SQUARE AREA【ご来場ありがとうございました!】
壱劇屋
王子小劇場(東京都)
2016/04/06 (水) ~ 2016/04/10 (日)公演終了
満足度★★★★★
濃密な90分
四面舞台で描かれる奇妙な脱出劇は、身体表現・緊張感・笑い・カタルシス、そして、静かな感謝などに彩られた期待を裏切らない濃密な90分だった。
パフォーマンスと物語の結合が心地よく、観終わって充足感を感じながら劇場をあとにした。
やみつきになりそうな劇団だった。
「爆裂!GR7!」~じゃじゃ馬姫を奪還せよ~
しゅうくりー夢
駅前劇場(東京都)
2016/03/10 (木) ~ 2016/03/14 (月)公演終了
満足度★★★
ヒーローとアイドルと。
馬鹿馬鹿しくかつチャーミングなストーリーと魅力なキャラクターが楽しい2時間ちょっとのファンタジー。
なるほど、ヒーローやアイドルがいるから日常がキラッと輝くんだね、なんてことを観ていて思った。
登場人物の抱く愛や憧れや野心などそれぞれの切実さを、キャスト陣の熱演がきちんと伝えていた。
笑いもアクションもたっぷりで、特に椎名さんの跳び蹴りが素敵だった。
脱兎の見上げる、
荒川チョモランマ
高田馬場ラビネスト(東京都)
2016/02/25 (木) ~ 2016/02/29 (月)公演終了
満足度★★★★
奇妙な家族の物語
奇妙な家族(とその周りの人々)の再会と再開を描くシチュエーションコメディ(でいいのか?)。
キャラクターの造型がチャーミングで、可愛らしい雰囲気の物語。観終わったあとに、家族の在り方に正解なんてないのかも、と思った。
女優さんたちが可愛くて眼福だった。
審判
藤波瞬平一人芝居
【閉館】SPACE 梟門(東京都)
2016/02/24 (水) ~ 2016/02/28 (日)公演終了
満足度★★★★★
集中と緊張
2年ほど前に別な方が演じたのを観て衝撃を受け、戯曲を探して読んだ。
それを、藤波さんが演じる。劇団しゅうくりー夢への客演で初めて彼の芝居を観たのは、もう何年前になるだろう。加藤健一事務所の研究生だった彼がこの『審判』を演じるのだと思うと、観る前から期待が高まっていた。
安易に人を誘うには重過ぎる内容だけれど、あえて友人と一緒に観た。
スゴかった。
閉ざされた空間で裁く者と裁かれる者が向き合う。息を吐く音や身じろぎする椅子の軋みさえ響いてしまいそうな緊迫感。
生と死、人間の尊厳、正気と狂気とか。
ヒリヒリするような集中と緊張の2時間15分。土曜のマチネを観たのだけれど、その日も翌日も2公演なのだと思うと何だか胸が痛むような気がした。
ミセスフィクションズのまんがまつり
Mrs.fictions
王子小劇場(東京都)
2016/02/17 (水) ~ 2016/02/22 (月)公演終了
満足度★★★★
楽しい時間
短編漫画を原作に、5つの物語で構成する約70分のオムニバス。
原作はどれも読んでいないのだが、観ていて漫画の絵が脳裏に浮かぶような場面も多く、漫画の方も読んでみたくなった。
細やかな表情とか、間とか空気とか、そういう言葉にならない何かをすくい上げるような感じが印象的で、客入れや劇中の選曲にもこだわりが感じられ、楽しい時間を過ごさせていただいた。
春は夜来る
演劇ユニット ルソルナ
王子小劇場(東京都)
2016/02/04 (木) ~ 2016/02/08 (月)公演終了
満足度★★★★
前に進むこと
生きてるんだから、前に進まなきゃ。そういう言葉にも素直になれないヒロインと、その背中を押そうとする義姉。
オムニバスで綴る各地の出会いは、それぞれに温かく少しほろ苦い。
予想より笑いを多めに含んだ展開と繊細な脚本で、春を待つこの季節によく似合う物語となっていた。
無限の住人
劇団ヘロヘロQカムパニー
こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)
2016/02/11 (木) ~ 2016/02/17 (水)公演終了
満足度★★★★
あっというまの3時間10分
原作がどんな話かも知らないまま観に行ったが、ストレスを感じることなく物語に惹き込まれた。強烈なキャラクターが闊歩し、激しいアクションが続く刺激的な舞台。
セットや照明もマンガの世界観を舞台上で再現しようととする演出を補完しているように思えた。
屋上のペーパームーン
オフィスコットーネ
ザ・スズナリ(東京都)
2016/02/10 (水) ~ 2016/02/17 (水)公演終了
満足度★★★★
「あっ!」と……
過去の犯罪を題材にした洒脱な会話劇……と思っていたら、終盤の独白で「あっ!」と言わされた。
個性的なキャスト陣のカッコよさも堪能。
彼の地
北九州芸術劇場
あうるすぽっと(東京都)
2016/02/12 (金) ~ 2016/02/14 (日)公演終了
満足度★★★★★
居場所
