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モナークス、王を縛る。

モナークス、王を縛る。

電動夏子安置システム

駅前劇場(東京都)

2015/05/01 (金) ~ 2015/05/05 (火)公演終了

満足度★★★

尻切れトンボな印象/約110分
 あらすじに示された2つの話が呼応しながら進んでいく、支配と被支配の関係をめぐる物語。
 私にとっては『黄金のコメディフェスティバル2013』で初めて観て以来の電夏。
 もちろん笑いも観劇目的の一つだったが、本作について言えば、笑いを半分にしてもいいからテーマの追究にもっと時間を割いてほしかった。
 劇構成が実に巧みでとっても引きつけられたのに、笑いも盛りつつ話を時間内に収めるのは難しかったのか、テーマの追究がもう一つ煮詰まらないまま終幕するのは何とも残念。
「この先は皆さん一人一人で考えて!」と最終的な解釈を客に委ねたのかもしれないが、理想的な“支配-被支配”の関係とは何なのか、作品としての答えも一応は出してほしかったところ。

 話にちゃんとけりがついていれば、4つ星か5つ星でした。

ネタバレBOX

 ある島にかつてあった専制国家を調査するため島に来た研究チーム。
 その全員が国の歴史にまつわる夢を夜ごと見、利害の対立する島民を手なずけるため夢に出てくる専制国家の国王と同じように振る舞い始めるという実に皮肉で面白い話。
 研究チームが日本の団体だという点もなんとも示唆的で興味深かった。
ナカゴー特別劇場vol.14『堀船の友人/牛泥棒』

ナカゴー特別劇場vol.14『堀船の友人/牛泥棒』

ナカゴー

ムーブ町屋(4階)ハイビジョンルーム(東京都)

2015/05/01 (金) ~ 2015/05/05 (火)公演終了

満足度★★★

低俗演劇2本立て/約90分
お母さんが子連れで観に行くのにこれほど不向きな公演はないのでは?
…と言っても過言でないほど低俗な劇の2本立て。

低俗大好きな私にとっては楽しい90分でしたが、2つのうちより楽しめたのは『堀船の友人』と題された30分ぐらいの短編。
「辞めたバイト先の飲み会で起こる騒動」がまさかあのようなものだとは。。。
度肝を抜かれました!!

『牛泥棒』も下品で楽しかったけど、いかんせん話にとりとめがなさすぎた。

ネタバレBOX

『堀船の友人』は、辞めたバイト先の飲み会に出た女の子が「そうすれば残りの腕が今まで以上の働きをするから!」と店長に説き伏せられ、元同僚らと共に利き腕をちょん切られる話。
腕はもちろん作り物。
断ち落された腕を黒子がヒモで操作して派手にバウンドさせる演出がバカバカしくて良かったです。
吹き出る血を赤い毛糸で表現する手法もナイス。
ゆうれいを踏んだ

ゆうれいを踏んだ

突劇金魚

こまばアゴラ劇場(東京都)

2015/04/25 (土) ~ 2015/04/29 (水)公演終了

満足度★★★★

『漏れて100年』よりも取っつきやすかった/約90分
 ヒロインがなぜ幽霊に付きまとわれ、頭に植物を育てられる羽目になったのか、その理由はさっぱり分かりませんでしたが、数奇な運命に翻弄される地味な一女性のバイオグラフィーとして面白く鑑賞。

 前回の東京公演『漏れて100年』について「取っつきづらい」と書きましたが、本作は転々とするストーリーと小ネタの数々が観る者を飽きさせず、最後まで作品につかまっていられました。

ネタバレBOX

 第六感まで動員し、五感のみでは捉え得ない世界を描いているのは『痒み』や『漏れて100年』と同様。
“頭に生えた桜の木”はこの第六感のメタファーなのかも、とも思いましたが、ヒロインの蔓子は頭に桜を持つ以外はいたって普通で第六感が利くようなタイプには見えず、頭の桜はいったい何なのか、やっぱりいまだに分かりません。
俺達なりの、旅。

俺達なりの、旅。

グラウンド02

OFF OFFシアター(東京都)

2015/04/22 (水) ~ 2015/04/29 (水)公演終了

満足度★★★★★

いわゆる“旅”、物理的な長距離移動を描いた作品ではありませんでした。/約100分
 キャストの衣装と交わされる会話のギャップに違和感を覚えたが、このギャップに託された意味が分かってからは、むしろこのギャップゆえに惹きつけられた。

 このギャップとは、言うなれば、劇を面白くするための仕掛け。

 ただでさえ切なすぎる青春回顧譚が、この仕掛けによりいっそう胸に沁み入って、危うく落涙しそうになりました。

 徹底した会話劇で派手さには乏しいが、青春時代が遠くなったと感じる皆さんにぜひ観ていただきたい名編。

ネタバレBOX

 高校時代に溜まり場にしていた学校近くの公園に喪服姿の男女5人が集い、最前までその葬儀に出ていた元同級生の女の往時とその後、そして彼ら自身の往時とその後を語り合う。

