最新の観てきた!クチコミ一覧

41-60件 / 182669件中
都合

都合

こわっぱちゃん家

アトリエファンファーレ東池袋(東京都)

2024/09/12 (木) ~ 2024/09/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

こわっぱちゃん家のお芝居は身近に起こり得る問題を、ある意味えぐるように掘り下げながら人に寄り添う愛で描き、明日に立ち向かう勇気をもらえるお芝居です。緻密に書かれた本はつっこみどころもなく、また、分かりやすく書かれてもいます。今回の観劇で5作目かな。オススメですよ!

魚雷モグラ’24

魚雷モグラ’24

ウラダイコク

みらい館大明ブックカフェ特設ステージ(東京都)

2024/08/02 (金) ~ 2024/08/04 (日)公演終了

映像鑑賞

満足度★★★★★

昨年に引き続き、配信で拝見(カステラチーム)
劇場ではなく、決して広いとはいえないスペースで描かれるのは、終戦が目前に迫っていた長崎の町。
当然、そこで発生する悲劇など、まだ知る由もない女学生たちが、薄暗い地下の穴倉で魚雷を作っている。
そしてこんな状況の時であっても女の子たちはおしゃべりに夢中になり、淡い恋心もあれば友達との諍いもあって、普通に青春を過ごしている。
そんな女学生たちを演じる若い役者さんたちが、これまた懸命に演じている姿が、登場人物たちの懸命さとリンクして、思わず感情移入してしまう。
その懸命さに嘘がないのが心地よく、また可愛らしい。

こういう物語はどうしても説明をしないといけないことが多くて、説明台詞が多くなるのだけれど、それを全員のムービングや台詞(声)を使って無理なく見せる演出が、毎年の積み重ねを感じさせる。

たまに他の公演で、小道具だけをマイムにしているところがあるが、これははっきりって手抜きだと思う。
やはりマイムでやるのならこの作品のように、パワーマイムとして成立させないと見る側の想像力が広がらない。
そして、それら状況説明の台詞がとても詩的で美しい。
美しい言葉と、救いようのない事実との、どうしようもないアンバランス。

この作品に込めた作者の思いを受け止めた観客は、そこで切なくてたまらなくなる。

石を洗う

石を洗う

文学座

文学座アトリエ(東京都)

2024/09/07 (土) ~ 2024/09/19 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★


いわゆる「朗読劇」を文学座らしく、演劇的にやってみると、こうなるという企画である。悪態をつけば、手間暇かけず、手軽に稼げて、役者は台本は覚えなくてもいい,朗読会はコロナは以後はかなり流行ったが、世間が落着くと減っていった。しかし、朗読的な演出で、さらに演劇的リアルをもと深めることが出来るのではないか、という考えにも一理ある。ことに文芸の作家は、舞台的な感情表現は安っぽいと思い、地の文に拘泥する作家も少なくはない。舞台化、朗読上演を、映画化、テレビ化と同様に捉えられているが、そこは違う。
朗読をあまり深く考えにずに俳優の簡便な顔見せとして興行した劇団も少ないが、さすが文革座、この公演はかなり考えた上で舞台に乗せている。
主な登場人物はそれぞれ配役する。
俳優は、配役された役をシーンで演じるだけでなく、本人の動きも、客観的記述の地の文も読む。演じると読むという二つの役割を果たす。
シーンを設定する舞台は,それぞれ簡単な大小の道具で抽象的に示される。例えば、満員電車に乗っている登場人物はつり革だけを手に揺れるし、周囲の人物は半透明の白いビニールのレインコートをかぶって、中の一人は地の文を読む、というような趣向である。驚くような仕掛けはなく、物語も人物たちもベタ日常的で平凡である。
戯曲は地方作家の新作による過疎部落人間模様で、前半の1時間半は,その村から都会に出て定年寸前になっている男の都会生活。ほぼ同じ長さの後半は、ムラが主舞台で、ムラ出身になりすました青年が現われたり、人が逝き、過疎が進むムラの日々。どこかで聞いたような話ばかりだが、実際に俳優が役を演じ、地の文の解説も行届き、邪魔ないならないどころが、良い感じで語られると,こういう舞台にはすれっからしのアトリエの客も3分の1くらいはウルウルしている。
都会の路地裏に登場する白い野良犬はスチールの映像でスクリーンに出る。この辺は幻灯劇のような使い方である。舞台は不器用を装って、非常に上手く企まれているのである。まぁ、死せる王女のパヴァーヌが出てきたりするところが唯一、文学座の衒学的なところが鎧の下からのぞいたというところか。
この朗読のスタイル、もう確立している朗読劇業者の声優作品とは別の演劇的可能性も残されているように思う。文学座は言葉の技術が出来ているから、どこの劇団でもやれるわけではないが。
演出。五戸真理恵。




