『サンタクロース会議』『サンタクロース会議 アダルト編』
青年団
こまばアゴラ劇場(東京都)
2012/12/14 (金) ~ 2012/12/23 (日)公演終了
満足度★★★★★
勉強になった
観客のちびっ子がサンタさんから欲しいもののなかで
「飛び出せ動物の森の絵本」というのがあって、
あとで攻略本をコンビニで見てみたら「うわ、コレ凄く良い、やってみたい」
と思ったり(笑
「金属バット!」と答えるちびっ子に
「・・アレ、ちょっとまて、こう言っちゃなんだけど、たまにとんでもないガキとかいたりするから、買って与えるのは全然良いと思うんだけど、ボール以外の生命体や器物に損壊を与えないようキツく言い含める必要もあるんじゃ・・と思ったり(よくみたら良い子そうだったんで余計な心配か」
ニセサンタに注意させるために登場させたニセサンタを
男の子が信じ込んでるっぽくて、
安全のためとはいえちょっと悪いことをした気になったり(苦笑
なかなかに楽しめました。
・・気のせいかゲーマーっぽい子があんましいなかったような・・?
ちなみに当日券で両方観れました。
下北沢にて、
ロ字ック
下北沢 Laguna(東京都)
2012/12/23 (日) ~ 2012/12/23 (日)公演終了
満足度★★★★★
あり・・
なんかもっと挑戦しても良かった気が・・。
でもSebastianXが入場規制かかってたりするから、
下北では今回の戯曲みたいな等身大な感じが流行りなのかなぁ・・。
(バンドを引き合いに出すのもアレだけど(汗)大好きな黒猫や撃鉄のボーカルの叫びが会場内にあんまし届いてないのにも衝撃を受けたなぁ・・・下北
生音と合わせて会話の掛け合いをしたりしてライブ感を出す感じとか、なかなか面白かった。
虫
Q
アトリエ春風舎(東京都)
2012/12/20 (木) ~ 2012/12/24 (月)公演終了
満足度★★★★★
初見なんで割とザックリと観ちゃったけど・・
女の子のリアルの男性のイメージ=虫?と、
テレビ画面の上での虚構の男性のイメージ=関ジャニ∞との対比がとても面白い(笑
ちょっと極端かなーと思ったりもするけれど、
劇的にするにはこれくらい両極端にした方がちょうど良いのかもしれないなと思ったりした
(ただ、2年前にもほぼ同じ脚本で上演したようなので、
個人的にはちょっと不安にはなってしまったけど
鳥とホームレスと女と先生
タイタニックゴジラ
プロト・シアター(東京都)
2012/12/20 (木) ~ 2012/12/23 (日)公演終了
満足度★★★★★
I'm Like A Bird
高木氏はろりえの中では一番の野蛮人のように見えたケド、
自分の作品では、ろりえよりもロマンチック探偵みたいだった(笑
パワフルな芝居を予想して
なんとなくディーゼルのパンツをはいていった自分は
やっぱりなんとなく当てが外れた(なんとなく予感はしていたけど(笑
感じだけど、観終わったら「これも良いかも」という気になっていた。
ちなみに高木氏は
自分の作品のロマンチック?が恥ずかしかったのか、
アフターの一人芝居では何故か大工の格好をしていたのもちょっとウケた(スミマセン(汗
サンリオピューロランドにいそうなキャラクターも・・心の眼で見れば、いたような気が・・鳥とか(褌は無かったけど
泳ぐ機関車
劇団桟敷童子
すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)
2012/12/13 (木) ~ 2012/12/25 (火)公演終了
満足度★★★★★
FT的な?演劇も好きだけど・・
桟敷童子も自分はとても好きで、
2006年のスズナリの泥花以降はほとんど観ているはず・・(2つくらい観れなかったのがあるのかな・・?
