満足度★★★★
ソラミミっっ!!!
「空耳」に関して、それぞれ違った語義をテーマにした3話オムニバス。がしかし、チラシなどで紹介されている第1話の冒頭部分および壁が10°ほど傾いた装置の心理的効果から3話とも心理サスペンス系かと思っていたら、残り2話がコメディだったのにはヤラレタ!(笑)
(コメディも好きなので、これはこれで嬉しい誤算ではあるが)
「空耳1」は、大学時代の登山部OB・OGが前年遭難して命を落とした仲間の一周忌で合宿所に集まるも、主人公には他メンバーの「俺(私)が殺した」という声が聞こえ…というサスペンス。
パーティーメンバーそれぞれに動機あるいはアヤしいところがあり、さて一体誰が?と思わせておいて最後に真相を見せるのは上手い。
ただ、アレじゃあ殺人ということがバレバレで警察も動くであろうから、「岩で頭を殴打する」程度にしておけば良かったのでは?という憾みアリ。
「空耳2」での語義は「聞こえても聞こえないふりをすること」で、狂言誘拐を企み実行したものの、犯人グループの1人が首尾よく身代金を受け取った後にワキ見運転をしていた主婦にはねられ、主婦は事故を隠すべくその男を自宅に軟禁し…というコメディ。
犯人グループの1人が映画好きという設定なのでちょくちょく出てくる名セリフが楽しいし、終盤で事態のもつれ具合を「なんでそーなるの!?」な組み合わせで見せるフラッシュの使い方も上手いし、混乱の原因である主婦の空トボケぶりが何とも愉快。
「空耳3」での語義は辞書にはないが一般化されつつある(←私見)「タモリ倶楽部」でお馴染みの「ある言葉が別の言葉に聞こえること」。
高名な画家の新作披露を目玉とした個展開催前日、よりによってその新作が見当たらなくなり慌てる主催百貨店担当者たち…なストーリー、かなりのムチャや多くのツッコミどころはあるものの、イキオイで見せてしまうチカラ技、的な?(笑)
…ってか、「It becomes if it does.」(確かに「隠微かつ犬1ダース」だね)という「空耳」が、内容に合致しているので許せるのか?
だもんで、予想の範囲内であった絵の一致も最大のツッコミどころではあるが「芝居のウソ」として容認。