『ミネムラさん』

『ミネムラさん』

劇壇ガルバ

新宿シアタートップス(東京都)

2024/09/13 (金) ~ 2024/09/23 (月)上演中

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/09/16 (月) 14:00

3つの物語が交錯するシュールな展開で面白い。110分。
 『フメイの家』(作・細川洋平),『世界一周サークル・ゲーム』(作・笠木泉),『ねむい』(作・山崎元晴)の3つの話を交錯させて上演する複雑な構成。役者陣も含めたワークショップを通して作ったそうだが、実はワケが分からない。だが、分からないけど面白い、ということがある、その典型だと思う。峯村リエはタイトルに自分の名前を使われるのが大変だと思うけど、しっかり受け止めているし、芸達者な役者陣の作る芝居の重みが楽しい。

『ミネムラさん』

『ミネムラさん』

劇壇ガルバ

新宿シアタートップス(東京都)

2024/09/13 (金) ~ 2024/09/23 (月)上演中

実演鑑賞

満足度★★★★

企画に惹かれ旗揚げ以来久々にガルバを拝見。パンフによれば今回のユニークな企画の実現に至る経緯は過去公演にあり、ガルバ的試みの必然的結実であったらしい。
三名による書下ろしとの事で、(書下ろし依頼は冒険でありしかも「×3」であるので)大きな期待せず、ただ役者の立ち姿を拝むのを楽しみに、といった構えで観劇に臨んだのだが、三つの話が明確に展開するわけではなく、三つの要素を包摂した一つの作品として仕上がっていた。(その苦労の跡が見え、最終的な構成を誰が行なったのか、とパンフを見るも不明。先程読んだ朝日新聞のレビューによれば、西本由香演出の下ワークショップにより練られて行ったプロセスがあり、集団創作の成果であるらしい。)
この些か混沌とした作りは「ミネムラさん」というカタカナ表記の一人の人物を巡る舞台の世界観に相応しかった。一人を描く事で人間を描き出そうとしている。人は多様な側面を持つ、という事でもあり、人間の存在の他者を欲する性質とその表裏の関係にある孤独、その一人の生に、捜索(といっても別役作品ばりに無責任な人物たちによる)する者たちの眼差しが注がれる、という構図。人と人を取り巻く世界をふと俯瞰させる。

作者の一人・笠木女史の大声が序盤で気になり、実は少々幻滅気味な気分がもたげたのだが、次第に気にならなくなった。(後で見ると当初の安藤千草降板によりだ代役を受けた由。)

BURNS FAMILY 東京公演

BURNS FAMILY 東京公演

無名劇団

萬劇場(東京都)

2024/09/13 (金) ~ 2024/09/16 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/09/14 (土) 13:00

開演前からBGMと演者さん自ら案内する場面もあり、舞台の世界観が感じられてワクワクしました!
衣装や小物の細部まで無名劇団さんらしさが溢れていて、特に今回はファンタジーな部分もあったので振り切れてて良かったです。
人間とヴァンパイア、異なる時間軸で生きていく種族の普遍的なテーマの中で、ただ切なく苦しいだけではない家族愛と、笑いが散りばめられていて、笑い泣き両方楽しめました!
もっとテンポ良くコンパクトに出来そうな気もしますが、100分休憩なし、十分楽しめました。またぜひ、東京公演して欲しいです!

風を打つ

風を打つ

トム・プロジェクト

カメリアホール(東京都)

2024/07/17 (水) ~ 2024/07/19 (金)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

得体の知れない病気に対して疑心暗鬼になってしまう世間の空気というのはコロナ禍で体感しているので、本作で描かれる理不尽さはリアルに突き刺さりました
水俣病の被害者である家族、親近感ある風景の中に侵入してくる誹謗中傷
水俣病が遺した問題と併せて、自慢の長男が返ってくる高揚感や村祭り間近特有のざわつき感などが加わって家族ドラマとしての魅力度も非常に高い公演でした
今当たり前のように享受しているあらゆる事に感謝、ぜひ今後も再演を重ねていって欲しい作品

タコパ!

タコパ!