ようは物語があろうがなかろうが中途半端な舞台は観る気がしないということで・・。
じゃあ、桟敷童子の舞台のいちばんの良さは物語か、
と言われると、そうとは言えないと思います。
今回は、最近のなかでいちばん間近で役者さんたちの演技を観られたせいか、
そのことが良く分かったように思います・・
(別にほとんどのお客さんも既に気づいていることだとは思いますが(汗
【緊急再演】つぎとまります【王子小劇場】
劇団肋骨蜜柑同好会
王子小劇場(東京都)
2012/12/14 (金) ~ 2012/12/15 (土)公演終了
テロルとそのほか
工場の出口
アトリエ春風舎(東京都)
2012/12/01 (土) ~ 2012/12/07 (金)公演終了
満足度★★★
もう少し緩急があった方が・・
良いのかな、と思う。
それぞれの独白の中には、いくらでも突っ込むところがある。
それ(どんな意見にでも突っ込みどころがあること)は当たり前かもしれないし、
もう少し考え抜いた末の精華を観たかったかもな、という気もしたりした。
ひとつ言うなら、「教育」について。
いつも思うのだが、子供は常に大人より賢明だと思う。
うわべだけの言葉はすぐに見抜かれる。
愛情の無い姿勢は見透かされる。
別に誰に教わるでもなく、皮膚で感じるのだと思う。
何かを子どもに伝えるということは非常に難しいと思う。
思い出してみれば、子どもの頃に先生から何かを学んだことは無かった。
ふだん小学校ではわざと100点を取らずに先生たちの様子を観察し、
中学受験が終わってから先生の態度がかわるのを見て、
この程度の人たちが先生をしているのかと失望したことがあった。
先生(大人)の態度の微妙な変化は直ちに子供たちに伝わる。
多少成績が悪くてもそれぞれの良いところを見抜かなければならない。
うわべに関係なく大人同士であっても、お互いに内面を尊重しあえるなら、
子供たちはそれを見て学習する。
(自分は先生たちを反面教師にして学習した。成績の悪い子どもの方が良い子よりはるかに個性的であることが多いにも関わらず、先生(大人)たちの態度のせいなのか、自分に対して自信が無いように見えたのが、そのころから自分には不思議だった
子どもは勉強からではなく、
周りの大人の人生に対する姿勢から影響を受けると思う。
(そうであるのが幸せだと思う。無理なら本から大昔の人の言葉を抜き出すしかないが
子供たちの心に感銘を与えるのに教師である必要は全くない
(素晴らしい教師は、教師にならなくとも、その生きる姿勢で
多くの子供たちにむしろ教師になる以上に
大きな影響を与えたのではないかと思ったりもする
ねじ職人だって何だって関係無いと思うし、
多くの人が、教師よりも自分たちの生きる姿勢によって子供たちが育まれていくのだと
信じる社会の方が健康的だと思う。
お金が無くても人生を楽しみ、一つ一つの物事を大切にし、
子どもたちの元気な姿を見るのが何よりも楽しみであるように
大人たちが振る舞えば、
子どもたちは勝手に自由に育つと思う。
道を踏み外す子もいるかもしれないが(また戻ってこれる社会であればなお良い
全ての人が仲良く暮らせるように
何か発明をして貢献したいと思う子たちも大勢出てくると思う。
子どもたちの心に芽を植えるために教師になるという選択は悪くは無いけれど、
演劇作品としてはそれだと教師以外になった人たちには
少し閉じた気がしてしまうのではないかと思われるので(自分にとっては
こうした方が良いのかな、という気がちょっとした。
そのようなちょっとした感覚がそれぞれに対してあったのだけれど、
ここでは教育に対してだけちょっと書いてみた(苦笑
皆のためのピザ
十六夜吉田町スタジオ
十六夜吉田町スタジオ(神奈川県)
2012/12/06 (木) ~ 2012/12/09 (日)公演終了
満足度★★★★★
政治とは全く無関係
今まで、朝鮮戦争の時には、完全に北と南に分かれて軍隊同士が戦っていたと漠然と思っていた。
ステップ・メモリーズを観て、初めて
朝鮮戦争が、一つの村の中で疑心暗鬼になりながらお互いに殺し合っていた内戦なのだと知った。
現在においては、
「誰が悪」というような明確な線引きの元に行われる
勧善懲悪型の戦争は存在しないようだ。
(モンゴル型の略奪型の戦争の神話が根強いが・・
「戦争状態」はいつでもどこでも、
人びとの心の中に想像力が欠け、お互いの歩み寄りが無くなった瞬間に
容易に突入する。
戦争で気を付けるのは前だけではなく、後ろにも必ず敵が存在し、
恐怖が人の命を奪う。
(他国民を殺す際には、必ず国内でも自国民が犠牲になっている
歴史上すべての戦争において、死ぬのは戦場だけでなく、
治安維持の名の下に多くの市民が命を奪われた。
・・じゃあ、そんな戦争に反対するにはどうしたらいいのか?
