最新の観てきた!クチコミ一覧

1161-1180件 / 184661件中
そのいのち

そのいのち

関西テレビ放送

世田谷パブリックシアター(東京都)

2024/11/09 (土) ~ 2024/11/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

静かに地味に始まり、最初は佐藤二朗の「メタボ」を使ったギャグや、大げさな振る舞いが笑いをよぶ。ところが…それは水面下の憎悪と醜悪を隠した、偽りの静かさだった。…ということが最後に突き付けられる。衝撃的な舞台である。佐藤二朗の脚本だが、こんなすごい本を書くとは驚いた。

が軸。「その日の、2日前の午後4時〇分」とはじまる。「その日」とは何か。花の容体が急変?などと思う。ほかにもなぜ山田さんは薬剤師をやめたのか、夫は昔少年刑務所に入っていたが、それはなぜ?と、いくつかの疑問がでるが答えは不明のまな。

花の「賠償金(何の賠償か不明)」で家を建て、生活していることがわかる。夫は賠償金目当て?かと思うと、「愛しているからだよ」と臆面もなくいう。「その日の前日」に、花の「何ふぇち?」という変な突込みから、障害者の性の問題が浮かんできて、かなりきわどい場面も展開する。賠償金をめぐる確執がドラマになるのか、障害者問題が軸なのか、と思うと、「その日」に全く予想外の展開が待っていた。「障害者の性」は、思ってもいない形で、最後の悲劇のひきがねともなる。「その日」衝撃的事実が明らかになって、それまでの穏やかなリビングは一変してしまう。

ネタバレBOX

30年前に、15歳だった和清は、山田のダウン症の7歳の子を、「弱者のくせに」と殺した。山田は、8年の刑期を終えた和清が「償いのために、障害者女性と結婚して一生面倒を見る」というはなしを聞きつけ、復讐のため介護士になってきたのだ。

花は「この人は私には必要なの。許してあげて」と山田に頼み込み、山田も怒りをおさめたかのようだった。
しかし、障害者・弱者をさげすむことで自己のプライドを保ってきた和清の性格は変わらず、花に向けて「犬も濡れるんだよ」とうそぶく。それを聞いて、山田は…まさかの結末だった。

そして、エピローグ的に花が継父とともに、母と継父の家に引っ越す光景を描いて終わる。
光の中のアリス

光の中のアリス

小野彩加 中澤陽 スペースノットブランク

シアタートラム(東京都)

2024/11/01 (金) ~ 2024/11/10 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

あまりに鮮烈な身体と言葉の端々を間に受けて、私は今どうにかもう一度本作を観劇できないものか考えあぐねている。凄まじく受け取るものが多かった。だからこそ、拙い私の一度きりの感度では正直追いつけないところがあった。
そのままにして余韻に任せることが観劇のスタンダードな在り方かもしれない。だけど、私はあの身体、言葉、あの瞬間にもう一度会わなくてはならない気がしている。焦燥に近い。そのままにはしておけない。
この作品のことをもっと分かりたい。あの身体を、言葉をもっと分かりたい。見つめたい。

"思い出"が一人で持ちきれないそのことと同じ様に、一度では持ち帰れないものがあった。
"思い出"が決してなぞれないのと同じ様に、二度観たところで最深部まで辿り着けるかなんてわからない。
だけど、それでも、まだ"思い出でない私"は今それを求めている。

光の眩しさが翻って残酷さになることをまざまざと握らせられながら、また、影の寂しさにやがて光のきらめきを思い知らされるように、生と死や動と静が、消えゆき生まれゆくあらゆるものが目の前で縁取られ、そして呆気なく溶けていった。その質量に、重量に私の心身は一度で耐えうることができなかった。
そういうことなのだろうか。わからない。わからないけど、本当はそれが全てなのかもしれない。

記憶する限り、辺りが真っ暗闇に包まれる暗転や、そこから分かりやすく晴れるような明転はこの舞台にはなかった。なのに、ここまで光が差し、翳り、失われていく瞬間が私には刻まれている。
そのことが私の中には何より深く残った。その残像がいつまでもくすぶって、あの光と闇の狭間から発せられた声が何度も私の中をリフレインする。そうだ、身体や言葉は元より、「声」が鮮烈な舞台であった。

