満足度★★★★★
新感線・ナイロン級の上演時間も瞬く間
05年夏公演の完全リニューアル版ということで、基本設定は同じだったり(←当然)一部のワザは残っていたりするが、確かにだいぶ変わったような気がする。(実はディテールが記憶の外なので断言できない…(爆))
主人公たちがマンガの中の世界に入ってしまうという「逆『ラスト・アクション・ヒーロー』」…というよりショーマの『アメリカの夜』的な物語、客いじりや1人芝居は控えめで比較的オーソドックス(←あくまで相対論)な感じ? が、その分出演者いじり(むしろムチャ振り?(笑))が多かったか。
この出演者へのムチャ振りもかなり(特に即興的な)演技のトレーニングになっているようで、ここって上演中のハプニングへの対応が(座長に限らず)実に見事。文字通り「当意即妙」で、その柔軟性により遅刻したことでネタにされてしまう客などが仕込みなのではないかとさえ思えてしまうほどで…(笑)
クライマックスの擬闘ではマンガの世界だけに、吹き出しにした言葉や擬音をタイミングを合わせて黒子が出す(これは初演で使ったテだな)ばかりでなく、マンガのコマを等身大にして見せるなんてことまでやったり、メインのアクションの陰でさり気なくスゴ技(ペンのパスとか)をやっていたり、黒子を使って空中浮遊させたりとアイデアを凝らして見せるのもまた見事。
本当に観客を楽しませるためには何でもやりますという心意気が伝わって来て感動すらしてしまう。
また、最近「悪いヤツを “退治” すればイイというモンでもあるまい」と思うことが多いので終わり近くに出てくる台詞
「ボクの描くマンガでは1人も死なせやしない」
「本当のヒーローは誰も傷つけない」
には涙をこらえきれず。(理想論ではあるんだが…)
あんな終盤に二段構えで泣かせるのは反則では?(笑)
そんなこんなで、休憩込み3時間20分という新感線・ナイロン級の上演時間も全くダレず、むしろ瞬く間、みたいな。