別に政治に首を突っ込む必要は無いと思う。
何かをプロパガンダして押し付けるなんて、
今じゃスマートさに欠ける(それこそモテない男の典型だ
それぞれが自分で考えれば良いと思う。
誰だって少しばかり優しさがあれば、親でなくても
目の前のちびっ子たちを、育て上げて
他の国の子供たちと殺し合いをさせたいとは思わないと思う。
この舞台の中で、北朝鮮の人びとから届けられた手紙が読み上げられた。
勅使川原三郎『DAH-DAH-SKO-DAH-DAH』
フェスティバル/トーキョー実行委員会
東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)
2012/11/23 (金) ~ 2012/11/25 (日)公演終了
満足度★★★★★
凄くシンプル
ダンス言うところの「身体性」という言葉の意味が自分には不明だ。
ただ、ダンスの芸術性と呼ばれるもののひとつに、
「文学や絵画とは別の道で物語を語ったり、何者かを表現すること」(つまり詩的であること、と言い換えてもいいのカナ・・?
(「Andre Levinson on Dance」の序文より抜粋)
があるとするならば、
勅使河原氏のダンスはまさにそれだったように思う。
賢治の詩のように、非常に抽象的でありながら具体的で、
削ぎ落としながらも豊かさを湛えている。
詩人の筆のように時に躍動し、
次の瞬間に死を匂わせる。
まったく言葉を発しないにもかかわらず
身体の動きだけで雄弁である。
むしろ動きは次の静止(≒死?)をより雄弁にするために燃えながら準備される。
言葉(≒動き)を完全に削ぎ落とすべきなのか、
あるいはまったく削ぎ落とさないのか、
それともある配分を持って(作者の美意識に従って
削ぎ落とすべきなのか、
どれが最も空間と言うコップの中に、
詩という水を満たすのに適当なのか、
自分には、正直答えがまだ出せないでいる。
・・いや、たぶん「完全に削ぎ落とす」が、
最も正解に近いのは分かりきっているのかもしれない。
ただ、今回の公演を観る限り、
勅使河原氏が20年を経てこの作品を再演したということは、
まだまだ削ぎ落とす前に寄る道は多いということを言いたいのかもな、と思ったりした。
もっともっと豊か(躍動し)になり、
やがて全てを削いで完全な無になるのか、
あるいは砂漠の上の遊牧民のように情感豊かに夜空の星を語るのか。
前世紀(19世紀)までに派生し、準備されたと思われるダンスという詩が
一堂に会した20世紀初頭のヨーロッパから
100年が経過した今の日本で、
どんな解なら成立するんだろうかなぁ・・。
あの山の稜線が崩れてゆく
城山羊の会
こまばアゴラ劇場(東京都)
2012/11/29 (木) ~ 2012/12/11 (火)公演終了
ユン・ハンソル『ステップメモリーズ―抑圧されたものの帰還』
フェスティバル/トーキョー実行委員会
にしすがも創造舎 【閉館】(東京都)
2012/11/22 (木) ~ 2012/11/25 (日)公演終了
満足度★★★★★
なるほどなぁ・・
規制されたところは確かに自分も観て、
違和感を感じたところなので、
「なるほど」と思った。
アフタートークで不満を言っているところを聴いて、
その違和感なり、
作品を別の文化背景のなかで上演することのむずかしさを知った。
きっと、イランの作品を観たときにも思ったのだけど、
ある国・時代の作品を別の国・数年先に持ってくるとき、
どの程度伝わるのか、あるいはほとんど伝わらないのか、
を考えることは重要だろう。
ただ、ある時代・国の人たちに向けて作ったものを
伝わらないからと言って他の国で上演することを拒むことが良い選択だとは思わない。
(今回は歴史のものだったので割とギャップは少なかったが、ただ、日本では絶望的なくらいに隣国の資料が少ない(汗