ひとつの街で、何組かの人々の間で起こる出来事を描いたいくつもの物語が、繋がったり繋がらなかったりしながら進んでいく群像劇。
それぞれの場面で人々が見せる切実さや、シチュエーションや人々の関係が絶妙で、誰もが結局は居場所を求めるのだ、と思えて切ない。
どこにいてもいいのだと、ただ生きてさえいてくれれば、君の好きな場所で生きていけばいいのだと、最後にそういう言葉が登場人物だけでなく観る者の胸にも小さな灯をともすように感じられた。
リフラブレイン
santacreep
王子小劇場(東京都)
2016/02/09 (火) ~ 2016/02/11 (木)公演終了
満足度★★★★
やるせない愛しさ
高校生の姉と中学生の弟。両親はいない。この2人の数年ごとのエピソードを描いていく中で、笑いとやるせない愛しさが湧き上がる物語。
貧しさやいじめなどひりひりするような現実の痛み。そして姉と弟の間の愛情は、恋愛とは違う家族という関係の重さと優しさを感じさせて、ふだんは手を触れられない心の深いところをえぐられたような気がした。
脚本の良さとそれを生かすテンポのよい演出、そして、緊急公演とは思えないハマリ役そろいのキャスティングで、忘れられない舞台のひとつとなった。
だって、あなたが_
原川紗弓企画
パフォーミングギャラリー&カフェ『絵空箱』(東京都)
2016/01/20 (水) ~ 2016/01/24 (日)公演終了
満足度★★★★
初日を拝見。
岐路を迎えた女の子のコンプレックスとその向こうにあるホントの気持ち。切実さを彩る郷愁と笑い。
キャストの魅力もそれぞれに活きて、重層的な物語を丁寧に立ち上げているように感じられた。
日替わりゲストの登場場面も含め、盛りだくさんの80分を堪能した。
背信 | ブルールーム
PLAY/GROUND Creation
シアター風姿花伝(東京都)
2016/01/07 (木) ~ 2016/01/10 (日)公演終了
満足度★★★★
『ブルールーム』BとCを拝見
10人の登場人物による10の恋の物語。
過去の上演では、男女1人ずつの2人芝居として演じられてきたそうだけれど、個人的に言えば今回のように演じる人が変わった方が状況がつかみやすいかもしれない。描かれる恋愛の形はさまざまで、たとえば同じ登場人物でも相手が変わると驚くほど違う顔を見せる姿がなんだかせつない。
2つのバージョンを拝見したたため、演じる方が変わることによって印象がどうかわるか、などについても興味深く拝見した。
ジョルジ・フッチボール・クルーヴィー
Ammo
d-倉庫(東京都)
2016/01/08 (金) ~ 2016/01/11 (月)公演終了
満足度★★★★
充足感
女性記者の追う連続警官殺しと、十数年前にあるスラムで起きた事件を交差させ、重い題材を描く1時間50分。
2つの物語がしだいに呼応していく展開と、個性の強い登場人物を成立させる俳優陣の熱演に魅了された。
ナイゲン(全国版)
Aga-risk Entertainment
新宿FACE(東京都)
2015/11/13 (金) ~ 2015/11/14 (土)公演終了
満足度★★★★★
よく練られた脚本
いやぁ~、お・も・し・ろ・か・っ・た!面白かったよ~!!
劇団の代表作とも言うべき作品で、すでに何度か再演を重ねてきている。それゆえ、ということもあるだろう、よく練られた脚本だ。
伏線がビシバシ回収されていく爽快感に観ていて思わず声を上げそうになる。提示された条件や人物像と展開が密接に結びつき、笑いと緊張感の双方を無理なく生み出していく。
なるほど、評判のいいのもうなずける。観ることができよかっと。
錆びつきジャックは死ぬほど死にたい
ポップンマッシュルームチキン野郎
CBGKシブゲキ!!(東京都)
2015/10/28 (水) ~ 2015/11/03 (火)公演終了
満足度★★★★
チャーミングな物語
死ねない機械人間ジャックをはじめ、突拍子もないキャラクターたちが繰り広げる馬鹿馬鹿しくも壮大で、そしてチャーミングな愛の物語。
恒例の開演前パフォーマンスや入場時に配られたアメの劇中への取り込み方、ハロウィーン時期ということもあって客席にも仮装をうながす仕掛けをするなど、さまざまな形で物語と観客の一体感をつくりあげていた。
遊び心とサービス精神の旺盛な彼らの生み出す、馬鹿馬鹿しくもチャーミングな物語が、街のにぎわいを温かいものに感じさせてくれた。
独りぼっちのブルース・レッドフィールド
ポップンマッシュルームチキン野郎
シアターサンモール(東京都)
2015/02/22 (日) ~ 2015/03/01 (日)公演終了
満足度★★★★
抱く想い
物語が始まってまもなく登場する飛び道具的な強烈なキャラクターと
ドタバタな笑い、そしてこの劇団名などから、スラップスティックな喜劇かな、と思っていると少し違った。
