満足度★★★
長っ!
この内容で、上演時間3時間弱は長すぎ。
途中で飽きました。
以下はネタバレBOXにて。。
ネタバレBOX
上演時間の殆どがオーディション会場の中でのシーン。
そのオーディションにイケウーメンタッパーズの3人が現れ色々問題を起こすが・・。
どうも単調で大きなうねりはないです。。
オーディションという設定自体もそれ程珍しくも何ともないから、よほどの驚愕した事件でもなかったら驚かないし、欲をいうならコミカルな部分をもっと押し出してもらわないと笑えないです。。
終盤、銭型ネタがあって可笑しかったが、全体的に大爆笑のうずもない。
観ても観なくてもどっちでもいい芝居でした。。
満足度★★★★
世論に動かされる政治家みたい
大隈講堂に来たのは初めてだけれど、素晴らしい劇場ですね。
帝国ホテルを思わせるような重厚な建築で歴史を感じさせます。
落ち着いた木の椅子にはテーブルも付いているからメモするのにとっても便利!
なんだか、リッチな気分!
ふんぞり返って観ました!(^0^)えらそーに。
以下はネタバレBOXにて。。
ネタバレBOX
登場した役者を見たら思わずキャッツかと思った!(@@!)
メイクがキャッツなんですわ。
日記がキャッツネタで盛り上がってるから、よけい。(^^;)
人形使いの歌が良く聞き取れ難い。
歌は日本語だから、中国語のテロップが流れます。。
日本語で歌ってるけど発音が聞き取り難いから、日本語のテロップも必要です。(^^;)
物語の説明は劇団が説明してるから、その続きです。
いったい誰が狂人なのか探りあう家族は、たった一人の狂人になりたくない心理から、そのうちお互いを狂人扱いするようになってしまいます。
祖父は「狂人を見つけ出し家名と名誉のために密殺してしまおう。」と提案したものの、誰が本当の狂人なのか疑心暗鬼になり、
「誰でもいい、殺して埋めてしまえば後は皆が安心して生きられる。狂人は特殊な異分子だから、必ず皆とどこか少し違った行動をとる。その異分子の首をこの斧(11111人の首をちょん切った)ではねてしまえ!」と宣言します。
そして一家は異分子に見られる事を恐れ、次々にお互いの振る舞いの模倣を始めます。
そんな中、蘭だけは「異分子になりたくないからって皆でまねっこするなんて、オカシイヨ。そんな事をしてたらやがて自分の言葉を無くしてしまう。でも私は自分の思い通りするわ。」
と、「ひとりぼっちのマイウエイ」を歌いながら画一的に為ることをしません。
すると一家は「狂人はお前だ!」と宣告し、斧で首をはねてしまいます。。
桜吹雪の中、狂人扱いされ斧で首を切られるシーン・・美しい演出です。
首をはねられた後のピクピクしながら死んでいく蘭の演技が素晴らしい!!
殺された蘭から流れる鮮血は人形でなく人間でありつづけた証しの血です。
そうして、その蘭を動かそうとした人形遣いが今度は人形になるのです。。
役者陣は全て個性的で素晴らしいです。
衣装といい、演出といい、素敵です。
寺山修司が1962年に書き下ろして、もう46年も経ってるのに、人間の個性が出せない社会構造は今でも変わりません。
まるで江戸時代の風刺絵をみてるようでした。
そう、この世に生きてる人間がすべて人形であるかのごとく。
満足度★★★
乗れなかった!
コメディだったのね?
コメディにしては笑いどころが少ない。
かといって、獄中の中の設定なのにリアル感がない。
以下はネタバレBOXにて。。
ネタバレBOX
ワタクシの感覚では獄中の前にしかるべき裁判員制度の成り行きを見せてから、刑務所内の囚人達の軋轢や心情、苦悩などを織り交ぜながらの脚本かと勝手に思い込んでいました。。
ところがどっこい!
獄中なのに、まるで趣味の講座の教室かあるいは、お稽古事の女たちの集まりのような会話劇。。
なんじゃこりゃーーー!!(名言!)の世界です。。
まったく危機感もなければ、獄中、あんなおしゃべりが出来るはずもない。
まあ、芝居ですからー。。
女同士の会話の割には短絡的です。
女同士ってあんな会話はしてないはず。。
ご自分の周りの女性があんなふうに話すところ、見た事ある?
ワタクシはないです。
まあ、芝居ですからーー。
毎回、あんなにテンション高かったら疲れて死ぬわ!(苦笑)
なのに笑いに持ってけない!(苦悩)
新入りの囚人が収容されてきたことを機に、脱走計画がもちあがる。
脱走する為に、色んなアイデアを出し合いますが、どれもこれも単純で脈絡がないです。。
はなから、そんなんで成功するはずがない・・。と結果が見えてしまう。
茶番です。
茶番!と思ってしまうと、もういけません。
まったく芝居に乗れません。。
笑いのネタも浅いです。
違う。笑いのソースが違うのです。。
笑えないから茶番なのです。
観客を笑わせて初めてコメディなのです。
コメディに分類するなら中途半端。
シリアスにも属さない。
ネタとしての脚本力は低い。
うーーーーーん。。
残念でした。
男バージョンの方が面白かったのかしら?
ど根性見られたかもね~。。
カエルじゃあないよ!(^0^)
満足度★★★★
待つ女
何が素敵って、この物語には愛があるからだ。。
児島を好きになった小夜子の人生の物語なのだ。。
以下はネタバレBOXに。。
ネタバレBOX
どうやら、カレー屋で待ち合わせた初老の男女は昔恋人同士だったようだが、結婚はしていないようだ。。
小夜子は児島と今でも結婚したいらしく、女の、というか、小夜子の幸せは大好きな児島と結婚して児島と共にある人生らしい。。
物語は児島の夢である漫画家になる経緯と若いころの二人の両親が営むカレー屋「ムスタール」での出来事から始まる。。
「もしも、あの時・・・」と小夜子は児島とのやり直しの人生を、何度も何度も、繰り返し結婚という方向にもっていこうとするが、結果はやはり、どんなに、やり直しの設定を変えても児島は漫画家になるように、運命は決められてるようだ。。
小夜子は何度も落胆しながらも、しつこいくらいにやり直す。。
もしも、あの時・・・もしも、あの時・・・もしも、あの時・・・・と。
途中で飽きるくらいもしもは続くが、うめずかずおキャラが出てきたり、オタクキャラが出てきたり、それなりにローラの話題を持ち出したり(苦笑)一部のマニアが喜びそうなキャラを押し出す!(^0^)
そのつど、物語を巻き戻しする時間の操り方が絶妙なのだ。。
巻き戻しの場面ではまるでビデオの中の役者が本当に巻き戻されてるように、動く。。動く。。
シュルシュルシュル~~~っと。
そのシュルシュルシュルは何度か使われ、非常に上手い演出なのだ。。
もう1回やって!