観た人たちは、観終わった後も、
観たものに対する自分なりの考えを、
資料に色々と当たりながら、観劇時間の何百倍もの時間を時には掛け、
整理していかなければならない(汗
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その作業は決して無駄ではない。
むしろこれからの時代、普通の人々のそうしたささやかな努力は、以前にも増して重要だ。
実際、60年前っすぐ隣の国で数百万が死んだと言われる戦争を誰も知らない。
そうした戦争・内戦が起こる可能性は、どこの国・時代でも常にある。
実際、極東アジアは既に昔のバルカン半島並の火薬庫に変貌を遂げているにも関わらず、
なぜかだれもそのことに気づかないフリをしている。
今ほど「反戦・反原発・反ファシズム」を叫ぶことが重要な時代も無いハズなのになぁ・・。
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逆に国内の作品は鮮度が一番だと思う。
本当は、外国の作品も、上演してからすぐ、持ってきてくれれば良いのにな、と思うけれど、それは贅沢だし。
ただ、人間には「想像力」があるので、
その時、その場にいた人間には自然に肌で感じられることを、
その何百倍もの時間、資料や証言を通して、
想像し、作品の肌触りを可能な限り再現していくことができる。
この公演と演出家の講演を見る限り、この演出家はどうやら恐ろしく才能豊かな人間のようだ。
そしてリヒニッツと同じく、ひどく挑発的でアイロニカルだ
演出家には、他の多くの人が見逃すものを見通して、声を大にして言う肝っ玉もあるようだった。
(上記の特徴は、才能に直結している
なるほど。
「韓国の演劇は既に日本のはるか先を言っていて、もう追いつけない」と
人が言うのも良く分かる(苦笑
この鋭さ、このアイロニー、そしてこの挑発。
40歳(演出家の年)にしてこの若々しさ(笑
一端ではあったけれど、魅了されるには十分な欠片だった。
また、これに懲りず日本に来てほしいなぁ・・(苦笑
いや、外国の作品を観るのって、結構大変なんですよねぇ。
昔メビウスを知った時には、日本人が到底知りえない元ネタがぎっしりあるなんて想像もしなかったもんなぁ・・。
ちなみに、外国の作品で自分たちが「実験的」と感じるものは、
現地の事件や感情をモチーフにしていたりすることが多い。
直接描くと、ダイレクトに伝わりすぎるので
少し抽象的な表現にならざるを得ないんだろう。
外国人にあえて分かりにくくする意図はなく、
そうせざるを無かっただけのことで、
それでも現地では色んな反応・批判があったらしいことを知ると、
世の中は広い、と思ってしまう(苦笑
そして、FTに来た外国人演出家の多くは誰も、
アーティストぶったところが全くない(実験をアーティストぶって用いたりしない
挑戦的でかつ非常に謙虚で、尊敬できる人たちばかりだったことは言えると思う。
ポツドール『夢の城 -Castle of Dreams』
ポツドール
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2012/11/15 (木) ~ 2012/11/25 (日)公演終了
満足度★★★
TOPS
座席なんか、ぎゅうぎゅう詰めでトイレにも行けなかったトップスの公演なんかと比べると
見違えるように素晴らしい環境。
舞台もずっと演劇的でユーモアも膨らませて
誰にでも見やすくなった。
それでも、やっぱりトップスの時のヒリヒリした感覚とは違うんだよなぁ。
トップスの頃は、公演の目と鼻の先で、
リアルタイムで同様の生活が進行しているのかもという緊張感があったように思う。
それに比べると、今の池袋西口では・・どうなんだろう・・?