この物語の主人公は、奇妙な記憶障害のあるガンマンだ。家族を無残に殺された彼は、復讐のために25年も旅を続ける。
最後の仇を倒した直後に、彼が知る残酷な真実。そして、彼の決断。このためにこれまでの設定があったのか、と思うほど良くできていたのだけれど。
脚本・演出の吹原氏が終演後にツイッターに書いていた。はじめに想定していた結末のこと。それはずっと救いのないものだった。
物語としては、切実なものとなったかもしれない。けれど、それは自分たちの描くべきものだろうか。そういう葛藤。その上で彼の、いや彼らの選んだラスト。
この劇団は、サービス精神が旺盛だ、と思っていた。しかし、この舞台を観るとサービス精神という言葉だけでは収まらない。
彼らの舞台を観にきた人々に、どんなものを渡せるか。それを真剣に考えている、そういう劇団なのだろう。たとえば私たちが、誰かを大切に思う感情の暖かさを抱いて帰路に着くこと。
この舞台を観終わって、そんなふうに思った。
盗賊と花嫁【公演終了しました!ご来場誠にありがとうございました!】
くちびるの会
【閉館】SPACE 雑遊(東京都)
2015/05/20 (水) ~ 2015/05/24 (日)公演終了
満足度★★★★
言葉と身体
仄暗い地下の劇場の客席に挟まれた空っぽのステージ。黒一色の空間を色鮮やかに満たしていく言葉と身体。
話の種から広がっていく言の葉たち。疲れた、いや憑かれた人々と、満開の桜。憑くのは狐か、女か、それとも桜か。
それは、一夜の夢で観た長い年間のような、不思議な時間だった。
もっとも迷惑な客死
上野くん、電話です
スタジオ空洞(東京都)
2015/11/17 (火) ~ 2015/11/23 (月)公演終了
満足度★★★★
スパイ映画みたいな……
某国ホテルで繰り広げられる、レトロなスパイ映画のような印象の舞台。
ストーリーの大半はそのホテルの2つの部屋で進んでいくのだけれど、時間や場所の異なる会話を重ねたり、過去の場面をはさんだりする構成が上野さんらしい気がした。
哀愁を感じさせるベテラン。裏切り者を突き止めるために取引をする男。取引に応じて家族の情報を持ち出す女。脅されて協力している女。美貌の新人諜報員。一見クールな野心家。情報屋。情報屋の恋人。ホテルマン。それぞれある意味典型的な造詣に、ピタリとハマッてみせるキャスト陣も素敵だった。
チケットに記されたホテルの名前と部屋番号と同じようなこだわりが随所に感じられて、舞台をより楽しいものにしていた。
無頼茫々
風琴工房
ザ・スズナリ(東京都)
2015/09/12 (土) ~ 2015/09/20 (日)公演終了
満足度★★★★★
背筋を伸ばす
大正デモクラシーという言葉に象徴されるような民主主義や自由を求める動きがある一方で、米騒動に対する報道規制など、きな臭くなっていく時代と、そこに生きる人々の思いを描く群像劇。
報道の自由。新聞の使命。そして、受け取る側の責任と権利。報道とは何か、新聞とは何か、という問いかけが何度も繰り返されるけれど、それはある意味、自由や平等という言葉へとつながっていく。
自由も平等も、当たり前にそこにあるものでなく、意識して勝ち取り、あるいは守らなくてはならないものだと。
それを示すように劇中の人々が見せる誠実さや情熱が胸に迫る。
堂海や村嶋らが、抑圧に対して彼ららしい戦い方を見せようとする場面では、思わず目頭が熱くなった。
周囲一面に新聞を張り巡らせた美術。そこにかけられた、劇中でキーとなる言葉の書かれたいくつかの札。物語の最後に、秋川が「大正デモクラシー」という札を、客席に向けて掛け直す。
昨今の状況をも思い起こさせる骨太なテーマ性と観る者の目を惹きつけるエンターテイメント性を兼ね備えた完成度の高い舞台だった。
登場する人々の、それぞれのなすべきことに向き合おうとする真摯さに、今の自分を省みて思わず背筋を伸ばした。
penalty killing【18日14時追加公演決定!!】
風琴工房
ザ・スズナリ(東京都)
2015/02/12 (木) ~ 2015/02/18 (水)公演終了
満足度★★★★★
劇場の中のアイスアリーナ
ザ・スズナリにアイスアリーナを再現した風琴工房の『penalty killing』は、日光市に実在するアイスホッケーチームをモデルに、男たちの熱い戦いを描いた舞台だった。
チームの中心選手の引退試合を軸に、シーズン前からその試合にかけてのさまざまな出来事を通して選手たちのそれぞれの個性を浮かび上がらせる。
それぞれの想いが、リンクの上でぶつかり合う試合の場面は圧巻で、敵チームも含めた選手全員が、惚れてしまいそうなくらいカッコよかった。
毎日のように通っている観客もいて、その気持ちが痛いほどわかる。
できれば自分ももう一度観に行きたかった。実際のスポーツのように、今日と明日で試合の結果が違ったりはしないけれど、リンクの上で生きる選手の息遣いは間違いなく毎回新鮮に感じられたはずだ。