ライ王のテラス
ホリプロ
赤坂ACTシアター(東京都)
2016/03/04 (金) ~ 2016/03/17 (木)公演終了
満足度★★★
前楽日観劇
三島文学というよりMISHIMA舞台といった感じのカンボジアとの友好舞台。
1幕3場、2幕4場の休憩込みで約160分。
本文作成中
ネタバレBOX
今回も中村中ちゃんのキツめ王妃がはまるわぁ。安定のヒールでゲスの極みが冴え渡る悪の権化ぷりがイメージどおりの宰相、でした。
対岸の永遠
てがみ座
シアター風姿花伝(東京都)
2016/03/04 (金) ~ 2016/03/30 (水)公演終了
満足度★★★★
翻訳劇っぽいけど日本の戯曲
1ヶ月近いロングラン公演の舞台だそうで。
日本とは遠く離れた国の話なのに、どうしてこう異国の抱える問題を厳しくも切なくまた力強く見せてくれるんだろう。昨今の政治社会面的な要素も多く、完全に理解していたかは自信ないけど、生まれた時から危機感を抱きながら暮らしてきた市井の人々の嘆きと苦しみを、父である詩人の言葉が巡り巡って娘の憎しみを和らげる、時間と人生を重ね合わせて見せてくれた舞台でした。
詩人ということもあって、セリフがややとっつきにくく聞こえた面もあったけど最後のシーンには胸が熱くなって見てました。
約2時間。
葉子
アロンジ
座・高円寺1(東京都)
2016/03/02 (水) ~ 2016/03/06 (日)公演終了
満足度★★★
最終日観劇
史上最年少で芥川賞選抜された女流作家ということだが、今回の舞台化で初めて存在を知った。昭和27年の大晦日、自死するまでの一日の行動を電車に絡めて見せるが、肝心の人物像にあまり掘り下げ見られず。書くことの執着と苦悩、恋愛、裕福と思われていた生活と周囲の羨望とは反する家庭生活、生活の糧を21歳の葉子が負担する部分も見られたが全てを見せるには時間が足りないような。説明文では謎解き要素も含まれているような想像をしていたんだが、そのあたりは理由が不鮮明ぽくて私の頭ではあまり理解できなかった。現代パートも必要だったのかな。
終戦後間もない時代の神戸での出来事の話だが、葉子って今で例えるならセレブ出身。しかも(そんなシーンはなかったけど)華麗にピアノ弾いたり人目をひく美人、ラジオドラマや演劇の作家であったりする。もう無敵。比較的恵まれていた立場にしては、その当時のエキセントリックな人種だったんだろうか。今でいうならメンヘラ、なのかなぁ…?この内容だったらあの人が演出やったらシリアスコメディとしてもっと面白く見られただろうな、とか思えた場面が多々あり、時折流れる気怠く聴こえるシャンソンも時代を感じさせて良かったけど今回のこの舞台の見せ方に関しては全体的に演出が古臭い印象を持った。また戯曲自体も、劇作家協会が選びそうな題材と思った。
久坂葉子氏の作品も読んで見たいが、物販は上演台本のみ(だけだったと思う)。今回みたいな舞台こそ当日パンフや配役表示を出して欲しい。約110分。
余談だが、毎回、座高円寺のステージを見るたびに、学校の講堂を想像してしまうのは悪い癖。
ネタバレBOX
セットらしいセットは特になく、舞台正面に写真映像が切り替わって出されたり。駅ホームをイメージするようなセットが場面によって出てくる。
現代。大晦日。首都圏の電車路線に人身事故が同時多発に起こる。駅員は適切に処理していくが、その中の一人の職員が読みかけだった詩集の女流作家が旅立った日も同じような日だったことをふと思い出す。場面が変わり、お節料理を拵えている最中の老婆の元に久坂葉子を研究しているという女子大生の孫スミコ(漢字不明)がやってくる。
そこから久坂葉子の最後の1日が辿られていく。
葉子と父、元華族で名家ではあるが、生活に困窮してるは病弱になり生計も成り立たず「これを売れ」と差し出されたものは天皇陛下から拝領された品。そんなことしなくても私が作家として家族を養う覚悟はあるわよ、けれど、どこか憂鬱で不安な感情に襲われたりする。その様が髪の毛を掻きむしり、マンガだったら葉子の背後にグレーの渦巻き模様が覆うような苦悶状態に見えたりしたが、父の必死の呼びかけに正気に戻り、割り切ってそれを金に変え、今度は作家として同士でもあり恩師でもある島尾家を訪れる。見ていて気付いたが葉子の履いていた靴下で、足の甲にあたる部分に赤いシミみたいなのが見えたんだが、出血じゃないよね?なんか変に目立っていたが、あれはなんだったんだろう?怪我じゃなければ良いが。
