満足度★★★
疑似家族に赤い靴
孤児の兄弟と中年男。共同生活が始まってから変化する関係。
外の世界に興味はあるが病弱のため憧れだけで暮らす仔犬のような弟の行動と純粋さ、その弟に時には暴力的な愛情しか出来なかった兄の粗野で抑圧されたような日々、彼ら2人の場面では見ているうちに次第に心が傷む。
孤独の穴を埋めるように接し、孤児としての経験者として語る中年オヤジのハロルドが案外慈悲深い。
「父性」という資質を持った話と感じたが、以前だったらなかなか素直に行動には出来そうにないことも、今のイクメンと呼ばれる人たちなら抵抗なくやってのけそうで、その辺も日本人の意識が変わっているんだろうな、と話とは関係なく思ったりして。
谷さんの翻訳セリフも馴染みやすかった。
2時間ちょいの舞台なのに休憩が入るのは海外戯曲のお約束なのかな。