ごはんが炊けるまで(仮) 公演情報 演劇企画アクタージュ「ごはんが炊けるまで(仮)」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

     茶わんチームを拝見。茶碗とも茶椀とも書かず開いた表記にしているのもグー。ちゃわんは、無論茶をいれたり飯を盛ったりする器だが、材料が陶磁器か木かを分けずに両方を含む表現になっているからだ。このような細部にも気を配った脚本である、見事という他あるまい。流石に10年を迎えたアクタージュの記念すべき作品と謂えよう。キャスティング、演出、演技何れも素晴らしい。断固ベシミル、華5つ☆

    ネタバレBOX


     舞台美術は、アクタージュの自作。いつも乍ら感心させる作りだ。今回の作・演は 坂井 和さん。脚本の設定が抜群だ。因みに脚本は設定が最も大切な要素だと考える。これが良ければ脚本創作は半ば成功、と言える程だ。今作の設定はその手本のような出来である。タイトルも作品内容に即した実に味のある深いものだし、設定の奇抜さが、通常我々が家族という概念で想像し続けている概念を根底から揺るがし炙り出す。傑作である。ラストシーンは、カットしても良いくらいの位置づけだ。然し演劇というものは、日常を描いていても非日常の世界である。もっと正確に言えば現実と虚構の当に狭間に存在する芸術なのだ。人形浄瑠璃の脚本セオリーにも見られるようにラストはあってもなくても良いくらいの表現にした方が良い。これは観客を現実と虚構の狭間から現実の日常に戻す為の創作者側の配慮である。このような点に迄気配りの利いた作品と観た。

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    2025/02/03 10:10

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