じべ。の観てきた!クチコミ一覧

3581-3600件 / 4325件中
雲南ジャッカル

雲南ジャッカル

ひげ太夫

明石スタジオ(東京都)

2009/05/20 (水) ~ 2009/05/25 (月)公演終了

満足度★★★

常に新しいワザを開発
中国を思わせる国の伝説的「むかし話」を女性のみのキャストがピスタチオ的手法に組体操まで採り入れて描く…というスタイルはもちろん、ストーリーの基本的部分まで毎回同じなのにマンネリにならず飽きさせないのは常に新しいワザを開発しているからか?(※)
今回は、料理屋の閑散としたカウンター席から一瞬にして沢山の客で賑わっていた頃の回想シーンにスイッチする見せ方が個人的にツボ。ここの手法ならではだよねぇ。
※ それに大衆演劇や月曜20時の某局の時代劇シリーズなどに通ずるノリもあるかも?(笑)
あと、前回のシアター風姿花伝同様、タッパがあまりない小屋ではありながら、その高さギリギリまで使った4段組みはさすがだな。

宇宙を育てる

宇宙を育てる

味わい堂々

中野スタジオあくとれ(東京都)

2009/05/22 (金) ~ 2009/05/26 (火)公演終了

満足度★★★★

考えるな、感じるのだ
シュール気味、コメディ気味、ブラック気味、と様々な要素を「気味」レベルで少しずつ採り入れ、しかしどれも半端になることなく絶妙のバランスで配合されて他に類を見ない独特の「味わい」が生まれている感じ。
わかりやすい部分もありつつ、どちらかと言えば「考えるな、感じるのだ」なスタイル、アタマで理解しようとせずにその独特な感覚に身を委ねるのが心地好い。

SORA Short Ism

SORA Short Ism

SORAism company

千本桜ホール(東京都)

2009/05/22 (金) ~ 2009/05/24 (日)公演終了

満足度★★★

見本市か博覧会か
ストーリー仕立てのものからショート・コント、果てはほとんど一発芸的なものまで各種取り揃え、全体を貫く1つのストーリーの劇中劇としてそれらをまとめた意欲作。
長さだけでなく、パターンもごく基本的なものから凝ったものまで、たとえば連作になっている短編とか、そもそもが劇中コントなのにさらに重層になっているものとか本当に様々で、見本市か博覧会か…ってなくらい。
ただ、盛り込みすぎな感もあり。これでも削ったとのことながら、もっと削って「腹八分目」とか「喰い足りない」くらいの方が良かったのでは?
時間的に決して長くはないが、含まれている本数が多いのでゴチャゴチャした印象になってしまったのがちょっと惜しい。

だいさんの男

だいさんの男

ZIPANGU Stage

萬劇場(東京都)

2009/05/20 (水) ~ 2009/05/26 (火)公演終了

満足度★★★

1点気にならないでもないが
ある殺人事件の時効が2~3時間後に迫った夜、被疑者の娘に時効成立後にプロポーズしようと思っているかつての担当刑事を中心に、この夜が逮捕する最後のチャンスと張り込むベテラン刑事やその周囲の人々を描いた物語。
タイトル等から被疑者である「大さん」が真犯人ではなさそうなことは暗示されているとはいえ劇中でそれが判明する前から現役警察官が時効成立を願っているという部分に若干ひっかかるモノはあるが、そこさえ目をつぶれば、王道コメディ的な前半から意外な真相が明らかになる終盤までよく出来ている。
ベテラン刑事の深読みが裏目に出る…というコメディのお約束的な部分も実は真犯人に関する伏線になっているなんざ上手いよね。
また、前説のおねーさんでもある宮本ゆるみの外国訛りの日本語がいつもながら見事なことに加えてさとう波子の北関東訛りもなかなか。(笑)

『悪魔のセバスチャンと天才演出家』

『悪魔のセバスチャンと天才演出家』

劇団虎のこ

笹塚ファクトリー(東京都)

