教育 公演情報 劇団俳優座「教育」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    マンスプレイニングを描いたような芝居。当時は、そんな言葉はなかったが、マン+エクスプレイニング(説明)の造語で、男が女に何かと説教をたれる性癖・構造を指す。若い娘のネリーに、最初は父が、次には、代わりに現れた上司の医師が、長々としゃべる。あまり対話はなく、とにかく男の台詞が長い。おんなのせりふといえば「…してあそばせ」などと、古くささが時折目立つ。上司が主人公にあれこれ言うところでは、谷崎潤一郎「痴人の愛」を連想した。若い娘を自分の子どものようにしようとして、逆に振り回されてしまう。

    ネリーの出生の秘密をめぐっては、最後の第3場?で、母親エレーヌが、霊的妊娠の体験を語る。これが何を意味しているか。作者はカトリック作家だったなあと思い出した。

    ネタバレBOX

    ネリーは父の子なのか、父のなくなった親友の子なのか。父と母の言い分は対立するが、結論ははっきりしない。芝居にとっても、どちらでもいいような結末になる。母の言葉を信じるなら、死んだ恋人の例によって妊娠した、ということになるのだが、主人公にとっても観客にとっても母の言葉そのままでは納得できない。考えられるのは、父の精子で妊娠したが、母の気持ちは亡き恋人にずっとあった。父はずっと疎外されてきて、娘を自分の子とは思えないということだろう。

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    2025/02/12 12:11

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