満足度★★★★
再び鴻上尚史に逢う。
映像の使い方が流石。紗のように透けた布をスクリーン代わりに1969年の学園紛争の映像を流し、紗のむこうでは役者たちが同様の紛争を演じる。
二つが重なり合って臨場感が溢れ40年の時が重なる。素晴らしいです。
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
拓明高校に復学した山崎(中村雅俊)は40年前の学園紛争の思想を現代の高校生にも説くが現代の冷めた高校生たちの目には異星人にしか映らない。しかし、そのうちの数人が山崎に感化され、同調していく。彼らと山崎の会話が噛みあわない状況が可笑しい。「むかつく」と吐き捨てる彼らに「胃が悪いのか?」と言ってさりげなく大正漢方胃腸薬をさしだす場面など。(苦笑!)
かつて山崎らと戦った40年前の紛争のリーダーが現高校の教頭だったりして、今度は現高校生の山崎と反勢力になりぶつかる。
シュプレヒコール!!と叫んだり舞台は中々熱いが中村雅俊が演じると元来の品の良さや持ち味なのか、毒々しさがなく、くどくない。かえってソレがいい。いったい彼の実年齢はいくつなのだろうか・・?60歳くらいだろうか?お歳になっても爽やかな笑顔にヤラレル!要するにカッコイイのだ。
当時の学園紛争は映像でしか知らないが、大学でなく一番感受性の強い時期の高校という設定が不思議だったが、当時は高校でも紛争があったらしい。
田島令子のヘリコプターメットに大笑いしコメディ感も色濃い。
かつて未来を信じ、時代に裏切られた当時の紛争者たち。真剣に「生きるテーマ」について語り合った彼ら。何かを信じて迷わない意思の強さを目の辺りにして、当時の若者のほうが生きてた実感が強かったのだと思う。今は生きてるけど死んでる人が多いような気がするのだ。
満足度★★★★★
コミック「花と夢」ランド
な、なんて楽しいんでしょ!(^0^)
第一、開幕から飛ばしまくり!部長他2人の社員とイマドキ新入OLのやり取りにヤラレル。その後にはメルヘン・お菓子の部屋バリバリのセットでおとぎの国に迷い込んだよう。思わず・・・アンデルセ~~ン!と叫びたかった!
とにかく楽しくて面白い!ぜひ観て欲しい芝居。
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
ケーキ屋「メゾン・ド・ラブ」を舞台にここに集まる人達や、夜にお忍びでやってくる昆虫人間やら、森の動物たち。そして妖精と呼ばれる30歳すぎの処女や童貞男のみで構成される編集部「花びら」での仕事の風景などお笑い満載。草食系男子、メガネ男子、弁当男子、パジャマ男子、スプーン男子など、○○男子と呼ばれるコミックアニメで登場するようなキャラ立ても楽しい!