と叫びたかったくらいだ。。
何故、そんなに何度も小夜子が拘って、もしも、あの時・・・とやり直したかったのか、終盤になって解る。。
いろんなすれ違いがあったが、20年も待った小夜子は遂に児島と結婚することになるが、結婚前日、児島はやっぱり夢は諦めきれない。と告白し、明日に控えた結婚を破談にしてしまう。。
小夜子は児島を愛するあまり、児島の申し入れを受ける。。
「立派な漫画家になって下さい」と。
謝罪してムスタールを出て行った児島は突然、走ってきた車に接触して命を落としてしまう。。
小夜子のお腹に忘れ形見を残して・・。
それから、小夜子は、しつこいくらいに・・・・振り返って、後悔する分岐点に戻れるとしたら?・・・と考えてしまうのだ。。
あの時・・・あの時・・・もしも・・・
そうやって、小夜子は今でも夢をあきらめられない男を待ち続ける。
どうやら、カレー屋で待ち合わせた初老の男は小夜子が想い焦がれるこの世の者ではない男だ。
物語はきちんと繋がります。
enjiが得意とするなんとも優しく泣ける本です。。
客席のあちこちですすり泣きが聞こえてきます。。
ワタクシも勿論、うるうる(;;)
なぜ、あんなにしつこく?
そのしつこさに意味があったのです。
最後の場面。
小夜子は息子とカレーを頬張りますが、その背後には小夜子の両親がカレーを仲良く頬張っています。。
そうやって命は受け継がれていくんですね。。
美しい最後の場面です。。
お勧め!
満足度★★★
ひとつの枠に留まらないジャンルというけれど
冨士山アネット初の主催イベントは、演劇、というよりもダンスのジャンルの色合いが濃かったように感じる。
以下はネタバレBOXにて。。
ネタバレBOX
超満員の客席だったが、各団体にそれほど、笑いが起こらず割りに静かだったのはダンスっぽい、演劇とはちょっとかけ離れた演出にあったからだと思う。
冨士山アネットやピンクの関しては殆どダンス。
快快は画像の使い方が上手かったけれど、やはりダンス色濃く、同居人と喧嘩をしながらもいなくなればなったで寂しいと感じる孤独への寂しさを淡々と演じる。
劇団山縣家は家族で恐怖の出来事を語り合うが、それほど恐ろしいものではない。(^^;)
夙川アトムは紙芝居を使ってのコントと歯が抜けるコント。
何が面白かったって・・・FUKAIPRODUCE羽衣だ!
あの不思議な空間が良い。
3組の男女が歌どおりのSEXをしてるシーンだが、その動きがコミカルなんだよね~(^0^)
よくよく観るとこの3組はそれぞれの動きが単調だけれど全く違う。芸術らしく見せてる!(^0^)
一人のギタリストが作曲を作るという設定なのに、ギターを弾けないギタリスト。
当然の事ながら、そんなだから作曲もできない。
馬鹿馬鹿しいけれど、そのアンバランスさの演出が見事だ。
んじゃ、歌が上手いのかい?(・・;)と思いきや、歌も下手なのだ。。
しかし、この団体に限っては歌は下手でもいいのだ。
だって、歌を歌う場面では歌を披露している訳ではない。
観客に感動を与えようなんてこれっぽっちも考えちゃいない。
頂点を極めたビートルズがふてくされて、というか、世の中の全てを見尽くして悟りきってしまった後のだれたような歌い方なのだ。。
更に詳しく言えば、ブロードウエイの道端で客をキャッチしてる売春婦が祭りの後にステージに呼ばれてダルダルだけれどマスターに叱られるからと頑張ってるフリをしながら踊って歌ってる。そんな光景なのだ。。
なげやりというか、とりあえず歌えばいいんでしょ!というか、客をなめきってるけれど楽しませてる。
そんな光景なのだ。。
いあいあ、素晴らしいです。。
今回、羽衣のあのステージを見られただけで満足です。。
本公演も行ってみよう。。
全体的な星は個人的には2つだけれど、羽衣に+1あげよう!(^0^)
以前、イギリスで見た舞台のパフォーマンスに似ていた。その舞台もどこまでもシュールで何やってんだか!と感じたけれど漂う空気の果てしない現実とのギャップに魅せられた舞台だった。。
羽衣・・・素晴らしい!
満足度★★★★
ぶれる!
恋愛とは常にぶれるものなのだ。
そんな日常の恋愛を丁寧に仕上げた作品だと思う。
男性の中では保健室という設定も、女子アナという設定もどこかしら輝いて眩しいものなのではないだろうか・・。
以下はネタバレBOXにて。。
ネタバレBOX
再会した女子アナと売れない俳優はフライデーされ、そのネタによって俳優は仕事が順調になるが、女子アナはその後も、また重役との不倫がスッパ抜かれ仕事の現場から、ほされる。
俳優の伸は、モトカノとイマカノの間で気持ちがぶれる。。
一方、高校の保健室では、養護教諭の佐倉と高校生の北村が、付き合うことになったが、佐倉は教頭先生との不倫の過去に北村は悩む。
佐倉は北村と付き合う前は恋愛奔放形で数人の男子生徒とも、関係を持ったようすだったが、同僚の中城に、「君が自分を扱うように、まわりも扱う。」と諭される。
悩む北村の相談にのるクラスメイトの彩子はモトカノで彼女も気持ちがぶれる。
彩子の相談をコンビニで聞く中条。
そして、女性と深く付き合わず、上澄みだけをすくって女性を替えてきた中城も新任教師吉川を本気で好きになる。。
俳優伸のイマカノのゆいがコンビニの店員に付いていったのは、意外というか・・・それでいいのかよ?
と、突っ込みたくなるが、全体的な物語は自然で気負いがない。
どろっとしてない。。
さらさらでもない。
ちるちるだ。
ワタクシは好みでした。。
微妙に歯車がずれていく経緯も、見ていて頷ける。。
彩子役の梅舟がなにげにいい。。
自然だ。
ひじょうにいい。。
すごくいい!(^0^)
満足度★★★
ふっ!(^^)
なんだかんだ言って、山森信太郎のワン・チー・チーは凄い!
