ルドンの黙示 公演情報 アロッタファジャイナ「ルドンの黙示」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    壮大なテーマでしょう。
    初めて新国立劇場小劇場に行ったけれど、本当に素晴らしい空間ですね。
    とにかくどの席からも見やすい。
    前の席の頭が気にならない。あれならメットを被った人が目の前に座っても怒らないです。。


    で、芝居。

    いあいあ、思っていた以上に素晴らしい作品でした。
    この作品はルドンが作り上げた小説が軸になっています。

    ルドンの死後、今度はルドンの母親が未完成だったルドンの小説を受け継ぎ、書き続けます。



    以下はネタバレBOXに。。




    ネタバレBOX

    ルドンの死を自分の責任だと感じていた母親もルドン同様、「この世の終わり」をテーマに不幸な小説を書き続けていましたが、精神疾患で入院中に、ある担当医のお陰でその闇から開放されます。

    そうして閉ざされた心が開放された母親は「世界の終わり」から「終わらない世界」を書けるようになります。


    少年ルドンの小説から母親が書いた小説に沿って演じられた芝居です。

    それから、役者の衣装が素敵です。
    そしてそして極めつけはかりんさん奏でる二十五弦箏の幻想的な調べと、玉井夕海さんが歌う繊細で透き通るような美しい声です。

    この響きを聞いただけでここに来てよかった!と感じさせてくれます。

    上演前、この音楽に合わせてキャストが軽快にダンスするシーンがありますが、こちらもひじょうに素晴らしい。
    観ていてパラダイスな気持ちになるのでした。。




    さて、物語は世界を支配する帝国シハージャと辺境の国ドレ、虐げられる民・カソーミの3者の戦争と『世界の終わり』を書くルドン少年をリンクさせながら進みます。


    シハージャの将軍ケアルガ(篠田光亮)は世界を支配する為には殺人という手段を選ばない方法で強大な大国を保って来ました。
    ところが、その妹でシハージャの次期女王・マリア(満島ひかり)はそんな兄に疑問を感じ「身分の差のない、分け隔てのない世界」を夢見ます。それに共感するドレ国の家臣イズワル(川口覚)と恋仲になりますが、将軍ケアルガの策略によりイズワルは怪我を負ってしまいます。
    その看護に尽力を尽くしたカソーミの族長のマレア(安川結花)とも恋仲になります。


    やがて戦争は激化し、ドレと虐げられた現状を打開しようとするカソーミが手を組み、シハージャと全面対決の様相になるも、将軍ケアルガの巧みな罠と策略で暗転します。


    一方、マリアは戦争と言う現実の中で可愛い純粋な女性から帝国シハージャの冷酷で残忍な女王へと変貌してしまいますが、その悪魔のような変貌ぶりが美しいです。
    残忍な美しさ!
    圧巻です!
    セリフ回しといい、表情といい、ゾクゾクしました。
    実力のアル演技派です。
    可愛いだけじゃないです。
    素晴らしい女優です。


    「人間は一人一人違っているもの、身分の差、生きた環境の差を埋める事は出来ない!」と言い放ち、シハージャへ反乱するものすべてを取り押さえ、秩序を乱すものは処刑するよう命じます。
    更に、世界を支配する者は二人もいらない。と将軍ケアルガを殺してしまいます。


    場面は変わって・・・ルドン(柳浩太郎)の死後、小説を受け継いだ母親は希望に目覚め「終わらない世界」を書きます。

    それによって、死んだはずのカソーミの族長のマレアが生き返りますが、この場面、甦りの演出がとても美しく素敵です。
    ライトの演出効果と二十五弦箏と歌が絶妙でした。


    場面から他の場面へ移行する展開がスピーディで間がありませんが、逆に間の無い空間の持っていき方が上手いです。
    更に、「今はこういう場面です!」といったナビゲーター付きなのでひじょうに分かりやすい。



    一つ残念だったのは役柄に見合った年配のキャストが居なかったこと。
    重厚さを演出する為にもそれなりのキャストを起用して欲しかった。



    ルドンの母親を演じたキャスト・・・ひじょうに素晴らしい演技でした。
    地味な演技でしたが表情が素晴らしい。


    今回は脇役はいません。
    全員のキャストが素晴らしかった。。



    物語の密度もルドン少年の『世界の終わり』から時は始まって『終わらない世界』に繋ぐという完成された脚本でした。



    本当に素晴らしい舞台を観ました!(^0^)
    ブラボーーー!!!