一人の俳優から放たれる、温度も湿度も強度も違ういくつもの声、声、声。
ある時は身体をうんと伸ばしながら声をぎゅっとひそめ、またある時は身体を縮めながら声をひろげてゆく。
4名の俳優、そして2人の演出家の操る身体の所業の大きさに感嘆する他なかった。その波及をもっと見つめ、掬い上げられるだけの余裕が欲しかった。
人間のことも、世界のことも、まだ知った気ではいられない。
この作品はそんなことを私に強く伝えた。

私はこの作品をもう一度観ることができるだろうか。あの光の外から、その中の眩しいまでの残酷と切実に再び立ち向かうことができるだろうか。俳優も凄まじくエネルギーを要するが、観客もまたそれを要する。死に向かって生きるということは等しく凄まじい。そういうことをやり抜く作品なのだと思った。抜きん出た俳優の技と業に拍手をまだ送り足りない。

追記。
近親に耳が聞こえづらい人がいて、とくにこの1年一緒に過ごすことが多く色々なことを知った。音楽がとても好きな人だからもう少し先になりそうだけど、一緒に舞台を観る日もきっとくると思う。田中結夏さんの舞台手話通訳の回に観劇できてよかった。

おかえり未来の子

おかえり未来の子

D地区

王子小劇場(東京都)

2024/11/02 (土) ~ 2024/11/04 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

一言では言い尽くせない余韻に導く意欲作。
関西での上演が中心とのことで初の観劇でしたが、緻密で丁寧な会話劇とそれを縁取り、時に取り残すような音や光の使い方も含めた演出も冴え渡り、戯曲も演出も俳優のお芝居も素晴らしい作品でした。

主題は宗教二世とその家族。実家から逃げるように上京した兄と実家に残された妹を巡る物語。
環境や出自からの「逃れられなさ」を描くとともに、兄から妹に向けられる父性のような愛情や愛着を掬いあげることによって、より人物やその関係の解像度が上がり、そのことによってさりげないセリフに仕組まれた奥行きにも気づくことができるようになっていて、デザインとしても巧みな戯曲であると感じました。

「宗教二世めが僭越ながら申し上げます。あなた方は、それを、お分かりにならない」
キャッチコピーにもあるように、その実態を知った気でいる観客に、より深淵を覗き込ませるような作品でした。
最も素晴らしいと思ったのは、誰か一人を悪者にするわけではなく、かといって過度に情をひけらかすでもなく、短い上演時間の間にも一人一人にそれぞれ生きてきた背景が浮かび、それに裏打ちされた人物像を演じていたこと。そのことによって、どのシーンを切り取っても重層的なドラマを感じることができました。

自分の知らないとこですごい戯曲や演劇がこうして生まれているんだと痛感。
今後の作品も楽しみです。

いちごオレ飲みながらアイツのうわさ話した

いちごオレ飲みながらアイツのうわさ話した

チャミチャム

水性(東京都)

2024/10/29 (火) ~ 2024/11/02 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

瑞々しく、芯の強い3人の俳優の瞳の輝きと揺らぎに照らされ続けた1時間。校庭も部室も屋上も渡り廊下も全部が見えた。恋も失恋も友情も、放課後の賑わいも、一人になった時の静けさも全部があった。
劇中歌であるハイロウズの『青春』の歌詞に擬えるなら「時間が本当にもう本当に止まればいいのな」と、思わず願う程に見渡す限り全てが世界だった、それだけで目一杯だった"あの頃"があった。多分どこかに私もいた。

誰かのしたためた言葉や歌の中にふと自分を見つけるとき、それは救いであり、祈りであるように思う。町を映す透明のガラスの上をすべるクレヨンの文字を眺めながらつくづくそう思った。

水性はやはり、その瞬間にしか味わえない刹那的かつ詩的な反応を生む場所だし、それをしっかりと気づかせる演劇もまた素晴らしい。ロロの三浦さんの紡ぐセリフの豊かさに改めて気づく観劇でもあり、その魅力が最前世代を生きる俳優と演出家によって瑞々しく新たに彩られる意義も感じた観劇でもあった。
若手の俳優陣によるこういった企画はとても貴重。
作品が時間を越え、世代を越え、幾重にも拡がっていく可能性をも秘めた企画だと思います。次回にも期待!