テンポの良いイマドキのコメディで存分に観客を笑わせ、時にはブラックなセリフも加味し涙が出るほど笑った!(^0^)ミミズの動きやアメンボのセリフにも笑いを誘い、舞台をハイスピードで押し切り飽きさせない。
笑いのツボは最高でした。うまいなぁ・・。やっぱ、こういう舞台を作る感性が素晴らしいです。
ワタクシにはパラダイスなひと時でした。もう一回観てもいいなぁああ・(^0^)
コメディとしては最高です。
満足度★★★★★
すごいなぁ。。考えさせられた。
セットの作りこみが上手いなぁ。。嬉しかったのはあれほど座り辛かったアゴラの幼稚園椅子が高くなって大人向けになったこと。多田氏に聞くと、「自分がセットと一緒に配置した。」との事。
やれば出来るじゃん!したらこのまま、この高さで持続して欲しいですわ。
ゆ~ったりのーんびり疲れも無く楽ちんでした。(^0^)
セットはじゅうたんとテーブルと七輪が二つ。奥に畳の部屋。ごくごく普通の家庭のスペースで観客とセットとの境がなく全体を舞台と化した。コの字に客席を配置した為、観客の表情がとにかく可笑しい!(^0^)口をあんぐり開けて観てた人が居て・・・そっちも面白かった!(^0^)
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
離婚して認知症になってしまった父の面倒を看てきた長女(明子)が一人で抱え込み過ぎたあまり、行き詰って自殺を考える。長男は仕事にかまけ寄り付かず、長男の嫁も充てにならない。次女は能天気でもっと充てにならない。兄弟たちは明子が父親を看ている事から安心して、ただ何となく任せきりにしてしまったが、明子が父を道連れに自殺未遂を計ってから、父の今後について家族会議をする。
この時点で長男は父と離婚した母に期待するが、その期待は見事に裏切られる。結果、長男がとった究極の決断は、妻の実家に自分達が同居すれば、子供の面倒は妻の両親が看てくれるから、自分はもっと父を看にに来られる、というもの。妻はその言葉を聞いて、うしろでちょっとほくそ笑む。
なんだかなー?妻の実家に入るなら父親も連れて行けよ!と言いたい。
要するに、父親を看るのは今までどおり明子で、兄弟たちはもっと頻繁に看に来る。という結論。
介護問題は親が存在する限り誰にでも同じような場面に遭遇する訳で、本当に身近でリアルな問題だ。だから、胸の底に他人事とは思えない感情が湧き出て痛々しかった。同時に灰色の洪水のように哀しみと苦しみが一気に流れ込んで、ぼんやりと両親の事を思った。しかし物語りは陰鬱なだけではなく、次女の春香の楽天っぷりと31歳の母の恋人のホストが登場した辺りからコメディ感が溢れ会場が明るくなる。
長男、明子、次女の気持ちや性格までも実に見事に表現し、素晴らしい舞台でした。
実際の多田氏の父の介護の問題もありながらの作品作りだったらしく、実父が実際に母親と離婚して、数年後、鬱になり自殺し急逝した経過は今回の木村家と重なる部分があった。との言葉。
家族って何だろう?世の中のいろんな物事を感情以外の側面から理解できるようになったとしても、誰かを殺したり自殺に追い込んだりしたら、その傍に居る別の誰かのことも必ず殺す事になるよね。人間は一人じゃないのだから・・。
満足度★★★
連れ添うということ。
愛をテーマにした物語。家族愛、恋人との愛を死神、時間屋、ミーコを通じて教えられる。
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
今川家の崩れていた家族関係を今川英駿(主人)の死によってそれぞれの子供たちは過去の呪縛から解き放たれる。英駿が死ぬ直前に妻の七緒に「俺は今まで家族を省みる事がなかった。自分の思い通りにならない時には手を上げたりもした。なのにお前は辛抱強く付いてきてくれた。俺はお前が居ないと駄目な男だった。」と呟き、妻の七緒は「貴方は強気で頑固でいつも前だけ見てた。これからもずっと前をみていてください。」と返す。
一方、三上は過去に母親から捨てられた経緯があり女性を信じる事が出来なかったが恋人愛理によって閉ざされた心が溶解していく。
これらは「死神」がそれぞれに死の宣告通知を渡す役割と「時間屋」が残りの時間を売った対価に「思い出」を戴く。という構成で絶妙なバランスを保つ。彼らが残りの命を考えるきっかけになり、素直になり、更に人に対して優しくもなる。そうして、これからの時間を大切に生きる。という筋。
死神が三上らの子供を連れ去る場面ではミーコ(子猫)に「彼らは姿かたちは大人でも、まだ子供なの。親にはなれない。親になるには色々築きあげなければならないの。あの二人には、それがまだ足りない。」と吐くセリフには心から納得する。
ベタで解り易くて心に沁みる物語。素敵でした。泣ける!
満足度★★★★★
3人の心理劇!
