最新の観てきた!クチコミ一覧

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メイジー・ダガンの遺骸

メイジー・ダガンの遺骸

名取事務所

新宿シアタートップス(東京都)

2024/11/30 (土) ~ 2024/12/08 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

アイルランド演劇らしい通夜ものである。アイルランドの演劇もかなりおなじみになって、この舞台は初めて見る作者だが、生者、死者入り乱れるエグイ展開を喜劇だと作者に言われてもさして驚きはない。母親が事故で急死して、頼りない父(高山春夫)と気のいいだけの弟(森永友基)だけではと、ロンドンにいる気の強い娘(滝沢花野)が故郷に帰ってくる。案の定、棺の用意もない。そこへ、死んで二階に寝かせてあるはずの母親(谷川清美)も登場してアイルランドの片田舎の貧しさ、家族の中の虐待、共依存、差別、本人のジェンダーの葛藤などが次々とあらわになっていく。見たような話なのだが、飽きないのはこの公演が上演台本作成、演出、俳優、美術、音響効果あいまって、舞台として成功しているからである。普通は良いところから引き算になるものだが、珍しくすべてが足し算になっている。休憩なしの二時間。
パンフレットによると顔寄せで、製作者(名取敏行)は、よくわからん本だけど、寺十さんよろしく、と言ったそうだが、とにかく過不足ない制作費に見合ったいい座組ができたのが一番である。こういうことは珍しい。
一つづつ挙げれば、最近はやりのドラマトウルグの専門家、坂内太が知識を振りかざしたりせず、舞台の面白さを生かした上演台本にしていること。寺十吾は円のピローマンが良かったが、一層この世界に磨きがかかって、おどろおどろの島物語にしないで人間喜劇にまとめていること。俳優は谷川は言わずもがな、彼女を囲む脇役の人たちが実力を発揮していること。高山は若い時の利賀村での古典修業が生きているし、滝沢は少し経験不足で一本調子になっているが、歌えるしジェンダーの問題をうまく見せている。森永はこういう愚者役は底なしになってしまいがちなのだが、寸止めのところがいい。美術(田中敏恵)は農家の一室だけだが舞台中央の小さなセリを生かしたり、下手の隅に二階への階段をちらっと見せてみたり、上手に意味ありげに藁人形っぽいものを飾ってみたりと芸が細かい。音響効果(岩野直人)は、歌だけでなくBGM音楽の選曲がいい。舞台の進行に合わせて、隙間なく音がドラマをフォローして効果を上げている。ドラマに対する音の勘がいい。
この作品の原語のタイトルはThe remains of Maisie Duggan で、思い出したのはカズオイシグロのRemains of the Dayである。同じremainsでも一方は「遺骸」、片や「名残り」と訳され、ともに内容に的確な名訳だが、日本語で同じように使える言葉は思いつかない。だが、そのことば使いの「同一」と「差異」に、それぞれの地域で実感を込めて使っている言葉の面白さが感じられる。同じ言葉の翻訳と原語の視点からも、言葉が国境を超えることによる「変態」からも一つの作品が読めるような気もする。

Goodbye my work!~退職の流儀~

Goodbye my work!~退職の流儀~

丸福ボンバーズ

APOCシアター(東京都)

2024/11/27 (水) ~ 2024/12/08 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

う~ん、これは見事な群像劇。タイムリーな設定ですが、何ともガチの人情劇ですね。喫茶店のセットもイイ。壁のジャズのレコードは3枚くらいは聴いたことがあるかな。

サド侯爵夫人

サド侯爵夫人

プロジェクト榮

銕仙会能楽研修所(東京都)

2024/11/30 (土) ~ 2024/12/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

面白い、お薦め。観応え十分。
現代戯曲を能舞台で、その独特の空間の中で強靭な台詞が火花を散らすような緊張感。よく言われる言葉と無言といった舞台ではなく、心情を激白し合う感情劇。勿論タイトルから分かるが、サド侯爵夫人をはじめ周りの人々との会話を通してサド侯爵を浮き彫りにしていく。

原作は三島由紀夫、台詞と構成そして登場する6人の心情がハッキリ解る。長い時間軸の物語にあって、心と時代の変化をしっかり感じ取ることが出来る稀有な公演。言葉の激流が俳優たちの身体を借りて愛憎という情念を描き出す。その迸るような激情が観客の意識を捉えて離さない。一瞬たりとも言葉を聞き逃すことが出来ない。