若者の、特に地方の若者たちの荒涼とした風景の描写は、
東京の演劇シーンでは望むべくもなく、
現在進行形で燃えている場所はだいぶ前からヒップホップに完全に移ってしまったのかな、という認識を新たにしたり。
(西部劇のガンファイトがライムに移っただけなんじゃないかと思えた向こうのヒップホップに比べて国内のソレは昔ずいぶん牧歌的に見えたけれど、今では他の何にも負けない完全な心の鏡として機能しているような・・
方法論だけそのままで完全な新作として上演するやり方もあるんではないかな、と思ったり。
よわくてやわらかくてつよい生き物
うさぎ庵
アトリエ春風舎(東京都)
2012/11/18 (日) ~ 2012/11/25 (日)公演終了
満足度★★★★★
一言断っておくと・・
やはり二人芝居で1時間以上喋りっぱなしということもあって、
役者さん二人の地理的な距離もあってか?
完璧という訳ではなかったように思います・・。
でも、自分も何度も観ている大塚氏と、
多分初めてキッチリ見ると思われる
坪井さんの人間的な魅力が大きいのでしょう、
色んなところをちょっとずつ想像力で補いながら観ていくと・・
自分はこの話、
シンプルだけど、悪くないのかな、
と思ったりしました。
きっと、要約すると凄くどこにでもありそうな夫婦の悩みのようにも思えたりするんですけど、
その描き方が素晴らしいと思いました。
笑う門には福来る
LiveUpCapsules
王子小劇場(東京都)
2012/11/16 (金) ~ 2012/11/19 (月)公演終了
満足度★★★★★
大圓朝
落語好きなら圓朝の名前を知らない者はなく、
様々な逸話も、さほど真面目に本を読んでいなくても、
ことあるごとにどこかで耳にしているはず・・。
自分も彼の創作した落語は色んな噺家を通してずっと慣れ親しんでいるし、
圓朝まつりも頻繁に行っている(彦八祭りも行くけど
洗濯機もテレビも何もなくてもいいから、
大圓朝の生きていた時代に生まれ、
彼の生の落語を聞きたいと思うことしきり(苦笑
冷静に考えてみれば、
生み出す作品が全て大傑作のあんな天才(日本の劇作家にはついぞ出現しなかったタイプ
が突如目の前に現れれば、
誰しもが虜になるし、嫉妬するのも当然と言えば当然で・・。
ただ、彼の素晴らしかったところは、
天才ではあるけど、いろんな人の生や死を見つめたからなのか、
噺の中に何とも言えない愛おしいような哀しいような空気が張りつめていることで。
それを、巧い噺家が、素晴らしい神社の一室かどこかで話すなら、
一度に空気が溶け出すみたいに、
いつしか江戸の闇夜の中に放り込まれていたりする。
東京の噺家たちが上方に対して優越感を常に抱いているのは、
大圓朝の功績が非常に大きい。
それだけの人物なので、
圓朝もサンテグジュペリと同じくらいの逸話に富む。
それだけに、それらをまとめるのは大変で、100分でも全然足りないくらい。
でも、この作品は凄く良くまとまっていたと思う。
最後をもう少しうまくまとめられればもっといいかな、
と、少し思ったけど(苦笑
それでも、圓朝の魅力的な逸話を生の演技で
目の前で観られたのはとても嬉しい(笑
落語ファンと言うとちょっと古臭い様にも思えるけれど、
良く考えれば、今の劇作家で100年後に誰かが声に出して読んで、
これだけ胸に染み入る作品を書いている人がいるんだろうか・・?