2009/05/20 (水) ~ 2009/05/24 (日)公演終了

満足度★★★★

つい点が甘くなってしまう
落ちぶれた老演出家と、人の心を音楽で操ることができ、小さな幸福を与える代償として大きな不幸を得ることを使命とする悪魔を中心とした物語、悪魔が結果的に人間を助けてしまう、という芯は劇団S.W.A.T!の『Speak of Devil』三部作と共通ながら、全くと言っていいほど色合いが異なるのが興味深い。
また、使用曲のほとんどを知っていた身としては「それをそう使いますか」的な部分もあって楽しさ倍増…と言ったら褒めすぎか?(おいおい)
あと、一番のクライマックスであろうシーンを敢えて省いて観客の想像に委ねるというのは巧いと言おうかズルいと言おうか…(笑)
で、結局セバスチャンが得た「他人の不幸」というのは、自殺したいという老演出家の望みを断つことだった、という解釈でOK?
「死んじゃだめだよ、生きてなくちゃだめだよ」派としてこういう結末は好ましく、つい点が甘くなってしまうんだが…(爆)

成れの果て

成れの果て

elePHANTMoon

サンモールスタジオ(東京都)

2009/05/21 (木) ~ 2009/05/26 (火)公演終了

満足度★★★★

濃密な空気感
派谷恵美に魅かれて観た第1回公演とそのイキオイで観た第2回公演以来、観るのは3年ぶりになるが、濃密な空気感は変わらず。
しかし決して「重い」や「暗い」ではなく、心地好い緊張感が持続している、という感じ。(その感覚はウォーキングスタッフの作品に通ずるか?)
そんなピリリとした空気の中、静かなシーンが多く、マナーモードであっても携帯が鳴ったら目立つだろうな、な状態なので咳をするのもはばかられるようなのに、誰一人として余計な音をたてないという観客もナイスプレー。
また、古めの日本家屋の一室を、しっくい風の壁はもちろん、天井まで(!)キッチリ作り込んで再現した装置がドラマをよりリアルに見せており…
終盤、かつて自分をレイプした相手を同じ目に遭わせようとして途中で止めてしまう妹に「生やさしいのでは?」と思いつつ、その気持ちも理解できたのだが、その後にポツリと「絶対許さないんだから」と呟くのは予想外でコワい。
怪談で言えば「見ぃたぁなぁ~」あるいは「それはこんな顔だったかい?」に匹敵する一言、みたいな?(笑)
その次の(=最終の)場における姉の残酷さもコワい。あんなことが言えちゃうんですねぇ。(幼馴染みに対する無意識的な甘えという解釈もできないことはないんだが…)
で、そのシーンに不意に「因果応報」とか「弱肉強食」とかの四文字熟語が浮かび、そう言えばここの芝居って「四文字熟語的雰囲気」があるなぁなどとも思う。
さらに、ここでの姉の表情の変化が何とも見事。このサイズの劇場ならではだが、刻々と変わる心理が抑えようとしているのに顔に表れてしまう、的な。

NOT BAD HOLIDAY

NOT BAD HOLIDAY

劇団競泳水着

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2009/05/19 (火) ~ 2009/05/26 (火)公演終了

満足度★★★★

スタイリッシュ
ここを観るのは3度目だが、リアリティがあり自然で、細部まで血が通った会話が今回も心地好い。特に「その日」の前夜、このみが亘にかける言葉と志保とえみりの会話などが秀逸。
それに加えて今回は亘の実直さ(ちょっと違うか?)と米倉の偏執ぶり(笑)の表現が印象的。ともにここには初参加であった玉置玲央(亘役)、堀越涼(米倉役)のお二方、さすがです。(その起用も含む)
また、白を基調に黒いライン(帯?)が入っている幾何学的でシンプルな中に3種類のテーブル(と一部の椅子)が配された装置やオープニングタイトルの出し方もスタイリッシュ。
さらに、全体に良い方向に向かっているが最終的にどう着地させるのかと思っていたら、それまで時々出ていたクロスワードパズルのネタを絡ませて締める(と言ってイイのか?)オチも見事で、画竜点睛を打つ感じ。
終演後には本編のテーマである「草食系男子」に関するアフタートークがあり、トークゲストが玉置、堀越ご両人であったことから質疑応答で「上野演出に何か特別なことは?」という質問に対して柿喰う客の中屋敷代表との比較論になり、その回答に大いに納得。(笑)

愛のルーシー

愛のルーシー

北京蝶々

OFF OFFシアター(東京都)

2009/05/20 (水) ~ 2009/05/26 (火)公演終了

満足度★★★

客入れのBGMが納得
閉鎖生態系実験施設で自給自足の生活を送る8人の男女(と彼らを観察する研究員2人)の物語、本来の成果が得られず苛立つ中、恋愛感情なども芽生え…という80分ほどのコンパクトな作品。けっこう笑えた上に、観ていて「なるほどそれで客入れのBGMがああいう選曲だったのね」と大いに納得。(ってかBGMで漠然と予想した内容に近かった?)
それにしても初見であった前作といい本作といい、閉鎖空間での出来事であることに加えて地球規模での危機的状況を背景とした作品が続いたが、いつもこういうテーマなのかそれともここ2作が同系統になっただけか?