島尾家ではそんな平然としているけど実はスランプな事情を意中の島尾に告げるが、気持ちが昂るあまり、お金ならあるんです、心中してと迫ったりする。妻は夫とお客の様子を伺いに客間に入ろうとするが話が込み入っていると見え、その場を離れる。客間の2人は妻が来たのを気付いていたのかはわからないが、葉子は島尾の服装がやけに洒落てる格好に気づき、島尾と妻の関係が良好であることを悟ると複雑なジェラシーが爆発、思いの丈を出すあまり襲ったりして。咄嗟の行動でも島尾は深入りすることはないまま、その場を取り繕う。落ち着いたところで、妻お汁粉持ってナイスタイミングで客間in。妻の作ったお汁粉を「おいしい」と言いながら味もわかっているのかわからないまま食べる葉子。側で見る夫婦善哉なやりとりがさらに葉子に追い打ちをかけ、そそくさと島尾家出て行く葉子。さらにドツボにはまる。
洋装を着こなしていたオシャレさんの葉子という割には、この時の服装はアクセサリーなどはつけてないように見えたが、全体的にオシャレで華美さを感じさせずシックな服装に見えた。前髪はパーマメントの気合が入っていたが。おフランスから取り寄せた型紙使い、妻のみほが編み上げたとするカーディガンも時代を感じはしたものの、その色合いから島尾が妙におっさんに見えた、実際おっさんの年齢なのかもしれないが。この夫婦が後にいろいろと騒動を起こす夫婦になるとはなー、って今回の話にはこれ以上出てこなかったけど。
電車復旧しましたよーな、現代パートがあって。
連れ込み宿で劇団俳優(名前失念)との情事が終わった場面に移る。若い?同年代?の恋人と、お金あるのよ、でもスランプなのよ、行き詰まってるのよお願い一緒に死んで、今の私とシンクロ(言ってない)して欲しいのよ、と迫るも、そんな太宰みたいな事出来ないし病弱な母親残して死ねるか、と、けんもほろろに断られ、表面上顔には出さないが更に情緒不安定加速。
情事の後の蓮っ葉でやさぐれた21歳の女が見えて、これが本当の姿なんだろうなと思えたり。「捨てられる」と自覚した瞬間の涙は、等身大の女子の部分が出たんだろう。かなり浮ついた恋愛遍歴だけど。布団の上ではオシャレシミーズで大胆な葉子。支払いは葉子でやっぱり現金払いか。
気持ちボロボロになりながらウイスキーの小瓶を飲みながら街中を彷徨っていたら、年越しの屋台が軒を連ねている。気を良くした葉子は露店商たちにここであったのも何かの縁とばかり、大判振る舞いをしようとするも上手くいかず。その中で手相占いしてもらったところ、幸運な手相と褒められまくる。一夜明ければ順風満帆の人生が待ち受けていると言われたり、露店商の顔ぶれが、それまで葉子を巡る人々の父や島尾や恋人の姿に見え出てきては消える。一度は元の自分自身に戻れる寸前までいくが、焦燥感しかない今は自らピリオドを打つしか考えはなかったようで。阪急六甲駅に最終の急行列車がホームに到着すると同時に消える葉子の姿。
実際そうだったのかはわからないが、人間誰だって根が深いスランプに陥ると安定に戻すまで時間はかかる。死と隣り合わせだった時代から少し過ぎ、現実の生きる意味を模索するのはこの人にとっては無用だったのかな。
露店商たちが一列になって歌を歌ってくれるんだが、見ているこちらが照れた。
現代。お節を作り終えた老婆の元へ帰宅したスミコ。
実は秘密があって、久坂葉子とは古い女友達、死んだと思った?実は、あなたは私で私はあなた…な、メタフィクションな結末。
よくわからない部分もあったので、観劇後、久坂氏の人物と周囲の関係を調べたら、葉子の慕っていた島尾敏夫って特攻隊の生き残りで「死の棘」の人か。この時はまだ奥様しっかりしてて夫婦円満だったんだ。ふーん。
生きて味わう幸福と、死んで得られる(のか?)幸福。それでも最後の表情は迷いのない明るさで。満たされた人生の結末なんだろうけど、素直に同意できない。こう言われるのは久坂嬢にしてみれば不本意なんだろうけど、やってることは同じだよなぁ。女・太宰。
葉子役の松本さんは昭和の雰囲気があって良かったが、現代パートの女子大生では対比をつける意味で、別の女優さんが演じても良かったんではないかな、と思ったり。岩崎さん、すらっとした姿勢に、かなりのお年にも関わらず、お達者で敬服。俳優さんにお達者ですね、は失礼か。でも最後のやりとりは懐かCMの「早めのパ×ロン♪」みたいに見えてしまった。どうもすみません。
いつかの膿
VAICE★
駅前劇場(東京都)
2016/03/01 (火) ~ 2016/03/06 (日)公演終了
満足度★★★
ソファを巡る話
出演者の幾人か劇団HOBOと被っているが、掛け持ちというか使い分けて公演していくのだろう。今回見る限り、違いはよくわからなったが。
VAICE旗揚げ公演、小松哲也さんの劇作は初めて見るため、今回の作品と小松台東での作風は別物と思えば良いんだろうな。