動物園が消える日

動物園が消える日

劇団唐組

雑司ヶ谷鬼子母神(東京都)

2024/10/26 (土) ~ 2024/11/04 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鬼子母神にて、10歳の娘と二人で観劇。
(『透明人間』以降娘の推し劇団でもあり、もはや推し活と化しています…!)

閉園された動物園を巡って動物の行方ひいては魂の行方を逡巡する人々。毎度ながら経年の滲む美術や装置に感嘆。
中央に聳え立つ旧式エレベーターが最後の一瞬まで物語とともに昇降/抑揚を重ね、劇におけるフィジカル面メンタル面いずれもの"屋台骨"として代替のきかぬ役割を果たしていた。
頭上から溢れ出る水は潤いよりむしろ渇き、灰牙の表情にたしかな消失と喪失をともに見る。
藤井由紀さん演じるオリゴの後ろ姿が導く情感と余韻よ…。
これまで観てきた唐組の中で、笑いの配分が最も多いようにも感じました。


若手の俳優さん達の言葉の解像度や浸透力がめきめきあがっていて今後が楽しみになる公演でもありました。
4回目の唐組となった10歳の感想は「今までで一番お話が読み込めた」とのこと。
ラストの感動冷めやらず、「ふじいっ!」と初の大向こうまで(ギリギリまで"さん"付けるか迷っていた!私もまだやったことないのに先越された気分!)充実の推し活になった様子でした。

部活から羽ばたけ!Campus☆idols

部活から羽ばたけ!Campus☆idols

藍星良Produce

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2024/11/13 (水) ~ 2024/11/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

初めての「藍星良produce」公演だろうか。面白い。若い女性の等身大の姿を描いた青春群像劇。
タイトル「部活から羽ばたけ!Campus ☆ Idols」から緩いアイドルドラマかと思っていたが、けっこうシビアな現実を突きつける。或る小説にある人生の七味唐辛子…恨み・辛み・妬み・嫉み・嫌み・僻み・やっかみ、を思い出した。人生の 七味唐辛子は、人生の大事なスパイスで、たくさんの七味唐辛子を浴びせかけられて、人生に深みがでて豊かになるという。物語もそんな成長譚が描かれている。

大学 学園祭でアイドル部の活動発表をしようと…その回想として物語は展開していく。アイドルとしての意識や捉え方は、一人ひとり違い 大学の部活(趣味の範囲)から芸能活動(職業)を目指す、といった大きな隔たりがある。アイドル部として自分の居場所があれば楽しい、しかしグループで活動していくうちに将来どうするか。卒業後の進路、アイドル活動の継続、芸能活動全般といった将来を見据えた設定。さらに昨今の芸能事務所の暗部(パワハラ・セクハラ等)という話題性を取り込んだ着眼点が妙。

芸能事務所のプロデューサーが現れ、アイドル部へアプローチしたことで グループ内は揺れ亀裂が生じる。女の子の賞味期限(若さという魅力)は限られている、今しか出来ないことをしよう。夢を叶えるような甘美な響き、しかし その甘言には自分自身を見失う心の縛り、そんな危険が潜んでいる。

公演は、アイドルドラマらしい サイリウムを使った応援や手拍子等、お約束のイベントらしい演出があり、舞台と客席が一体となって盛り上げる。若い女の子が、そんなこと や あんなことで悩み苦しんでいるんだ、そんなリアル感情が物語を牽引していく。台詞の言い直しなど、拙いと思えるようなところもあるが、それが感情の迸りで言葉が詰まったようなリアリティを感じさせる。それだけ迫真/臨場感がある。
ちなみに登場する女性の多くはアイドルっぽい衣装だが、ラスト 藍星良さんは役柄もあろうが、キッチリとしたスーツ姿。そこに引き締まった思いを見るようだ。
(上演時間2時間 休憩なし) 【LOVEチーム】

ネタバレBOX

舞台美術は、段差を設え仕切板を配したシンメトリー。正面と両側に鉄骨風の組オブジェ、そして所々に星飾りの張付け。前面(客席側)は、ダンスシーンをダイナミックに観(魅)せるため広いスペースを確保。