しびれものがたり(第14回劇作家協会新人戯曲賞受賞作品)

しびれものがたり(第14回劇作家協会新人戯曲賞受賞作品)

しずくまち♭[フラット]

d-倉庫(東京都)

2009/05/15 (金) ~ 2009/05/19 (火)公演終了

満足度★★★

木目調の温もり
掌、舌など部分的に感覚をなくす奇病(?)が発生した町での物語、未来の寓話風だった初演を身近なものに改訂したとのこと。
その「しびれ」、目を背けたい現実からのプチ逃避であったり、対人関係における無神経ぶり(?)もしくは不器用さであったり、と比喩的なのが独特で、実はかなり耳の痛いネタであるのに綿でくるんだようにじんわり。(「真綿で首を絞めるよう」でもあるか?(笑))
また、音楽が舞台の上手手前に設けられた席でのグランドハープ生演奏で、その音色が温かく包みこむようだったし、装置もダークブラウンが基調の落ち着いたものだったこともあって、アンケートにあった「この芝居または劇団を一言で表せば?」の項目への回答は「木目調の温もり」。
そういえば全体的なトーンに SPIRAL MOON と通ずるものがあるかも?

神様とその他の変種

神様とその他の変種

ナイロン100℃

本多劇場(東京都)

2009/04/17 (金) ~ 2009/05/17 (日)公演終了

満足度★★★★

けっこう満足
前作『シャープさんフラットさん』は未見ながら、それよりも前の何作かは自ら言うところの「晩年」のケラ作品、ナンセンスな会話などは封印気味で、落ち着いた、ドラマ性の高い作風なのがやや物足りなくはあったのだが、これも自ら言うところの「異色作」である本作では「いやいやいや、そうじゃなくて…」的なナンセンスな会話も復活(?)しており、そういう意味では「異色作」っぽくないのでは?(「晩年のケラ作品」としては「異色」ということではあるまいな?(笑))
で、ある一家の父母が連続殺人を犯しているのでは?な物語、怪しさ(ブラックさ?)と可笑しさが程よくブレンドされて「これぞナイロン」または「これぞケラ」な感じ。
また、終盤で明かされる真相も(ちょっと無理もあるんでないかい?という気がしないでもないが)「あ~なるほどぉ」だし、ラストの本水を使った演出も良いし、けっこう満足。

関数ドミノ

関数ドミノ

イキウメ

赤坂RED/THEATER(東京都)

2009/05/08 (金) ~ 2009/05/24 (日)公演終了

満足度★★★★

非常にわかりやすい
お得意の「得体の知れない不安感」的なものは控え目で「ある仮説」の真偽が明らかになる(と言えるかはやや疑問?)までを比較的ストレートに描いてイキウメにしては非常にわかりやすい。
途中で「ドミノ」は本当は存在せず、単なる偶然+思い込みではないか、という気もしつつ、その後に存在はするが実は別人なのでは?という疑問が沸いたら、そういうオチだったのも「わかりやすい」という印象を受けた要因か?
がしかし、彼が本当のドミノであるかどうか示さずに終わるし、終演後に「期間限定なので、途中から変わった」という解釈も示唆されたし、もしや前日に引き続き盲点を突かれたのか?などと思わされてしまうのはやはりイキウメ(笑)。

きらめく星座 ~昭和オデオン堂物語~

きらめく星座 ~昭和オデオン堂物語~

こまつ座

天王洲 銀河劇場(東京都)

2009/05/06 (水) ~ 2009/05/24 (日)公演終了

満足度★★★★

第5場がやはり白眉
10年ぶり6度目(に加えて戯曲も読んでいるし)ということで内容はよく憶えていて、印象的なシーンや台詞などは舞台で演じられる前に脳内で再生されたりもするが、中でも初演時(85年9月)から感銘を受けている「人間についての広告文」を筆頭として名場面・名台詞のオンパレードな第5場がやはり白眉。また、10年前と同様に、源次郎のような人物を作り上げてしまったあの当時の教育に大いなる疑問(とはちょっと違うか)を感じる。(←これは第5場限定ではないが)