観客の姿勢で視界が遮られる座席からの観劇だったので、視点が丸かぶりになる場面が多く、ソファに座ったやり取りでは誰が誰を見て喋っているのか、あまり判別できず無念。笑いを狙った「ピンク」発言場面では、肝心の衣装が照明の加減で色識別がわかりづらかった。最後の衣装はさすがにわかりましたが。
ネタバレBOX
L字客席に中央が舞台。側面に玄関口に続く扉と部屋に続く扉がそれぞれ独立してあり。舞台奥中央に象徴的なラグとソファが配置され、対面する斜め位置の舞台中央角面にテレビ、ストーブ。ドア付近には幾つかの椅子。
日本であって日本でないような、ある意味洋風豪邸で、今ならシェアハウス、という名称がしっくりくるような家屋敷でかつて住んでいた40前後かそれを過ぎた男女住人が呼び戻されて起こる暴露話と顛末。
男と女、それぞれの主張が時に不快感、でも正論のようにも聞けたりして。複数の男との件は、同性ながらまあ勝手にやっとけや、と軽蔑しそうになるやら呆れるやら笑えるやら。
自死した子の真相を知りたい母親がこの住人達と関わることでの幸不幸。あまり深刻になりすぎず、かといって不真面目に見えず、というのは演者達の醸し出す巧みさなのかな。
人の気も知らないで
ハイリンド
下北沢ギャラリー(東京都)
2016/02/23 (火) ~ 2016/02/28 (日)公演終了
満足度★★★★
春の日曜、昼下がり
オトナ女子2人の会話に更にもう1人のオトナ女子加わり、カフェもどきの場所でお茶しながら、職場内ゼクシィ話や花見で怪我した同僚見舞いに自己恋愛まで、よぉ喋りまくる。たまたま聞こえてきた会話に耳を傾けてたら、その面白会話につい噴き出しそうになるが、自分の身体と向き合う、面白うてやがて哀しき明るい三十路OL会話でした。面白かった。
50席弱の客席。上演時間は約48分。
オーファンズ
ワタナベエンターテインメント
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2016/02/10 (水) ~ 2016/02/21 (日)公演終了
満足度★★★
疑似家族に赤い靴
孤児の兄弟と中年男。共同生活が始まってから変化する関係。
外の世界に興味はあるが病弱のため憧れだけで暮らす仔犬のような弟の行動と純粋さ、その弟に時には暴力的な愛情しか出来なかった兄の粗野で抑圧されたような日々、彼ら2人の場面では見ているうちに次第に心が傷む。
孤独の穴を埋めるように接し、孤児としての経験者として語る中年オヤジのハロルドが案外慈悲深い。
「父性」という資質を持った話と感じたが、以前だったらなかなか素直に行動には出来そうにないことも、今のイクメンと呼ばれる人たちなら抵抗なくやってのけそうで、その辺も日本人の意識が変わっているんだろうな、と話とは関係なく思ったりして。
谷さんの翻訳セリフも馴染みやすかった。
2時間ちょいの舞台なのに休憩が入るのは海外戯曲のお約束なのかな。
ネタバレBOX
気がつけば高橋和也さんが良い塩梅のシブ中年になっていた。
劇中「息子」と発言していたが、彼らの年齢はいくつぐらいだったんだろう。兄20代前半、弟10代後半くらいだったのかな。
都会の廃屋で暮す2人兄弟。兄は窃盗などで生活費を稼ぎ、何もできない弟は一日中部屋の中でテレビが友達。弟が隠れて勉強をしているのがわかると、怒り暴れ、母親の形見の靴を外に投げ捨てたり。何もそこまでせんでも。
ある日、兄トリートがてっきりお金持ちと思い誘拐してきたハロルド。一匹狼のヤクザであるハロルドは、兄弟の部屋を自分の隠れ家とし、彼らを支配下に置いて住み着いてしまう。
疑似家族のような関係になり、ここでの父=ハロルドが、靴の紐が結べない病弱の弟にデッキシューズの存在を教え買い与えたり、ツナ+マヨパンがご馳走と思い込んでいる彼にいろんなご馳走や新品の洋服を与える。地図を見て外の世界に憧れを持たせるなど、ハロルドから知恵と教養、嗜好、肉親以外の愛情を学び、生きる楽しさを覚える弟フィリップ。
裏稼業ではあるが手伝うことにより、お金も順調に稼げるようになり、機嫌は上々。が、同じようにスキンシップを欲しながら、すべてを晒すほどハロルドには近寄りがたく心のどこかで拒絶する兄トリート。
ある日、地図を手に一人で散歩に出かけた弟。弟が留守とは知らず、日が暮れて帰宅した兄。弟が不在とわかると家中探すが見つからず、とてつもない孤独感に襲われ部屋中荒らしまくり、母親のコートを抱きしめながらいつの間にか眠ってしまい、そこへ帰宅した弟の手にしていた地図を引き裂いてしまう。ハロルドに教えられているうちに一人で出来るようになりつつある弟に、兄は自分が必要とされていないと自覚させられた間でもあり。
兄弟が言い争う中、ハロルドが帰ってくるが、ジャケットの中は鮮血で覆われ、瀕死の状態で倒れこむ。2人の間で息絶えるハロルド。苦痛、激痛、衝動、トリートの弾けた絶叫で終演。