物語は、学園祭でアイドル部can☆dolsの活動を発表しようと…。華やかに見えるアイドル、しかし裏の実態は苛烈な戦いの日々、そして自分の正直な気持と どう折り合いをつけるか その葛藤を描いている。表層的には部活とアイドルExit♡Loversという、アマとプロの意識や考え方の違いを描きつつ、個人の思いを吐露する。それは友人間であり姉妹間という多面的な関係性の中で紡ぐ。それによって潜む社会的な問題や個人的な感情が複雑に絡み合い、内容に幅広さと深度が増す。

瑞希とスミレは元ライバル関係にあったが、いつもオーディションで合格するのは瑞希。しかし彼女は芸能活動にあまり興味がなく、大学生になった今でも部活動の範囲でアイドル活動をしている。勿論 卒業後は<普通の会社員>になる予定。一方 スミレは努力をしても なかなか報われず、それだけに歯がゆい思いをしている。スミレの瑞希に対する思い…才能に恵まれているのに そんな嫉妬と妬みが痛いほどに伝わる。

ニーナと有彩は姉妹、姉は売れっ子アイドルだが、その実態は水着も厭わないグラビアまで半強要され 精神的に追い詰められている。有彩は 姉のそんな苦労や苦悩を知らず、表面的な華やかさに憧れ 自分も早く姉のようにと焦燥する。そんなところにニーナやスミレが所属しているExit promotioがアプローチしてくる。何事も個人の選択だとし、問題が起きても本人が選んだ道と 責任逃れする、そんな実態暴露といったリアリティ。

昨今の芸能プロダクションの悪評を連想させるようなセクハラ・パワハラ等を盛り込み、それでも芸能(アイドル)活動をして人気者になりたい。人間としての承認欲求を満たしつつ 同じアイドルならば他者より抜きん出たい、その自己顕示欲を観せつける。設定は芸能という分かり易い競争社会、しかも可愛いという曖昧な基準を<賞味期限>という年齢で描き出す巧さ。微妙な女心の深淵を覗かせる様な怖さ。観応え十分。
次回公演も楽しみにしております。
ジゼル、またはわたしたちについて-Giselle or about us- 2024 TOKYO Remix

ジゼル、またはわたしたちについて-Giselle or about us- 2024 TOKYO Remix

waqu:iraz

スタジオ空洞(東京都)

2024/11/12 (火) ~ 2024/11/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/11/14 (木) 15:00

ロマンティック・バレエの代表作!「ジゼル」をベースにしたパフォーマンス

恰好いい面白く考えさせられる!一言でいうとこうだった。
描いているのは性差、個のこと、男性社会、社会的格差。

去年12月 STスポットでの上演を拝見して「もう少し余裕を持てる、あと2、3倍のスペースでの上演を見てみたいと思った」と述べていたが、昨日、少なくともパフォーマーがひしめき合うことはない、余裕のある舞台設定となったスタジオ空洞での公演を拝見できた。
去年の横浜公演からより 6人の俳優の個々の関係性が明確に浮かび上がった気がした。

5年半前に waqu:irazの『サラバサヨナラヨカナーン』の稽古を二度拝見した。今思えばあれがディバイジングを使った創造の過程だったのだと昨日気付いたのだけど、それ故にということだと思うが、今回、この公演での 6人の在り姿が滲み出ていて、それがそれぞれの個の在り様から来ているのだと改めて思った。その意味でも面白い体験になった。客演のお三方、宮﨑悠理/金川周平/若尾颯太、waqu:irazのメンバー、小林真梨恵/関森絵美/武井希未の個性が透けて見える面白さ。

天號星【10月4日~10月9日公演中止】

天號星【10月4日~10月9日公演中止】

劇団☆新感線

THEATER MILANO-Za(東京都)

2023/09/14 (木) ~ 2023/10/21 (土)公演終了

映像鑑賞

満足度★★★★★

2024年11月14日18時30分 ブルク13 ゲキシネで観劇
凱旋上映、今回も楽しかったです!!
ゲキシネに目覚めた私は、4月の初鑑賞のあと26本コンプしました。
なので「天號星」の後も何回も早乙女君を見ることになるわけですが、どれもカッコよくて素敵だったので「天號星」の入れ替わった早乙女半兵衛をすっかり忘れていました。
もう!めちゃカッコ悪くて情けなくてずっと笑ってしまいましたが、偽物の、そして義理の娘に対する愛情に泣けました。古田銀次も迫力があって良かったです。
また上映があれば見に行きます。