 先述のギャップを感じたのは、公園に集った5人が学生時代の回想シーンも喪服で演じ、喪服姿での回想シーンで幕が開けたため。

 役年齢に近い四十前後の役者が演じ、回想シーンでも喪服姿を貫く5人に対し、回想シーンにのみ登場する故人のナナミだけは若い役者が演じ、彼女だけが制服姿であることが悲しみを強調し、胸を締めつけられた。
 彼女は若い頃の姿だけを仲間の5人の心に刻み、他の5人のように年老いていくことはもうないのだ。

 ナナミ役を演じた蓮菜貴子さんはとても可愛く、またワケありでどこか影のあるナナミを好演していて、出演シーンは彼女に目が釘づけでした。
ふつうのひとびと

ふつうのひとびと

玉田企画

アトリエ春風舎(東京都)

2015/04/17 (金) ~ 2015/04/26 (日)公演終了

満足度★★★★★

学生が登場しない、玉田企画としては異例の劇/約100分
 滑稽なものとしての日常生活がリアルタッチで描かれるのはいつも通りだが、旅の夜という“日常の中の非日常”、言わばハレの時間を描いた前三作とは違い、今回描かれるのはド日常。
 順に中学生、高校生、大学生の物語だった最近三作品と違い学生が登場しない本作は29歳無職の主人公に重いバックボーンがあり、ビターテイストが強めだが、そういう重さを宿しているところが我々の生きる日常により近く、また主人公の草食男子っぷり、屁垂れっぷりが自分に重なり、時に身につまされ、時に主人公のダメっぷりに苦笑しつつ、強く強く感情移入しながら最後まで興味深く鑑賞しました。

 でも、いつもより重めでも、描かれていることはこの劇団の従来作品と大きくは違っておらず、“色々あるけどなんだかんだで楽しい人生”が描写対象。
 今作も楽しいシーンが他のシーンより強い筆圧で描かれていて、たくさんたくさん笑いました。

ネタバレBOX

 回想シーンを挟みながら話が進む、この劇団としては異例の構成にもビックリ。
 でも、この構成の妙により、最後はジィーンとさせられました。
誰

水素74%

こまばアゴラ劇場(東京都)

2015/04/16 (木) ~ 2015/04/22 (水)公演終了

満足度★★

人間の根本問題を扱っていて、大いに期待したが…/約115分
 他人と関わるのは面倒、でも一人では生きていけない、という、人間の根本問題を扱っている。
 こういう劇は身につまされるような話にしないと意味がないが、人物設定にもストーリーにもリアリティがないため感情移入できず、身につまされるもなにも、劇にほとんど興味が持てないまま2時間近くが過ぎていった。
 展開がダラダラしていて締まりがないのも、引き込まれなかった一要因。

ネタバレBOX

 ストーリーは荒唐無稽そのもの。
 主要人物がホルモン注射を打って女になったり、分からないことだらけでした。
さよなら、三上くん

さよなら、三上くん

monophonic orchestra

APOCシアター(東京都)

2015/04/15 (水) ~ 2015/04/22 (水)公演終了

満足度★★★

追憶編も鑑賞。こちらは笑いも盛り沢山の聞き込み演劇。/約75分
 2バージョンから成るこの作品の柱を成すのはあくまでも望郷編。
 追憶編はそのスピンオフ的位置にあり、両編共通の主人公がトラウマを抱える原因となった、学生時代のある出来事が描かれる。
 一言で言うなら、学内裁判劇、と言うよりも、学内聞き込み演劇。
 ある件に関する取り調べの様子が描かれ、話はそうした演劇らしく時を追うごとに緊張の度を増していくが、その一方で作・演出家の遊び心も満載で、取り調べというシチュエーションを上手く生かした滑稽なやり取りの数々に吹き出すことたびたび!
 というわけで、総じて面白くはあるのだが、先に望郷編を観てないとチト話を把握しづらいかも。。。
 
 それから、時間的に望郷編に先行しているため、望郷編に話をつなぐ必要性から劇を締めくくりづらかったのか、結末はいま一つ。
 これは致し方ないでしょう。


 なお私は望郷編、追憶編の順に鑑賞しました。

ネタバレBOX

  精神分析の一手法である自由連想法を用いた取り調べのくだりがとても面白かったです。
さよなら、三上くん

さよなら、三上くん

monophonic orchestra

APOCシアター(東京都)

2015/04/15 (水) ~ 2015/04/22 (水)公演終了

満足度★★★★★

望郷編鑑賞。笑った!感動した!!/約90分
 持ち前の真面目さと強すぎる正義感が災いし、心に深い傷を負ってしまったある人物を主人公とする学園ドラマ。

 お客さんの多くは主人公の身になってこの劇を観、主人公と同じように心をヒリつかせ、最後には主人公と同様、熱い思いに身を貫かれたのではないだろうか?