かつて孤児だった男たちは母の愛に飢えたまま成長してしまったが、ハロルドの死は兄弟の将来も暗示しているとも思った。
ブイヤベースの話を聞いた時の弟の「僕はもういらない、食べない、僕は戦わない」と言うセリフが、争うことしか知らない兄と対照的で印象深く、「怒りがこみあげたら10秒数えて冷静になれ」と言うセリフは実生活でもそのような事態になったら実践したいと思う。
屋上のペーパームーン
オフィスコットーネ
ザ・スズナリ(東京都)
2016/02/10 (水) ~ 2016/02/17 (水)公演終了
満足度★★★★
大阪言葉
70年代の実在未遂事件が主軸、そこから80年代に起きたあの「毒入り危険」事件まで絡めていく。上手な役者さんの発するテンポ良い関西言葉は聞いてて心地よい。
ビルの屋上が舞台、大きな月の輪を背景に、その灯りが妖しく見えたり眩しく見えるようだったり。
おじさん達が事件概要を話す場面では、意外と機敏な動きを見せる、またそれがアートな動きで見せ方が面白くさらに話の展開に惹きつけられる。計画は失敗し未遂となってしまった事件だが、次の展開を想像させる結末にそれの話も見て見たいと欲が出てしまう。
このタイトルの「ペーパームーン」は見ている者にとってのまやかしだったのかも。
面白かった。
ネタバレBOX
「山の声」公演時のアフタートークで、大竹野さんの戯曲の閉め方について語られていたが、それを思い出した。
公演チラシ同様のビジュアル姿で、労働者賛歌の唄みたいな詞を合唱しながら、紙吹雪が舞い散る中、パンイチ姿で盆踊りみたいに歌舞いて見せる幕引き方は大竹野さんの趣向、意(遺)志を徹底していたんだなという気がした。
青春の門〜放浪篇〜
虚構の劇団
【閉館】SPACE 雑遊(東京都)
2016/02/03 (水) ~ 2016/02/17 (水)公演終了
満足度★★★
原作未読
筑豊編は漫画で既読。
平成28年に昭和29年の話、どこまでも愚直な理想を求めたい若者達の挑戦と挫折。信介と織江の会話がガジラ方式なのは千葉さんらしいなと思ったり。
とある場面で、唐突に甲斐バンドの「ダイナマイトが150屯〜♪」のフレースを思い出して困った。信介しゃん、時代は違うけど、筑豊から東京の大学生になって仲間と一緒に函館まで行って、苦悩も多いが案外リア充なんじゃなかろうか、お母さんを悲しませずに真面目に大学行けや、と思うのは彼の行動を白い目で見てしまう小市民的感性だからだろうな。それにしても劇中の彼らは昭和一桁前後生まれだろうが、平成の今の年齢だったら80代か…、彼らのような人もいて社会が成り立っているから、なんだかノスタルジーに浸れたよな、そうでもないような。とにかく熱い舞台でした。
リアリズムを追求している劇団白夜の芝居はあんまり好みではないが、町の人=最前列客に配っていたチラシ、どんな文面だったのか読んで見てみたかった。
約2時間。
ネタバレBOX
1950年代のその当時からカタカナ表記の「カレシ」劇中は漢字表記の「彼氏」だろうけど、そのという言葉が浸透していたのかな、と若者言葉に違和感。いや普通にその単語を使っていたんなら、すみません。
同じ夢
世田谷パブリックシアター
シアタートラム(東京都)
2016/02/05 (金) ~ 2016/02/21 (日)公演終了
満足度★★★★★
日常的な会話
出演者が日本映画に出てくる役者ばかりなのに見事に赤堀世界に嵌って驚き。些細な暮らしに淡々と緩やかに続く会話、思いのすれ違い、誰でも迎える老い。
他者から見れば非日常な暮らしぶりと会話にも思えるのに、そんな会話や生活が出来ることが、いかに苦しいながらも愉しいことなのか。人々の優しさが見える舞台でした。
映画ドラマなどでの印象的な造形の役柄も多いので、哲司さんや南朋さんが裏切りそうで窺って見てしまうが、そうでもなかった。
劇中、喫煙シーンも多い為、タバコが苦手な人は自己防衛したほうがよろしいかと。立ち見客もチラホラ。
約2時間。
あぶくしゃくりのブリガンテ
東京No.1親子
駅前劇場(東京都)
2016/02/03 (水) ~ 2016/02/14 (日)公演終了
満足度★★★★
ブリガンテってイタリア語か
実の親子と女優が繰り広げる、たまに哲学詩的なセリフとアドリブみたいな行動を見ていたら次第に熱量が上がる心地良さ。
笑っている内にOLからボクサーや権力者、牢屋の老人など、ごちゃごちゃした流れの中で見せる役の切り替えの面白さ。
ベテラン芸を見たって感じ。
約110分。
ネタバレBOX
親の願いと反比例した子供の育ち方、汚れ仕事と思っている?息子と、清濁併せ持った世の中を生きなければないのが、ごく当たり前の人生。
虚実入り組んだ話でしたが面白かったです。
逆鱗
NODA・MAP