色んなキャラが出てきたが彼に・・・いあ、彼女に勝るキャラはいないのだ。
亀仙人が出てこようが、マリオが出てこようが、キューピーの小鳥が出てこようが、最後の魔王がでてこようが、もはや問題ではない。
足元にも及ばないのだ!ったらなのなのだ!
以下はネタバレBOXに。。
ネタバレBOX
普通のお芝居と思って観に行ったらいけない。
そう、私達観客はアニメの世界に迷い込んだ子羊なのだ。
冒頭、トービ清掃という肩書きの3人が舞台上に現れると、「ほう。今回はまともに舞台に挑戦するのか。」と思ってしまった。
そのまともな考えがまともでなかったと思い知らされるのは、何やら妖しげな扉から出てきたトリッキーな3人組を見てからだ。
おお~、キリストじゃあないのかっ!
と思ったのもつかの間、「ふ?キリストってブリーフ、はいてましたっけ?確か葉っぱじゃあなかったでしたっけ?」(@@;)
と胸の前で十字架を切ってから、ふと考えたのでした。
どうやらキリストのようなブリーフはマフィアから拷問を受けているところで、そのマフィアのトップと思しきオカマはワン・チー・チー。
目を糸にして笑いかけてくる顔は妖術で人を操ろうとする化け猫のようだ。
うーん。どこかで見たことあるキャラだなー???
その太い腕を組んで観客を見下ろしてくる姿はチェロキー族の酋長みたいだ。
どこからか太鼓の音が聞こえてきてもオカシクナイ。
ドンドトト、ドンドトト・・・・
トービ清掃の3人はマフィアの指示で宝石店から大量の宝石を盗んだものの、連絡用に使っていた携帯電話を失くしてしまう。
そのケイタイを拾ったカンタは自分の携帯電話を自宅に置き忘れてしまった事から、ついつい拾ったケイタイでヨーコに連絡をしてしまう。
「今日はヨーコの誕生日なのに・・・。約束の時間に間に合わない。」
そんな時、少し時間をいじる事が出来る長尾とトキキザミ(時の天使)が過去に時間を戻してくれる。
時間を操って過去と現在をいったりきたりさせるが、その繋ぎ方が上手い。
スローモーションで見せたり学生の頃のカンタに時空を飛ばしたり、アイデアが満載だ。
今回の物語は3人の泥棒を軸にマフィア、宝石店の女、カンタ達、小江戸ら漫才ユニット、ミフネなど色んなキャラが登場する。
ごちゃごちゃしてる感は否めないが、まあ、アニメ的コメディだからと思えば楽しめる。
が・・・・ミフネ(まつだ)の尻見せには、正直ヒイタ。
観客、シーン・・・。
まだしつこく見せる裸尻!
それでも観客シーーーーン・・・。
まだまだ見せる裸尻!!
ふっ!(観客苦笑!)しぶしぶ。
時代劇の悪徳商人みたいな含み笑いが多かったから、ミフネというより、越後屋みたいだった。
ま~~ったく、毎回毎回何がやりたいんだか・・・良く分からないけれど、突っ込むには良い素材なのだ!(^0^)
満足度★★★★
おもろい!
相変わらずのコント!
いあいあ、めっさ楽しいですわ(^0^)
前回より更にパワーUPして今回は小技の乱舞です。
以下はネタバレBOXにて。。
ネタバレBOX
5人のシラナミという盗賊団がべラージオコーポレーションに盗賊に入るまでのアクションもの。
だがだがしかし、だがしかし・・・毎度のようにカッコよくないアクションかと思いきや、オープニングのミチーシオとヒキーシオのシーン、すんごくカッコイイです。
映画のワンシーンをみてるよう。
更に更に、フォログラムの描写などアイデア満載で観ていて楽しい!べラージオコーポレーションに侵入する経緯はミッションさながら!(^0^)
トヨクニ先生の高電圧を流された感電のシーンはサイコーです。。
5人の盗賊は知り合ったコーポレーションの娘の手引きによりどうにか侵入することができた。
娘は母親が死んでしまった事がきっかけで金の亡者と化した父親に以前の優しい父に戻って欲しくてお金を盗んで欲しいと頼むのだ。
「私はお父さんに傍にいて欲しかっただけ。」
と訴えるシーンはほろり・・。
なかなか魅せてくれました。
とにかくおもろい!お勧めです。
次回も観に行きます!(^0^)
満足度★★★
ピンクのオヤジ
どこかで見たことあるなー、って思ったら林やペーが来てました。
ペーって・・・普段でもピンク色なのね。
怒ピンクなものだから、目立つのなんのって!
出演者より目だってました。
以下はネタバレBOXに。。
ネタバレBOX
今回のフライヤーとパンフにはキャストは載ってても、役柄が載ってません。
ですから、誰が誰なのか分かりません。。
なんなんだろーね。
気が回らないのだろうか?それとも身内や友人しか観に来ないと思ってるんだろうか?
これじゃあ、役者の宣伝、つまり客演情報が載ってても観に行けないジャン!
本題です。
5人兄弟の御殿場家に長女がネットで知り合ったお見合い相手が尋ねてくることになったから、さあ大変。
お見合い相手を編集者が回したプロの回収屋と勘違いした3人の兄弟は売れない作家の長男を守るために冷たくあしらう。
本物の回収屋も次男の子供を妊娠してると勘違いされて話の辻褄が合わない。
一つの部屋の中で起きるドタバタ劇だが、ベタな内容で分かり易い。
話の流れはお見合い相手と長女はめでたく結婚するようだが、問題は御殿場家の長男のマニアックな仕掛けを上回るマニアックなヤツだったのだ。
あっけにとられて終演。という形をとっていたが、終わり方に少々強引さが目立つ。
まあ、何も考えずにお気楽に観るならやはりコメディだが、言葉のセンス、つまり、セリフでもっと笑わせて欲しかった。
はい、ここ笑うところですよ~、みたいな押し付けの笑いでなく。
人を笑わせるのは本当に難しいことなんだね。
だから、物凄く笑わせてくれた劇団にはやっぱり感謝しなくちゃいけないね☆
満足度★★★
どんでんがえし
ストーリーの半分は説明にUP済みだから、その後からのレビューを拾う。
以下はネタバレBOXに。。
ネタバレBOX
世界を滅ぼせる切り札(スイッチ)だけが手元に残された。
そのスイッチを取り戻すべく、外務省職員の蒲生はアジトに乗り込む。
そこには、大学生とフリーターと軍作業員、専門学校生の男4人と高卒の女、スージーと呼ばれる何やら怪しげな白装束の女が居たりする。
アジトという割にはどことなく頼りなさそうな輩なのだ!(^0^)
そんな頼りなさそうな輩だから、スイッチを奪い取ることがすごく簡単なように思える。。
蒲生は教祖のようなスージーの支持により縛られてしまうが、諦めない。
一人一人を説得し、スイッチを手中に収める為に、それぞれの性格に合わせてバラバラな事を言って将来の沖縄の具体的なビジョンを掲げてありもしないことを吹き込み、そそのかせる。
この騙し言葉が絶妙で面白い!
