第一次審査(ネット審査)結果発表!

エントリー団体数

最初に審査員それぞれが10票ずつ投じ、票の入った作品について5人で審査し、10作品を決定しました。

矢作 「将来のビジョン」「本公演の意気込み」において、他者に自分たちのことを伝えたいという思いをきちんと言語化できていること。また、演劇という手段を使うことに対するこだわりについて注目しました。同時に、次回公演を含め、今後につながる展望を持ち、その可能性を期待させる劇団を選ばせていただきました。
自分たちがどんな団体で、どういうビジョンを持って活動しているのかが、明確に言葉で説明できているかという点を重視しました。その上で過去公演のCoRichへのクチコミやお気に入りに登録されている数などを見て、総合的に判断させていただきました。
鈴木 自らの表現と社会との関係、演劇界の中での自分たちのありよう(作風など)を客観的かつオリジナルな言葉で語ることができる団体を推しました。また、このイベントを通じて一層の飛躍をしてくれそうな団体、ということも念頭におきました。
高野 「CoRich舞台芸術まつり!」も4回目を迎え、最終審査対象作品はCoRichメンバーに大いに注目されるようになりました。提出された文章類に加え、応募作品自体の魅力と、スポンサード公演候補である次回公演にも注目しました。
手塚 直近何回かの公演がCoRich舞台芸術!上で話題になった劇団をまず選びました。その後は各劇団の企画書を読み、しっかりとした芝居作りをしている劇団を選びました。またさまざまなタイプの劇団を選ぶということにも意識しました。
それでは10作品の発表です!

※公演初日順。

文月堂(東京都)
より多くの人に演劇を楽しんで貰いたいという思いが応募文章から伝わってきました。これまでの作品作りにおいても、人間関係や心理を繊細に、かつ真摯に描いてきた姿勢は高く評価されるものだと思います。また、第14回劇作家協会新人戯曲賞の最終選考に残るなど徐々に結果も付いてきたかと思います。新作である今作では、どのような世界を見せてくれるか楽しみです。
(矢作勝義)
快快(東京都)
人間と人間、世界との関係を、言葉と身体、つまり知覚のレベルから捉え直していく洞察力、さらにはそれをどうにも楽しげにやってのける愛らしさが魅力の団体です。今回も「場としての演劇」という社会性のあるビジョンを、軽やかな作風と併せ、うまくアピールされていました。すでに実績も知名度もあるカンパニーではありますが、世代を超え、土地を超え、さらに「つながる」ことを考えてほしい――そんな思いを込めて推薦します。
(鈴木理映子)
時間堂(東京都)
昨年のまつりから唯一連続選出されている団体です。主催の黒澤さんは俳優教育から体系的に行っている数少ない指導者で、その舞台にはいつも上質な手作り感があります。今までさまざまな演劇上の実験をおこなってきた時間堂ですが、今回はそれらを集大成したストレートプレイとのこと。楽しみです。
(手塚宏二)
三角フラスコ(宮城県)
仙台を拠点にさまざまな地域へのツアーを実施している劇団です。座付き作家のオリジナル作品だけでなく、日本の名作戯曲に挑戦したり、劇場以外の場所での公演も積極的に行っており、舞台写真からその真摯な取り組みが見て取れました。CoRichメンバーからの大きな支持を受けて、「CoRich舞台芸術アワード!2009」にて10位以内に2作品ランクインした実力を、劇団のホームで拝見させていただきたいと思います。
(高野しのぶ)
elePHANTMoon(東京都)
elePHANTMOONには厳格なリアリスト、というイメージを抱きました。「人に伝えてはいけないと思わせるような後味が残る作品」という言葉も、媚びることなく、的確に自分たちの世界を見つめた結果出てきたものだと思います。日常に渦巻く複雑な人間感情、その不恰好さ、悲哀を描く時、その真摯な視線が生きるのでしょう。 公演中止になった作品の再創造宣言にも強さを感じました。「骨太なリアル」を期待します。
(鈴木理映子)
ゴジゲン(東京都)
“男子”的な軽妙なコメディーの印象が強かったゴジゲンですが、前作からは人間の複雑な感情をより丁寧に描くようになった印象があります。それは「将来のビジョン」にもあるように、現状にとどまらず、彼らなりに毎回違う表現方法を追求しているからこそだと思います。今作でもさらなる飛躍を見せてくれるのではないかと、楽しみにしています。
(巽大介))
ブルドッキングヘッドロック、この劇団名を聞いただけで、劇団の強烈な個性を感じます。他に迎合せず、こわもてだけど力強い。ケラリーノ・サンドロヴィッチさんの流れを組みながら、最近は喜安浩平さんの独自の世界が展開されているようです。今回は太宰治という人物を貴安さんがどう料理するか、とても楽しみです。
(手塚宏二)
柿喰う客(東京都)
毎公演「観てきたコメント」も多く、CoRichユーザーの認知度も十二分な柿喰う客。にも関わらず、外に向けての意識はますます高くなっているように思います。それは地方公演を積極的に行ったり、劇団員の外部公演への出演数などからもうかがえます。観る側の意識や感覚をどこか遠くに連れて行ってくれるような作品を期待しています。
(巽大介)
THEATRE MOMENTS(東京都)
「演劇力」を信じて、それを実証、実践していこうとする真面目な姿勢を高く評価しました。実際の公演においても、演劇を見たことのない人を劇場に運ばせようとすることや、足を運んでくれた全ての観客を楽しませようとする姿勢が、作品成果にも現れていると思います。シンプルながらも観客の想像力をかき立てるような作品を期待します。
(矢作勝義)
サスペンデッズ(東京都)
座付き劇作家・演出家の早船聡さんは新国立劇場に新作を提供するなど、個人としても注目を浴びる若手です。端正で簡潔な筆致でありながら、心の機微を細やかに表現する脚本には、人間への深い洞察と憂いを含んだ優しいまなざしを感じます。所属俳優も実力派ぞろいですから、劇団のポテンシャルも高いです。審査対象作品の次は俳優集団ハイリンドとの合同公演。その企画の面白さも選出の決め手の1つでした。
(高野しのぶ)

以上の10作品です! 次の最終審査では、審査員が実際に公演を観にいきます。

最後まで候補に残っていた、大変惜しかった6作品です。
“審査員注目の作品”ということで、公表させていただくことにしました。

八月、鳩は還るか 烏丸ストロークロック(京都府)
とりあえず寝る女 箱庭円舞曲(東京都)
夕焼けとベル カムヰヤッセン(東京都)
In The PLAYROOM 【再演】 DART'S(東京都)
田村一行『オママゴト』 大駱駝艦(東京都)
トバスアタマ 売込隊ビーム(大阪府)
「CoRich舞台芸術まつり!2011春」開催決定!

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