東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)
2016/01/29 (金) ~ 2016/03/13 (日)公演終了
満足度★★★★★
海と水族館
怒濤の言葉遊びは健在、毎回よくあんな発想が湧くもんだ。
日本語を話す日本人ならわかる話。序盤笑って、後半になるうち真顔になって見ていた。
約135分。
ネタバレBOX
昔々のその昔、沈没船の窓越しに交わした人魚と人間の約束。
その約束を果たすため、人形ショーをやっている水族館にオーディションが開かれることを知り、人魚は人間のフリをして、人々の前に現れる。
深夜の海中水族館、「そこ」に運び込まれた「モノ」と一緒に、深い海の底へ潜り込んでいき、「底」で見えたものは人と魚が一緒になった「もの」それは人間魚雷。ファットマン、リトルボーイ、鱗の暗号文…人魚の心の底から絞り出した悲鳴に反戦という言葉を強く思い出した。
上演が発表された直後、「赤いろうそくと人魚」をモチーフに書いた作品との記事を読んだ記憶があったが、勝手な想像だが、お子さんたちに読み聞かせしているうちにこうなったのだろうか。
久しぶりに野田さんの舞台を見たなーと嬉しくもあり、また内容に重苦しさもあり。骨身に沁みた舞台でした。
漂流劇 ひょっこりひょうたん島
Bunkamura
Bunkamuraシアターコクーン(東京都)
2016/02/03 (水) ~ 2016/02/11 (木)公演終了
満足度★★★
なんと言って良いのやら…
昨年の上演発表後から色々あるわ、公演開始したらしたで酷評に近い、というかほぼ酷評の下馬評は目にしてた。
表題の歌はよく知っているが、人形劇そのものは懐かしのテレビ番組やYouTubeなどで掻い摘まんで覚えている程度、井上ひさし氏の晩年に「この作品は死後の世界の話」という発言も、どこかで目にした。
見た後は少し長いかなーとか、ここが松本の劇場だったら味わいが違ってたのかもなどと、祝日午前中の教育テレビ感を彷彿。
テレビ原作に親しみがあって、お目当ての役者が歌い、なおかつ滑稽さとブラックファンタジー的な要素を期待していたら、どうしてこうなった?ということなのか。初期の東映マンガ祭り的少年少女のための(ってジャンルはないけど)井上作品の軽妙な文体を読んでた印象が強いせいか、この舞台は観る前から都合の良いように劇世界を思い描いて見ていたのかも、と自分の観劇姿勢も少し考えたりして。
役者さんはイキイキと楽しげに演じ、明瞭でリズミカルに歌い上げる。当たり前か。
ただ、コクーンシートで見た自分が言うのもなんだが、特設S席の座席設定はあまり意味はなかったような気がする。
ネタバレBOX
劇中、串田さん着ぐるみ着てよく動けるなー、と妙なところで感心。
プロローグから始まり、8編の話、カーテンコールまでの場面構成。
「漂流劇」と銘打っているためか、断片的なエピソードが8話あり、舞台上方の煙や光、爆発音などで話を区切っていく。
脚本構成から各々の持ち味が見え「海賊とイス取りゲーム」での会話やり取りのナンセンスさはシティボーイズ風コントにも思えたが、そこから先はファンタジーとインテリジェンスを兼ね合わせた結果、井上色は控えめになり「存在の不確かな国際警察官」「さまざまな人の生息する無人島に漂着」の場面では串田氏のシューレアリズムが勝ってた感。
博士が知恵を働かせ、こどもたちが力を合わせてドラゴンを作る「こどもたちと海賊の闘い」でのドラゴン製作過程は、これまで見てきた串田さんの舞台上のガラクタだらけの廃墟から何かを作り出す演出に思えてみてとれたが、闘い方は所詮、こどもの浅知恵。すぐにカラクリもばれ壊れてしまうが、ここら辺は井上さんの情動にも思えてくる。
「みつからない宝探し」で盗賊含め、全員が懸命に探す宝箱は見つかるものの蓋を開ければ空振りばかり。絶望の空気が漂う中、ピストルを撃つ度に寿命が縮んで逝ったダンディを含む、舞台に放り出されていた死人や荷物が空高く上って行くが、あのモビールは子どもたちや漂流していた彼らの魂を表したもの、と思った。
祝祭的な感慨もなく、終わった瞬間は、ああ、やっと終わったかと感じたが、大人の目で見るより子供の頃の童心に戻って見たほうが邪推もせず楽しめそうな舞台だった。
嫌いにはなれないけど、もっとどうにかできなかったのか、と口惜しくなってしまった。
夫婦
ハイバイ
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2016/01/24 (日) ~ 2016/02/04 (木)公演終了
満足度★★★★
失ってから悟ること