3幕/上演時間3時間(途中休憩10分×2回を含む)、少し緊張が解れるのが 場転換で奏でられる二十五絃箏。演奏によって場に流れた憎悪のような感情が昇華していくよう。能舞台に和の演奏は映え調和する。それは単に場転換の繋ぎというよりは、昂った観客の気持ちを和ませ、新たな場面への期待といった効果を感じる。勿論 照明効果もすばらしく、暖色と白銀の二段になった照射 更にその諧調によって場景の雰囲気を変える。
(上演時間3時間 途中休憩 計20分)追記予定

『晴耕雨読』

『晴耕雨読』

ウテン結構

六本木ストライプスペース(東京都)

2024/11/26 (火) ~ 2024/12/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

この作品、SPIRAL MOONでの初演に続いての2回目の観劇。今回のセルフカバー版はキャストが全体的に若く、登場人物の性別変更などあり、受ける印象はかなり変わりましたが、やはり文句なしに素晴らしい。個人的な体験もあって、心に刺さりました。

ゴーギャンおやじ2

ゴーギャンおやじ2

グワィニャオン

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2024/11/27 (水) ~ 2024/12/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ガツンとくる一発。人生はなかなかにシビア。色々考えさせられるますね。長丁場だけど、全然飽きませんでした。

ドロコン! ~泥沼離婚~

ドロコン! ~泥沼離婚~

ジェットラグ

新宿シアタートップス(東京都)

2024/11/20 (水) ~ 2024/11/26 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/11/25 (月) 13:00

ミュージカル俳優の夫が同じくミュージカル俳優である妻の不倫を理由に起こした離婚裁判を描いた「世界初の裁判ミュージカル(AIによる判定)」。
離婚裁判のあれこれを面白おかしく仕立てて用語などの説明は書記官が「歌う(!)」という内容はもちろん、紅白歌合戦で複数回歌われたような大ヒット曲(や小学校で習った歌など)の選曲と元の歌詞も活かした替え歌ぶりが絶妙。
いやぁ、笑った笑った♪

「扉」から連想した短編戯曲リーディング/演劇の現場でのハラスメントを考えるフォーラムシアター

「扉」から連想した短編戯曲リーディング/演劇の現場でのハラスメントを考えるフォーラムシアター

日本劇作家協会

座・高円寺2(東京都)

2024/11/30 (土) ~ 2024/12/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 日本劇作家協会が『扉』を題材に公募した短辺戯曲の応募総数、今回は69本。内6本が選ばれ座・高円寺Ⅱでリーディング公演及びブラッシュアップの為の現役劇作家2名によるトークセッションがあった。
 上記公演は昨日のみ、華5つ☆であった。本日(12月1日)は別の演目がある。

ネタバレBOX


 リーディング作品は以下の6作。
今井雅子さん  :『納期』
富田晴紀氏   :『ドラマなんて起こらない箱の中か外』
カタモトキザオ氏:『便所での事件簿』
新宮虎太郎氏  :『贔屓貝』
高山遥さん   :『天国への扉』
中野そてっつさん:『ライスが選べる! サバの夏野菜伽喱ソース洋風小鉢付き定食』
 ブラッシュアップ・セッションに登壇したのは
長田育恵さん及び小野寺邦彦氏、司会は山田裕之氏

 選ばれた作品の質の高さにまずは驚嘆。若い劇作家各々のベースにした様々な作家・作品の影響の残響が観られるものもあるが同時に独自で個性的な作品のテイストをも持つ作品、或いは思い掛けない発想から出発して書かれた作品等何れも個性的で優れた戯曲ばかりで今後の活躍に期待したい。またリーディングに携わった役者陣(5名:井上加奈子さん、鈴木裕樹氏、玉置玲央氏、森下亮氏、矢柴俊博氏)の間の取り方、声の質と活舌の巧み、演出の良さにも唸った。更にブラッシュアップの為に現在活躍中の劇作家からのサジェッションがあったが極めて的確で示唆に富むものであった点にも流石の感を持った。
夏の草原に銀河は高く歌う

夏の草原に銀河は高く歌う

劇団24区

早稲田大学学生会館(東京都)

2024/11/29 (金) ~ 2024/12/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

ストーリーもキャストのみなさんも素敵で
あっという間の2時間でした。

君がくれたラブストーリー2024

君がくれたラブストーリー2024

シベリア少女鉄道

赤坂RED/THEATER(東京都)

2024/10/30 (水) ~ 2024/11/10 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

究極のメタ演劇。人気作品の再演。腹抱えて大笑いしました。

ゴーギャンおやじ2

ゴーギャンおやじ2

グワィニャオン

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2024/11/27 (水) ~ 2024/12/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