好みの作品。
残念ながら、脚本家・舞台演出家・小説家・映画監督・エッセイなど多分野で活躍する鴻上尚史の本をまだ読んだ事がない。
しかし、トランス=恍惚感の意味があったので今回の作品にはかなり期待していた。
で、結果、ひじょうに満足!とにかくゾクゾクするほどニヤリ!としてしまう。
反転、反転、反転の繰り返し。こんなに良く出来た本は久しぶりだった。
ワタクシはチームブルーを観た。ぜひ、お勧めの作品!
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
当初、フリーライターの立原雅人が「離人症」という分裂病に苦しんでいるようにみせかけるが、やがて精神科医だったはずの紅谷礼子の精神疾患を治療するドクターとなる。一方でターミネータおかまの後藤参三が入院中の雅人を甲斐甲斐しく世話していたが、実は他の二人のドクターだった、という展開もあり、3人が反転、反転、反転とめまぐるしく立場が変わる。
3人が3人ともどこか病んでいて医者と患者を演じあうというストーリー。
不安、偏った愛情やその裏返し、自己愛、偏見、、屈折・・・それらが絶妙なギリギリのバランスで構成されていく。
立原雅人の天皇っぷりや、紅谷礼子の爽やかさや、後藤参三のしゃべりにひじょうに魅せられ、「人間ドミノ」を想像する。
3人が真っ直ぐに一列に並んで背後から彼らが倒れかかってくるのをじっと待っている。それぞれはみんな違った表情をしている。驚いた顔。疲れきった顔。怒りに震えてる顔。涙を堪える顔。声を放って泣いている顔。そして最後の駒は道化師の顔。
最初のびっくりした顔のドミノが倒れると、あとはカチカチカチカチと小刻みな音が続き止まることなく倒れてく。そして人間ドミノの最後の一人が倒れる。背後から押し寄せる大勢の3人に全身を潰されて地面に倒れる。しかしドミノはもう一度立ち上がる。人間ドミノの最後の一人が手足を拾い集めるようにして必死の思いで立ち上がる。反転の繰り返しはそんな想像をしながらも、ドキドキして、ニヤリとして、爆笑して、ワタクシをトランス状態にさせる。
満足度★★
結果、ホラー。
福岡からの交通費が26000円、場所代が96000円。客席は14席。こんなことを聞いちゃうと、酷評を書くには残酷だと思うが、忌憚なく書かせていただきます。
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
病んでる妹は、背がすらっと高くて、とてもキレイな姉をいつも羨ましく思っていた。甲斐甲斐しく妹の面倒をみていた姉の行動を、「自分より不幸で辛い奴を見てると、自分が安心でしょ。安全でしょ。だから可愛そうな妹を面倒みてるんでしょ。」なんて妄想を抱き姉を殺して肉の塊にして冷蔵庫に保管して、毎日少しずつ、姉の肉を喰ってた!というホラー物語。
舞台中にキューピーの声を神の声としてセリフを言わせるが、このセリフが聞きとり難い。終盤のホラーと思わせる展開までの演出がだらけて間延びしていて退屈してしまった。役者が歌を歌うシーンでは一緒に観客にも歌を歌わせようとするが、この時点でもちょっと興ざめ。
舞台って観客もノリに乗ってる時はついつい、一緒に口ずさみたくなるんじゃないかなー?それまでの芝居次第だよね。
姉の霊がずんぐりむっくりでブスの妹の口に無理に色んな食べ物を押し込める辺り、オゾマシイ。とは思ったものの、全体的にちょっと退屈な芝居だった。
満足度★★★★
笑って泣く!
