じべ。の観てきた!クチコミ一覧

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緑の方舟

緑の方舟

劇団TIME LIMITS

相鉄本多劇場(神奈川県)

2009/07/17 (金) ~ 2009/07/20 (月)公演終了

満足度★★★★

故人を再生させることの倫理も問う
極めて人間に近いドロイドが実用化されている(=漠然と『ブレードランナー』を連想)一方、都市のすぐそばまで砂漠化が進んでいる未来、人気アイドルの身辺警備をする腕利き女性ボディガードやドロイドの製造およびゲームを開発している会社の社長を中心に展開するストーリー。
若干粗削りではあるがかけがいのない家族を喪った者たちの気持ち(妻に逃げられて喜んでいるケースも含む(笑))を描くと同時にテクノロジーの進歩に基づいてドロイドに故人の記憶を移殖したりゲーム内のキャラクターとして再生させたりすることの倫理も問うているのがポイントで、その「倫理」関連で出てくる「人は限られた時間の中でだけ永遠に生きることができる」という台詞が矛盾しているようでありながら哲学的で深い。
また、アイドルユニット「NOA」のライブ場面でのダンスと、MCの最中にカットインしてくるマネージャーの呼びかけもイイ。(ん~、やっぱり家族ネタに弱いなぁ…)
さらに、戦闘ドロイド(及びゲームキャラ)による擬闘が、アクション自体高度なことに加えて、動きがちゃんと「人間ではないモノ」になっているのが見事。動きということでは「お手伝いドロイド」も機械っぽいところがあって巧かったし。
ただ、ここに限らずオートマティック拳銃のスライドが動かないのはやむをえないとしても、マガジンはやはり装填しておいて欲しいなぁ。グリップの底に穴があるのがどうも気になって…というのは「なんちゃってガンマニア」の視点。(爆)

喫茶シャコンヌ

喫茶シャコンヌ

劇団東京イボンヌ

王子小劇場(東京都)

2009/07/15 (水) ~ 2009/07/20 (月)公演終了

満足度★★★

瀬戸内ことばの優しい語感
尾道近くの島でかつて喫茶店を開いていた兄妹の妹(嫁ぎ先の東京で夭逝)の忘れ形見である娘が島を訪れたことで起こる小さな波紋を22年以上前の回想も交え、起承転結がハッキリした1つの物語というよりはスケッチ集のようなオモムキで見せ、詩的で優しい感じ。
一件落着メデタシメデタシではなく、「もしもあの時ああしていたら…」な兄や自分を身籠っていたために癌治療を受けられず母が亡くなったことがコンプレックスとなっている娘など、あちこちホロ苦さだらけ(笑)なのに後味が悪くないのは台詞の大半をしめる瀬戸内ことば(尾道ことば?)の優しい語感ゆえか?
啄木の歌ではないけれど、そしてσ(^-^) は中国地方で暮らしたことはないけれど、懐かしいような感覚。
また、ヴァイオリンの生演奏も優しさを引き立てていたか?
あと、前半では島の様子、後半では花火などを見せた映像も効果的。

73&88【満員御礼!】

73&88【満員御礼!】

カニクラ

アトリエヘリコプター(東京都)

2009/07/15 (水) ~ 2009/07/19 (日)公演終了

満足度★★★★★

アイデアに感服
初期段階で予定されていたタイトルが「テレパス」であり、当日パンフにも書かれている通りテレパシーを題材にした4人芝居。
テレパシーや電話での「会話」をあたかも対面しているかのように見せるのは極めて演劇的で面白く、しかもマクラにあたる冒頭部分で「その時の電話はこんな風でした」と前置きしてその「対面会話風手法」を見せておくのが巧い。
また、劇中の人物は各キャストが「もしもこの道に進んでいなかったら…」という仮定のもので、いわばパラレルワールドにこの4人がいて、何らかのキッカケで知り合うとしたら、的なツクリになっているのもイイ。
そしてその「もしもこの道に…」について語る部分がそれぞれの自己紹介になっているばかりでなく、川田・宝積パートではカニクラの自己紹介にもなっているアイデアには感服。
さらに最初は女性同士、男性同士がテレパシーでつながっているのだが、実は男女の間にも(テレパシーではない部分で)つながりがあり、それが進行につれて明かされるのも面白い。
あと、姉(宝積有香)と弟(玉置玲央)が7年ぶりに電話で話すシーンで台詞の口調と間によってぎこちなさと言うか、気まずさと言おうか、そんなものがありありと表現されていたのも良かった。