つきかげ

つきかげ

劇団チョコレートケーキ

駅前劇場(東京都)

2024/11/07 (木) ~ 2024/11/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

緒方氏の斎藤茂吉を観て味わう芝居ではあるが、音無美紀子は見事にその役にはまっているし、チョコレートケーキの3人もコミカルに脇を固めている。特に事件や一騒動があるわけではなく、斎藤茂吉の最晩年を描いた落ち着いたストーリーで、実力派の役者たちの演技で安心して観ていられる。

栗原課長の秘密基地

栗原課長の秘密基地

SPIRAL MOON

「劇」小劇場(東京都)

2024/11/13 (水) ~ 2024/11/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

ここ最近はすべて、多分10作品以上拝見していますが、本当に内容も良くできていて、とにかく役者さんのレベルが高い。ほんと外れありません。今回も皆さんの演技は最高でした。後半の会話、特別賞作家のあいさつグッと来ますね。とてもいい作品、いいお芝居でした。楽しかったです。

試験管ベビーのあいやしばらく!【名古屋公演】

試験管ベビーのあいやしばらく!【名古屋公演】

試験管ベビー

メニコン シアターAoi(愛知県)

2024/11/09 (土) ~ 2024/11/10 (日)公演終了

実演鑑賞

鑑賞日2024/11/09 (土) 18:00

感想が遅くなってしまい申し訳ございません。
面白かったですが、
正直、今回歌舞伎の講釈がしたかったのか
現代風にアレンジしたかったのかよくわからなかったです。
しかも突拍子もなくいきなり
セーラームーンやゴレンジャーが現れ
舞台におひねりが飛びかい桜吹雪が舞う展開に
何が何だか訳が分からず
ちょっとついていけない自分がいました。

栗原課長の秘密基地

栗原課長の秘密基地

SPIRAL MOON

「劇」小劇場(東京都)

2024/11/13 (水) ~ 2024/11/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

2019年の公演も観ているが、今回も充実の面白さ。同じ展開のはずなのに、あのときよりも何だかグサッと刺さるシーンが多かったように感じたのは、今回の方が栗原課長に共感しながら観ていたということなのかも。

ミラーガール

ミラーガール

演劇女子部

こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)

2024/11/08 (金) ~ 2024/11/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

ちょっと唐突で無理目な展開でしたが、歌に踊りに楽しいステージでした。

線引き~死者に囲まれる夜~

線引き~死者に囲まれる夜~

ワンツーワークス

赤坂RED/THEATER(東京都)

2024/11/14 (木) ~ 2024/11/21 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/11/14 (木) 19:00

価格5,200円

舞台ならではの「演出」「効果」を存分に楽しめた。何の先入観もなく、役者さんたちに引き込まれていった。
私個人はスタンディングオーベーション。役者さんたちは、揺るぎない自信で、明日以降も舞台に立ってほしいと心から思いました。

Day Dream Dance D.C.

Day Dream Dance D.C.

空想実現集団TOY'sBOX

ウエストエンドスタジオ(東京都)

2024/11/13 (水) ~ 2024/11/17 (日)公演終了

実演鑑賞

面白かったです。

Day Dream Dance D.C.

Day Dream Dance D.C.

空想実現集団TOY'sBOX

ウエストエンドスタジオ(東京都)

2024/11/13 (水) ~ 2024/11/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

ダンスメインの舞台いいですね。邦ロックとダンスの相性のよさに気づかせてもらいました。最後にシメというかキメのダンスがあるかな…と思ったらなかったですね。キャスト全員で最後1曲(なんなら関白宣言のユーロビートヴァージョンでw)ダンスしてほしかったです^^ あと、演出と脚本を手掛けられた方のMCに驚嘆です。あれだけうまいMCというか前説ははじめてです。今日一番の感動は前説かもしれませんw

第一回蒸気展覧会

第一回蒸気展覧会

蒸気倶楽部

Paperback Studio(東京都)

2024/11/02 (土) ~ 2024/11/04 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/11/03 (日) 13:00

日本のラジオ・屋代主宰が立ち上げたコントユニット(?)の旗揚げ公演。
現実の「あること」に対してシニカルなもの、観客の選択によるマルチエンディングなもの、シュールなもの、あの童話とその童話を「あんな形」で結び付けたものなど多彩だがやはり「屋代さんらしさ(私見)」が貫かれていてニヤニヤ。
早くも「第二回博覧会」が楽しみ♪

ジゼル、またはわたしたちについて-Giselle or about us- 2024 TOKYO Remix

ジゼル、またはわたしたちについて-Giselle or about us- 2024 TOKYO Remix

waqu:iraz

スタジオ空洞(東京都)

2024/11/12 (火) ~ 2024/11/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

 U~~~む。épave(s)!

