『逆さまの日記』『ベイカーストリートの犬』
サルメカンパニー
駅前劇場(東京都)
2025/01/10 (金) ~ 2025/01/19 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2025/01/13 (月) 13:00
フライヤー、当日パンフ、そして2時間40分(途中休憩10分)という尺、
すごい力作だということがビシビシ伝わって来る舞台。
完璧なタイミングで入る生演奏のBGMが美しい。
『リタの教育』『オレアナ』二作同時上演
稲葉賀恵 一川華 ポウジュ
シアター風姿花伝(東京都)
2025/01/11 (土) ~ 2025/01/19 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2025/01/15 (水) 14:00
座席1階
2人芝居の2作を同時上演、しかも新訳という取り組み。演出家と翻訳家が「翻訳」という営みを探求するとして結成したユニットだ。自分は「オレアナ」を拝見した。
教授室をしつらえた舞台。教授の机と、その前に学生が座る小さないすがあるシンプルな構成だ。冒頭、男性教授は終身在職権の授与を目前に控え、新たに家を買うための算段となる電話をしている。女子学生が教授室のいすに座り、その様子を聞いている。聞いているというのは、教授が学生の相手をまともにしていないからだ。電話を切って学生と話すのだが、どうも彼女は講義についていけないようだ。「先生の本を買い、読み、考えたのだけれど先生の言うことが全く分からない」と懇請している。教授は親身になって応対しているが、ときどきかかってくる電話にその指導が途切れ途切れになる。この冒頭の場面では、教授は学生の指導を片手間にやっているようにも見える(言葉は丁寧だが)
それが、舞台が進行するにつれて立場が逆転する。女子学生が大学当局に訴えたからだ。その先は、言ってみれば不条理劇。女子学生の主張は荒唐無稽なところが多々あるが、大学当局はその訴えを認めてしまう。
別役実の不条理劇なら、追い込まれどうしようもなくなっていく主人公に対しても、その追い込まれ方がどこか優しい感じもまとっているものだが、今作では追い込まれる教授に対して容赦ない仕打ちが連続する。こうした「不条理」の描き方はアメリカ流なのかもしれないのだが、何とも後味の悪い方向に突き進んでいく。
舞台上の二人はしっかりした演技を見せた。だからこそ、恐ろしげな空気がどんどん募っていくのがしっかり客席に伝わってきたのだが、その効果が抜群なだけにどよーんとした救いようがない雰囲気で包まれてしまった。そういう戯曲なのだ、と割り切ってしまえばよいのだが。
なまえ(仮)
劇団夢現舎
新高円寺アトラクターズ・スタヂオ(東京都)
2025/01/08 (水) ~ 2025/01/13 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
「なまえ」を題材にしたオムニバス
夢現舎らしいひねりが加わり、時事問題の皮肉も入ったショートストーリーの連続で飽きない
まあいつもながら現実離れしているのだが
ギャグとしては最初の『ゴッドハンド』のふたりの医者藪(やぶ)と上手(かみのて)、患者の井出(いで!)が面白かったかな
この劇団らしい『私の伯父さん』(チェーホフ「ワーニャ伯父さん」)や『中華満珍楼』、『ぐっち』なども笑った
題名はすべて(仮)で、「観劇後お好きな名前を付けてみてください」
いつもここの階段を下りて行くのは何かが起こりそうと楽しみだ
今宵も『行燈パブ ろびっち』(受付)にてキャストの劇団員大川さんがお出迎え、飲み物を渡してくれる(当然ビールをチョイス)
いつも悪いのでわずかながらの差し入れを
後から客席でお菓子ももらう
渡されたプログラムは幼稚園か小学校1年の名札のデザインで、既に予約者個々の名前が書いてある(チケット代わり)
会場への両側の壁から名前、名前、名前!
