場と聞いていて、再演が違う劇場なので、さすがにもう円形舞台ではやらないだろうな…とちょっと残念がっていたのですが、会場に入ってびっくり。
三方客席の囲み舞台にパイプ椅子!
まさに広さも座席配置もちょうど青山円形劇場のようで、初演と同じ環境で楽しめます!さすが!気が利いてる、わかってらっしゃる。
先行予約の恩恵で、Fブロック1番という最前列中央真正面!
冒頭の殺陣では刀の切った風を感じるくらいのド迫力です。
さて、芝居のほうでは、第二幕、第三幕は観たんですが、一幕が未見だったところ、次回公演のファイナルを前に、シリーズのそして劇団の出発点がほぼ同じ演者で観れるという好企画!
すぐ飛びつきました!
夢から始まるお約束、映像と人物を組み合わせたオープニングから、姉妹の放浪の始まり、話は北海道の刑務所から、南の沖縄まで。
昭和の東映任侠映画を思わせる、アクの強い独特の作風の人情劇が展開。
随所に笑いが入った、強烈で深刻なメロドラマがクセになる。
出演者も個性派ぞろいで、大人が集まって真面目に面白いことをやっている感じがいいんです。
村岡さんの昭和な優しさは毎回毎回男の凌辱を呼び、
千葉さんは男らしく気ぐるみ動物と毎回格闘、
河原さんはひょうひょうと保護監察官なのに悪くて軽く、
坂田さんはいっつもダメダメで悲しく空回り。
初代ゲストラバー(ゲストの一人は恋人役枠というルール)松重さんは寡黙で得体のしれないもぐり獣医。
鋭い眼光と長身でいつも特殊な役回りが多い松重さんですが、今回のような比較的(あくまでも比較的、)普通の人のほうが味があっていい。
初代ゲストレイパー(ゲストの一人はレイプ役枠というルール)粟根まことさんはさすがに強烈なキャラクター。
しかも途中でガラッと変わる。
変幻自在のガヤ4人衆のうちの新メンバー、
市川しんぺーさんは、奇しくも3舞台連続河野演出。
しんぺーさんの女装が目立たないメンバーっていうのも
よく考えるとすごい。
体当たりの信川清順さんと並んでも全く遜色ない!!