嵐になるまで待って 公演情報 演劇集団キャラメルボックス「嵐になるまで待って」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    再々再演!
    再々演は今から6年前と言う事だから、本当に長い間、観客から愛されてきた物語だと思う。


    手話を使ったオープニングと選曲が素敵です。
    セットも美しいです。


    以下はネタバレBOXに。。

    ネタバレBOX

    物語の鍵は「二つの声」です。


    不思議な力を持つ波多野は、その姉の雪絵を守るために人の心を操る能力を使って、雪絵に乱暴をしようとした人たちや傷つけようとした人たちを自殺させていた。

    もう一つの声によって他人の心を操ることが出来る特別な能力だ。

    声優のユーリも自分と同じ能力者だと気づいた波多野はユーリの声を出せなくしてしまう。
    声が出なくなってしまったユーリだったが、波多野に操られて自殺しそうになる人たちを何とか救おうと翻弄する。

    ユーリの以前の家庭教師でユーリが好きな幸吉も彼女と一緒になって波多野と戦うが波多野に暗示に掛けられ自殺しようとする。

    そんな幸吉を目の前にしてユーリは命がけで幸吉を守ろうと必死になり、何度も何度も出ない声で叫ぶのだったが・・・

    ついに声が出て闇を打ち破り幸吉は暗示から覚めることが出来たのだった。

    それでも尚、ユーリ達を殺そうとする波多野に姉の雪絵は手話で訴える。
    「止めて、もう人を傷つけないで。それでもどうしても殺すというなら、私を殺して!」と。


    雪絵は最初から全てを知っていたのだ。
    波多野の能力を。


    更に雪絵は波多野に訴える。
    「私はもう大丈夫なの。助けて貰わなくても一人で大丈夫なのよ。」

    その言葉を聴いた波多野は自害してしまう。


    泣き叫ぶ雪絵。



    「いつのまにか、周りの人が弟の言うとおりに動くようになったんです。あの子の周りで人が次々と死んでゆく。その人たちは私を傷つけようとした人たちなんです。それでも、私を傷つけた人たちが罰を受けるのを心の底で喜んでいたんです。弟の能力に初めから気づいていたのに・・。」




    手話を使った会話が素晴らしいです。
    思いテーマなのにそれなりのギャグも仕込んであって、すんごく楽しいし笑える。
    半分はコメディです。

    渡辺安理のひたむきな演技がひじょうに素晴らしいです。
    他のキャストもキャラが濃くて観甲斐があります。


    嵐の風景。素晴らしい演出でため息が出るほど。
    たぶん、落日近くになると更に演技に磨きがかかって、もっと素敵な舞台になりそうです。
    舞台はやはり、落日ですね。
    初日ははやり、熟してないからどの舞台も初日に行くと、雑だったり、セリフが出てこなかったり、それなりの小さなミスはありますね。



    この舞台の最大の魅力は手話です。
    私達は手話の魅力について実は良く解っていませんが、滑らかで静かなその美しい白い手と顔の表情で伝える手話は本当はとても色っぽいという事に気が付きます。


    脚本家の成井は「演劇とは言ってみれば他人と通じ合うことを目的とした芸術だ。相手役と通じ合う。スタッフと通じ合う。お客さんと通じ合う。それができなければその芝居は失敗に終わる。」と言う。


    観に行って良かった!本当に良かった!

    2

    2008/08/18 20:54

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  • teru@福岡>
    お初です.コメント有難う!(^0^)
    なるほど・・.

    ワタクシが感じたのは波多野は姉を傷つける人達を自殺させるように操ってた.とそのまんま,受け取りました..

    teruさんの考えでは,更にその先ですね・・
    波多野は自分でもどーにもならない大きなマイナスエネルギーによって操られてたと.

    死ぬ間際に自分から開放される安堵感という感覚は生きてきた自分の全てを否定するようでなんか...(´・ω・)悲しい現実…(・ω・`)ですね..

    はい,セットといい,演出,本といい本当に素晴らしい舞台でした..
    やっぱり実力のある劇団ですね..
    はい.至福の時間ですね.(^0^)

    2008/09/07 09:25

    初めまして
    今日福岡で公演を観ました。
    波多野は故意に人を自殺させていたのではないような気がします。
    自分でも操れない好まない力によって・・・
    彼は自分の力によって人が行動することに悩んでいたのではないかと思います。
    ラストの雪絵の言葉による自害はやっと自分を開放できる安堵感からだったような
    気がします。
    でも、本当にすばらしい舞台でした。たくさん舞台を見てこういう舞台にあたると
    幸せを実感します。

    2008/09/07 00:51

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