新宿ジャカジャカ

新宿ジャカジャカ

椿組

花園神社(東京都)

2009/07/11 (土) ~ 2009/07/21 (火)公演終了

満足度★★★★

時代の残留思念が蘇らせた一夜の幻?
1969年の国鉄(当時)新宿駅ホームに終電を逃したりした一般人が留まっているとそこへ新宿西口のフォークゲリラたちが乱入してきて…という物語、その頃には物心がついており「広場ではなく通路だ」なんてことも記憶にある世代なので40年の歳月を経てごく身近で体験する、的な感覚。
当時はまだそういうことがあったという事実認識だけだったのが、そのバックグラウンドについてようやく知ることができた、とでも言いましょうか…。
(観た翌日の夜にTVで68年の新宿駅近辺の様子を紹介していたのもタイムリー)
また、伝説的フォークシンガーたち(岡林信康、高田渡、高石ともやなど)の聞き覚えがある歌に彩られており、そんなところは懐かしい。
さらに当時のフォークゲリラの一員が歳をとってから見た一夜の幻想とも思わせる、あるいは時代の残留思念が当時の一夜を幻として蘇らせたかのような幕切れがちょっぴり切ない。
幕切れと言えば、後方の野外に電車があることに前年秋の『市電うどん』(横浜未来演劇人シアター)も連想。

ジプシー

ジプシー

ゲキバカ

新宿シアターモリエール(東京都)

2009/07/11 (土) ~ 2009/07/20 (月)公演終了

満足度★★★★

トリックアートの如し
シェイクスピアが娘にせがまれて「芝居ごっこ」をするところから始まるストーリー、いろいろなものが隠されているトリックアートの如く、あちこちに有名な物語(沙翁作品に限らず)などの断片が練り込まれていて「原典探し」的な楽しみ方もできる上に劇中の口上がそのまま現実の観客に対するものになっているのも上手い。
ただ、登場人物のほとんどが実は霊であるということで一抹のモノ哀しさが漂うのもイイのだが、中盤でそれを明かすよりも終盤での方がインパクトがあったのでは?

Dear My Hero

Dear My Hero

LIVES(ライヴズ)

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2009/07/08 (水) ~ 2009/07/12 (日)公演終了

満足度★★★

まさに「温故知新」
基本的なストーリーは古典的と言っても過言ではない人情喜劇だが、そこにボクサーたち(元も含む)のそれぞれの想いを練りこんでまさに「温故知新」。
特にタキシードを着てリングアナウンスをすることで「もうボクサーではないんだ」と自分を納得させようとする不本意ながら網膜剥離で引退した元ボクサーと、紅茶研究会の面々に芳郎のことを語る父(@終盤)にツボを突かれる。
前年のザ・ポケットでの初演よりも舞台の幅が広くなったことで控え室の窮屈さが減じた憾みはあるも、サブステージを使って警備員としての芳郎を見せるという演出もあったので一長一短といったところか。

ショートストーリーズ

ショートストーリーズ

劇団6番シード

劇団6番シード稽古場(東京都)

2009/06/26 (金) ~ 2009/07/12 (日)公演終了

満足度★★★★

Cコース
2週前に観たA・Bコースが「蔵出し」だったのに対してこちらは書き下ろしが中心の3編で80分。
「潜入記者 今井シリーズ (オレオレ詐欺・超能力詐欺)」は連作ショートコント。
テンポは非常に良いが、ネタがネタだけに2話が同工異曲なのがちょっと残念。ベースは同じでも仕上がりが異なっていたBコースの「新妻さん・夫婦さん」と比べてしまうからなおさらかも。
続いての「5分間の物語 ~残り5分の人生~」はキッチリ5分間のドラマ4話のオムニバス。
連作ではなく各話は独立しているものの、「5分間にもいろんなドラマがある」なんて台詞も出てくる第4話が全体をしめくくるようなカタチになっているのが上手いし、孫娘に「6時ちょうどは何の時間?」と問われた時計職人の回答も優しくてイイ。
なお、第1話はこれで4日連続となる友だちに関する部分があり、第2話の人情、第3話の親子ネタにもホロリ。
ラストの中篇「天気と戦う女」は某劇団員の体験がベースという雨女の奮戦記で、6Cには珍しいコメディ。
「雨女って大変だねぇ」「あぁ、ワカるぅ」レベルから始まり、次第にそれがエスカレートして「そう来ますか…」を経て「んなアホな!(笑)」まで行ってしまうのが楽しい。
「雨を欺く」ために待ち合わせ場所を直前まで相手にも伝えないとか、自分のいる場所に降らせないために周囲に雨男・雨女を集めるとか、よくもまぁそんな発想ができること!

