満足度★★★★★
集中と緊張
2年ほど前に別な方が演じたのを観て衝撃を受け、戯曲を探して読んだ。
それを、藤波さんが演じる。劇団しゅうくりー夢への客演で初めて彼の芝居を観たのは、もう何年前になるだろう。加藤健一事務所の研究生だった彼がこの『審判』を演じるのだと思うと、観る前から期待が高まっていた。
安易に人を誘うには重過ぎる内容だけれど、あえて友人と一緒に観た。
スゴかった。
閉ざされた空間で裁く者と裁かれる者が向き合う。息を吐く音や身じろぎする椅子の軋みさえ響いてしまいそうな緊迫感。
生と死、人間の尊厳、正気と狂気とか。
ヒリヒリするような集中と緊張の2時間15分。土曜のマチネを観たのだけれど、その日も翌日も2公演なのだと思うと何だか胸が痛むような気がした。