キャストの吐くセリフや大げさな表情などアニメちっくでコメディ感、たっぷり。とにかく楽しい。最後のシーンでホロリ・・、と泣かせるあたり、演出が上手い。
笑ってジーンとして泣けるコメディ。
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
馬場には友人と呼べるのは合宿免許時代の桜井しか居ない。馬場はやっとの思いで好きなルイちゃんと結婚できる事になって、親友の桜井を招待したのだが、馬場は自分に自信がない為に、見栄をはって自分と馬場の学歴その他をありもしないほど詐称してしまう。睡眠薬と精神安定剤を服用している小心者の男が繰り広げる結婚式場でのドタバタコメディ。
その詐称の全てを見抜いてるルイちゃんがこのどーしようもない男をほっとけなくて好きになってしまったが彼の口から、きちんと「好き」って言ってもらったことがない。彼に「好き」って言って貰いたいが為に仕掛ける哀しくも切ないラブストーリー。
ルイちゃんのセリフ「故郷は二人で信頼しあって作るものでしょう?やがてそこが故郷なんだって思えるように。」にヤラレル。
観客を笑わせるツボを心得えてる脚本と演出に、仰け反りながら笑って、物語は一生懸命にひたむきな愛の言葉の表現でジーンとなり、胸がつまる。そして、やがて涙する。
こういう本を書くのはやっぱ男性なんだよね~。マザコン男がマザー妻を求めるごとく。むしろ脚本家の直球勝負に脱帽!(^0^)
満足度★★★★
温かい甘水に満たされる思い
ほのぼのとした風景が多く観た後に本当に優しい気持ちになれる作品。
芝居は釣りのシーンから始まるが、フライヤーに似たような風景は、大きなスクリーンに流れる綿菓子のような真っ白い雲や、橙色の夕焼けを映し出す事で見事に演出する。
観劇後、打ち上げと称する飲み会があります。これに参加すると楽しい。(^0^)舞台で使ったボラ鍋(豚汁)やおにぎり、つまみ、漬物、イカのから揚げ、卵ぶっかけご飯、メンマ、シュウマイなど出してくれます。飲み物はビール、ワイン、焼酎など。(空き缶は潰さず回収し、次の舞台で使用)キャストやスタッフも慣れたもので観客を飽きさせません。実に楽しいひとときでした。
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
川辺を住居としているブルーシートの人たちの人情劇。
鮮やかな緑に囲まれた川のほとりに今にも倒れそうなブルーシートの小屋。ここで暮らすシゲさんが釣りをしているシーンから始まります。その風景は本当にのどかで、釣竿の先では、太陽の光を反射して銀色に輝いてる魚が時々ピシャ!っという小さな音をたてて水面を切るようにして飛び上がるさまが想像できる。
シゲさんの所には社会で生きられなくなった人たちがいつの間にか、住み着くようになるが、やがて彼らは役人の説得により役所が用意した仮設住宅に一人、二人と移動し始める。その間、窃盗や暴力、台風などの天災によって現在の環境では居られなくなるもシゲさんだけがこの場所に残る。
物語の内容は実際にありそうなありふれた風景を描いているが、この物語の凄いところは、ありふれた風景に心という心地良い感触と小さな熱を加えることで、こんな風に優しい物語になるのだと、そう思いました。
この世の不条理とか己の身の上に推された烙印の深さとか、生きるとは何か、死ぬとは何か、いったい私達は何に向かって転がり続けているのか・・。そんな心持ちになった舞台。
全体的に優しげで温かみがあって日向の匂いのする物語です。
彼らは変わる事を切望しながらも自分が変われない事を嫌と言うほど理解し、そうして淡々と空き缶を潰しながら生きていくんだよね。人が生きていくと言う事は何かを捨てていく事ではなく、広い集めていくことではないのか・・、この空き缶のように。
役所の職員や牧師が彼らに話しかけるシーンは滑稽でオカシイ。(苦笑!)