マンガ大戦GREAT

マンガ大戦GREAT

YANKEE STADIUM 20XX

シアターサンモール(東京都)

2009/07/10 (金) ~ 2009/07/20 (月)公演終了

満足度★★★★★

新感線・ナイロン級の上演時間も瞬く間
05年夏公演の完全リニューアル版ということで、基本設定は同じだったり(←当然)一部のワザは残っていたりするが、確かにだいぶ変わったような気がする。(実はディテールが記憶の外なので断言できない…(爆))
主人公たちがマンガの中の世界に入ってしまうという「逆『ラスト・アクション・ヒーロー』」…というよりショーマの『アメリカの夜』的な物語、客いじりや1人芝居は控えめで比較的オーソドックス(←あくまで相対論)な感じ? が、その分出演者いじり(むしろムチャ振り?(笑))が多かったか。
この出演者へのムチャ振りもかなり(特に即興的な)演技のトレーニングになっているようで、ここって上演中のハプニングへの対応が(座長に限らず)実に見事。文字通り「当意即妙」で、その柔軟性により遅刻したことでネタにされてしまう客などが仕込みなのではないかとさえ思えてしまうほどで…(笑)
クライマックスの擬闘ではマンガの世界だけに、吹き出しにした言葉や擬音をタイミングを合わせて黒子が出す(これは初演で使ったテだな)ばかりでなく、マンガのコマを等身大にして見せるなんてことまでやったり、メインのアクションの陰でさり気なくスゴ技(ペンのパスとか)をやっていたり、黒子を使って空中浮遊させたりとアイデアを凝らして見せるのもまた見事。
本当に観客を楽しませるためには何でもやりますという心意気が伝わって来て感動すらしてしまう。
また、最近「悪いヤツを “退治” すればイイというモンでもあるまい」と思うことが多いので終わり近くに出てくる台詞
 「ボクの描くマンガでは1人も死なせやしない」
 「本当のヒーローは誰も傷つけない」
には涙をこらえきれず。(理想論ではあるんだが…)
あんな終盤に二段構えで泣かせるのは反則では?(笑)
そんなこんなで、休憩込み3時間20分という新感線・ナイロン級の上演時間も全くダレず、むしろ瞬く間、みたいな。

『 Deep Sea Fish  』

『 Deep Sea Fish 』

GOKAN。

シアター風姿花伝(東京都)

2009/07/10 (金) ~ 2009/07/12 (日)公演終了

満足度★★★★

東京で生きる深海魚たち
40歳近いが自閉症でアイドルの追っかけをしている兄を養う男性編集者と、夫と別れ息子を兄夫婦に「とられた」女性教師それぞれを中心とした2つのストーリーの合間に編集者が担当する作家が飼っている2匹の深海魚の会話(!)を挟んだ物語、「東京で生きる深海魚たち」をリアルに描き、それぞれ悲劇的な結末を迎えるが美しく、2匹の深海魚のシーンはシュールでありながらも作品テーマを端的に表現しており、その姿がラストで2人の人物と重なるのは見事。
またその終わり方が切なくてイイ。深海魚が見た夢と登場人物の夢に出てくる「約束」というキーワードがここで結実するのも上手い。
しかも深海魚のかぶり物、太目のシーラカンスに提灯を付けたようなデザインながら、けっこうリアルというのか存在感があるというのか、そんな風に感じる。
白川みなみ、田久保宗稔のお二方はいれずみベービーでのハイテンションぶり(笑)とは真逆のしっとりと落ち着いた演技、一方、宇都宮快斗はASSHでもありうるかも、な感じ?(笑)
いやしかし、こういう方々が同じ舞台に立っているのがフシギといおうか面白いといおうか…。

ひみつのアッコちゃん

ひみつのアッコちゃん

劇団ガソリーナ

【閉館】江古田ストアハウス(東京都)