ペルシャの昔の詩人たちが作った作品が600年たってからも
現代の人びとに愛され暗記され読まれているが(人生を指し示してくれもする
日本の作品で500年後に残るのは
ひょっとしたら圓朝位かもしれない。
きょうはビッグサイトでスクイテンの講演を聴いたら、
帰りに台場の夕景がみたくなってゆりかもめに乗ったけど(笑
同じようにこの芝居を見たあとは、
圓朝の落語がすぐにでも聴きたくなったなぁ・・。
現代の東京は、
大したことのない詰まらない街なのかもしれないけれど(苦笑
過去の偉人の痕跡や、
他の国の人の夢の話が時たま聴けるから、
ちょっと輝いて見えたりするときもある。
F/T12イェリネク三作連続上演 『光のない。』
フェスティバル/トーキョー実行委員会
東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)
2012/11/16 (金) ~ 2012/11/18 (日)公演終了
満足度★★★★★
ちいさな小部屋で観るのも良いけど・・
こういう大きな劇場で5人の役者を見るのも良いな・・。
学生時代、フランス語とポーランド語は勉強してみたけれど、
間に挟まれたドイツ語はちっとも勉強したいと思わなかったけれど、
ちょっと今後悔中(あくまでちょっとだけ(苦笑
少しだけでも齧ればよかった(齧るだけなら今からでも遅くないかな・・でも齧るならペルシャ語にしたいかな(苦笑
たしかにこれは、総合芸術としての地点の集大成かもしれない。
そして、どんな要素が入ってきても、それらに柔軟に対応できる
5人の役者陣の到達点かもしれない
(前回が到達点かと思ったけど、これだけ色々な要素に対応できるのを見ると、まだ先は見えないような(笑
前衛でありながら、総合芸術で、オペラ。
ユーモアに溢れながら、内容を考えれば笑うのを少し躊躇する(ドイツ人ならシニカルな笑いを浮かべられるのかもしれないが
リヒニッツと同じ、福島の大地を汚した日本人の、
「呪われたドイツ語」(リヒニッツのプレトークで言っていたけど。自分たちの言葉の美しさを硬直的に讃える人は多いが、呪われた有様について美しく語る人は少ない
と同じ呪われた言語で発声しているからこそ、
翻訳されてもなお、美しさと呪詛の二重構造がそのままに残されているのだろうな・・(苦笑
アンティゴネーへの旅の記録とその上演
マレビトの会
にしすがも創造舎 【閉館】(東京都)
2012/11/15 (木) ~ 2012/11/18 (日)公演終了
満足度★★★★★
これは・・
凄い。
今までの京都のマレビトのイメージとは全く違うと思う。
まだ確信は持てないけど、これからの演劇の形を変えるかもしれない。
初日を観たけれど、照明なんかを含めて最終日までもっと進化(・・というか変化?)するかもしれない。
・・こうして見ると、並の作家には構築不可能な世界かもしれない。
世界に入っていくには時間が必要だと思う。
6~7時間いても観劇の仕方に慣れるのは大変かもしれない。
国内劇団にも関わらず、事前予習は海外作品以上に必要かもしれない。
非常に繊細な作品だと思う。
・・まだ確信は持てないけど、歴史に残る作品になるかもしれない。
ゆっくりと一日、西巣鴨で過ごすくらいの気分で行った方がかえっていいかも。
焦ると、肝心の詩とでもいうべきものを、
わざわざ足を運んでも目の前で逃してしまうかもしれない(それが一番悔しい(苦笑
明日はみんな批判するかもしれないけど、
一年たったら同じ人たちが口をそろえて褒めているかもしれない。
今日分かろうとしないで、1か月後に気づこう位の気構えでも良いかもしれない。
(こういうとき批評家と名前が付く人たちは真っ先にギロチンにかけられるから大変だよなぁ・・皆無視したフリをして逃げないでくれることを熱望します!(でもなんかコレ岸田賞取りそうだなぁ・・って、そういうのあんまし興味ないんだけど(苦笑
キメラガール アンセム/120日間将棋
The end of company ジエン社
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2012/11/07 (水) ~ 2012/11/11 (日)公演終了
満足度★★★★★
完成形が見えてきたような・・
題名が舞台の内容をよく表している気がした(ジエン社にしては珍しく
