実演鑑賞
満足度★★★★★
優しい劇団の大恋愛は、一日限りの顔合わせ・稽古・上演にすることで、東京と東海の俳優さんがひとつの芝居を作り上げることを可能にしています。演劇は時間がかかるという常識を破ろうとしている優しい劇団にどうかご注目を!
優しい劇団の芝居は、マジメに説明しようとするとこっぱずかしくなるような台詞を、絶妙なタイミングで繰りだされることの心地よさ、がありますね。作・演出の尾﨑優人さん、弱冠25歳にして、演劇の機微を知り尽くしています。後生おそるべし。
二人芝居が何組か続くスタイルの作品なのですが、最初の、ピアノというものをはじめて知った座敷童子とお嬢さまのエピソードがよかったな。「好きな人が好きなものを鳴らすのを見るのがうれしい」的な台詞があって、これって恋じゃん、というね。
それでね、さらに美しいと思ったのは、この二人芝居が、必ず東京の役者さんと東海の役者さんのコンビになっていることです。優しい劇団がなければ、出会っていなかったかもしれない役者さんたちが、一日だけ顔を合わせて、恋物語を演じる、という仕組みを考えた作・演出の尾﨑優人さん、すごすぎます。
優しい劇団は、やがて伝説になりますよ。演劇を見続けて30年のぼくが、全力で推しています!優しい劇団、だまされたと思って、ぜひいちどご覧ください。きっとトリコになりますよ。