2009/07/08 (水) ~ 2009/07/19 (日)公演終了

満足度★★★★★

さすがじんのひろあき
マンガをそのまま舞台化するのではなく、アレを映像化するためのアッコちゃん役のオーディションを描くというスタイル。その意味では「カンバンにイツワリ」気味かも?(笑) しかも子役ではなく、その親5組との面談でこれが最終審査になるという設定。
「主題(2組)と変奏(3組)」のような形で見せる面談によって5組の親子像がクッキリ浮き上がる前半から、決断を迫られた時に監督と脚本家が初めて明かす映画の構想(その映画を実際に観てみたいというか、シノプシスを聞いただけで観たような気になったというか…)で「現代の友だち関係」に警鐘を鳴らし、最終決断に至る部分では映画制作現場の厳しさや全体の責任者である監督の責任・重圧まで描き、最後の監督の独白(落選者への結果通知草稿:これがまたイイんだ)で画竜点睛を打つ感じ? さすがじんのひろあき、見事です。
出演者では窪田あつこが相変わらず(笑)飛び道具っぷり(爆)を発揮して印象深い。ただし、卓越した歌唱力・表現力に裏付けられたものなんだよね。
また、佐藤寛子もインディーズで映画賞を総ナメという実績をもとに初の商業映画のメガホンをとることになった新鋭女流監督の戸惑い…ちょっと違うな、商業映画の厳しさにふれてまた一段ステップアップするその瞬間といおうか、そんなところを表現して◎。うん、イイ舞台女優になってきているぞ。
さらに5組の面談で、最初は面接官5人が客席に正対して、その手前に受験者が客席向きに座るという基本配置にしておき、その後の2組目と4組目は面接官が下手側で受験者が上手側に、3組目と5組目はその逆に、約45度の角度で舞台中央に向かって座る配置にして単調になることを回避したことにも感心。

向日葵と夕凪【ご来場頂き誠にありがとうございました。】

向日葵と夕凪【ご来場頂き誠にありがとうございました。】

七里ガ浜オールスターズ

ギャラリーLE DECO(東京都)

2009/07/07 (火) ~ 2009/07/12 (日)公演終了

満足度★★★★★

冒頭3分で心ワシ掴み
もう、冒頭3分あたりで心をワシ掴みにされてしまう。
新井の台詞から「怪物先生」の人となり・たたずまいから放課後の美術室の様子までが眼に浮かぶようだし、その時と現在の新井の心境が心に直接伝わるようで貰い泣き気味。
以降、20年前&12年前の出来事と現在に「時の隔たりの切なさと優しさ」をたっぷりと絡めて描いた60分、中篇ならではの凝縮感…いや、それ以上にギッシリ詰まった充実感まであるか。
さらに夕暮れ前から日が暮れるまでの日射しの変化を刻々と表現した照明と夕凪の直前までさり気なく流れている潮騒のSEもナイスアシスト。

騎士ウォーカー

騎士ウォーカー

無頼組合

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2009/07/03 (金) ~ 2009/07/06 (月)公演終了

満足度★★★★

松田優作トリビュートといったオモムキ?
「無頼初連続活劇 “騎士(ナイト)シリーズ” 第1弾」と銘打たれた私立探偵もの、冒頭のシブい詩的な語りは軒上泊的(「べっぴんの町」に始まるシリーズとか)和風ハードボイルドを思わせるも、オープニングダンスで一転し、以降「勝手にしやがれ」を使っての逃亡やチェイスシーンなど、コミカルな味わいもからめて松田優作トリビュートといったオモムキ?
で、本筋もさることながらレギュラー(であろう)メンバーのキャラ設定も魅力的だし、それぞれの過去をチラリと出して伏線としているのも上手く、今後のシリーズ展開(3部作の予定とか)に期待。
また、ラストで装置の陰…もとい、ビルの合間から朝陽が射して主要人物がシルエットになるのがカッコイイ。
あと、ガンマニア的(爆)視点からも拳銃の選択が的確で○。

スメル

スメル

キリンバズウカ

王子小劇場(東京都)

2009/07/04 (土) ~ 2009/07/12 (日)公演終了

満足度★★★

多様なドラマが展開
東京郊外の「ゴミ屋敷」を片付けるボランティアたちを描いた物語…などと書くと「オトナの青春モノ」っぽく聞こえてしまうが、一癖も二癖もある面々なので決してそんなことはなく(笑)、多様なドラマが展開されるという…。
その点では北京蝶々の『愛のLーシー』とテイストが近いかも? それにマチネに続きこちらも「純文学っぽい」薫りがするような…。
郊外の一軒家ということで、映画『剥き出しにっぽん』などの雰囲気も勝手に漠然と感じつつ、親子ネタに弱い身として終盤の さくら の落ち込み具合と立ち直りぶりが印象に残る。稲川実代子、さすがだなぁ。
また、「瀬戸内海にある痛みを取る施設」という目くばせにニヤリ。
それにしてもあの産廃、何だったんだろう…う~ん、気になる。