外務省職員の言葉に操られ、だんだんその気になる独立宣言者たち。。
個別にそそのかされた輩は一見操られたかのように見えたが、ここでどんでん返しがある。
蒲生が個別に唆した事がバレてしまったのだ。
すると今度はスージーが畑に埋めたというスイッチをいとも簡単に蒲生は押してしまう。。
実は自分はCIAの人間で、スイッチを押す目的で派遣された、というのだ。
だから、核ミサイルは打ち上げられたが、君たちのミサイルは発射されてすぐに撃墜された。このミッションはクーデターから仕込まれたもので自分はクーデターメーカーから、来たのだと・・。
日本人特有のすぐに物事を忘れてしまうノー天気さをチクリと風刺する。。
この時点でスージーは実は私が蒲生を呼んだと告白する。
今度は蒲生が有利な立ち位置になる。
しかし・・・その次の瞬間にはそのスイッチがニセモノだった事が解り、今度は独立宣言者が優位になる。
コマは完全に宣言者の手中に収まり、蒲生は愕然とするが、それでも彼の使命はスイッチを押すことにあるから、この沖縄から離れることが出来ない。
つまりスイッチの行方が鍵なのだ。。
そうして、更にコマは動く。
アメリカ基地内に「正哲王国」なるものを立ち上げた彼らはスイッチが手中にあることを切り札にして、小さな王国を作るのだ!
いあいあ、何が愉快って、蒲生の騙し言葉とどんでん返しの返しの返しの返しです。。
そうしてばかばかしいが、非現実な6人だけの王国は自分たちの常識を疑うこともなく脈々と息づいているのである。。
まるでそこが自分たちの城であるかのように。。
そうして、スイッチが本当にあるのかは誰も知らない。
満足度★★
常識を疑い固定観念をすてろ
パセリス第一回公演!というのだから、役者も脚本家も演出も相当、気合が入ってたはずだ。
小屋に入るとそこには既に刺繍をしながらにこやかに話をしているご婦人方(役者は男)が4人いらして、開演までの時間を過ごしている・・。
以下はネタバレBOXに。。
ネタバレBOX
この物語は一人のそれほど綺麗でもない女性に対して他の周りの女性達が綺麗だの美しいだのと持ち上げ、その気にさせてしまう。
結果、それほど綺麗でもない女性は自分がとても綺麗で美しいと思い込んでしまう。
ある日の事、正直者の他の女性から「ブス!」と言われた一言に逆上し、その女性を殺してしまう。という物語だ。
この本は「テス」という小説から拾って脚本家が作ったものらしいがワタクシはテスなる小説は読んだ事が無い。
感想は・・・というと、
今回のテーマが「男の体の中に女の心情を入れる」だ。
もし、この心情が女ですよ。なんてことになったら、ワタクシは毅然として、一言も三言も十言だって言わねば気がすまない。
テス以外の女性は明らかにテスをその気にさせて陥れている。
テスの気持ちをおもんばかることができない自己中心的で傲慢で時に冷酷なのだ。
刺繍をしながら・・・穏やかな笑みの下にあられもない欲望を押し隠している。
これらが女性の心情ですよ。なんつったらグーで殴りたい。
その心情は君だけです。
女性はそれほどネチネチしていないし、いざと言うときは余程男らしいのだ。
この世の全てを敵に廻しても大切な何かを守ろうとするぐらいの気骨はあるのだ。
作家は男の役者に女性の役をさせるという企画を頂いた時、刺繍を思いついたそうだ。手芸は女性の自意識の交差点であるように思ったというのだ。
古い。とてつもなく古い。
いまどき、こんなに封建的な考えの女性は久しく見てない。
まるで化石だ。
この言葉も古い。化石だけに・・・。
良妻賢母という言葉や「私ってお飾り」みたいな言葉を発するあたり、社会にでて働いた事がないのだろうか?
それとも育った属性がそうさせるのだろうか・・。
とにかく今回の芝居は女性を固定観念で縛り上げたダークコメディだった。
60分の上演時間だったが、長く感じた。。
なぜか?
つまらなかったからだ。
満足度★★★★
4回目は1回目同様楽しい!
15分という時間X6団体=丁度いい!(^0^)
以下はネタバレBOXに。。
ネタバレBOX
・横浜未来演劇人シアター
作品名:市電うどん
冒頭、ハマのメリーが登場する。
物凄いびっくり!
新聞や雑誌などで観た画像とそっくりだからだ。
演習効果だと思うが、手や腕の皺など、年寄りの手なのだ!(・・)
メリーは1995年忽然と姿を消した。最後の食事はうどんのようだった。
そしてバックには市電の切符がたくさんあった。
メリーは弟と逢う。黄泉の国へ旅立つ演出が美しい。。
市電の線路をイメージしたロープを客席中央まで張りそこをメリーと弟がゆっくり歩いていく設定だ。
そのサイドには赤のフラッグを持った駅員のイメージだろう、数人がピタッと決まったダンスを披露する。
中々、楽しく美しい演習だ。たった15分でここまでやる劇団、一見の価値ありです!
・青春事情
作品名:クロヒゲ
なにやら閉じこまれた一室での馬鹿馬鹿しいコメディ!