ネタバレBOX

 オープニングはダンスで始まり基本的には群舞だが、完全にフォームが同じという訳dえはなく時折個的なダンスをする者も居る。こういったダンスを随所に織り込みつつ、各挿話が展開する。客席は演技スペースを半円形で取り囲むような感じに設えられ展開される個々の挿話は極めて2人称的な世界で異性間、同性間どちらも描かれるが当然の事ながら3人称世界が形成することのできる客観性や普遍性は端っから期待の仕様が無い。従って登場する人物総て、関係性総てはépave(s)でしか在り得ない。ということは、己の世界に精神的深み等は間違っても宿せないということである。
 説明によるとディバイジングシアターという形式の表現法ということだが、今の若い人たちの人付き合いの中心がSNS的手法なら、それは基本2人称世界なので自分達が2人称世界でしか交流していないことにも気付かないのかも知れない。ラップ調の歌詞も歌われたりするが、自分達独自で生み出したものでもないのに形だけ真似て何になるのか? ジャズでもラップでもロックや印象派が生まれた頃やダダ、シュールレアリズムが生まれた頃でも一部のごく少数の賛同者以外、最初は理解されず無茶苦茶に叩かれたりして、それをバネに更に力を付けて来た歴史と生き様、無理解な社会との格闘があった。そういった過程を無化して表面だけなぞってもどれだけの意味があるのか? 自分達で自分達の表現を作り出してこそのアーティストであろう。
栗原課長の秘密基地

栗原課長の秘密基地

SPIRAL MOON

「劇」小劇場(東京都)

2024/11/13 (水) ~ 2024/11/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

面白い、お薦め。
説明にある「栗原課長の初仕事は、伝統ある『きつつき賞』の授賞式、15分で終わる予定の式が次から次へと…」の通りであるが、秘密基地がいかにも児童文学絡みで ラストシーンは秀逸。次々に判明する事実、その対処に追われる編集部と審査員の荒唐無稽とも思える会話と行動が、なぜかリアルに思えてしまう。脚本の面白さもあるが、やはり演出が巧い。大勢いる慌ただしい場面から 急に2人だけの静かな場面へ、多くを語らず 何気なく照明を諧調させ、しみじみとした情景を描き出す。心憎い心象付である。
(上演時間2時間 休憩なし) 

ネタバレBOX

舞台は陵文館主催の平成14年 第18回きつつき児童文学大賞授賞式会場。正面に横長テーブルと椅子、上手側にパイプ椅子3脚、下手側にも横長テーブルと椅子が配置され、壁には時計が掛けられている。自分が観た回は13時45分を示し、終わったのが15時45分で上演時間2時間を表す。15分の授賞式が2時間に及ぶことになった展開を面白可笑しく順々に展開するため、観客にとっては分かり易い。同時に授賞に係る様々な不条理が描かれることによって栄誉(ここでは児童文学賞)の選考とそれに関わる人々の悲喜交々が切々に描かれる。特に<児童文学>と<大賞>という設定が上手い。単に<文学賞>、<新人賞>であれば、清濁併せ吞む大人の世界も、児童文学ともなれば 純真な子供への読み聞かせとなり下手な小細工は通じない。また新人賞では書き直した作品に対して課長が下す「該当なし」判断が難しくなる。

タイトルにある栗原課長は、ビジネス情報誌の敏腕編集長だったが、不倫相手からセクハラの噂を流され左遷という経緯。出版業界の厳しい経営環境下を背景に児童文学部門はこの賞の存在(権威)に負っている。その授賞を巡って二転三転し漂流した揚げ句の結末は、課長の会社での立場を危うくするだけでなくリストラという人生そのものが破綻するかもしれない。セクハラに関しては事実ではないことを受賞者・受賞作品の疑惑に準えながら展開する。脚本の力と演出の工夫、この絶妙なバランスが本公演の魅力だ。