シマウマがライオンに「一緒に遊ぼう!」なんて言ってるようなもので、会話が成立していない。つまり、生きてきた環境が違いすぎるし、価値観も経験も違いすぎる。だから、吐いてる言葉は理解できても会話は成立しないよね。そんな可笑しくも切ない要所も随所に取り入れ、役者の表情や目の動きや仕草で演じます。決して劇中のセリフは多くない。多くないけれど役者の演技力で魅せます!実に素晴らしい舞台でした。
満足度★★★
あの世のおとぎ話
売れっ子の怪奇小説家が見た夢物語。
無体セットの作り方が素晴らしい!ベッドからあっという間に階段になったり。
霊媒師役の鶴屋紅子が見もの!楽しいです。
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
売れっこ小説家はアラジンのごとく三つの願いが叶った事で幸せの絶頂に居た。願いとは、売れっ子小説家になる事。古女房・政子の死。若い娘・綾との結婚だった。
ところが至福な時は長く続かない。花嫁とベッドインした矢先、花嫁は急死してしまう。そんな小説家の失意の中、妖しい霊媒師が訪れる。霊媒師役に鶴屋紅子。適役です!とにかく面白い!(^0^)
もっと笑っていいシーンなのに今回の観客はおとなしめ。
妖しい霊媒師がなんだかマジナイめいて蝋燭を持ち出したり明かりを消したり・・(^^;) 恐怖でババル人は居ないだろうけれど、もっと迫力があったら面白かったのに~~(^0^)
小説家の家に白装束の霊たちが現れ、死んだ政子も現れる。政子は「十分に愛してもらえなかった」と恨みをいい、同じく死んだはずの綾も現れ、「閻魔大王に言い寄られて困ってるから、貴方も死んで私と一緒に居て。」とのたまう。ここで小説家は死と生について真摯に考える。そして自分の生き甲斐は純文学を書くことだった。と結論に至る。同時に政子の言葉によって、かつての自分は小説家になるべく正直で純粋で輝いていた。と、あの頃の心境を思い出す。
一方で小説家を愛していたと思っていた綾は自分の死んだ父親と瓜二つの小説家に惹かれただけだったことに気付く。そのことを知ってしまった小説家は、同時に、あの夜に死んだのは花嫁の方ではなく、自分だった事にも気付いてしまう。自分の死を受け入れる事が出来なくて彷徨い続けていた、という筋。
しかし、小説家はこの間、さまざまな事を見つめ直し、政子と一緒にあの世に行く事を決意する。
全体的にもうちょっと笑いがあったら良かった。終盤に涙するシーンも欲しかったが、濃いキャスト陣を観るだけでも、相当楽しめる。
霊媒師があれこれするシーンでは蝋燭を灯したり、電気を消して暗くしたりで、ちょっとしたお化け屋敷的な感覚も楽しめるが、それ程の恐怖感はない。個人的には新妻役を福山光恵を。召使役に浦本早都美のほうが適役かと思った。新妻役の浦本はちょっと頂けない。新妻の演技がなんだか・・ずるそうなんだよねー。仮面を被ってるようなずるさが見え隠れして、白くない!(^^;)むしろ、メイドのほうが適役かと。。
まあ、個人的な主観です。
満足度★★★
案外、暗い。
勝手にもっと明るい物語なのかと。
「バイオスフィアJ」の中で息づく8人の男女の人間関係。
以下はネタバレBOXにて。。
ネタバレBOX
地球の環境を再現させようと「バイオスフィアJ」という施設を作った研究者たちが、実験的に8人の男女を住ませて、自給自足の生活を開始させるのだが、現実の社会と同様、そこには恋愛や人間関係の煩わしさが発生する。
彼らの間では「楽園」と呼ばれる、この施設では自給自足の生活が思った以上に辛く飢えていた。中でも若い男女の事だから、三角関係の恋愛沙汰に発展し、それを面白おかしくかき回す輩も出てくる。
小さなコロニーで同じ人間とのみしか触れ合って生きることしかできない状況で、そこには閉鎖されたストレスや屈折した精神までが宿る。少しずつ全員が病んでいく環境の中、この8人を監視してるだけが使命の研究員たちは、やがて干渉しはじめ、そして自分達もそこに住み着くようになってしまう。つまり、監視しているうちに、二人の研究員はそれぞれ好きな相手ができてしまった。というオチ。
病んだ人間関係や閉塞感やどこかねじれた精神の描写が上手い。
役者もキャラが濃く見応えはあるが、あまり好みの芝居ではなかった。
どうしようもなく暗く不条理な感情だけが芽生えて、カラッとした夏のイメージが沸かない。
この物語は好き嫌いに割れるのではないかなぁ・・。
要するに、そんなちまちました人間関係や、惚れたハレタの三角関係はどーでもよくて、もっと大作を期待していたんだよね。
だって、CoRich舞台芸術まつり!2009春 最終選考作品!なんでしょ?