4人一緒に縛られてるように錯覚するが、実は一人は縛られていない。
ナンセンスな馬鹿馬鹿しさが妙に可笑しい!(^0^)
elePHANTMoon
作品名:小説の形
二人芝居。
ある小説家の下に、書いたホラー小説を送りつけた女が尋ねてくる。
話をしているうちに、女は、小説家が過去に殺人をした情景を見てるようだった。
小説家は逆切れして女の頭を机に殴りつけるが、小説家は逆に女に縛られ殺されてしまう。。
何事もリアルティーが大事よね?といって、ペンチで爪を剥がしたり、腸を引っ張り出して、その腸で縄跳びをする。。
ホラーもの。。
・あひるなんちゃら
作品名:ゴーテンノーベ
心地良い空気感の中で繰り広げられる無秩序な価値観のやりとりと、エネルギッシュでないボケと突っ込みとの説明だったが、好みではなかったので、文章にはしない。
するほどの芝居ではないからだ。。
・アイサツ
作品名:クレイジー
芝居の稽古を通してコミュニケーションをとりながら練習していたはずなのに、一人の女と一人の男が必要以上に仲良い光景をみた劇団員の女が「演技ができない。」と言い出した事がきっかけで、それぞれの不満が爆発し、それまで、カンパニーとしての方向性と偉そうに講釈してた輩も、ただの属性になる。。
早稲田大学演劇倶楽部出身の人たちなので懐かしいとともに、好みの作品だった。。
・Mrs.fictions
作品名:ねじ式(未来篇)
習字を書いていた女は実はロボットだった。
その名を安藤という。
最近の安東は働かないから、潰してしまおうと主張する兄と、それに反対する弟との心理劇。
芝居の終わり方が妙に気になる。
ストン!!!と途中で幕を降ろしてしまった感じ。
実は中途半端な終わり方が大の苦手だ。
以上、それぞれの劇団のカラーが楽しめて非常に面白かった。。
こういうイベントってフルーツパフェの大盛りみたいな得した気分だ。
本日のトークショー。。
elePHANTMoonのマキタが血のりを作ってる最中、ずっと笑いながら作ってる姿をあひるなんちゃらの関村が見ていたらしい。
マキタはニコニコしながら嬉しそうに作っていた。実に気味悪かった、とのトーク。
実はマキタはB級ホラーが大好きらしい。血がでて楽しい!との本人のコメント。
いあいあ、楽しかった!お勧め!(^0^)
満足度★★★
この人たちって。
大阪の劇団なのよね?あの松本とか浜田とか浜田の妻の出身地なんでしょ?
その割にはオトナシい劇団でした。
大阪の劇団って関東のワタクシのイメージでは、まさに樹海レベルに磁場が狂ってて、ツーといえばカーみたいなパラダイスな人たちばかりなのかと思ってましてん。
以下はネタバレBOXに。。
ネタバレBOX
ですから、芝居の内容としては壮絶なクライマックスもなければ、「実は人間じゃないんだ!」みたいな驚愕な顎が外れるくらいの事件性もなかったですねん。
んじゃ、何がどうなってどんなストーリーなのさ?って聞きたいはず。
村田堂本舗の方たちは。
観客は自分達の芝居をどんな風に観てくれたんだろう?
とか、
何か感じ取ってくれたのだろうか?
とか、
とってもとっても気になるはず・・。はず!(^0^)
で、ワタクシが感じた筋は
太郎(山本玄太)と三郎(山川勇気)の二人が小さい時に、遡る。
二人が時計の針を一時間ずらした事が原因となって来るはずのない電車に轢かれて、ばあちゃんが死んでしまった。
その事実が二人の心に大きくのしかかり、お葬式当日も、とても後ろめたくて、おじさんの顔もまともに見られなかったのだった。
そのおじさんから、カキ氷アイスを貰って食べた。
だけれどそのアイスの味なんて分からなかった。
ただただ食べた。大きな口を開けて流し込むように食べた。
頭がキンキン痛かったけれどもそれでも食べた。
そんな過去の出来事を大人になった今でも思い出し自責と後悔の念に囚われて夢をみたりする。
だから、太郎にとってカキ氷は特別なものでカキ氷に執着してしまう。
この物語は一軒の家のコタツから始まるが、登場人物の全員が上手く生きられない、いわば不器用な人たちなのである。
婚約者から逃げてきた女、それを探す男、好きな同級生に告白できない女子高生、その同級生は別の同級生を好きだという男、オンリーワンに拘る女子学生、家庭教師で彼と別れた女、働かない三郎、自堕落な太郎。
その登場人物たちがやがて太郎の静かな環境を侵し、いつのまにかそれぞれ勝手にざわつく。
「静かにしろ!」とブチ切れる太郎だったが、この侵入者たちはちょっとは静かになるものの相変わらず太郎の家で晩御飯などを食べるのだ。
それでも太郎は出て行けとは言わずにおおらかに他人が勝手に泊まっていったり、この家に集まったりして混ざり合うのを傍観している。
やがて、一人二人と帰っていき、茶箪笥にしまった封筒に入れた現金まで盗まれる。おじさんの娘だといっていた女には嘘をつかれ二重三重に痛い目に遭うが、ここの兄弟は笑って寛大に許すのだ。
太郎の唯一つの癒しは三郎でありカキ氷なのだが、物語の主軸が弱いのだ。
だから、観客は何が言いたかったのか?どうしたかったのか?理解できないのだ。
言いたい事はこれです!みたいなストレートな表現を入れるとカラーはもっと濃い色になると思う。
またそうしないと怒涛の劇団ラッシュの中で生き残っていけないのだよ。
学生という社会人の一つ手前の頃って淡い表現が好きだとは思うが、芝居が自分達の掲げる表現の場なら、観客の心に訴えかける直球も必要なのだと思う。
過去と現在のチェンジの仕方をもっと解り易く表現するといいかもしれない。
舞台で挨拶をした後、駆け足で入り口まで来て、客だししていた姿はとても真摯な態度で好感がもてました。
もうちょっと練り上げた作品を観てみたい。
キャストはひじょうに濃い面々です。
次回はカラコン目だけ青い異人も異人が、赤い靴はいてた女の子とかかなりの勢いで連れ去りそうな壮絶なクライマックスを見せてください。(^0^)
満足度★★★★★
壮大なテーマでしょう。
初めて新国立劇場小劇場に行ったけれど、本当に素晴らしい空間ですね。
とにかくどの席からも見やすい。
前の席の頭が気にならない。あれならメットを被った人が目の前に座っても怒らないです。。
で、芝居。
いあいあ、思っていた以上に素晴らしい作品でした。
この作品はルドンが作り上げた小説が軸になっています。
ルドンの死後、今度はルドンの母親が未完成だったルドンの小説を受け継ぎ、書き続けます。
以下はネタバレBOXに。。
ネタバレBOX
ルドンの死を自分の責任だと感じていた母親もルドン同様、「この世の終わり」をテーマに不幸な小説を書き続けていましたが、精神疾患で入院中に、ある担当医のお陰でその闇から開放されます。
そうして閉ざされた心が開放された母親は「世界の終わり」から「終わらない世界」を書けるようになります。
少年ルドンの小説から母親が書いた小説に沿って演じられた芝居です。
それから、役者の衣装が素敵です。
そしてそして極めつけはかりんさん奏でる二十五弦箏の幻想的な調べと、玉井夕海さんが歌う繊細で透き通るような美しい声です。
この響きを聞いただけでここに来てよかった!と感じさせてくれます。
上演前、この音楽に合わせてキャストが軽快にダンスするシーンがありますが、こちらもひじょうに素晴らしい。
観ていてパラダイスな気持ちになるのでした。。
さて、物語は世界を支配する帝国シハージャと辺境の国ドレ、虐げられる民・カソーミの3者の戦争と『世界の終わり』を書くルドン少年をリンクさせながら進みます。
シハージャの将軍ケアルガ(篠田光亮)は世界を支配する為には殺人という手段を選ばない方法で強大な大国を保って来ました。
ところが、その妹でシハージャの次期女王・マリア(満島ひかり)はそんな兄に疑問を感じ「身分の差のない、分け隔てのない世界」を夢見ます。それに共感するドレ国の家臣イズワル(川口覚)と恋仲になりますが、将軍ケアルガの策略によりイズワルは怪我を負ってしまいます。
その看護に尽力を尽くしたカソーミの族長のマレア(安川結花)とも恋仲になります。
やがて戦争は激化し、ドレと虐げられた現状を打開しようとするカソーミが手を組み、シハージャと全面対決の様相になるも、将軍ケアルガの巧みな罠と策略で暗転します。
一方、マリアは戦争と言う現実の中で可愛い純粋な女性から帝国シハージャの冷酷で残忍な女王へと変貌してしまいますが、その悪魔のような変貌ぶりが美しいです。
残忍な美しさ!