出版社は利益を上げること、読まれる児童文学書を刊行するという二面を持つ。社で働く編集者と選考委員、受賞者、さらには読者代表者といった立場の異なる人々の正論、思惑や裏工作が実に面白く描かれている。人物設定の上手さ、課長を始め児童文学部署の隆盛、選考委員としての名誉と報酬、推理小説家志望で何年も落選し続ける男、そして児童文学が本当に好きな大賞受賞者、AV女優で佳作入選者、そして賞に恵まれなかった児童文学小説家などが その立場や本音を激白する。そこには児童文学の心が置き去りにされ大人の事情が優先する矛盾や皮肉。その人物の座る場所や立場、受賞席における弱腰、一転して下手側の控え席での本音・暴露発言といった違いで「忖度」的な態度が垣間見える滑稽さ。

さて、上手壁に掲げられている平成14(2002)年は、電子書籍配信が始まっていたり、ハリー・ポッター賢者の石ほかシリーズも始まった。公演の中でも人気シリーズにあやかった児童文学作品が現れないかと言った台詞があった。世相を反映させた観せ方も上手い。
最後に、秘密基地は子供の頃の遊び場であり思い出の場所。同時に逃げ場であったかもしれない。しかし公演では、心に残っていた児童書を通して生きる<勇気>を得た場所にもしている。自分にとっては、実に心地良い結末だった。
次回公演を楽しみにしております。
栗原課長の秘密基地

栗原課長の秘密基地

SPIRAL MOON

「劇」小劇場(東京都)

2024/11/13 (水) ~ 2024/11/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 華5つ☆、必見! 脚本、演出、演技何れも素晴らしい。流石にSpiral Moonの作品だ。殊に要を得た脚本が、役者が脚本に書かれた役を演技するというより、演技者に憑依するような脚本と感じる程脚本、演者の表現が素晴らしい。ネタバレ部分は、取り敢えずのネタバレ迄、余り詳しく書き過ぎるとこれから観る人の興を削ぎかねないから。

ネタバレBOX

 脚本は土屋 理敬さん、この脚本を選ぶ目がグー。演出はいつも通り秋葉 舞滝子さん。
 物語は児童書等の出版も手掛ける出版社の一室で展開する。板上は下手側壁の奥に出入り口のドア、壁の手前にクロスの掛かったテーブル。椅子は3脚。壁面には時計が見える。ホリゾント手前にも矢張り同様にクロスの掛かったテーブルと椅子3脚、上手側壁も同様にテーブルと椅子が並んでいる。無論下手と上手の席は相対して向き合っていて下手テーブル側は受賞者が入場時に座る席。ホリゾント前の席には審査員の席がそして上手の席は受賞した3人が賞状や盾、賞金を貰って着席する席があり、壁には伝統あるきつつき賞受賞を記す看板が掛かっている。因みにホリゾント審査員席の更に上手の壁の前には受賞者各々への賞品が置かれたテーブルがある。
 きつつき賞は児童文学会では権威も伝統もある文学賞であり児童文学の一流作家の登竜門としての地位を占めている。従って大賞を獲得した作品は必ず出版され読者の目に触れることも多い為児童文学作家を目指す作家志望者には垂涎の的である。今回の応募は382作品。選ばれたのは大賞が1編、佳作が一編、そのほか功労賞が1編の3編。出版界の不況もあってどの出版社も台所事情は厳しい。
 そんな状況の中、今回この賞授賞式の責任者を務めるのは、ビジネス情報誌の鬼編集長と評され辣腕を揮ってきた栗原。妻子ある身だが不倫をし不倫相手と別れたことで、セクハラをしたとの噂を流され、無実であった為児童書部門への左遷で茶を濁された。この授賞式で問題があれば忽ちリストラされかねない状態を自覚せねばならぬのは、人間関係のプロとしてのサラリーマンの習性である。
受賞式が始まって間もなく、緊急事態が発生、事前に充分な調査が為されなかったのか、或いは栗原の左遷が決まった直後の授賞式だった為か事情はハッキリしないが、佳作を獲った作家が実は可成り売れっ子の現役AV女優であることが判明、授賞式は急遽中段された。

このページのQRコードです。

拡大