ペテカン

上野ストアハウス(東京都)

2024/08/30 (金) ~ 2024/09/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/08/30 (金) 14:00

濱田さんの作・演出だが「ペテカンど真ん中」と言おうか「ペテカンnow」と言おうかまさしくペテカン作品。そしてペテカンとしての「ある想い」がダダ漏れどころか溢れまくっていてファンとしてとても嬉しい。
そして登場して間もなく「そういう業界の人」とワカるが途中で豹変する長峰さん、ノリノリの四條さんを筆頭にメンバーそれぞれ見せ場/見せどころがあるのもイイ。いやぁ、シアワセなひと時だったなぁ♪

ネタバレBOX

序盤の「献杯」でもしや?と思った通り、話が進むにつれて本田さんに対する想いが語られて、最後のクレジットロールで劇中に登場しなかった(が話題に出て来る)人物が本田さんだと明かされる……。まいったなぁ。
アダルト≒チルドレン

アダルト≒チルドレン

表現集団 式日

麻布区民センターホール(東京都)

2024/09/13 (金) ~ 2024/09/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

かなり凝った設定なので、ちょっと分かりづらいですが、心がうずく群像劇ですね。詰め込み過ぎの感もありますが。

球体の球体

球体の球体

梅田芸術劇場

シアタートラム(東京都)

2024/09/14 (土) ~ 2024/09/29 (日)上演中

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/09/17 (火) 14:30

座席1階

岸田國士賞を受けた池田亮が作・演出に加え美術まで担当した舞台。開幕前に、舞台中央に鎮座する「ガチャガチャ」ボール(球体)がたくさん詰まった塔を間近で見学できる。

舞台は日本近海の火山爆発でできた島でレアメタル発見され、世界中から多くの資産家が移住し、その利権を独占した日本人が独裁国家を作った、という設定。その国家の現代美術館のロビーにガチャガチャの塔「sphere of sphere(球体の球体)」が展示されている。なぜ、作家がこのようなオブジェを制作したのか、なぜ、ガチャガチャなのかというところも物語が進行すると明らかになってくる。
日本近海の日本人による独裁国家という設定がおもしろいが、この会話劇は結構難解である。作者の頭の中の妄想がかなり高度なのだろう。ついていくのにやっとという感じだ。人によっては「分かりにくい」と感じたかもしれない。
大統領やキュレーターをホログラムとして描き、指先の動作で早送りや巻き戻しをする場面が続くところがある。巻き戻しや早送りに対応して動く役者が、ストップモーションも含めて非常にそれらしい動作を披露して笑いを取っているのはさすがだと思った。冒頭とラストシーンのダンスもよかったと思う。
数十年後の未来を描いているが、このような世の中が来るのかどうかは分からない。物語の中身に文句を付けるわけではないが、生命の誕生を手玉に取るような世の中にはなってほしくない。

戦争とは…『被爆樹巡礼』『犬やねこが消えた』

戦争とは…『被爆樹巡礼』『犬やねこが消えた』

劇団俳優座

俳優座スタジオ(東京都)

2024/07/15 (月) ~ 2024/07/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

①「犬やねこが消えた」
犬役の髙宮千尋さんに妙な既視感を感じていたが、元AKB田野優花似が理由だったことにやっと気付く。方南ぐみの『青空』も同じ話だった。昭和19年、「犬原皮増産確保並狂犬病根絶対策要綱」が全国に通達され、軍需用皮革製品の為に飼い犬や飼い猫を供出させられることとなる。家族のように可愛がっていた犬や猫が“御国の為に”屠殺されなければならない。その時の張り裂けた心は一生ついて回り、何十年経って老いた今日も自らを苦しめ続ける。悔恨、無力感、理不尽への怒り。国を責め己を責める。何故あんなか弱き者達が殺されなければならなかったのか?あの時の怯えた目、助けを求める声、最期のあの鳴き声が耳にこびり付いて離れない。自分は人間よりも犬猫の方に感情移入するタイプなので彼等の気持ちは他人事ではない。危急時この世の常として弱い立場のものに皺寄せが来る。そんな世界は滅ぼしてしまえ。昨日今日生まれた子猫の為にこそ世界は存在する。その為だけの世界だ。