神なき夜に…

神なき夜に…

東京バビロン

シアター・バビロンの流れのほとりにて(東京都)

2009/07/01 (水) ~ 2009/08/30 (日)公演終了

満足度★★★★

楽園王+『ELECTRIC GARDEN』
05年4月にムーブ町屋で観た時(=楽園王を観始めて3作品目)と比べてスンナリと作品世界に入り込めたのは、その後10作品以上観て世界観(あるいは手口(笑))がわかっていたからか?
少年5人を殺して取り調べを受ける男の話と砂漠(?)をさまよう少女の話がやがて…という物語、奇しくも前日に続いて「2つの併行したストーリーが1つにまとまる」スタイルだったが、こういうの、好きなんだよなぁ。
また、基本的に「純文学っぽい」雰囲気なのは共通ながら、初期作品だけに序盤には笑える部分もあって楽しい。(…って、今回の改訂によるものだったらどうしよう?(爆))

スケープゴート

スケープゴート

Neo Mask

萬劇場(東京都)

2009/07/01 (水) ~ 2009/07/06 (月)公演終了

満足度★★★

緻密に組まれたパズルのよう
現実界のストーリーと神話的世界のハナシが併行して語られ、最後にそれが1つにまとまる構造であることに加えて、序盤において神話的世界の出来事は現実界の主人公が見る夢とされていながら終盤ではその逆もあったりして「胡蝶の夢」的になるところも好み。
そんな構造なこともあり緻密に組まれたパズルのようで、蝋奇と白木・黒木という名前の意味も含めて2つ(終盤では2つ半ないし3つ)の世界の繋がり方がわかった時には快感すら憶える。
ただ、そのために張り巡らされた伏線が劇中には収まりきれずA4版表裏2頁に及ぶ用語解説となり、開演前にそれに目を通していればイイけれど開演直前に着いていきなり本編を観た客にはかなりわかりにくいのではないか、というあたりは微妙。

東京ディスティニーランド

東京ディスティニーランド

東京ディスティニーランド

タイニイアリス(東京都)

2009/07/03 (金) ~ 2009/07/06 (月)公演終了

満足度★★★

5時間の長さは感じず
持ちネタ3本、新作1本の一人芝居に女性ダンサー2名を迎えたダンスステージ2つを組み合わせた5時間で、構成は以下。

 19:00~19:55「妖刀鬼斬丸」
 20:10~20:30「ヴラドおぢさん」
 20:50~21:10「貝塚」(ダンス)
 21:25~22:20「モンスターハンターやろうぜ!」(新作)
 22:35~23:00「コルテオ」(ダンス)
 23:15~24:00「世界の果て」

「世界の果て」は以前タナトス6で観たことのある演目ながら、本格的な照明効果によって、まさに「劇場版」な感じだったし、「モンハン…」はお得意の(?)全編アドリブ…どころか行き当たりばったり(←本人曰く)ながら、ちゃんと結末にたどり着くし(そりゃそうだ)、ダンスステージが挟まることによって全体の構成にアクセントもつくし、5時間の長さは感じず。

Smile

Smile

S×Sプロデュース

新宿村LIVE(東京都)

2009/06/30 (火) ~ 2009/07/05 (日)公演終了

満足度★★★★

サスペンス風味の人間ドラマ
初見であった前作『SHOUT!!』が核燃料再処理工場に関する社会派だったので、今回は離島での医療問題がテーマかと思いきや、どちらかと言えば感染症が中心のサスペンス風味の人間ドラマ。
最近の新型インフルエンザ騒動が記憶に新しいこともあってか非常に身近に感じられ、変にスケールを大きくしてしまった映画『感染列島』(09年、瀬々敬久監督)よりもずっと説得力があり出来が良い。
さらに、感染症に関する無知のコワさや偏見にも言及しておりそのあたりに「社会派」の香りも漂って、これはこれでかなり満足。
ただ、劇的にしようと一部で音楽を過剰に使うのはいかがなものか。その音量が時としてしつこく感じられたりもしたくらいで。
とはいえ3曲ほど入る生歌は(その入れ方も含めて)とても良い。