 なぜなら、人として生きている以上、程度の差はあれ誰しもが真面目であり、その真面目さゆえにバカを見たり、つらい思いをした経験が必ずやあるに違いなく、主人公の抱えるトラウマを他人事とは思えないはずだからだ。

 かく言う私もそうした経験には事欠かず、主人公に自分を重ねて身につまされる思いで本作を鑑賞し、最後には目頭が熱くなるのを抑えきれなかった。


 ただし、感動を与えるだけにとどまらず、感動を妨げないよう周到に配慮しながらコミカルなシーンを随所にちりばめ、ドッカンドッカン笑いを取っているのも本作の凄いところ。
 
 オモシロは単独ではオモシロたりえず、連鎖しないと笑いを生まないが、本作ではオモシロがきちんと打線を成しており、その打線が火を吹いて大量点をさらっている印象。

 作・演出家のコメディー作家としての資質を強く感じた。

 本作の作・演出家はまだそういうものを手がけてはいないはずだが、純コメディーに挑んでも佳作を生み出すのではないだろうか?


 役者では、繊細な演技で主人公を演じた某俳優さんはもとより、元気かつ安定した演技で座を引き締めていた森崎健吾さん、確かな演技でヘンテコ女子になりきっていた今井瑞さんに力を感じた。

ネタバレBOX

 ある事にブチ切れてヤケを起こした男子生徒がややもすると階段に落ちかねない危険な場所に立ち、他の生徒がハンパなくパニクるシーンには死ぬほど笑いました。
 あのシーンの尋常ならざる騒々しさを演出するのはなかなかに大変だったのではないでしょうか?
わくわくステーション

わくわくステーション

拙者ムニエル

駅前劇場(東京都)

2015/04/17 (金) ~ 2015/04/21 (火)公演終了

満足度★★★★★

劇団初見。楽しかった~っ♪/約115分
 拙者ムニエルといえば、旗揚げから20年超の老舗劇団。こんな公演タイトルですが、もう若くはない自分たちと「わくわく」というキーワードのミスマッチを自嘲するような内容で、そういう自虐的で身を切るようなギャグがあるかと思えば、エスプリの効いた回答に唸らされる大喜利めいたやり取りあり、若くはない役者たちが身を酷使して暴れ回るドタバタ的シーンあり、さらには歌に踊り、芸能人いじり、澤田育子さんの思わぬ配役も楽しめる、実に愉快な2時間弱でした。

 台本レベルで面白い上、皆さん演技にキレがあるので一層笑える。

 欲を言うなら、客演の浅野千鶴さんにもっと無茶して欲しかったですね(笑)。

 一応、3話から成るオムニバス。
 2話目は混沌としすぎていて分かりづらいうえ少し仲間外れ感があったけど、1話目と3話目はテーマ上もストーリー上も密なつながりがあって、ひとつながりのお芝居として楽しめました。

 一男性客として嬉しかったのは、女性客、それも美人が多いこと。
 女性客の黄色い笑い声に包まれながら観るコメディーは、野郎ずくめの客席で観るコメディーより数段楽しく感じられますね。

 隣席の幼い女の子がフルスロットルでふざける大人たちを見てケタケタ無心に笑っていたのも、シアワセ気分に拍車をかけてくれました。

 今回は6年ぶりの本公演だったそうですが、できればあんまり月日を置かずに次回作を観たいな~。。。

 では最後に、劇団初見者としての感想を。
 もっとダウナー寄りの作風かと思っていたら、意外やパワフルな作風で驚きました。

ネタバレBOX

 感動話としてイイ感じに終わりかけたところで邪魔が入って美談が台無しになるあたりも、いかにもナンセンスコメディーという感じで良かったです。
 実はジィーンとしかけていたのですが、見事に足をすくわれました(笑)。
カムサリ

カムサリ

ニットキャップシアター

座・高円寺1(東京都)

2015/04/09 (木) ~ 2015/04/12 (日)公演終了

満足度★★★

古事記の舞台を現代日本に移し替えた意味があまり感じられず。。。/約90分
 大勢のキャストが喋ったり、走ったり、踊ったり、もつれ合ったり、広い舞台のあちこちで色んなことを同時多発的に行い、それを生の楽器演奏と色鮮やかな衣装が盛り立てる、目と耳に楽しい舞台。
 初見の団体だったが、その芸風には面白味を感じた。

 ただ、人物の行動を他の役者が生ナレーション(?)で説明する演出が最初から最後まで続いて少々うるさく、また、盛り込まれた沢山のエピソードを上手く統合できていないため、全体にとりとめのない印象あり。
 