演技は完成に近づいているみたいだ。
まだ未完成という訳ではなく、
劇団員を固定して何回か繰り返せば、
現在の地点のように、
自在にリズムを操れる域に近づくかもしれないという意味で。
ただ、こちらの方がずっとポップカルチャー寄りだと思う(キメラガールという題名があらわすように
将棋のルールを知らないなら、確認しておいた方が良いと思う。
テノヒラサイズの飴と鞭と罪と罰
テノヒラサイズ
武蔵野芸能劇場 小劇場(東京都)
2012/11/06 (火) ~ 2012/11/12 (月)公演終了
満足度★★★★★
アメ村でも観たけど
今回は三鷹・・。
前回は大阪の中心部で、今回は三鷹と、
「・・イヤ、なんか本来だったら下北とかで全然大丈夫だと思うんだけど、
東京の演劇エリアから外れててちょっと残念」とか思ったり(苦笑
正直、行くまで初演を観ていたことを完全に忘れていた
(ヒドミといい最近物忘れが多いな・・(汗
けれど、劇場入って舞台上のセットを見た瞬間に、完全に思い出した(笑
テノヒラサイズを何度か観た人なら分かると思うのだけれど、
役者さん達が非常に個性的(そういう意味ではスクエアに似てるかな・・)なので、
東京ではそのあたり、ちょっと演技が「クサイ」とも見られそうだけれど、
大阪ではこの位分かりやすくないと通じない(お調子者の街だからか(笑
し、その安定感のある演技に支えられ、
役者のポジション(舞台の中での立ち位置とでも言うのかな・・)が目まぐるしく変わっても
安心して見ていられる(そこが意外性という点で物足りなさを感じる人がいる理由かもしれない
演技が役者の地に結構支えられている部分が多い気もするから、
台詞で「私がやった」
的なことを言っても、
観ている観客は
「・・男前やな、この女性(ヒト」
位な柔らかい空気が観客席を包む。
そういうのは、全部自分が2年前(だったか?)アメ村で体験したことだ。
「どうやって俺を楽しませてくれるんだ?」
的なBlurの歌詞でも聞こえてきそうな(Entertain me!)
雰囲気で腕を組んでいる人にはちょっとアレかもしれない(笑
「自分は楽しみに来たんだ、楽しまなきゃソンだ!」
みたく前のめりになって、大阪チックに娯楽にガツガツしてた方が良いと思う。
大阪の観客は、テノヒラサイズが自分たちの意気込みにキチンと応えてくれる劇団だと知っているから、
安心して舞台に身を委ねている。
その空気がまた心地よかったり(笑
物語は、完璧。
ただ、初演と再演と二回観た経験から言うなら、
出来れば二回観た方が絶対に良いと思う。
あまりに完成度が高いため、
宝塚並に舞台のあちこちに見どころがちりばめられている(それこそテノヒラサイズの視界のなかに(笑
この作品を1回観ただけで全てを把握するのは難しい(どんな舞台でもそうだけれど、今回は特にそうだと思う。面白いところが一杯あるよってことです
自分も割と舞台を観て、舞台を分析する力的なものは割とある方だと思いますが、
2回観て、大阪の観客たちが笑っていた所で自分が気づいてなかったところにようやく気付いてきました。テノヒラサイズについてはまだまだです(苦笑
別に営業でもなんでもなく、2回観るのがおススメです
(一応チケプレ的ななんかでも、知り合いがいるとかでも全然なく、純粋な感想です(笑
霊感少女ヒドミ
ハイバイ
アトリエ春風舎(東京都)
2012/11/06 (火) ~ 2012/11/11 (日)公演終了
満足度★★★★★
超満員
小竹向原ゴーストラブストーリー?
自分、初演も観てたみたいでした。
・・あちこち覚えてる(どの程度初演と一致してるのかは知らないけど・・雰囲気?
スペース・ファンタジー 『銀河英雄伝説@TAKARAZUKA』
宝塚歌劇団
東京宝塚劇場(東京都)
2012/10/19 (金) ~ 2012/11/18 (日)公演終了
満足度★★★★★
銀河
やはり以前から思っていたのだけど、
銀河英雄列伝と宝塚は合うな・・(笑
ちなみに一緒に星の王子様のやつも観たお袋によると、
服装的に前回の飛行士姿のほうが好きなので
そちらの方が評価が高めとのことでした。
確かに今回みたいな服装で街歩けないな。
それに女性も男性的な軍服が多かったのも、
評価が分かれるところだった(笑
評価は人それぞれ。