オリマエ

オリマエ

劇団K助

ウッディシアター中目黒(東京都)

2009/05/13 (水) ~ 2009/05/18 (月)公演終了

満足度★★★★★

騙される快感
刑務所の前にあり、関係者が出所する者を待つことも多いと言われるカツ丼屋での出来事を描いた物語、出だしは程良くコミカルながら次第に巻き込まれ型サスペンスに転じ、クライマックスは二転三転して先を全く読ませないのが見事。
特に一件(というよりはむしろ“一見”)落着した後、2年後を描いたエピローグでさらにひっくり返されて「騙される快感」に酔う。
その前のタネ明かしの時に「芦北・兄がニセ警官に気付かなければあんな展開にならなかったのでは?」という疑問は浮かんだものの、それも実は計画されたものだったとは。
ちなみにエピローグで芦北・弟が指摘した「唯一の計算外が俺たちだと言ったのに、俺たちのことも調べ上げていたじゃないか」という点については気付かず、そこで眼からウロコ。
また、「死体と遺体の違い」や「警官は傘をささない」(←制服限定か?)なんてトリビアも「へぇ」だったし、すべてのベースにあるのが兄弟愛だというのにもツボを突かれる。

旅がはてしない

旅がはてしない

アマヤドリ

アサヒ・アートスクエア(東京都)

2009/05/13 (水) ~ 2009/05/13 (水)公演終了

満足度★★★

多分に哲学的
一言で表現すれば「多分に哲学的」。前作『プラスチック・レモン』もある意味哲学的だったけれど、あちらが詩的な哲学であるのに対してこちらは理詰めの哲学、みたいな?(笑)
未来あるいは別次元(かつ多層構造=パラレルワールド)のように見えつつ、実は何らかの理由で眠り続ける人物の見ている長い(果てしない)夢なのではないか、などと誤読をしてしまったのはここのところたて続けにそういうネタの芝居を観て、思考回路がそっち寄りになっていたからか?(爆)
また、前回は「整然とした動き」にとどめて封印していた(?)「乱舞」が復活。これがまた情熱的と言おうか派手と言おうか、特徴的。

PerformenⅣ~Inferno~

PerformenⅣ~Inferno~

電動夏子安置システム

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2009/05/07 (木) ~ 2009/05/12 (火)公演終了

満足度★★★★

まさに「ロジカル・コメディ」
哲学的な縦軸に、まさに「ロジカル・コメディ」なエピソードを串刺しにした構造は、初見であった『笑うフレゴリ』&『そのどちらかは笑わない』とは大きく異なり、がしかし観方を教わっていたので混乱することなく「こういうのもアリなのね」と楽しく観る。
その「串刺しにされた」コメディ(コント?)部分は、それぞれ「一定の決まりごと」(あるいは「お約束」)に則っており、その意味で非常に基本に忠実。
あと、序盤でダ・ヴィンチの「最後の晩餐」の構図を生身の役者たちで表現する場面や、出演者の大半による群舞もステキ。

なお、11日、12日でリネア編、プント編両方を観る。

無頼茫々

無頼茫々

風琴工房

ザ・スズナリ(東京都)

2009/05/10 (日) ~ 2009/05/18 (月)公演終了

満足度★★★★

リピートしました
一言で表現すれば「真っ直ぐで清々しい」。現在のスタイルの新聞の黎明期と言える大正時代の若きジャーナリストたちの気骨が、フニャフニャしているわが心(爆)にグサリグサリと突き刺さってくるような感覚。
人物紹介&物語の背景紹介的な青春群像劇風の前半から次第に言論の自由に対する圧力というテーマにシフトしてゆく流れが自然で、とっつき易いところから入って感情移入させてから本題に触れるのでついつい引き込まれるシカケになっているのが巧い。
ただ、主人公が熱血漢であるだけでなく、新聞についてシッカリ学んでもいて文武両道的なのでこりゃカナワン、な感アリ?(笑)
あ、ただの熱血漢でもあの発想や行動力にはカナワンか?(爆)

なお、16日にC列3番で再見。

チェリーボーイ・ゴッドガール

チェリーボーイ・ゴッドガール

ゴジゲン

OFF OFFシアター(東京都)

