リンス・リピート 公演情報 ホリプロ「リンス・リピート」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    家族劇。「問題」を抱えさせられた家族のあられもない姿。久々に実家へ戻って来た娘に対する父、母、弟それぞれの距離感、関与のニュアンスが繊細に表現できなければ味わいある劇として成立しない難しい戯曲と見えたが、私には十分に響いて来た。十代の娘が主人公。稲葉賀恵という演出家は<女性>らしさといった特徴を感じさせない硬派な印象だが、こうしたかなり微細な心理描写を求める作品で、その属性の強みを発揮しているのかも・・と想像する(想像しても分らないが)。終盤にもう一人の人物が登場し、娘の一見受動的・消極的と映る「態度」の中の能動性・積極性が、やにわに立ち上がって来る所、芝居の流れを明確にする目立てのようなものがなく、ただ自然に、漸次的に事態が移行している、進んでいる事の描写になっていて(そう見えていて)、何気に凄いと思った部分である。(若い演者の持つポテンシャルとはこういうものか。)
    扱う題材は実はシビアで難物なのだが、家族それぞれのらしさが愛おしく、反芻に耐えるシンプルな「美しい」場面がそこここにあった。
    音楽はサスペンスフルな重低音(コントラバスか)から入りそこに優しげな中音、高音が入る。両極のイメージを行き来する劇伴がドラマにも合っている。

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    2025/04/22 01:10

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