 うち2つのエピソードは古事記にある有名な2つの話を原話とし、それらが現代日本の団地を舞台にどう展開されるのか、私はそこに最注目して鑑賞したが、その観点からも残念な出来映え。

 作・演出家は古事記中のエピソードを現代の日本を舞台に描き、古事記の普遍性を主張したかったのであろう。

 だが……。

ネタバレBOX

 古事記の人物に境遇の似た団地民らが夢(?)の中で古事記とほぼ同じ体験をするというのでは、舞台を現代日本に設定した意味があまりない。
 願わくば、古事記のエピソードを現代日本でも起こりうるストーリーに置き換えて欲しかったところ。
 古典を現代劇に変奏した一例として『近代能楽集』があるが、あれに勝るとも劣らない翻案の腕を見せて欲しかった。
『浅い河床の例え話』/『島棚』

『浅い河床の例え話』/『島棚』

東京ELECTROCK STAIRS

こまばアゴラ劇場(東京都)

2015/04/03 (金) ~ 2015/04/12 (日)公演終了

満足度★★★★

演劇作品+ダンス作品。熱い稽古風景が目に浮かぶ、妥協なき2作品を堪能。/約145分(休憩込み)
 演劇とダンスの2本立て公演。
 いずれの作品からもKENTARO!!さんの高い志、創作に対する妥協なき姿勢が伝わってきて、とても見応えがあった。


 演劇作品『浅い河床の例え話』は正直ワケが分からなかったが(失敬!)、演出も演技もカッチリ、音楽や音効、照明の用い方にも強い創意とこだわりがうかがえ、ずっと前のめりで鑑賞。
 意味不明でも、描かれている何時とも何処とも知れない世界に生きる者らの底知れない淋しさはひしひしと伝わってきて、その寂寥を持てる創意を振り絞ってしっかり表現してのけたというその一点だけをもってしてもこの作品は評価に値すると思った。

 演劇作品といっても、主に舞踊作品を作っているKENTARO!!さんの作品とあって、人物の配置の仕方やキャストの繰り出す動きには美と面白味が感じられて、そうした点でも魅きつける。
 キャストはどなたもダンサーではなく役者なのに、難度の高そうな動きもしっかりかっちり表現していて、ハンパない努力の跡が窺えた。


 演劇作品とは別キャスト、カンパニーのメンバーだけで上演されたダンス作品『島棚』も秀逸。

 躍動感と優美さが綯い交ぜになった群舞は、鑑賞するうち生(せい)の原風景を見ているような気分にさせられて懐かしく、胸が震えた。

ネタバレBOX

休憩中に流れる、東京ELECTROCK STAIRSの面々が海辺で踊る映像も素敵でした。
音楽との相性が抜群!
飛ぶひと

飛ぶひと

はえぎわ

ザ・スズナリ(東京都)

2015/04/03 (金) ~ 2015/04/12 (日)公演終了

満足度★★★★

惜しい/約120分
 いい話なのに、いま一歩胸に迫ってこないのは、主人公にとっての“大事な人”がいかに大切か、それがもう一つ伝わってこないせいだろう。
 ユーモアははえぎわの持ち味だし、それを欠くとはえぎわではなくなるが、今作はコミカルなシーンとシリアスなシーンのメリハリがあまりなく、それが“大事な人の重要性”を伝わりづらくし、結果として感動を弱めているように思った。

ネタバレBOX

 完全に人払いして、大事な人との二人っきりの思い出をしんみり描くシーンがあっても良かったか?
 それがあれば、感動はより強まったと思う。
 そんなシーンがあったような気もするが、仮にあっても、すぐに思い出せないということは、描き方が弱かったということだろう。
あっち無為て本意

あっち無為て本意

無隣館若手自主企画 vol.9 キムラ企画

アトリエ春風舎(東京都)

2015/04/03 (金) ~ 2015/04/05 (日)公演終了

満足度★★

若い作者ならではの恋愛劇/60分弱
 付き合っているひと組の男女。
 そのありふれた恋模様のいくつかをスケッチし、男女関係のままならなさを描いた小品。

 恋愛モノは観慣れているので、いきおいこちらの期待値も高くなるが、残念ながら、高く設定されたそのハードルを踏み越えてくるほどの劇ではなかった。

 なんと言うのか、ともに社会人という設定の割に、二人の恋のあり方がなんだか幼く、そこが微笑ましくもあり、物足りなくもあり…。

 恋物語に食傷している身としては、恋愛の、ひいては人生の深淵が垣間見えるような物凄い恋愛劇を期待したが、生年から計算すると作・演出家はまだ二十七、八歳、等身大の感覚で恋愛劇をこしらえるとこのようなものになるのだろうし、もっともっとややこしい、それでいて綾に満ち満ちて面白い“大人の恋”を描くには、もっと年輪を重ねる必要があるのだろう。