満足度★★★
観客の椅子の位置によって評価が変わるかも?
客席は指定席。
ワタクシは左サイドの前列での観劇。なのに舞台セットは高く見上げる位置。
いやはや、首が痛いのなんのってww。
つまりは集中力に欠けた。だって観ていて少し経つと首をグルグル回していないと本当に疲れる。
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
火星から密輸したドラッグ、エルゼットをめぐっての抗争劇。
連邦保安局は精神病院に入院している、かつてのエリート取締官に仕事を依頼する。依頼された彼の取った行動は自らをドラッグ中毒にする事だった。その理由はドラッグ売人の中にクレオという透視能力のあるものが居たからだ。彼女の透視能力は頭のイカれたジャンキーや頭のオカシイ奴の透視ができない。意識がそこに無いかららしいが、その透視の裏をかいて精神病院入院患者らと共に戦う事になる。しかし、捜査していくうちに悪の組織は自分を雇った連邦保安局だったことが明るみになる。彼らの狙いは、売人もろとも一網打尽にする事だった。そして、その背景にあるエルゼットとは火星産のドラッグではなく、合成ドラッグで連邦保安局が製造していた、という筋。
やがて連邦保安局は精神病院の患者らを隔離してしまう。彼らを逃がすべく取締官は奔走するも、ルネ(患者の一人)が他の皆も助けなきゃ!と、取締官の注意も聞かずに個人行動をとり、結果、連邦保安局に捕まり、ルネを救う為に取締官の命が犠牲になる。というストーリー。
ルネが個人行動をとった辺りから、なんだか興ざめしてしまった。
割にありがちな展開で、ストーリー終盤に新鮮味がない。
ハードボイルドも近くで観すぎると微妙に格闘のシーンでのキャスト同士の隙間が気になる。まあ、本当に殴ってるはずはないのだけれど、ちょっと離れすぎだろ?!みたいな・・。
キャスト陣はキャラが強くひじょうに素晴らしい面々でした。捜査官がドラッグ中毒で夢見る心の天使の登場の仕方はファンタジー的で素敵でした。
満足度★★
あまりにも実力の差が激しい
劇団の配置。
観劇前はお得なチケットだと喜々としていたが、観た後はえらく高かったなぁ・・。という実感!
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
4団体~6団体のオムニバス調の構成があちこちの劇場で盛んな中、これ程までに質の悪い公演を観たのは初めてだった。
観客の口コミとは凄まじいもので大抵の小劇場で観た事のある顔ぶれが揃う。観劇マニアの大方の話題は芝居の公演情報だったり、役者や脚本家の話しに花が咲くわけだ!
そんな情報が効いたのか、客席の空席が目立ち始める。せいぜい満席になったのは14時~16時くらいでそれ以降は余裕で座れる状況だった。
たった2日間の公演なのにこれだけの空席は観客の反響を反映しての事だと思う。
8月にまたこの企画があるようだが、参加する劇団を慎重に選ばないと、次はない。
満足度★★
1年前だったろうか?負味を観たのは。
その時は確か、ダルダルのやる気のないミッキーマウスが登場して、そのような世界観に物凄く共感したわけだ!