作者自身の私小説的な劇作の今回のメインは、タイトル通り夫婦であり、ご両親の話。仕事は立派にしていても家庭では世間知らず。「老いる」ことから始まる家族の仲違い修復時間。
家庭内での行動は別にして、医学の発展に尽力されたお父様は立派な社会人だが、wowowに加入したお母様は女の鑑だ。
お母様の病気の件で、不謹慎と言わしめそうな所をクスリと笑わせる、あの姿がぴったり当てはまるのはやっぱり山内さんしかいない。
約2時間。
ネタバレBOX
亡くなってから悟ること。生前の父のスライド写真の場面から、胸の奥底に沈殿していたものが徐々に動き始め、開演待ちの客入れ時の「リバーサイドホテル」を思い出し、(ノン)フィクションのよそのご家庭のことなのに涙が出てきてしまった。
「ハイハイ」から「バイバイ」まで。生まれてから死ぬまで。
あらためて、いい劇団名、と思った。
もうこうなったら映画の「スターウォーズ」並みに過去作を順に上演していくのも面白いんじゃないだろうか。岩井さんが大変になるけど。
元禄港歌-千年の恋の森-
Bunkamura
Bunkamuraシアターコクーン(東京都)
2016/01/07 (木) ~ 2016/01/31 (日)公演終了
満足度★★★
立ち見で観劇
千秋楽前日になんとか時間取れ、立ち見観劇。
絶え間なく椿が降り注ぐ中、瞽女と時代の禍々しい格差にアホボンな上方色男。
終始落下してくる椿の音が時に耳障りだったり、小説の章段落のように各場面の恋路や生き方を区切って展開させていたような印象を持った。その流れか、段田さんの役柄は年齢的に見合ってないんではと、思ったが、能楽堂の山場からの巧みさに引込まれた。
瞽女二人が瞬きせずに花道歩く姿、能を舞う、三味線旋律、などなど役者の力量を目の当たりにし、凄いなーと改めて感心。
カテコの猿之助丈の堂々たる姿は女座長のような存在感だった。
ネタバレBOX
コクーンでありながら大衆演劇見てる感じがなきにしも有らず。
初見のため、蜷川さんの演出がどこまで出ているのかは不明だが、演出補のかたの名前は、もっと前方にクレジットしてもいいんじゃないかな、とキャスト表見て思ったり。
厳冬 ―父殺し篇―、厳冬 ―子殺し篇―
鬼の居ぬ間に
古民家asagoro(東京都)
2016/01/27 (水) ~ 2016/01/31 (日)公演終了
満足度★★★★
-父殺し編-観劇
初見。チケットプレゼントにて観劇。
古民家の一室そのものが舞台を彩る江戸間8畳ほどの和室、その奥は30席ほどの客席、アイテム類も昭和期の世界観。
久しぶりに黒電話のダイヤル音を聞いたが、「0」の番号音を耳にした瞬間にいろんなことを思い返しそうな、我にかえる「間」というか。
鬼畜の所業と執念深さに出口の見えない娘、一手報いても残酷な結末に言葉が出ない。
「面白い」とは言えないけど、印象に残る作品でした。
約40分。
ネタバレBOX
希望があるとすれば、当日会場までのアクセスを公式HPに記載して欲しいことと、当日アンケートの記入余白が舞台タイトルと被っていたので、もう少し記入しやすいデザインにして欲しい。
ピンクの唐草風呂敷、可愛い。
カクシンハン版 ジュリアス・シーザー
Theatre Company カクシンハン/株式会社トゥービー
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2016/01/20 (水) ~ 2016/01/27 (水)公演終了
満足度★★★★★
初見
舞台はローマなのに現代日本の政局に右往左往されやすい旬の国民性を反映させてるような見せ方で異常かつ大胆で面白かった。
木村演出版のブルータスはそっちの友を選んだか。
顔面偏差値高い俳優陣に生ドラム演奏、荒々しくも繊細でかっこ良かった。
休憩10分込み、約3時間15分。
俺の酒が呑めない
劇団青年座
青年座劇場(東京都)
2016/01/22 (金) ~ 2016/01/31 (日)公演終了
満足度★★★★★
兄帰る
劇場に足を踏み入れたら本格派の酒造場。会津の杜氏さんと銘酒を巡る家族ドラマでもありました。大人、っつても老人だけど、その人に怒られると子どもの顔に戻ってしまう中年男との間柄に親身の関係あるある。
暗転時、舞台上方にある杉玉が見える所で酒造から吹き出てる湯気?が見えたり、雪がしんしんと(本当にこの言葉がぴったり)降ったり、夕暮れが映えたり、と細かい箇所もいい。観劇後、自分の座席からは見えなかった場所を見たが、ちゃんと神棚まであり、舞台セットも見応えあった。
今日みたいに冷え込んだ日に呑む日本酒は格別に美味しいと思うが、終演後、アンケート書いてロビーに出ると今作のモデルになった日本酒の試飲サービスをして賑わっていた。
いい舞台観て、良い酒呑んだら、即酩酊してお家帰れなくなるので退散!
