満足度★★★★
故人を再生させることの倫理も問う
極めて人間に近いドロイドが実用化されている(=漠然と『ブレードランナー』を連想)一方、都市のすぐそばまで砂漠化が進んでいる未来、人気アイドルの身辺警備をする腕利き女性ボディガードやドロイドの製造およびゲームを開発している会社の社長を中心に展開するストーリー。
若干粗削りではあるがかけがいのない家族を喪った者たちの気持ち(妻に逃げられて喜んでいるケースも含む(笑))を描くと同時にテクノロジーの進歩に基づいてドロイドに故人の記憶を移殖したりゲーム内のキャラクターとして再生させたりすることの倫理も問うているのがポイントで、その「倫理」関連で出てくる「人は限られた時間の中でだけ永遠に生きることができる」という台詞が矛盾しているようでありながら哲学的で深い。
また、アイドルユニット「NOA」のライブ場面でのダンスと、MCの最中にカットインしてくるマネージャーの呼びかけもイイ。(ん~、やっぱり家族ネタに弱いなぁ…)
さらに、戦闘ドロイド(及びゲームキャラ)による擬闘が、アクション自体高度なことに加えて、動きがちゃんと「人間ではないモノ」になっているのが見事。動きということでは「お手伝いドロイド」も機械っぽいところがあって巧かったし。
ただ、ここに限らずオートマティック拳銃のスライドが動かないのはやむをえないとしても、マガジンはやはり装填しておいて欲しいなぁ。グリップの底に穴があるのがどうも気になって…というのは「なんちゃってガンマニア」の視点。(爆)