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
しかし、今回の公演内容はそうゆう面白可笑しいネタが少なく、ましてや1年前に公開した画像「バイオハンター2」を再演してしまうという、あまりにもネタが無かったのか、ちょっと残念感が。
その上、「タリバンの人質」では目隠しされ跪いた女性の頭にタリバンが銃を突きつけてるシーンにお笑いを盛り込むという、人道的にもやってはいけない映像を何の疑問も抱かず流すと言う行為自体が致命的でした。
この瞬間、一気に客席がシーンと静まり返り空気が逆流してるかのようでした。それぞれの観客が発する「限界です」という声が聞こえるような気がしました。限界です。限界です。限界です。その声は心臓の鼓動に合わせて何度も何度も繰り返されしだいに大きくなっていったような気がしました。
CCBネタも笑えなかったし全体的に今回の作品は間違いなくアウトでしたね。
ダルダルの中にもユルユルでホットな空気感が漂う作品に仕上げて欲しかった。
それでも前作品を観劇してる身としては次回作こそは頑張って欲しいと祈るだけです。
満足度★★★
エロ女子プロレス!
たぶん、評価は割れるでしょうね。男子はかんなり喜んでたし・・。
かくゆうワタクシも実は喜んで観ておりました。はい!(^0^)
以下はネタばれBOXにて。。
(昼間でもサイトに繋がり難い・・。)
ネタバレBOX
プロレスのリングさながら四角いブルーシートの上は制服姿のOL4人。
この紺の膝上スカートだけでやられちゃってる男子は多いのでは?
そこへ持ってきて今、穿いていたストッキングを脱いで自分の顔に被って、互いのストッキングを取り去る、という争奪戦。しかも・・しかもだよ、脱ぐ時点でおぱんつ、丸見え!(・・;)(。。”)(@@!)
スタートと同時に繰り広げられる争奪線、ものすっごいです!プロレスより凄まじいエロさ!お互いがお互いのおぱんつ捲りあげ抗戦。集中的に捲られる黒いおぱんつ!肉欲的なバディに、申し訳なさそうにちっさなおぱんつが張り付いてるさまは、めくるめく桃源郷さながら!しかもそのおぱんつの主は恥ずかしそうに必死で捲れまいと抵抗するもんだから、いあいあワタクシ、思わずリングに入って脱がしてやろうと・・、そんな感情に陥る!
更に更に一人の女子がなんやらSMみたいなお姿で登場し、天上から吊り下げられたチェーン、いあ、ロープでもって身体ごと吊り下げられそうな危なくも嬉しい風景になった時、何故か上がらない!あがらない!!ああ、あがらない!
たぶん、この時点で神が宿ったのかと。
しかしながら、その裏側にひっそりと悪魔は控えてた模様で、無事に装具を外された彼女は微妙にストライプのおぱんつが左側によじれてたんだね。それに気付かず終盤に踊ったダンスのシーンでは普通、隠されて当然の密林までも見えちゃってる!というナリで・・勝負ぱんつ以上の勝負をしてくれたのでした。乾杯!
満足度★
ネタが古すぎる
まったくもってノレナイ舞台。
芝居と言うよりショーだよね。
しかも・・以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
キャバレーネタ。
しかも、昭和初期のキャバレーのように古臭い。
関西のおばちゃんのノリのネタ。
なんだか毒々しくていかにも関西三流芸人ネタのナリ。
いあいあ、ワタクシ、完全にドン引き!
まったく笑えない。ってか笑いのセンスがなさすぎ。
うんちネタやバケツに水を入れて回す芸(これって中学生の頃、みんなやってた。誰でも出来る。)更にはその水を頭から被るなど、まったくナンセンス。
願わくば、関西の芸人がみんなこんな感じだと誤解しないで欲しい。
満足度★★★★
笑った!笑った!(^0^)
今回の5劇団の中でトップの素晴らしさ!
初見の劇団だったけれど、とてもいい!