    6

    2008/08/24 23:17

    0

    0

  • おーじ>
    ありゃりゃ・・。
    夏が苦手なのね?ビールの美味しい季節ですのに(^0^)
    去年もこの時期、お出かけしなかったでしたか。
    ワタクシの印象では観劇後、すぐさま缶ビール片手に浴びるほど飲むおーじの姿を想像してました!(^0^)

    その万年不眠症、どーにかならんのでしょかねー。お気の毒ですわ。
    寝られない夜は羊を数えてちょーだい。
    更に寝られなくなったりして・・(^^;)

    2008/08/27 00:17

    レス遅くなり失礼しました・・。

    ハイ、ここ暫くお出かけエンタメ自体ご無沙汰しておりまして・・。
    いえいえ、音楽も最近はとんとご無沙汰でございます・・。

    例年のことなのですが・・。
    どうもこの季節はとても苦手なんです・・。
    自分の場合睡眠にモロに影響することもあって、少々臆病になってます・・。

    また、毎晩観劇に繰り出す季節がくれば、ROMを卒業して自分もコメントアップさせていただきます。

    2008/08/26 23:40

    おーじ>
    ワタクシ、そこの小劇場は初めて行ったのよ。舞台が中央で客席が対面式になってる。椅子の配置の勾配も高いから、前がでんでん気になりません。
    あそこ、いいわ~。。高いのかしら?レンタル料。
    以前、学校でそこを使用した時には1万とか2万だったらしいの。
    何故だと思う?チケット料金が発生しない場合、劇場のレンタルも格安らしいのよ。または無料。
    学校でレンタルというのも理由なんだろうけれど、公共の場。と考えるらしい・・。

    はい。只者ではなかったですわ。
    フランツの出演する芝居はハズレがないですね。ハズレると、ワタクシの仕打ちが酷いからかしら?(^^;)
    日記でとことん、これでもかって言っちまうです。
    あるいは・・・出演してても稽古の段階でこれは紹介できないなーと感じると貝になってるんだろうか?
    とにかくハズレを観た事がない。

    おーじ、ここの劇団は美男美女が多いです。
    だから観ているだけでも殿方は飽きないかも。

    ワタクシはこの劇団の本と音楽、プロ根性に惹かれてます。
    次回も観に行く。きっと。

    ってか、おーじ、あなた最近観てないの?芝居。
    音楽三昧?
    音楽だったら、ブログにUPしてちょーだい。(^0^)/

    2008/08/25 22:43

    新国立劇場小劇場、いいですよね、あそこ。
    お尻が痛くなる、役者さんの汗が降り注いできそうな小劇場も何とも言えないいい味わいですけど、たまにはこういう劇場でゆったり鑑賞するというのもいいですね。

    おぉ、フルマーク!、感動が行間に溢れているようですね。
    この劇団、主宰以下とても個性派集団で、かねてより自分も注目していた劇団です。
    やはり、只者ではなかったんですね・・。

    次回は是非自分もナマで実感してみたいですね・・。

    2008/08/25 21:38

    良く練られた作品でしたよ。
    時代の背景や小説家の心理状態まで追求した作品でした。
    キャストも素晴らしかった。
    勿論、音楽も。音楽は一番高い評価をつけてあげたいほど。
    あの二人のコンサートがあれば是非に行きたい。
    音楽には底から這い上がってくるような希望がありました。本当に素晴らしい!(大絶賛!)
    そして、女王の豹変振り。こちらも一見の価値あり。良い女優です。

    2008/08/25 10:36

    私も観にいけばよかったなぁ~5★かぁ~
    私も気になっていたんだよねぇ~内容も気になってたし。。。
    いやぁ~残念へ(xLx)へ

    2008/08/25 09:29

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