 私の観た回は、おかんむりのカノジョを必死にカレシがなだめるシーンがとてもウケていたが、私は笑えず。
 ホワンとしたキャラづけがなされているカノジョ役の女優にもっとシャープな演技をさせていたら、やり取りのドライブ感が増し、私も笑えたかも。

ネタバレBOX

最も引きつけられたのは、浮気者のカレシが合コンで喋っている女の子役をカノジョ役の女優が演じるシーン。

うまく演じ分けがなされていて、カノジョと浮気相手の二役を一人の女優が本格的に演じる劇があったら面白かろうと感じた。
ジョリス・ラコスト 「話し言葉の百科全書」をめぐって

ジョリス・ラコスト 「話し言葉の百科全書」をめぐって

青年団国際演劇交流プロジェクト

アトリエヘリコプター(東京都)

2015/03/28 (土) ~ 2015/03/29 (日)公演終了

満足度★★

名前が仰々しい割に、やってることは割と普通
『話し言葉の百科全書』プロジェクトとは、我々にとって身近な言葉を日常から拾い集めて俳優に再現させる試み。
 仰々しいネーミングから物凄いものを期待したが、蓋を開けたら割とよくある試みだった。

 宮沢章夫は3.11の震災直後に街なかで拾った会話を俳優たちに再現させたし、ジョビジョバはTVバラエティー『堂本兄弟』における出演者間のやり取りを“心の声”付きでコピーした。憶測による“吉田拓郎の心の声”がとても面白かったのを覚えている。
 
 フランス人のジョリス・ラコストによるこのプロジェクトでも、街で拾った会話やTVのやり取りはもちろん、いろんな話し言葉が再現の対象にされているが、こういうものは、日本の演劇人が取り組んだほうが良い成果を上げそう。

 個人的に、ラコストさんのは、収集する話し言葉の選択があまり面白くないと感じた。

 トークセッションを聞いた感じだと、ラコストさんは面白い話し言葉を拾うことを第一目標にはしてないようだが、笑いがくるとやっぱり嬉しそう。

 だったら、アート寄りの作りでなく、もっともっとエンタメ寄りにしてはどうなのか?

 そのほうがこのプロジェクトのことをより広く知ってもらえるし、きっと良い気がする。

ネタバレBOX

 ゲストの前田司郎さんがラコストさんとの対話で言っていた通り、採取された「話し言葉」に日常会話が少ないことには私も違和感を覚えた。
 フランス語で「話し言葉」は口頭言語全般を表す「parole」の一語で表現され、そこには普段のなにげない会話から政治家の演説、スポーツ実況まで、あらゆる音声言語が包含されるらしいのだが、それを「話し言葉」と訳されると、われわれ日本人は喫茶店や電車、家庭の食卓などで交わされるありふれていて他愛ない会話、いわゆる「日常会話」をイメージしてしまい、ラコストさんらが拾ってきた、それよりも広域な「話し言葉」に戸惑いを覚えてしまうのだ。
 でも、ラコストさんが「日常会話」をあまり取り上げないのには、フランス語の「parole」が日本語の「話し言葉」より広い意味を持つこと以外に、何か別の理由もありそう。
 多分、物事をはっきり言うフランス人の「日常会話」は、日本人のそれと違ってワビサビや微妙な陰翳を欠き、あまり面白くないのではないだろうか?

 だから取り上げない、というわけだ。

 お見合いでの会話のようなギクシャクしてハネない会話は消極的な日本人ならではなのかもしれないが、当事者たちが盛り上げようと必死なぶん、その熱意が空回りして弾まないやり取りは傍から見ると間抜けで面白い。

 フランスではこうした会話があまりなされず、ために“会話の間抜けさ”を楽しむ文化が育っておらず、結果としてラコストさんは「日常会話」をあまり取り上げないのではないだろうか?

 以上が私の仮説である。
高校演劇サミット2014

高校演劇サミット2014

高校演劇サミット

こまばアゴラ劇場(東京都)

2015/03/27 (金) ~ 2015/03/29 (日)公演終了

満足度★★

三校の作品を並べただけのお粗末な演劇フェス
 …というのが偽らざる思い。
 高校演劇とはいえ、有料公演である以上、どの劇も一定水準を満たしていてしかるべきだし、そうなるよう、企画・運営者は尽力すべきなのに、うち二校の作品は劇構成がこの上なく乱脈、残る一校のは作りがあざとく、良作は一つもなかった。
 アゴラグループから所属の演出家を各校に派遣し、シオリオ作りから演出に至るまで面倒を見させるぐらいのことをしなければ、このイベントは来年度以降も本年度並みの低空飛行を続ける可能性が高い。