2009/05/02 (土) ~ 2009/05/10 (日)公演終了

満足度

唐突な結末は承服しかねる
奇しくも前回この小屋で観た某作品のように散らかったアパートの1室が舞台で、「とにかく童貞を卒業したい」と一心に願っているオトコたちの物語。
程度の差はあれ、共感するというか心当たりがあるというかで、そこそこ笑いながら見るも「楢やん」のオクテぶりは「明治時代かよ!」あるいは「小学生かよ!」で現実味に乏しく、そこ以降ちょいと醒めてしまい冗長に感じてしまう。
さらにあの結末は「生きろ!」あるいは「死んじゃだめだよ、生きてなくちゃだめだよ」派として承服しかねる。いや、そもそもアレは唐突では?
…ではあったものの、この日は終演後にイベントがあり、えっち話の「フルーツバスケット」で笑わせてもらい、後味の悪さを払拭して劇場を後にする。

おかしなふたり~千夜一夜物語~

おかしなふたり~千夜一夜物語~

スーパーグラップラー

シアターサンモール(東京都)

2009/05/07 (木) ~ 2009/05/10 (日)公演終了

満足度★★★★

概ね満足
アラジンが手にするハズだった魔法のランプを手に入れた主人公はランプの精の力によって元の世界に帰ろうとし、物語界が崩壊しないようにアラジンとその叔父「アフリカの魔法使い」は彼女を探し、夢の世界の秩序を守るチーム「獏」も彼女を探す「夢の世界」に、現実界の人々までがランプの精の力で召喚され…という構造が巧い。
また、「獏」の設定がよく練られていて、主人公と縁が深いことが明かされる1人についてはやや切ない結末を迎えるも、希望を残すその匙加減がまた巧い。
欲を言えば最後を歌で締めればより「歌劇」っぽかったのではないかという気もしつつ、全体がコメディタッチで楽しかったし、現実世界と夢の世界をクロスさせる見せ方も巧かったし、概ね満足。

路地裏の優しい猫

路地裏の優しい猫

“STRAYDOG”

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2009/04/29 (水) ~ 2009/05/05 (火)公演終了

満足度★★★★

最大の収穫は相沢まき
今回の最大の収穫はアッシ役の相沢まき。初演、再演の植村結子と比べてしまったこともあってか、前年の宮地真緒の歌唱をイマイチと感じていただけに、彼女の意外にも(失礼!)見事な歌いっぷりは嬉しい誤算。
しかも演技も悪くなく、植村結子とは異なる新たなアッシ像を確立したのではあるまいか?これを機にちょくちょく舞台にも立ち、ドラマにも出ていただきたく。
また、一番の目当てであった岡本玲ももちろん良く、台詞が関西弁ということもあってか非常に活き活きしていたし、圧倒的にカワイイ!
ジムのトレーニングシーンにしてもラストの「かぼちゃの馬車」にしてもカーンコールにしても「featuring 岡本玲」みたいだったのもその証左?
 
とはいえ刷り込み効果もあるのか、まだ初演を上回ってはいないような…。特にジムでの集団トレーニングシーンなんて、初演の迫力にははるか及ばない、みたいな。

容疑者χの献身

容疑者χの献身

演劇集団キャラメルボックス

サンシャイン劇場(東京都)

2009/04/30 (木) ~ 2009/05/24 (日)公演終了

満足度★★★★

まったくボケない西川浩幸
「原作テキストをそのまま読む」手法や、何人かが複数のワキを演ずる配役、それに少なくはない場面の転換を可能ならしめた人力回り舞台などによって、長編小説である原作を舞台に上げたワザはさすが。
また、石神の「献身」ぶりと、そうするに至った原因もイイ。(これは原作の功績であり、映画でも同様だったのだが)
そして、たとえそのような理由であろうとも石神の犯した罪は許されるものではなく、むしろ極刑に処すべきだと思うが。
で、役が役だけにまったくボケない西川浩幸を久々(初めてではなかったと思う)に観たような。(笑)
あと、本作の原作は未読ながら、原点である短編集(=ドラマの原作)を(ドラマよりも先に)読んでいた身として、ドラマで「ワトソン役」が若手女性刑事(草薙の後任という設定にしたのは上手い)であることに慣れておりそもそも柴咲コウファンでもあるので映画のアレはアレでも良かったけれど、やはりこうして湯川と草薙の会話などを原作の設定通りで見せてくれると、こっちの方がシックリするなぁ、な感じが山盛り。

このページのQRコードです。

拡大