面白かったです。
謎めいた不思議な雰囲気で、笑いあり切なさあり、そして哀愁の漂う舞台でした。
役者さん達の演技も素晴らしかったです。
女子プロレスシーンは何だか泣けてしまいました(女子プロ好きなので)
観応えのある、面白くて哀しい良い舞台でした。  

アンダーカバー

アンダーカバー

演劇の青山

in→dependent theatre 1st(大阪府)

2024/11/28 (木) ~ 2024/11/30 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

皆さんの個性が強すぎて、面白かったです。
表情も良かった。
いけているのに選ばれない不条理さも感じました。
お芝居観られて良かったです。
ありがとう

雪間草(ゆきまそう)-利休の娘お吟-

雪間草(ゆきまそう)-利休の娘お吟-

劇団前進座

たましんRISURUホール(立川市市民会館)(東京都)

2024/11/20 (水) ~ 2024/11/20 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

前進座は恐らく十年近いブランクで二度目の観劇。
前回は「南の島に雪が降る」という演目が目当てで武蔵野市民文化会館まで足を延ばしたのだが、役者が登場すると拍手、見栄の演技にスポット照明と、演目とそぐわない歌舞伎風の演出に奇妙な感覚をおぼえた記憶。この演目は、黒澤映画の常連加東大助(前進座所属)が自らの従軍体験を元に記した(に違いない)同名の著作によるもので南洋での珍しい逸話をなぞった舞台。
いわゆる時代物ではないのにあの演出?という疑問からすると、今回の作は時代物だがそれにしては「現代の演劇」としてごく自然に見られた。
利休という人物をめぐる話をを史実に基づきながら翻案した話で、茶道の精神を利休本人からでなく、真摯に道を究めようと勤しむ利休の娘と弟子を通して語らせるのが効いている。秀吉とのフラットな関係の空気から、朝鮮出兵という野望に対し反対の立場に立つ事で利休の前に大きな権力が立ちはだかる。この急転回に至るくだりのみ、(突如の睡魔で)私は見逃し、観劇としては骨抜きになってしまったが、それはともかく。。
戦争が持ち上がる事によって、それが茶道と相容れないものである事が浮かび上る。利休は秀吉の実弟から兄に出兵を思いとどまらせるよう説得を頼まれた格好で、それがゆえに切腹を命じられ、終盤のクライマックスとなるが、大団円は場面変って茶畑のある村。本編中ロマンスのあった利休の娘と弟子が夫婦となって移住しており、村人らの「茶」を巡っての交流がある。剣呑な権力の中枢と対置された「平和」が象徴され、村の長老的人物が顔を出し利休の成り代わり?と思わせる台詞で客席に笑いを起こす。
史実では利休は朝鮮出兵の折は利休の地元である堺に蟄居を命じられ、その後その地で行なった行状が秀吉の逆鱗に触れ切腹となる、とされるが、あらゆる説があり、秀吉を怒らせた直接の原因は不明。ただ切腹斬首、さらし首というのは事実のよう。
芝居にある茶畑のある村は、九州の何処かと思われるがこの部分は翻案だろう。大名らに親しまれた「茶道」から、温暖で天候の良い土地を選ぶお茶を作る農村の場面への展開が鮮やか。

『晴耕雨読』

『晴耕雨読』

ウテン結構

六本木ストライプスペース(東京都)

2024/11/26 (火) ~ 2024/12/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/11/30 (土) 17:05

座席1列中央番

価格3,500円

「なんでこんな脚本が書けるんですか?!」

観終わった後、まず最初にそう思いました。
毎回、色々な物語と展開を見せてくれるので、今回も凄いだろうなぁと、ある程度の予想と覚悟はしていたのです。
今回は番外編ということで肩の力を抜いてみる感じなのかな…
そう思っていたのに…
展開が完全に予想外過ぎて「うっわ!」って声上げそうでした。
これだからウテン結構さんの観劇はやめられませんね。

ネタバレBOX

冒頭の二人の関係性が…、
同居しているようだけど、ただ遊びに来て泊まった仲の良い友達のようにも感じられるし、謎だ。
…そんな雰囲気で始まる、誰かに聞いた話を基にした物語を書く作家と、その本を読む、正しく『雨読の人』の物語。
そこで読まれる『何も起こらない話。』と、その内容の再現。
誰かに聞いた話を基にしているだけあって劇的な展開のない話達。
「普通の人たちにそうそう劇的なことが起こるはずないので当たり前」そう思いながら観ていた。
だけど作家の『秘密』が明かされた後、哀しい話を聞いた優しい作家が描く何も起こらない話の理由がわかる。