 もっとも、高校演劇には教育的機能もあり、生徒たちに自主的創造を学ばせるのもその大きな役割の一つだろうが、自主的創造を学ばせるには優秀な導き手が要る。
 だが、今回参加した三校の作品のうち、一流の指導者が手引きしたと思える作品は残念ながら一つもなかった。
 演劇の創作はもちろん、ワークショップなどでも成果を上げている指導能力の高い演出家の派遣を、企画・運営者にはぜひとも検討していただきたい。

 一日通し券も売っているのに、全作品を通覧して浮かび上がってくる面白さがないのも残念。
 共通テーマのもとに創作させたり、同じ有名作品を翻案上演させたりして同じ土俵で互いを競い合わせれば、全体としての統一性が生まれる上に各校の個性も見えてきて、演劇フェスとしての面白味も増すのではないだろうか?

ネタバレBOX

 三作品の中では、短歌甲子園を目前にした文芸部員たちの物語『秘密の花園』に好感。
 顧問の先生に対する文芸部員たちの敬慕の思いがよく伝わってきた。
 ただ、入院中の先生に会いに行く過程がブニュエル『昇天峠』ばりのシュールな道行きになっていて、叙情的な味わいを持つ作品の全体と整合していないし、この道中記を挟み込んで無理やり話を引き延ばしているような印象も受けた。
 個人的には、納得のいかない添削をされて先生を嫌いになりかけている部員たちが、先生に会いに行く途上で体験する様々な出来事を通して添削の正しさに気づき、最後、やっと再会できた先生に感謝するという筋立てにしてはいかがだろうかと思った。

悪い冗談

悪い冗談

アマヤドリ

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2015/03/20 (金) ~ 2015/03/29 (日)公演終了

満足度★★★★

配置の妙/約110分
 置きチラシに入っていた挨拶文で作・演出の広田さんが自ら認めていた通り、事前に予告されたものとはずいぶん趣の違う内容になっていたが、犯罪者という特別な人達の悪に迫った一作目と二作目に対し、今作では“誰もが不可避的に抱え込む悪”、さらには“国をはじめあらゆる組織が必然的に抱え込む悪”、つまりは“悪の普遍性”にまで踏み込んだ内容になっていて、「悪と自由」三部作の掉尾を飾るにふさわしい作品になっていたと思う。

 見せ方としては、この“悪の普遍性”を示すエピソードを極大のものから極小のものまで、合間にダンスなど挟みつつ大した脈絡もつけないまま舞台上に配置してゆくスタイル。
 この“配置”が作り出す絵ヅラがおそろしく美しく、また、この“配置”の妙により様々な記憶や思念が脳内に喚起され、退屈するということが一度もないまま二時間近くが過ぎていった。

 力強いモノローグとものものしい音響・照明によって織り成された、東京大空襲のくだりが圧巻でした

ネタバレBOX

 芝居の観方は時局に左右される。
 このことを強く思い知らされた公演でもあった。

 本作ではアジア諸民族の宥和がダンスその他によって表現されるが、三原じゅん子議員の「八紘一宇」発言がなされた直後に観たために、“アジアは一つ”とでも言いたげな諸シーンがなんだか胡散臭く思えてしまった。
「宥和」はある一国の主導のもとになされた場合、それは一国による諸国の「支配」へと容易に変じうる。

 また、日本、韓国、台湾と、国籍を異にする俳優たちが握手を交わすシーンで流れる有名な歌は、二度目の東京オリンピックが近い今、私の耳にとても皮肉っぽく響いた。

 “世界は一家、人類はみな兄弟!”と訴えているかのようなその歌。
 だが、この国は微笑を浮かべながら世界に対して両手を広げる一方で、足では国内の諸地域を踏みつけにし、国からどんどん一体感を奪いつつある。
 国際協調を訴えるより、まずは自国をまとめることが先決なのではないだろうか?
 歌い手がもし今も生きていたら、きっと同じことを思ったに違いない。

 あの歌が皮肉めいて聞こえることは、たぶん、作・演出家の計算のうちだったのではないだろうか?
 
 
十二夜

十二夜

青年団リンク・RoMT

アトリエ春風舎(東京都)

2015/03/11 (水) ~ 2015/03/30 (月)公演終了

満足度★★★★★

古典喜劇でこんなに笑えるとは。。。/約155分・休憩無し
 期待以上の出来。
 いろんなシーンがあるこの劇を簡素なセットで上手に見せていたし、翻訳モノの割にセリフ回しがそこまでものものしくはなく、割とすんなり世界に入り込める。
 訳者が苦心して訳しただろうにさほど可笑しくはないダジャレの数々を強調しすぎず、やや流し気味に言わせるのもいい。

 そして何より、●●さんの独壇場と化していた某シーンの可笑しいこと!
 自分がかつがれていることに気づいていない間抜けで哀れな中年男を●●さんが緩急完璧な演技で好演していて、笑った、笑った!