オープニング、中村たつさん(96歳!)によって茨木のり子の「わたしが一番きれいだったとき」が朗読される。理不尽な人生への復讐の為、自殺ではなく長生きすることを選んだ詩。兎に角生きてやる。生きて生きて生き続けてやる。生き続けることこそが復讐だ。皮肉の効いた「倚りかからず」も。
岩崎加根子さん(91歳!)と阿部百合子さん(91歳!)、遠藤剛氏も健在だ。
ピアノを伴奏しエンヤのようにハミングで歌う石塚まみさんが素晴らしい。作曲も兼ねている。

作家の井上こみち(椎名慧都さん)が犬の散歩をしている松本潤子さんから戦時中の話を聞き、気になって調べ出す。ラジオ番組のディレクター、小泉将臣氏が情報を提供。二人は全国を飛び回り日本の隠蔽された黒歴史を暴いていく。
小泉将臣氏は大谷翔平と江口洋介を足したようなカッコ良さ。

②『被爆樹巡礼』
原爆投下によって被爆地周辺は「75年間は草木も生えぬ」と言われた。だが一面焼け野原、放射能の地獄の中から芽吹く樹木があった。研究者、作家の杉原梨江子(髙宮千尋さん)はカメラを持ち被爆樹木を訪ねて回る。絶望の底にいた被爆者達に生命の神秘が希望の灯となる。生命がそんなに不思議なものならば自分にだって奇跡は起こるのだと。

ネタバレBOX

演劇としては弱い。ただ事実を紹介して回るだけ。犬猫や樹木を手塚治虫的に擬人化して物語を綴るべき。人間の目線ではないものを描けるのは虚構の強味。
Wonder Moon(ワンダームーン)

Wonder Moon(ワンダームーン)

ミライ座

武蔵野芸能劇場 小劇場(東京都)

2024/08/30 (金) ~ 2024/09/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

ストーリーがぶっ飛んでてサイコー
設定をあらかじめこさえておくことをお勧めすます。
出演者が多くて覚えるのが大変だけど、豪華です。
こんなに役者さんがいるのに、二役の人もいる。
すごい!

寿歌二曲

寿歌二曲

理性的な変人たち

北千住BUoY(東京都)

2024/09/12 (木) ~ 2024/09/17 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

核戦争後の荒野を、世界の事情はお構いなしに、ふざけた名前の三人の旅芸人が馬鹿げた会話を交わしながら旅していく。このとりとめもないシチュエーション・ドラマには、不幸にも「不条理劇」と訳されてしまったabusurdな劇と言う言葉が、ぴったりと似合う。
「寿歌」は誰もが認める20世紀後半の日本演劇を代表する不条理劇の傑作である。北村想は、「ゴドーを待ちながら」を社会劇にもして見せた。以来、四十年余「寿歌」はさまざまな演劇人によってそれぞれのスタイルで広く演じられてきた。
現代の「変人たち」はどう演じるだろうか? 次代を担う期待の演出家の一人・生田みゆきの率いる「理性的な変人たち」の上演は「寿歌・二曲」と題して四作ある北村想の「寿歌シリーズ」から二作をカップリング。舞台は北千住から線路沿いのゴミゴミした住宅街を抜けた先にある雑居ビルの地下。今は放置されて廃墟さながらのかつては公衆浴場だった場所での上演である。
「寿唄二曲」は、核戦争前を舞台にした「寿歌Ⅱ」が第1幕(80分)、最初に書かれた核戦争後の「寿歌」が第2幕(65分)。休憩が15分。天井の低い地下に、建築業者が使う現場用のパイプを椅子を五列に並べて約百席。専門家に芝居亡者が帝都の北の外れに集まって満席である。
まぁ、好き嫌い(原作を含め)は別としても、今までに見たことのない「寿唄」であった。
いずれ、いろいろな場で、この上演は論じられると思うので駄弁を重ねるのは止めるが、感心したところを二つ。残念なところを一つ。
「寿歌」は基本的には台詞劇で書かれている。台詞は、理性的だからどうしても事態を限定的に表現してしまう。今回は原作を随分改変しているが、台詞を重要なところは外さず(そこは、ホントに感心した)歌舞演芸化した。今までもこの線を試みた舞台もあったように記憶しているが、これほど徹底的にやったことはないだろう。それで、やや古めかしくなっていた「冷戦構造期」のドラマが現代社会に蘇った。ポルノ劇までやってみせることはないだろう、と言う意見もあるだろうが,あの手、この手、が尽きない。次、このグループの芸大出の人たちが作り、演じると言う基本の座組が生きている。彼らは我々観客にとっては、別に普通の人たちになって貰わなくてもいい人たちである。勝手放題、好き放題にやって、我々を楽しませてくれればいい人たちである。そう言えるのは、個人的な体験で、芸大に学び、出ると言うことは、そんじょそこらの東大とか慶応とは全く次元が違う青春期の経験を送った人たちであることを知っているからである。彼らが破滅するならそれも勝手である。その振り幅の強さがこの舞台にもよく出ていた。舞台は手不足らしく,演出の生田みゆきが演出助手や場内案内までやっていた。芝居は。こうでなければ!!
残念なところ。演出者は作品発想はイスラエル紛争にあると言い、ジェンダー問題が論じられている折、ドラマの軸を担うゲサクの役を女性にした(滝沢花野は熱演で役割は十分果たしているが)というが、そういうことはひとまず置いておいて、これでいいとやってしまえば良い。ヘンな理屈があると(理性ある?)足を取られてヘンな風に曲がっていく。それで失敗して挫折した人の例もすくなくない。しばらくは、文学座の古老たちからは何やってんの!勝手にしやがれ!なんていわれながら、やってみるのが役どころである。