あー、呑みたかったw 約135分。
ネタバレBOX
明るいおねえさんから陽気なおばちゃんへ、気がつけば変化したと思われる、農協の保険のおばちゃんの一方的に話しまくり自己完結させるパワフルさに完敗。あの勢いなら訪問先のお宅では、宅配便配送業者の荷物届いたら、認め印のある所から勝手に認め印取り出して受け取ってしまいそうだが、町一番のファッションリーダーだと思うw。
実家の蔵を守るため、いろんな感情を捨て、地元で生きる決心をした妹が無頼漢にもなれず戻ってきた兄に向かい本音を爆発させる場面で、そばで話を聞いている大人=忠さんや父の複雑かつ気遣いある表情が潜んで見えていたのが印象的。そして日本酒と毎日接しているためか、肌質も絶品の綺麗さ。
忠さんが希穂に向かって発した「女はホルモン〜色々大変なんだろ?」のセリフの箇所ではかなり男性客にウケており、それ聞いててなーんかイラッともしたが。玄戸兄妹と年齢が近いせいだからかな。
奈緒美の全ての話を自分の思った通りに脳内変換させる技に感心。最後、別れるのは特に気にならないが、奈緒美は子供をどうするつもりだったんだろう。
津嘉山さんの頑固一徹の職人気質とヨボヨボくらいの体の動きがまた見事で、つい体支えたくなりそうだった。最後の男泣きに一緒にもらい泣きしてしまった。
タイトルの意味を考えたら、主役は忠さんにあたるけど、見ているとそんな考えどうでもよくなってくる良い舞台でした。
マクベス~The tragedy of Mr. and Mrs. Macbeth
wits
シアターX(東京都)
2016/01/15 (金) ~ 2016/01/16 (土)公演終了
満足度★★★★
三回公演の最終日観劇
シェイクスピア先生と家康没後400年記念公演、かは知らないが冒頭から観客とのコール&レスポンスを交えつつ、漫談のようなスタイルで飛ばしまくる2人。
マクベス夫妻を軸に、マクダフ、マルカム(たぶんやってた)、楽器を乱打する魔女など多数の役柄と性別も逆転させ(門番役のみ佐藤友さん、可動壁引っ張りながら登場)何役も入れ替わりながら、語り演じるソンハとユッコの演劇名人劇場。
ロープライスなのにハイレベルなスタンダップで演じるリミックスマクベスステージでした。
最後は今回のユニット名「wits」のハンドサインのダブル裏ピースを全員で示して幕。
2日間、3公演しかない舞台だったが、大きな舞台に出演し続ける人たちなので、今回のような小規模舞台で見られる機会は貴重になってきた。でも面白い企画だったので他作品もこのような形で継続して上演してほしいが、その時はチケット手配も一考してほしい。
約110分。
ネタバレBOX
ふざけて笑わせて、いったいいつ物語が始まるのだろうと思っていたら、いつの間にかさらっと2人のスイッチが切り替わり、ステージの空気が瞬時に変わる凄さ。デイフォルメされたマクベス夫妻の世界観に、涙を流し怒り、浸らせる。全てが終わった後、最後に簡易の祭壇作りマクベス夫妻の遺影が設置され、その前で社会風刺のセリフを吐いてた(セリフ以外のものも吐いていたが)喜劇的役割の地獄の門番が花びら巻きながら〆る仕方はこの芝居に合っていたのかな。後方席だったのでよくわからなかったが、ステージ近くの客席からも花びら投げてたみたいだが、あれは観客が持参されていたんだろうか。
テーマ曲がアレだったのは、SWシステムに引っ掛けてのジョン・ウィリアムズだったのかな。
セットらしいセットもなく、むき出しのステージ上にはマイクスタンド1本と後方にギターとおもちゃのピアノがあり「インディ・ジョーンズ」だったか「スター・ウォーズ」だったか、そのメインテーマを出囃子に黒ジャケットのソンハ氏と黒のロングドレス姿の池田さんが「どーも〜」と客席から剽軽に登場し壇上へ。
前説でアドリブのような会話の応酬で送る2人のボケツッコミのシェイクスピアのミニ講座。
・「マクベス」「ハムレット」「オセロー」「リア王」シェイクスピアの四大悲劇、史劇?。
・シェイクスピアのヘンリー王シリーズはスターウォーズと一緒の構成説。
・「ひところし(1564)いろいろ(1616)書いたシェイクスピア」=1564年-1616年、一昨年は生誕450年、今年は没後400年。