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
東と言う総理大臣が辞任するまでの物語。
東総理は実は17歳でそれを秘密裏にしていた秘書は15歳だったと言うオチもあり、巧みなセリフまわしとコミカルな演技にヤラレル。
登場人物は2人だけだがテンポの良さと上質でお茶目なコントは秀逸。
馬鹿馬鹿しいにもほどがアル展開だがそのありえない馬鹿馬鹿しさに軽く不条理も加味して実に楽しい舞台だった。
この劇団は要チェックです。
満足度★★★
確かに30分はクレームの元
先に感想を述べてるケロさんのご意見はもっともです。
正味30分は短すぎ。
今回の催しは通し2500円でも高すぎた感が否めない。
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
お笑い漫才のバックステージネタ。
しかし、今回は本編が30分で終わってしまったので、次のステージまでの繋ぎとして中屋敷が時間繋ぎネタを披露しました。
実はこれがな・なんと、ワタクシ好み!(^0^)
ディズニーネタやサッカーエロネタ、相撲エロ画、マクドネタ、ショートコントなど16分ほど観客を沸かせる。
そんなだから本編より面白くて笑ってしまった!昨日は6分だけネタを披露したようだから、本日のコントネタの方が内容も濃く楽しかったのだった。
満足度★★★★
再演
と思っていたほうが宜しいかと。
戯曲の内容はあまり変化がないです。
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
ハーブの奏でる中、芝居は前作同様、夫婦の会話から始まりますが、前作品と、大まかな筋は変わってないです。
強いていうならファンタジーさがなくなって現代的、つまりより一層現実的になってしまった事。
そもそも、中山のどんな脚本が好きか?と問われたら、現実からかけ離れたどこか遠い星を思わせる郷愁さや悲哀さであり、セリフで吐かれる象徴的な意味を持った言葉は、その意味が強いほど反動で反対側の意味に傾くという、心からシビレル幻想めいた本にあったわけだよね。
今回の作品は著名な評論家の方たちのアドバイスによってより現実的に塗り換えたようだけれど、個人的にはその塗り替えた部分がむしろ仇となったような気がする。
だから、ワタクシは前作のちょっと謎めいたファンタジーのほうがとても気に入っている。悲しいロボットが黒いマントを被ってメモを渡すあのシーンや、ぎこちなくギシギシ・・カクカク・・ギシギシ・・カクカク・・とまるで油の切れたゼンマイ仕掛けのロボットが最後の力を振り絞って死んでいく様は、なんといっても脳裏に焼きついて離れないのである。
それでも初見の方にはお勧めしたい作品だ。前作を観ていなければ比較する対象がない為、むしろ音楽と物語に酔えるかもしれない。
満足度★★
う~~ん?!
思っていたほど面白くなかった。練習不足なんでしょか?
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
バス停不条理コント・偽スッポン星人・17歳の高校生・かんさんの靖国の話・ヨイショの本舗などコントネタなのにあまり面白くない。
期待して行っただけに物凄く残念。
ああ、ここのところ、惨敗だなぁ・・。(><)
満足度★★★
関西の劇団だから
もっとノリノリの舞台かと思いきや、案外おとなしめ。
結局薬局、何が言いたかったのか?今もって解らず。
可もなく不可もなく。といったところ。
以下はネタばれBOXにて
ネタバレBOX
とある下町の古びたアパートに暮らす人達の物語。
そのアパートには浪人生が居たり、男と別れたりくっついたりの女子大生が居たり、スナックで働く女のところに転がり込んでるヒモの様な男が居たりと。
そんな場所にある日、隕石売りの詐欺師のような男がやってくる。詐欺師のセリフが少々可笑しかったものの、その隕石の話がこの物語にどういう意味を持たせ、何を訴えたかったのかが曖昧。
だからか、物語全体に締りがなく、だから何なん?の世界観。
隕石が本当は隕石だったのか、ただの石だったのかも良く解らず、天から降ってきた石だけが隕石らしいが、その隕石を持っていた為にお母さんが死んだとか、その隕石のパワーで良くないことが起こっただとか、ストーリーの展開に無理がありすぎる。
全てが曖昧な空気感で最後まで良く解らない舞台だった。