圧巻です!
セリフ回しといい、表情といい、ゾクゾクしました。
実力のアル演技派です。
可愛いだけじゃないです。
素晴らしい女優です。
「人間は一人一人違っているもの、身分の差、生きた環境の差を埋める事は出来ない!」と言い放ち、シハージャへ反乱するものすべてを取り押さえ、秩序を乱すものは処刑するよう命じます。
更に、世界を支配する者は二人もいらない。と将軍ケアルガを殺してしまいます。
場面は変わって・・・ルドン(柳浩太郎)の死後、小説を受け継いだ母親は希望に目覚め「終わらない世界」を書きます。
それによって、死んだはずのカソーミの族長のマレアが生き返りますが、この場面、甦りの演出がとても美しく素敵です。
ライトの演出効果と二十五弦箏と歌が絶妙でした。
場面から他の場面へ移行する展開がスピーディで間がありませんが、逆に間の無い空間の持っていき方が上手いです。
更に、「今はこういう場面です!」といったナビゲーター付きなのでひじょうに分かりやすい。
一つ残念だったのは役柄に見合った年配のキャストが居なかったこと。
重厚さを演出する為にもそれなりのキャストを起用して欲しかった。
ルドンの母親を演じたキャスト・・・ひじょうに素晴らしい演技でした。
地味な演技でしたが表情が素晴らしい。
今回は脇役はいません。
全員のキャストが素晴らしかった。。
物語の密度もルドン少年の『世界の終わり』から時は始まって『終わらない世界』に繋ぐという完成された脚本でした。
本当に素晴らしい舞台を観ました!(^0^)
ブラボーーー!!!
満足度★★★
満員御礼!
キャンセル待ちが出るほど客席は満杯状態でした.
いつもの事ながら,本当にここの劇場は綺麗で観やすい!
芝居は二部構成.一部は韓国バージョン,二部が日本バージョン.
以下はネタバレBOXに..
ネタバレBOX
ほんの2ヶ月月前に劇団虚仮華紙×劇団森 の「ノイロヲゼブウム」-虚仮華紙旗揚げ公演- を観たばかりだ.
彼女らの物語はカフカの『変身』とサルトルの『嘔吐』が軸ということだったが、どちらかと言うとフランツ・カフカの色合いが濃い作品で、グレゴール・ザムザを主人公にした物語だった.
大学生なのに素晴らしい舞台を作るものだと感激し感情のベクトルは最高潮に上がった記憶が今でも鮮明に残る.
さてさて,そんな経緯もあり,今回もカフカの『変身』を公演するとの事だったのでひじょうに楽しみにしていた舞台だった.
グレゴール・ザムザを主人公にした物語.
ザムザは自分のサラリーで家族を養い妹を音楽学校に通わせる為に身を粉にして働くサラリーマンだった.
ある日,気が付くとザムザは虫になっているのである.
ザムザが虫になった途端,家族が彼を扱う態度が一変する.
更に,ザムザから扶養して貰えないと理解した家族の皆がやる気になっているのである.
家族からも職場からも存在価値のなくなってしまったザムザはやがて家族からも見放され,「あれは虫よ.お兄ちゃんなんかじゃあない!」と人間失格の烙印を押され,家族から不当な扱いを受けて死ぬのである.
元々の小説はグレゴール・ザムザ自身が巨大な虫になったという妄想から始まるのだが,それを忠実に表現したのが,山田裕幸演出の韓国バージョンだ.
ザムザが家族から罵倒されカラーボール(りんごの演出)を投げつけられるシーンはやはり,残酷以外の何物でもない.
私達は毎日,会社で労働し,あるいは家族のために労働しそれにみあった報酬を稼ぐことで他人から必要とされる存在価値があるのだ!
...と示唆している.
二部の日本バージョン.
こちらは韓国バージョンと真逆の演出でひじょうに抽象的だ.
だから,先に韓国バージョンを観ずにカフカの『変身』も読んでなかったら,おおよそ,理解できない舞台だ.
『変身』の感覚的な部分を抽出して芸術的な表現を全面的に押し出した舞台だから,好き嫌いに分かれる芝居だ.
以前,観た『あこがれ』は小説に沿って丁寧に丁寧に仕上げたような作品だった.
舞台セットもレトロな和室と二階に上がる階段など,質素だが洗練されている香を感じさせた.
今回は一変して,説明や背景をあえてカットしたのか,一本の木(鉄パイプ)が舞台の中央にあるだけだ.
う~~ん..
好みか好みでないかと問われると,日本バージョンはワタクシは好みでなかった.演出が.韓国バージョンのほうが好みだったのだ.
前作『あこがれ』のような舞台演出を想像し,小説が舞台化された時のような丁寧な作りが観たかったのだった..
ザムザが死んだ後,残された家族は明るい未来を考えちょっと幸せな気持ちになる.