アダルト≒チルドレン

アダルト≒チルドレン

表現集団 式日

麻布区民センターホール(東京都)

2024/09/13 (金) ~ 2024/09/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

少しわかりづらかった部分もありましたが、大人とは何か、心の傷を癒すのは大衆の物語だけではなく、個人とどう向き合うか、そんなことを考えながら拝見していました。私なりの解釈で面白かったですよ。国選脚本っていうのも面白いですね。鋼の…かと思いました。確か旗揚げも拝見していて、コンセプトは変わらない感じがしましたが、もう少し簡単な設定にしてもよかったかもですね。でも、若い皆さんの元気な演技良かったです。次回も期待ですね。

法王庁の避妊法

法王庁の避妊法

ロデオ★座★ヘヴン

「劇」小劇場(東京都)

2024/09/11 (水) ~ 2024/09/16 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/09/16 (月) 16:00

オギノ式の産みの苦しみを感じる舞台で、興味深く観る事が出来た。
とてもナイーブな話を逃げること無く正面から捉えた作品に感じました。

ゆうまぐれ、龍のひげ

ゆうまぐれ、龍のひげ

虚空旅団

ウイングフィールド(大阪府)

2024/09/13 (金) ~ 2024/09/16 (月)公演終了

満足度★★★★

あらゆるものの栄枯盛衰 変化すること(変化しなければならないこと)
実体験を交えながら、人間模様だけでなく、死人まで登場させて、人生や人間関係等々の儚さを感じさせてくれる とても良かった❗次も予約してもた

フィストダイバー

フィストダイバー

幻灯劇場

THEATRE E9 KYOTO(京都府)

2024/09/13 (金) ~ 2024/09/16 (月)公演終了

満足度★★★★

発想が凄いし、それを形にしていることがまた凄い
主に2つの話が交互に演じラレながら、最後に組合わさる
①おじいちゃんが有名な猟師(またぎ?)の孫が、猟師の仕事が無く、クレーム処理のコールセンターでアルバイト と ②動物園の熊の飼育係の話 最初はこれらがどう繋がっていくねんともやっと感を覚えるが、最後にはパズルが見事に出来上がっていくがごとく進んで行く 幻灯の代名詞の身体表現はほぼ無かったものの、とても面白く拝見できた❗外せない劇団ですね

路地裏の舞台にようこうそ2024

路地裏の舞台にようこうそ2024

一般社団法人アラヤシキ

EARTH,新世界 ZAZA POCKETS,HOMEビル,旧 自由空間『Aloha』,日の出湯はなれこいさん路地,成田屋,SPACE★HOUSE,ホテル the b 大阪新世界,ロック亭,SUCHSIZE,喫茶コスモス(大阪府)

2024/09/13 (金) ~ 2024/09/23 (月)上演中

満足度★★★

らしさ満載 ただ、隣のイベントが丸聞こえで、集中できず…せっかく良い内容でも…

ヘッダ・ガブラー

ヘッダ・ガブラー

ハツビロコウ

シアター711(東京都)

2024/09/10 (火) ~ 2024/09/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/09/15 (日) 13:00

思いがけないアレンジに驚かされたが、その結果作品は大きく転がり
”イマドキの話”として私のすぐ横に座っていた。
「度胸が無いだけで、同じこと考えてるくせに」とヘッダが笑っているようだ・・・。