天才バカボンのパパなのだ

天才バカボンのパパなのだ

mass%

神楽坂die pratze(ディ・プラッツ)(東京都)

2009/07/02 (木) ~ 2009/07/05 (日)公演終了

満足度★★★

ポップで若々しく、わかり易い
本作を観るのは初めてなので元来どういう風なのかはわからないが、序盤の「もしも電柱でなかったら…」な会話はイヨネスコにも通ずる別役実作品丸出しで頬が緩んでしまう。
が、全体的にはポップで若々しく、わかり易い(←あくまで比較論)とさえ感じられるのはやはりメンバーが若い(平均年齢は30前らしい)からか?
また、電子煙草を使ったシーンがあり、そんなに煙(らしきもの)が出るんだぁ、と驚くと共に全員が吸うことにより点灯(?)するシーンの美しさに感心。

UNO:R

UNO:R

アップフロントエージェンシー

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2009/07/01 (水) ~ 2009/07/05 (日)公演終了

満足度★★★

青春ドラマの王道的
高校卒業から7年経った同窓会の夜、かつての教師がマスターを務める喫茶店に高校時代の仲良し5人組のうち3人が2次会をパスして訪れ…という状況から始まる物語。
同窓会の招待状が亡くなった姉に届いたのは何故かと問う妹が現れて以降、ライトなサスペンスもありつつ、明かされる真相とそれによってギクシャクしていた友人との関係が修復されるという青春ドラマの王道的なハートウォーミングストーリーなのが上手い。
演技面でも空間ゼリーつながりの出演者などがシッカリ脇を固めていることに加えて、芸達者な村田めぐみを筆頭にメロンメンバーも悪くなく、それなりに満足。(しかしチケット代がちょっとイタい…(爆))

7の椅子 5

7の椅子 5

7の椅子

荻窪メガバックスシアター(東京都)

2009/07/01 (水) ~ 2009/07/05 (日)公演終了

満足度★★★★

ソラミミっっ!!!
「空耳」に関して、それぞれ違った語義をテーマにした3話オムニバス。がしかし、チラシなどで紹介されている第1話の冒頭部分および壁が10°ほど傾いた装置の心理的効果から3話とも心理サスペンス系かと思っていたら、残り2話がコメディだったのにはヤラレタ!(笑)
(コメディも好きなので、これはこれで嬉しい誤算ではあるが)
「空耳1」は、大学時代の登山部OB・OGが前年遭難して命を落とした仲間の一周忌で合宿所に集まるも、主人公には他メンバーの「俺(私)が殺した」という声が聞こえ…というサスペンス。
パーティーメンバーそれぞれに動機あるいはアヤしいところがあり、さて一体誰が?と思わせておいて最後に真相を見せるのは上手い。
ただ、アレじゃあ殺人ということがバレバレで警察も動くであろうから、「岩で頭を殴打する」程度にしておけば良かったのでは?という憾みアリ。
「空耳2」での語義は「聞こえても聞こえないふりをすること」で、狂言誘拐を企み実行したものの、犯人グループの1人が首尾よく身代金を受け取った後にワキ見運転をしていた主婦にはねられ、主婦は事故を隠すべくその男を自宅に軟禁し…というコメディ。
犯人グループの1人が映画好きという設定なのでちょくちょく出てくる名セリフが楽しいし、終盤で事態のもつれ具合を「なんでそーなるの!?」な組み合わせで見せるフラッシュの使い方も上手いし、混乱の原因である主婦の空トボケぶりが何とも愉快。
「空耳3」での語義は辞書にはないが一般化されつつある(←私見)「タモリ倶楽部」でお馴染みの「ある言葉が別の言葉に聞こえること」。
高名な画家の新作披露を目玉とした個展開催前日、よりによってその新作が見当たらなくなり慌てる主催百貨店担当者たち…なストーリー、かなりのムチャや多くのツッコミどころはあるものの、イキオイで見せてしまうチカラ技、的な?(笑)
…ってか、「It becomes if it does.」(確かに「隠微かつ犬1ダース」だね)という「空耳」が、内容に合致しているので許せるのか?
だもんで、予想の範囲内であった絵の一致も最大のツッコミどころではあるが「芝居のウソ」として容認。

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