 この●●さんと××さん。このベテラン二男優が安定した演技で作品を引き締めていて、客は安心して劇世界に浸れる。

 主役の若い兄妹は、互いによく似た中性的な男女が演じるのが適切な配役なのかもしれない。
 今回のRoMT版『十二夜』ではそのような配役にはなっていないが、ネタバレに記した理由により、今回の配役もそれはそれで悪くはないと思えた。

 田野邦彦さん演出作品を観るのは昨年の『ゴーストシティ』に次いで二度目だったが、役者が時おり特定の客を見つめつつ演技する演出は健在。
 自分好みの女優さんに見つめられた時はドキドキしてしまいました。。。

ネタバレBOX

 互いによく似た兄妹が、そのそっくりさ故に周囲を混乱に陥れるところに本作の醍醐味はあり、容姿の近い男女が兄妹を演じるのが理想的。
 が、見た目が瓜二つな男女を揃えるのは大変だったのか、兄セバスチャン役の磯谷雪裕さんと妹ヴァイオラ役の李そじんさんは衣裳こそ同じものを着ているが、風貌は互いにまったく似ていない。
 それでも李そじんさんは綺麗で可愛く、兄役の役者と似ているものの容姿は並の女優さんがヴァイオラを演じるよりは男性客が喜ぶし、磯谷雪裕さんはカッコよく、妹役の役者と似ているものの容姿は平凡な男優さんがセバスチャンを演じるよりも女性客は嬉しがるはず。

 事実、ヴァイオラがオーシーノ公爵に抱きしめられるシーンでは、一男性客として当然ながら公爵に感情移入し、ドキドキ、ワナワナしてしまった。。。
 ヴァイオラを平均的な容姿の女優が演じていたら、この高揚はありえなかったはず。

 一方、女性のお客さんは、伯爵家の女主人・オリヴィアがセバスチャンに抱きしめられるシーンにグッときたことだろう。
 こちらも、セバスチャン役の男優が並みの容姿をしていたら、その高揚はもたらされなかったに違いない。

 しかし本作、李そじんさん以外にも魅力的な女優さんがいっぱい出ていて、目移りして仕方なかった。
 道化フェステを演じた菊池佳南さんもその一人。
 彼女が菩薩のように温和な笑顔でかしずくようにお辞儀をして幕が開き、彼女が同じように一礼して幕が閉じる演出がなんとも印象的でした。

黒塚

黒塚

木ノ下歌舞伎

こまばアゴラ劇場(東京都)

2015/03/11 (水) ~ 2015/03/22 (日)公演終了

満足度★★★★

歌舞伎の「骨」はあくまで残す。/約95分
劇団初見。
歌舞伎を現代風に変えてはいるが、骨抜きにはしていない。
この点が、木ノ下「歌舞伎」を標榜するこの団体の味噌だと思った。
口語的セリフやイマっぽい趣向を盛っても、歌舞伎の「骨」すなわち構造は残してあるので、歌舞伎固有の構造が生み出す緊張感は息づいており、とても見応えがある。

崩し方にこのようなこだわりがなかったならば、本作は歌舞伎を原作として用いただけの凡庸な劇に終わっていたことだろうし、こりっち舞台芸術まつりでグランプリに輝き、今回このような形で大々的な再演ツアーが組まれることもきっとなかったに違いない。

ネタバレBOX

東北の老婆の家に泊めてもらった修行僧の一行が、老婆が出かけている隙に禁を破って寝屋を覗いてしまい、死体の断片がゴロゴロしている部屋の様子から老婆が食人鬼であると悟り、裏切りを知った老婆の怒りを買うお話。

本作の演出家・杉原邦生さんと監修者・木ノ下裕一さんによるアフタートークによれば、正統的な歌舞伎の演目としての『黒塚』は勧善懲悪的なお話らしく、修行僧一行が“善”、老婆が“悪”とはっきり区別されており、木ノ下歌舞伎版とはかなり趣を異にするという。

一方、木ノ下歌舞伎版では、老婆が食人鬼と化したやむにやまれぬ理由が判る回想シーンが足されており、老婆がつらすぎる体験をして気が狂い、人を食らうようになったのだと説明される。
すなわち木ノ下版において、老婆は絶対悪ではなく、同情の余地ある哀れな人物として描かれ、片や、自らの罪深さを悔い地獄行きを恐れる老婆に「仏に帰依すれば罪は赦される」と説く修行僧一行は、寝屋を覗いた破戒行為をもってその善良性に疑問が投げかけられる。

私は、老婆をただの化け物でなく、悲運に翻弄された“憐れむべき一人の人間”として描いている点に大いに感じ入ったし、一行との戦いに敗れた老婆に一行の一人が黙祷を捧げるひと幕には胸を衝かれた。
老婆は食人という大罪を犯してはいても、罪を犯した背景には同情に値する事情があって、だからこそ一行の一人は、つらい人生を生き抜いた老婆に敬意を表して黙祷を捧げたのだ。

だからこそ言うのだが、なぜ老婆は、仏への帰依により食人の罪も赦されないものだろうかと僧に相談しなかったのか?
この点が私には釈然としなかった。
老婆の為した罪が食人だとは知らずに仏教への帰依を進めた僧は、「食人は例外!」と一蹴したかもしれないが、老婆の為した食人が不可抗力だったことを強調するためにも、上の質問は為されても良かったのではないだろうか?