ネタバレBOX

劇場に入ると、薄暗い舞台上にひとりの女性が、こちらに背を向けて座っている。
時折奥の方から赤ん坊の泣き声が聞こえる。
やがて彼女の手にピストルが握られているのが見えた。
暗転のち開演・・・。

まあ次から次へと人を傷つけるような言動を繰り出すヘッダ・ガブラーよ。
半年に及ぶ新婚旅行から帰ったばかりのヘッダと学者テスマンの家。
冒頭、新婚の夫が敬愛する叔母の帽子を、それと知りながら口汚くこき下ろす。
亡きガブラー将軍のひとり娘、プライドと退屈がドレス着て不満ではち切れそうな女。
叔母も夫も使用人も、ヘッダの顔色を見ながら行動している。

歳の離れた夫の元から学者エイレルトを追ってこの町へ来たテアは
ヘッダとテスマンの昔なじみ。
エイレルトはテスマンのライバルであり、ヘッダの昔の恋人だ。
酒で学者としての未来も人生も失い、同時にヘッダも失った。
テアはそのエイレルトを助けて本を完成させ、今やその本が高い評価を受けている。
エイレルトは酒を断って立ち直っている。

ヘッダはテアに、まるで尋問のように問いかけ、テアにありのままの心情を吐露させる。
エイレルトとの共同作業を通して自信と自我を取り戻し、自分の意思で家を出たと言わせる。
この”普通の女”テアの、長い時間をかけた自我の変遷を丁寧に見ていくと
ヘッダの突飛な行動も、根は同じなのだと気づかされる。
テアが長い時間をかけて取り戻した自由を、ヘッダは瞬時に奪われまいと行動に移す。
結論を急ぐあまり激烈な手段に出て、結果相手に致命傷を負わせる(心理的に)。
例えばエイレルトに別れを告げる際、ピストルを向けて迫る、といったような。

酒で失敗した恋人に見切りをつけ、手近な所にいた生真面目な学者と結婚したものの
今やかつての恋人はテアの協力を得て社会的に復帰、夫テスマンが得るはずだった
教授職さえ奪おうとしている。
逃した魚も大きいが、その魚を立ち直らせた平凡な女も憎らしい、この程度の事で
仕事のチャンスを逃す夫も不甲斐ない、おまけにこんな時に限って自分の妊娠が発覚、
ったく何一つ思うようにいかない。
こう見ると結構よくある話で100年前も今も苛立ちの種はよく似ていると思う。

ヘッダの「自分の人生を変えられないなら他人の人生を変えたいの」(確かこんな意味)
という強引な理屈は、特権階級によくある”退屈で傲慢な人間の、他者への執着”だと感じる。

エイレルトに執拗に酒を勧めて再び人々の信用を失墜させたり、
原稿を失くして憔悴しているエイレルトに、原稿はここにあるとはおくびにも出さず
ピストルを渡して「最期まで美しくね」なんて言い放つヘッダ。
この根性悪は確かに度を越しているが
相手の大切にしているものを奪って、私の存在価値を再確認するがいいという構図。
ただ物騒なものをちらつかせる辺りが、こじらせヘッダの”他者への執着”の異常さだろう。
それはそのままヘッダ自身の行き詰りを意味している。
自分の人生を変えればいいのに、その勇気も手段も持たないヘッダは、
”もはや他人の不幸を見ることしか楽しみが無い”という苛立ちと閉塞感の真っただ中。

意に反してエイレルトが”美しく”死ねなかったこと、
ブラック判事がこの先ヘッダの自由を奪うのだと悟ったこと、
この2つでヘッダの結論は一気に加速、実行に移される。

今回エイレルトを女性に変えたことで、100年前の作品をぐぐっと現代に引き寄せた。
スキャンダルの大きさと傷の深さをまざまざと見せつけるには実に巧い設定だと思った。
エイレルトの声が聴こえた時は「ん?!」と思ったが、舞台に姿を現した途端
その秘密の度合いも緊張感もダダ上がりせずにいられなかった。

フライヤーの写真が素敵でとても惹かれる。
ショウウインドウの向うで作業している美しいまとめ髪の女性、
その後ろ姿に、ヘッダが一度も経験することの無かった普通の人々の時間の流れを感じた。


『ミネムラさん』

『ミネムラさん』

劇壇ガルバ

新宿シアタートップス(東京都)

2024/09/13 (金) ~ 2024/09/23 (月)上演中

実演鑑賞

満足度★★★★★

シュールでセリフが絶妙で演者も良かった おもしろかったです。

このページのQRコードです。

拡大