役者さんの演技が上手いだけに所々感じる違和感の正体が『秘密』が明かされた後にそうだったのか!と気づかされる。
『まるで浮いているように見える』椅子の上での演技や、部屋にいる猫の『鈴の音』しか聞こえないのももしかして…
と思わせられる余韻が気持ち良かったです。
開演前の時間にアメさんのご挨拶を読んでしまった分、一層ギャップが…
「そうそう、こういう所から世界に引き込まれるのがウテン結構さんなのだった!」
そう思いだしました。
センチメンタルメタモルフォーゼ

センチメンタルメタモルフォーゼ

演劇集団イルカボーイズ

小劇場 楽園(東京都)

2024/11/27 (水) ~ 2024/12/01 (日)公演終了

実演鑑賞

鑑賞日2024/11/28 (木) 19:00

価格4,000円

Bチーム初日を観劇。山田麻鈴さんの冒頭の芝居が良かった。しっかりと掴みとして機能していた

ウエストサイドのオペラ座の殺人          

ウエストサイドのオペラ座の殺人          

カスタムプロジェクト

調布市せんがわ劇場(東京都)

2024/11/29 (金) ~ 2024/12/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

練りに練られた設定、進むにつれて面白さも2倍、3倍になっていき、長丁場の舞台も全く飽きずに最後までとても楽しめました。
配られたパンフレット類もとても綺麗で読み応えがあったし、激ムズの推理問題や観客参加型推理劇という独自のパート構成は普通の舞台よりも満足度が高く、役者さんの色んな一面が垣間見えるのもとても良かった。
大ファンになったので来年夏もぜひ観に行きます!

レットイットビーム

レットイットビーム

コメディアス

OFF OFFシアター(東京都)

2024/11/27 (水) ~ 2024/12/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

日常の誰もが知っていることや学生時代学んだことだけど、誰もそこまで突き詰めないことをテーマにする独自の世界観は素晴らしい。
文字通り光と戦っていく訳だが、謎を解くにつれ生まれていく観客との一体感は爽快でした。
舞台を観るのはほぼ初めてでしたが、初心者にもわかりやすく十分楽しめました。
役者さんの舞台に対する情熱やお客さんを全力で楽しませてくれる姿勢は素晴らしいですね。

ロケット・マン

ロケット・マン

劇団鋼鉄村松

劇場MOMO(東京都)

2024/11/28 (木) ~ 2024/12/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

面白かったです!登場人物が多いし(出演者はそうでもない)、目まぐるしい展開で途中からついて行くのがちょっと大変でした(私はですが・・・)が、着地点ではうるっとしてしまいました。
そうだ、鋼鉄村松さんてこう言うのもあったんだわ。原作はだいぶ違うようですが読んでみようと思います。
ヘアスタイルって外見にすごい影響を与えるのだと実感しました。
ボス村松の命名サインがなくなっていて寂しいです。再開をお願いします。

SEXY女優事変ー絶頂作戦篇ー

SEXY女優事変ー絶頂作戦篇ー

劇団ドガドガプラス

浅草東洋館(浅草フランス座演芸場)(東京都)

2024/11/24 (日) ~ 2024/11/30 (土)公演終了

実演鑑賞

SEXY女優事変シリーズ第4弾、見応えあり。やはり楽曲(歌)+踊りが良い。AV業界に生きる女の事を言っているが、その詳細への無粋な言及をうまくかわしながら「性を売るエンタメ」業界に生きる者の「矜持」を潤滑油に多様な人物らのドラマを縦横に描く。望月氏も得意なテーマなのだろう、俳優らを萌えさせる役人物の設定、軽重様々な場面と風景、敵味方もないまぜの群像劇に才気を見せる。
広がり過ぎの感のあるアレコレを回収するに終盤中々ざっくりと捌いてさっさとエンディング、というのは毎度の傾向のようで。腕に覚えのある劇作家ならこうは書かないだろう感じはあるのだが、これはこれで良い気もする。