JangKyung-Minは
「結局,変身というのは,とりえが無い人間の姿を優雅に描写することにすぎなく,仕事義務に押さえつけられて,変化して,去ってゆく.その一匹の虫は,私達現代人の姿であるといってもいいだろう.」
とコメントする..
いあいあ,人間とはどこまでも深いのである..
満足度★★
前半ははっきり言って・・・
眠くなるほどつまらなかった。
客席中央には、関係者が座り、笑うサクラをしていて、笑うシーンでもないのに無理に笑っていて、その行為がひじょうに耳障りで、ウザくてひいた。
要は笑いを誘うシーンに関係者の笑いだけが客席に響きまくって、逆に観客が引いてしまったのだ。
たまにいるんだよねー、空気の読めない関係者。
以下はネタバレBOXにて。。
ネタバレBOX
昭和40年ごろの駄菓子屋に集まる子供たちとの人情劇。
子供たちにはそれぞれの悩みがあった。
前半は、芝居の下手さも加わり、本当に眠くて仕方がなかった。
全体的に練習不足です。
結構、広い舞台なのにその空間を生かしきれず、寂しい空間です。
登場人物が広さに反比例して舞台に上がるキャストが少ないから、間の抜けた舞台。
ミュージカルですが、ファミリー向けのベタな演技と構成でした。
登場人物の殆どが子供ですが、先週観た子供が出演した舞台と比較して演技がいまいち。。
本もありきたりの筋でまったく新鮮味はあrませんでした。
それでも・・・後半3分の1くらいは、感動できるシーンがありますが、構成は単純です。
駄菓子屋のおばちゃんが吐くセリフ。
「自分のことを忘れるくらい誰かを好きになれたら、もっともっと幸せになれる。自分の中の何かを信じて生きていったらええねん。」
うーん。。ほろり。。
そうは言ってもねー、だからこそ人生は迷うのだ!(^0^)
満足度★★
この価格では高いかもよ?
ゴールデン街劇場って聞いただけで、あんな狭い舞台でどうやってパフォーマンスするんだろ?ときになってました。
やっぱり・・・狭すぎる・・。
以下はネタバレBOXに。
ネタバレBOX
逆多真が幼い頃、出て行ってしまった父を探して、彼はお釜バー「無いチンゲール」にやってきた。
そこはふざけたぼったくりバーだ!
カツ子役の竹岡常吉がいい味出してます。
まんま、お釜でイケル。(苦笑)
彼が居なかったらこの芝居はどーにもならなかった!と断言出来るほど、重要な立ち居地でした。
そのぼったくりバーで散々な目にあいながらも、話の流れで、幽霊のマチの恋人だった男を訪ねてバーのママとカツ子らで九州までドライブすることになりました。
道中、馬鹿馬鹿しくもナンセンスな出来事が次から次へと起こります。
本当に狭い舞台だからどう使うのかな?と興味深かったけれど、セットは車とその傍らに椅子のみ。
まあ、そうよね?それ以上は置けません。
ですから、殆どが車での場面です。
うーん・・。
今回のポップンはこじんまりしすぎてて過去の公演と比較すると、笑いも物語りも小さい。
おおよそ、舞台ではなくコネタを披露してる感覚です。
傍目には今回、手抜きしたんじゃね?(・・)と感じてしまうほど。
大爆笑はないです。
それなりに笑える場面はあります。
そうはいっても、この芝居でこの価格は高いでしょう?
1000~1500円が妥当です。
満足度★★★★★
再々再演!
再々演は今から6年前と言う事だから、本当に長い間、観客から愛されてきた物語だと思う。
手話を使ったオープニングと選曲が素敵です。
セットも美しいです。
以下はネタバレBOXに。。
ネタバレBOX
物語の鍵は「二つの声」です。
不思議な力を持つ波多野は、その姉の雪絵を守るために人の心を操る能力を使って、雪絵に乱暴をしようとした人たちや傷つけようとした人たちを自殺させていた。
もう一つの声によって他人の心を操ることが出来る特別な能力だ。
声優のユーリも自分と同じ能力者だと気づいた波多野はユーリの声を出せなくしてしまう。
声が出なくなってしまったユーリだったが、波多野に操られて自殺しそうになる人たちを何とか救おうと翻弄する。
ユーリの以前の家庭教師でユーリが好きな幸吉も彼女と一緒になって波多野と戦うが波多野に暗示に掛けられ自殺しようとする。
そんな幸吉を目の前にしてユーリは命がけで幸吉を守ろうと必死になり、何度も何度も出ない声で叫ぶのだったが・・・
ついに声が出て闇を打ち破り幸吉は暗示から覚めることが出来たのだった。
それでも尚、ユーリ達を殺そうとする波多野に姉の雪絵は手話で訴える。
「止めて、もう人を傷つけないで。それでもどうしても殺すというなら、私を殺して!」と。
雪絵は最初から全てを知っていたのだ。
波多野の能力を。
更に雪絵は波多野に訴える。
「私はもう大丈夫なの。助けて貰わなくても一人で大丈夫なのよ。」
その言葉を聴いた波多野は自害してしまう。
泣き叫ぶ雪絵。
「いつのまにか、周りの人が弟の言うとおりに動くようになったんです。あの子の周りで人が次々と死んでゆく。その人たちは私を傷つけようとした人たちなんです。それでも、私を傷つけた人たちが罰を受けるのを心の底で喜んでいたんです。弟の能力に初めから気づいていたのに・・。」
手話を使った会話が素晴らしいです。
思いテーマなのにそれなりのギャグも仕込んであって、すんごく楽しいし笑える。
半分はコメディです。
渡辺安理のひたむきな演技がひじょうに素晴らしいです。
他のキャストもキャラが濃くて観甲斐があります。
嵐の風景。素晴らしい演出でため息が出るほど。
たぶん、落日近くになると更に演技に磨きがかかって、もっと素敵な舞台になりそうです。
舞台はやはり、落日ですね。
初日ははやり、熟してないからどの舞台も初日に行くと、雑だったり、セリフが出てこなかったり、それなりの小さなミスはありますね。
この舞台の最大の魅力は手話です。
私達は手話の魅力について実は良く解っていませんが、滑らかで静かなその美しい白い手と顔の表情で伝える手話は本当はとても色っぽいという事に気が付きます。
脚本家の成井は「演劇とは言ってみれば他人と通じ合うことを目的とした芸術だ。相手役と通じ合う。スタッフと通じ合う。お客さんと通じ合う。それができなければその芝居は失敗に終わる。」と言う。
観に行って良かった!本当に良かった!