会場は床も
そしてフィナーレで奥の幕が開くとそこにも名前、名前、名前
終演後には益田さんによる獅子舞で観客ひとりひとり邪を払ってもらった
そうか、日本の名字は世界一多い30万以上もあるのか
Yes Means Yes
serial number(風琴工房改め)
ザ・スズナリ(東京都)
2025/01/10 (金) ~ 2025/01/20 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
この作者は時にキワモノにも手を出す。このドラマは性行為そのものを主題にしているが、それを芝居で上演するには表面的ながら、社会的制約もある。ウラでは、ジツエンでも映像でも、書物でも(ストリップ、成人映画、官能小説)公開されているし、文芸では表向きでもいくつもの作品が文芸名作として発表されているし、若者にも青春まっただ中小説が散々書かれている。未知の世界ではないが、そこに新しい基準が持ち込まれた。
世間では、ハラスメントが話題にされていて、その観点から性行為も俎上に上がる。個人的には性行為がトラウマになっていることをおおっぴらに話題にしにくい。性行為入りの映画も芝居も盛んに制作されるが、正面からは扱いにくい。そこをスエーデンでは了解がない(相手がイエスと言わなかった)性行為は犯罪行為だと言うことになったがどうか、と設定したドラマである。こうなれば、被害者は女性側であるが、そればかりでもない。しかし、現実には女性側に被害が深刻で、現にこの芝居でも、男性客にはしらけているのもいたが、嗚咽をこらえられない女性客の声もあった。個々のケースに踏み込むにはデータが安易だ。
結果的には今盛んに作られるようになった討論素材ドラマ(結論の見えているディスカション・ドラマではない)であるが、登場人物の生活感が乏しいこと、人間関係に性だけでなく人間表現が乏しいこと、はドラマとしては欠けるところでこれでは同情は呼べても討論は深まらない。キワモノの難しい素材である。1時間45分。
わかろうとはおもっているけど
劇団 贅沢貧乏
Vacant(東京都)
2019/02/27 (水) ~ 2019/03/03 (日)公演終了
範宙遊泳『幼女X(日本‐タイ共同制作版)』
TPAM・国際舞台芸術ミーティング
KAAT神奈川芸術劇場・中スタジオ(神奈川県)
2015/02/14 (土) ~ 2015/02/15 (日)公演終了
獣の柱
イキウメ
シアタートラム(東京都)
2019/05/14 (火) ~ 2019/06/09 (日)公演終了
せんがわ劇場演劇コンクール
せんがわ劇場
調布市せんがわ劇場(東京都)
2022/05/21 (土) ~ 2022/05/22 (日)公演終了
俺が代
かもめマシーン
STスポット(神奈川県)
2022/12/09 (金) ~ 2022/12/13 (火)公演終了
MAREBITO
維新派
犬島 海水浴場(岡山県)
2013/10/05 (土) ~ 2013/10/14 (月)公演終了
眺め
ブルーエゴナク
J:COM北九州芸術劇場 小劇場(福岡県)
2021/10/01 (金) ~ 2021/10/03 (日)公演終了
ドードーが落下する
劇団た組
KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)
2022/09/21 (水) ~ 2022/10/02 (日)公演終了
コーリングユー
快快
KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)
2022/08/26 (金) ~ 2022/09/04 (日)公演終了
なまえ(仮)
劇団夢現舎
新高円寺アトラクターズ・スタヂオ(東京都)
2025/01/08 (水) ~ 2025/01/13 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
観客への気配り、素晴らしいです。ありがとうございました!確かに名前って⋯名前について色々と気付かされました。そして、オムニバス形式で面白ろかったです。
二十歳の集い
Aga-risk Entertainment
上野ストアハウス(東京都)
2025/01/02 (木) ~ 2025/01/06 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2025/01/05 (日) 13:00
何とか二人の人物を会わせないようにしようというコメディの基本パターンから徐々にギアを上げてゆき他の要素も加えてクライマックスを迎える「Go as Operation!!」は作・演出が淺越さんではあるがやはり「アガリスク風味」満載。
続いての「宇宙からの婚約者」はいわば「ウルトラ版ロミオとジュリエット」だが沙翁と較べて悲劇性が高く、終盤の決して交わることのない二人の想いからのラストが切ない。
約5年前の初演も観ていたが、当時よりも切なさが増したと感じたのは演出/演者の違いかこちらの心境の変化によるものか?
ともあれ本作で2025年の観劇をスタートできてホクホク♪
父と暮せば
酔ひどれ船
北千住BUoY(東京都)
2025/01/10 (金) ~ 2025/01/12 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2025/01/10 (金) 14:00
出演者の藤森太介さんと、酔ひどれ船の主宰であるい西嶋咲紀さんの広島弁、観客には有り余るほど広島弁として伝わって来ました。この映像、西嶋さんが広島に取材に行かれて撮られた映像を使っておられ、その姿勢が作劇に深く反映されているのだなと感服。
藤森さんは私より少し若い同年配、広島弁であのボリュームの台詞を覚え、二人芝居に取り組んでおられて相当苦労なさっただろうなと敬服の念を覚えました。娘への叱責、あれはあの時代の世代の方の父親の娘への哀願/祈りの表れだと受け取りました。
西嶋さん、良い戯曲、良い方をお選びになられたなと
サー☆カス!
to R mansion
ザムザ阿佐谷(東京都)
2025/01/12 (日) ~ 2025/01/13 (月)公演終了
二十歳の集い
Aga-risk Entertainment
上野ストアハウス(東京都)
2025/01/02 (木) ~ 2025/01/06 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
観劇初めにアガリスク二十歳の集い 。
脚本も演者さんも流石の一言で、見終わったあとは爽快感を覚えた「Go as Operation!!」
前田さんが出てきたシーンは爆笑。
伊藤さんもジャンプさんも鹿島さんも古谷さんもみんなキレキレ。榎並さんは観るたびにパワーアップ。
美魔女店長江益さんも良し。
初演を観たことのある『宇宙からの婚約者』。
ストーリーは知っているけど、初見かのように岡田さんと榎並さんの熱演に引き込まれ、笑い泣く。
最後暗転したあとにかかる曲も世代なので胸熱でした。
舞台「1925-2025」
劇団アレン座
吉祥寺シアター(東京都)
2025/01/07 (火) ~ 2025/01/13 (月)公演終了
Yes Means Yes
serial number(風琴工房改め)
ザ・スズナリ(東京都)
2025/01/10 (金) ~ 2025/01/20 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
性に限らずトラウマにより自身を卑下、自責の念に囚われてしまういうことは割とあると思う。だからこそ共感できる部分も多く見入った。
あたかも一人芝居のような内田さんの演技、それを取り囲む4名の俳優による感情表現も凄かった。