1
バンカラ
劇団スパイスガーデン
応援とは何か?という自問自答が、スポ根的「漢」のストーリーに哲学的奥深さを与えていました。私が見た回では、カーテンコールでステージから客席に向かってエールが贈られた後、今度は、作品のモデルになった元本物の応援団員(?)のオジサンがステージの役者に向かってエールを贈るという場面があったのですが、2011年最大の感動はここでした。
2
背水の孤島
TRASHMASTERS
現在の現実の醜い部分を鋭く描写した前半も見応えがありましたが、そこから予測出来る近未来を描いた後半こそ、この劇団の真骨頂でしょう。分析の鋭さには脱帽。
3
幹事長 出番です!
劇団 東京フェスティバル
政治や選挙を描かせたらこの劇団が一番です。小学生の動向が選挙結果を左右するなど、予想外の展開も良かった。この劇団は、影響力を持たないと思われている人達に注目し、彼等がひとつの方向に向かって動き出した時に生じる大きなパワーをダイナミックに描いている点で、政治を身近に感じさせてくれる貴重な存在です。
4
超!スーパーウルトラハイパーサンダーローリングなんとか【公演終了しました。ご来場ありがとうございました。】
元東京バンビ
この面子じゃなきゃ、というメンバーの強い結束を最も感じる劇団です。ちょっとエロ風味のある笑いのセンスも抜群。2012年も小劇場界の台風の目になって欲しいです。
5
大戦死遊園
サイバー∴サイコロジック
いつもとんでもない結末が待ち受けてるので、見逃せない劇団です。作品ごとに自らハードルを高め、次作では必ずそれを越えています。2012年も開いた口がふさがらないストーリーを期待します。
6
もどっど!薩摩義士伝
SPPTテエイパーズハウス
幕府から理不尽な治水工事を命じられて、耐え難きを耐え忍び難きを忍びならがそれをやり遂げてめでたしめでたしかと思ったら、指揮をとった家老(だったっけかな?)が藩の財政を滅茶苦茶にした責任を取って自害という悲劇的結末。時代劇では、この作品が一番感動的でした。
7
Lust -ラスト [色欲]- 【再演】
演劇レーベルBo″-tanz
警察内の暗部や闇の組織といった巨悪を相手にしがない刑事がもがき苦しみながら戦うハードボイルド系の傑作。ようやく敵にたどりつけそうになったものの逮捕には至らず、次作へ続くようなエンディングとなっていたので、このシリーズの2012年の展開も見逃せないでしょう。
8
ジハード家族
案山子堂
人類共存のヒントをアットホームな演劇で示した作品でした。一神教を信じて疑わず、それを皆に押し付ける人には作れない作品かも。各宗教及びそれを信じている人へのリスペクトを忘れていない点にも好感が持てました。
9
悟りktkr(ご来場下さいまして、誠にありがとうございました!!!!!!!!!)
宗教劇団ピャー! !
怪しいコンセプトとステージセット、イッちゃってるストーリーとその表現方法からは、大きなエネルギーが感じられました。難解なことをやりっぱなしにするのではなく、観客に理解してもらおうと一生懸命な(だからといって、作品には大衆迎合的な部分は一切ない)ところにも好感が持てました。作品の上演中よりもはるかに緊張した表情でアフタートークに臨むメンバーの姿も印象的。
10
帰ってきた ザ・バックストリート・シャイニングス
スクエア
名もなき庶民の奮闘を描いた素朴な作品は、地味にやさしく心にジーンと来るので、アワードとかいう派手な場になると上位には入りにくいですが、本当はもっと高く評価されるべきだと思います。2011年にはそのような作品がいくつかありましたが、オヤジのブルース感ただようオリジナル・ソングを劇中に取り入れたこの作品に1票。