この違和感が、本作に5つ星をつけることを私にためらわせた。

5つ星をつけなかったもう一つの理由は、裏切った一行への憎しみを舞などを交えつつ老婆が表現するシーンが長すぎたこと。
引っ張るからこそ怒りの強さは伝わるのだろうが、“もう充分! 怒ってるのは分かったから!”とこちらが思ってもシーンは終わらず、ちょっと食傷してしまった。

罪が赦されると知りいったん歓喜の極みに運ばれた老婆を、一行を演じた4人が役柄を離れラップによって寿ぐくだりが印象的でした。
春ベリー

春ベリー

順風男女

しもきた空間リバティ(東京都)

2015/03/13 (金) ~ 2015/03/15 (日)公演終了

満足度★★★★★

「女子ならでは」にこだわり抜いたハイレベルなコント集/約100分
女子だけのコント公演。
と言っても、ネタは二の次三の次にして明るさと可愛さだけで乗り切ろうってな志の低い公演ではなく、十個超のネタは軒並みハイレベル。

設定が秀逸なうえ小ネタも効いてる上出来なネタの数々が、ベストな間合いと抑揚を伴った理想的なコメディ演技で演じられ、そこに女子ならではの華も加わって、じつに可笑しく楽しい公演でした。

会場では大いに笑いましたが、当パン掲載の演目表をいま見直したら、女子にしか演じられないネタ、もしくは女子が演じてこそ光るネタばかりだったと気づかされ、今は大いに感心しているところ。

男性の作家陣は女子公演ということを強烈に意識しながらネタをこしらえたわけです。

そう言えば、女子が男役を演じるネタさえ一つとして無かったような。。。

これも「女子ならではの公演」に強く固執した証拠。

こういう確固たるこだわりがないと、良い舞台は生まれませませんね。

ネタバレBOX

どれも面白かったが、教会のシスター集団に元・女芸人が仲間入りするネタがマイベスト。
コントもやっていたと聞かされた真面目なシスター長が、モルモン教におけるコーヒーやタバコのようにコントを不浄視するのがたまらなく可笑しかった。
誰も見たことのない場所2015

誰も見たことのない場所2015

ワンツーワークス

赤坂RED/THEATER(東京都)

2015/03/13 (金) ~ 2015/03/19 (木)公演終了

満足度★★★★★

自殺に迫るドキュメンタリー演劇。取材対象の多様さゆえに飽きさせない。/約125分
 厖大な取材によって自殺に迫ったドキュメンタリー演劇。
ある役者による冒頭挨拶を除けば、劇は全て被取材者の言葉で構成され、役者たちが被取材者に扮して彼らの言葉を語ってゆくスタイル。

結論から言うと、とても面白かった。

何しろ取材対象が多岐にわたるので、色んな見地から自殺が語られて飽きさせない。

自殺がテーマだし、終始どんよりしたトーンで進むのかと思いきや、そうでもなく、自殺に走りがちなアルコール依存症者や多重債務者の自助グループは自分たちの悲惨体験をユーモア混じりに明るく語り、富士の樹海で自殺志願者への説得を長年続ける警察官の語り口はすこぶるパワフル。

その一方で、近親者の自殺や自身の自殺未遂を重く沈んだ口調で語る者も。

そうした、明るかったり暗かったり、自殺者に同情的だったり否定的だったり、多種多様な証言がいい按配で配列・構成されていて、面白く為になる二時間でした。

ネタバレBOX

ある女による、両親の不和と進路に悩んで自殺した兄の話で終幕となる構成が良かった。
ベテラン女優が演じる妹の語りは、「事件」から時を経ているせいなのか、悲しみよりも死んだ兄への愛情にあふれ、否応なしに胸を衝いてくる。

「お兄ちゃんは死んじゃったけど、でもいいの。(私の心には生きているし、)兄にはいつでも会えるから」

大筋こんな言葉で妹の語りは締めくくられる。

これが劇作家の創作による言葉なら「なんてクサいセリフ…」と鼻白むところだが、被取材者から引き出された生の言葉だと思うと心がわななく。

その一方で、両親の前で“公開自殺”を試みた元未遂者の語りには人生の可笑しみが満ち満ちていて、大いに笑わせていただきました。

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