満足度★★★★
雨のシーンが美しい。
この物語は散々アニメで読んだものだから、どんな芝居か興味はあった。
演出が素晴らしかったです。
以下はネタバレBOXに。。
ネタバレBOX
かつて、舞台『紅天女』で主役を演じ、大女優と謳われた月影千草は、芸能界を引退し、今は静かな生活を送っていた。
そんな月影の下をたびたび訪れる大都芸能の社長令息・速水真澄と演出家の小野寺一は原作者から『紅天女』の上演権を譲られている月影から上演許可を得て、女優の姫川歌子主演で『紅天女』を上演しようと企んでいた。
しかし、月影は『紅天女』の主演は自分もしくは自分が育てた女優にしか演じることは出来ないと言って、彼らの申し出を拒絶する。そして、10年待って、自分が育てた女優が大成することが出来なければ、上演権を譲ると言い放つのだった。
月影が目をつけていたのは、貧しい家庭で育った少女、北島マヤだった。マヤは実の母親から「何の取柄もない」と嘆かせる平凡な少女だったのだが、一度見た芝居や映画のセリフや役者の動作を正確に記憶するという特技、本能的に役を理解し役に憑かれたかの如く演じるという底知れぬ才能があった。
そんなマヤの秘められた力を月影は見抜く。マヤもまた次第に演劇の面白さに目覚めていくのだった。
ある日、ひょんなことから、マヤの演技を目にした姫川歌子の娘・姫川亜弓はマヤの演技に衝撃を受ける。父は有名映画監督、母は大女優という両親の一粒種である亜弓は、美貌と才能と卓越した演技力で芸能界においてサラブレッドと謳われており、それまで脅威を感じる相手に出会ったことはなかった。
月影はやがて、後継者育成のために劇団つきかげを旗揚げし、女優を目指すために家出をしたマヤはそこの奨学生として、月影のもとで演劇の勉強をはじめる。やがて、劇団つきかげで頭角を現したマヤを亜弓はライバルとして認め、二人は互いに切磋琢磨しながら、演技を磨いていく。
一方、『紅天女』の上演権を手に入れるため、速水と小野寺は劇団つきかげをつぶそうといろいろと画策していく。しかし、どんな嫌がらせにもめげず、ひたむきに演劇に情熱をかたむけるマヤの姿に速水は心打たれていく。露骨な汚い手を使わないよう、小野寺を牽制する一方で、速水は、あしながおじさんのように匿名でマヤを支えるが、速水のマヤに対する思いは次第に恋愛感情へと変わっていくのだった。
埼玉芸術劇場の舞台って物凄く奥行きがあるのね。
それをふんだんに使ってのびのびと役者陣が演技をしてました。
特に演出が素晴らしいです。
ガラス張りで客席を映す場面や、雨のシーン。。
大量の雨が降ってるにも関わらず、水はけがいい。
舞台の仕組みがどんなになってるのだろうか・・?
上から雨は振っていますが、床に落ちた水滴はポチャンポチャンと水が跳ねる水渋きの輪が出来るように床から細工されています。
前列の観客は濡れなかったのだろうか??
月影千草(夏木マリ)はアニメとまったく同じでした。。
よくもあれだけ似せたと関心するくらい・・。
舞台として客席も使用する場面が多かった。
これはいい。観客と一体になれる。
まさに舞台上の芝居だから、実際の観客が芝居のなかでも観客になってます。
いあいあ、何が良かったって、夏木マリの演技は素晴らしいです!(^0^)
満足度★★★★
子役にやられた!
思った以上に子役の演技が素晴らしかった!小学低学年であれだけのセリフとダンス。
覚えるだけでも難しいでしょうに・・。
素晴らしい舞台を観ました。
以下はネタバレBOXに。。
ネタバレBOX
野原家に、死んだ父さんのおかあさん、つまり梅ばあちゃんがやってくることになった。
野原家の4人姉妹のゆり・さくら・すみれ・ももはおばあちゃんと同居する事に大反対する。
特に長女は母が勤めてる間、小さな姉妹の面倒をみてるのに、これ以上面倒を掛けられるのは嫌だと、母に抗議するが、母は優しくなだめて4姉妹の子供達に「家族でしょ。お父さんを生んでくれたお母さんなんだから。」と意見します。
母が仕事に出かけた後に梅おばあちゃんは野原家にやってきましたが、子供達は何となく居心地が悪く、距離感を感じてしまいます。
おばあちゃんが荷物の整理をしながら古いアルバムを広げた瞬間、野原家の4姉妹は戦時中の学童疎開先の教室にタイムスリップしてしまいます。
そこでは梅おばあちゃんが先生で、生徒達や校長先生、山崎先生と共に戦渦の中、貧しく満足な食べ物もないけれど協力しあって暮らしていました。
4人の姉妹達はこの教室で、我慢する事、お互いを思い遣る心、食べ物を粗末にしない事、家族という繋がりを学びます。
優しい山崎先生に召集令状が届いて、いよいよお別れのシーン。
子役達が全員、泣きます。
本気で泣いてます。
とてもとても美しいシーンでした。
子供が出演する舞台で、泣きの入るシーンは毎回やられますね。
観客席からは、すすり泣く音が聞こえてました。
勿論、ワタクシも泣きました。
いよいよ、戦渦は激しくなり、梅先生も校長先生も逃げながら生徒達を守りますが、全員が離れ離れになってしまいます。
その瞬間、4人姉妹は現代に戻り、今までの自分達の行為を反省すると同時に、一生懸命生徒達を守った梅おばあちゃんを本当に好きになりました。
物語は、命の繋がりを生き抜くことの大切さ。がテーマです。
私達が踏みしめている土の下には、色々な人の思いや希望が地層になっています。
舞台は子供達が半数以上占めていましたが、学童疎開という設定とこういう現実があったことを、風化させずに未来へ伝える。という表現の場に子役はふさわしいです。
演じることで、戦時中の子供達の心を知ろうと努力するし、また、この子達が、未来に伝えてくれるからです。
劇中、赤い人間炎のダンスがありますが、この舞台にあの炎はちょっと違う気がしました。
あの炎のシーンは照明で演出した方が舞台に合ってたような気がします。
とにかく、子役達の安定した演技と、素朴な歌声は素晴らしかったです。
次回も観たい劇団です。
埼玉芸術劇場、初めて行きましたが、ステージはどの位置からも見易く椅子も他の舞台と比べて座り心地は良かった。
半すり鉢状の舞台。
今まで観た劇場で前の頭が気にならない高低差と椅子の配置の素晴らしさはトップですね。