・「fair is foul, and foul is fair」=福田恆存氏/松岡和子氏訳「きれいはきたない、きたないはきれい」小田島雄志氏訳「良いは悪いで、悪いは良い 」今回の戯曲案は松岡さんの訳を採用。
・太陽=Sun と 息子=Son の同音異句から「陽が昇り、陽が沈む」というセリフの説明で、陽が沈んで暗くなる頃〜「で、照明が暗くなるんですよね。」から客電が少し落ち、本格的に芝居が始まる。
「しくじる?私たちが?」「二人とも悪事にかけてはまだまだ青いな」などの聞き覚えのあるセリフから、マクベスに殺されたマクダフの妻と子どもの場面など、主要な場面、主要なセリフはいじらず、ちゃんと戯曲とおり見ていたような気がする。一瞬で役が変化しても、各人柄が理解できる上手さも実感。暴君マクベスから、酒宴で友人だったバンクォーの亡霊、バーナムの森に狂乱するマクベスの鬼気の表情など、マクベスと婦人、2人の世界で繰り広げられる、視野が広そうで狭い夫婦の行動に、この人らに国を任せるとそら滅びるわな、なバカっぽさも見え隠れ。婦人が亡くなり、一人残されたマクベス王の「ワンモアタイム・ワンモアチャンス」の弾き語りの歌声に、裸の王様ぶりがまた哀れ。
面白かったです。
王女メディア
幹の会+リリック
東京グローブ座(東京都)
2016/01/09 (土) ~ 2016/01/16 (土)公演終了
満足度★★★★
所変われば夜叉のような王女
強烈で残酷、かつ神聖な雰囲気をまとった王女のパワーに観ている側も忍耐力がつくような圧倒されっぱなしの約2時間。
あそこまでいくと男性女性中性を通り越し、様式美を装備した「平幹二朗」っていうジャンル。
話は殺伐だけど演劇を見た!って感じの重厚で力強い舞台でした。
ネタバレBOX
六波羅探題みたいな女たちの存在も人の業を反映しているように思えた。
最後、舞台上のマリア像が破壊してしまったが、あの像は王女の精神バランスの象徴みたいなものなのかな。
ドアを開ければいつも
演劇ユニット「みそじん」
atelier.TORIYOU 東京都中央区築地3-7-2 2F tel:03-3541-6004(東京都)
2015/12/24 (木) ~ 2016/01/12 (火)公演終了
満足度★★★★
観劇納め
12月最終日マチネ観劇、冬ver。今作が今年の観劇納め。
1年ぶりに四人姉妹に会いにきた。
平日ならば都心の喧騒も聞こえてきそうな場所で公演しているが、前回同様、今回も日曜日の比較的静かな日に観劇。そのためか芝居の世界観にどっぷりとハマれる。
キャストも変わり演出にも微妙な変化も見られたせいか、前回の時とはまたひと味違う女優さんの個性が活きて見えたが、今回も見終わった後に自然に温かでホッとする気分になった。
母の法事の為、父と次女が暮らす実家に帰省した姉妹の、母から姉妹へのご褒美みたいな一夜の話。
良い観劇納めでした。
ネタバレBOX
ラジオからヒット曲が豊富に流れ聴かれていた80年代、不意に流れる「恋に落ちて」に条件反射のようにスイッチを消してしまう次女。月日が流れた今、懐メロとして聴く音楽に彼女は何を思うのだろう。
姉や妹がいる女性にはかなり同意されそうな血は水よりも濃いセリフや行動の数々。それぞれの生活、恋愛。無関心を装った挙句の後悔や哀しみ、憤りのあとにやってくる静かな夜。
1年前に見た時より、さらにテンポアップしたかのようないい塩梅の舞台でした。
和室が舞台だけど、座布団が出てこない家庭だったので、心の目で想像して見たw。
ロングラン公演の真っ最中だが、店舗の2階の座敷での上演、靴を脱いで客席へ向かうが25席程の客席はすぐに満席。家の一室で人には聞かれたくない話では、つい小声になってしまうのは人の性(サガ)、ご年配の観客のかたには、それが聞き取れなかったようでしばし落ち着きなく、まぁそれも観劇する上での醍醐味として受け止めるしかないのは致し方ないことか。
2年近く上演していて好評を得ているのは実感されているのではないだろうか。いろいろとクリアしないといけない問題も出てくると想像するが、都内には100席に満たない小劇場も程よくある、そろそろステップアップし劇場の規模を拡大してもっとたくさんの観客に見て欲しい気もする。