ネタバレBOX

映画の場面が浮かびそうな特徴的なエピソードは物語の軸をなす。風俗の界隈に迷い込んだやさぐれ男(現新興宗教の教祖=牧師の過去シーンだと判って来るがぶっ飛んでる)、一人の女を当てがわれ恋人を演じる事で「食って行く」家業に身を落す。世話をした男が時々、友達を装いつつ監視にやって来る。この場面のBGMというのが、前に深夜放映していたアニメ「アカギ」のようなフォーク風(楽器はエレキだがギター一本)でドガドガでは中々耳にしないジャンルだがこれも効いていた。女が男を慕えば慕う程男はやるせなくなる。そして絶望的な場面を迎える。
アンダーカバー

アンダーカバー

演劇の青山

in→dependent theatre 1st(大阪府)

2024/11/28 (木) ~ 2024/11/30 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

脚本のどくさいスイッチ企画さんは芸人さんなんでコント演劇かな?と予想してたら三谷幸喜作品を観てるかのような極上の喜劇演劇やった☆なのでドッカンドカンと爆笑の連続というよりずっとニヤニヤしながら笑える作品でとても心地良い空気感でした🎵でも怒涛のラストは爆笑の連続やったよ♪
ストーリーがとにかく良く出来てるんでもぅ単純に物語に惹き込まれます🎵途中ミステリーチックな展開になるのも緊張と緩和がより際立って後半の笑いに見事に反映されてました🤣そして出演者の表現が素晴らしかったのは言わずもがな♪長橋秀仁さん是常祐美さんの前半と後半の振り幅の見事さ☆
福田恵さん桐山泰典さんの全編通してのコメディアンぷり🎵マナカさんの「熱い男やけど何か頼りない感」♪皆さんお見事でした☆
特に福田恵さんの産業スパイを見張りながら始業前の日常雑務をこなすシーンはもぅ台詞ないのにずっとオモロイ神表現やったよ🤣
次はどくさいスイッチ企画さんも出演する作品が観たいなーなんて思いました☆

冥王星の使者

冥王星の使者

流山児★事務所

新宿スターフィールド(東京都)

2024/11/21 (木) ~ 2024/12/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

久々に旧タイニィアリス(現新宿スターフィールド)へ、天野天街演出(今回は演出協力とあり、演出クレジットは流山児だったが、天野氏が加わって天野色にならない舞台は考えられない)による、高取英戯曲の上演を観に行った。
流山児事務所は主宰の意向で色々試みをやるが、今回は演出の名前に加えて、最近流山児やPSYCOSISを通じて高取英世界に関心がもたげており、当日思い立って予約無しに訪れた。・・のだが、我らが天才演出家・天野氏は今年夏に亡くなっていたと終演後の挨拶で知る。少なからず衝撃を受ける。(7月に少年王者舘公演を目にした時は既に他界されていた事になる。初日のコール後流山児氏がこれを告げるのを聞きながら顔が歪むのを隠せない俳優に共鳴しつつ胸に刻んだものである。)
今回の舞台は天野演出の王道(?)である繋ぎ(しりとり)台詞、映像・音響等、実は少年王者錧メンバーの協力もあって実現したとの事。また旧月蝕歌劇団メンバーの参加もあり、高取そして天野という両鬼才へのトリビュートの趣きであった。
当劇場の狭い客席に、隙間が出来る程の平日昼の入りであったが舞台はひたすら熱く、(過剰な声量と演技が入って来ない瞬間も正直あったが)天野天街スピリッツに最後にまみえる機会を得、幸運であった。
高取作品は今回で確か3~4作目の観劇になるが、歴史的事件を国、時代を超えて交錯させ、ファンタジックな構成の中で時代精神の共通項を抽出するといったものが多い。今作は3つの相が入り乱れ、中々込み入った筋をかなりバッサリとやって見せていた(と見えた)が、力技でラストへ押し込んだ感である。
高取テキスト的にはもう少し歴史事件の意味を吟味したくはなるのだが、天野氏に掛かると、過剰と欠落の大波のようなうねりの後、ほっと凪いだ波間にたゆたう言葉の破片だけが、恐らく観客の脳裏に残るという案配式(否、言葉さえも、さぁっと舞台袖へと吸い込まれ、何も残らない)。
出来事の嵐の中に生きる人間の手に握りしめるものは小さく、いつしか手元から消え去っている。それでも何かは残るのであり(その次元では人は魂というものをおそらく信じている)、己の生が儚く消えようとする時にそれを存在の証として抱きつつ眠りにつく。「意味」を超越した天野的世界であるが、ご本人はどんな世界を見ながら旅立ったのだろう。

少年王者錧という集団はその創造精神を継いで何らかの活動をして行くのだろうか・・。今後を見守りたいが今は故人の冥福を祈り、かのめくるめく時間を反芻する事にする。

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