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僕と私の遠い橋【東京公演】

僕と私の遠い橋【東京公演】

玉造小劇店

シアター711(東京都)

2024/10/08 (火) ~ 2024/10/14 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

一人称の芝居
一人称?観ればわかります
お薦め

アンティゴネアノニマス‐サブスタンス/浄化する帝国

アンティゴネアノニマス‐サブスタンス/浄化する帝国

お布団

アトリエ春風舎(東京都)

2024/10/04 (金) ~ 2024/10/14 (月)公演終了

実演鑑賞

紀元前に書かれた戯曲、そして第二次大戦後にブレヒトが改作した戯曲、そして2016年にお布団の得地弘基によって書かれた戯曲と、長きに渡り紡がれ続ける『アンティゴネ』の物語ーーと言えるかもしれない。近年の演劇界では、こういう「時間軸を超えて複数作家によって描かれた一作」の上演も見かけられる。これもまた、演劇の魅力と言えるかも。

ギリシャ悲劇の『アンティゴネ』を基点に、20世紀、そして21世紀へと受け継がれた、暴力、そして戦争について。

ネタバレBOX

劇中に登場する、とある姉妹が受ける暴力と、その背景にある権力情勢、更に戦争など、直接的な描き方で「人が人へ与える暴力性」を描いている…と感じました。裏を返せば、その暴力から離れる為には?について想像する機会に繋がるかもしれません。劇の内容自体は残忍さが含まれたシーンもあるけれど、見え方は割とドライで、客観的とも言えます。ゲームや音楽など、現代的なモチーフを取り入れたシーンも多く、古代ギリシャから令和の日本まで、長い時間軸を繋げて融合する創作に見えました。
道化師の森

道化師の森

座キューピーマジック

「劇」小劇場(東京都)

2024/05/29 (水) ~ 2024/06/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

感想文『Vol.77 道化師の森 座キューピーマジック』
https://gen11.blog.ss-blog.jp/2024-06-03

兄妹どんぶり

兄妹どんぶり

劇団道学先生

新宿シアタートップス(東京都)

2024/10/09 (水) ~ 2024/10/15 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

この手のコメディは下手な人たちがやるとつまらなくてイライラさせられるが、さすがここのプロデュースは違う。面白いだけでなく、各俳優の技量、演出、台本、いずれも高水準のプロの仕事に感嘆させられる。

ピローマン

ピローマン

新国立劇場

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2024/10/03 (木) ~ 2024/10/27 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/10/09 (水) 14:00

175分。休憩15分を含む。

THE STUBBORNS

THE STUBBORNS

THE ROB CARLTON

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2024/10/04 (金) ~ 2024/10/14 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ネタバレ

ネタバレBOX

THE ROB CARLTON 18F『ザ・スタボーンズ』を観劇。

三鷹市立芸術文化センターの期待の若手劇団シリーズ。
絶対に面白くないと確信を持ったので、情報を一切得ずに観たのだったが…。

第一部:とある外国の伝統的な建物で、バッソ、ドルベルト、ファロニアが大事な会議を行おうとしている。彼らは将来有望な企業家であり、政治家で、野心満々だ。彼らの共通言語は日本語で、辿々しいながらも言葉を操る事が出来るようだ。
いざ話し合いが始まるが、言葉の意味の取り違えで、会話は混乱に混乱を極め、大事な会議どころではなく、「我々は一体全体何を話しているのだ?」というカオス状態になってしまう。
第二部:その30年後、彼らは社会的地位を得て立派になり、改めて同じ会議室で懐かしみながら当時の思い出話しをするが、各々の曖昧な記憶違いでまたもや混乱に混乱を極め、「我々は一体全体何を話しているのだ?」と同じようなカオス状態が起きてしまう。
第三部:その各々の記憶違いを基に、当時と同じ物語を再現してみると、「一体全体何が起きていたのかが分からない」というカオスにすらならない状態になってしまうのであった。

『日本語の意味の取り違え』『曖昧な記憶』だけをテーマに、人間の混乱の様子を描いている。
たったこれだけのテーマだけで、こんなに面白い会話劇を成立させてしまう戯曲力と演出力に圧倒される。
もう面白いのなんのって、興奮しまくりであった。
追っかけ劇団決定である。
今年のNo.1の予感がする。
お勧めである。
かえるかな、この道

かえるかな、この道

空晴

駅前劇場(東京都)

2024/09/13 (金) ~ 2024/09/16 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/09/16 (月) 14:00

えっ、どゆこと?この人(たち)は何?と、観客を登場人物と同じ心境に置いて始まる物語。
今まで観てきた作品群とどこか趣を異にするのは能楽「隅田川」をモチーフにしたからか?
で、その物語をそのまま現代版にするのでなく演出法や表現を、ということだが事前に Wikipedia などで予習して臨んだらいくつか合点がいった。
今後はこういった路線になるのか。はたまた従来パターンを継承するのか、いずれにしても次回も楽しみ♪

ネタバレBOX

「ああ、その亡くなった人と言うのは……」というところは「隅田川」と共通。
THE STUBBORNS

THE STUBBORNS

THE ROB CARLTON

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2024/10/04 (金) ~ 2024/10/14 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

登場人物三人の演芸に近いコントコメディである。男二人、女一人の仕事中の休憩室のような場所のワン・シチュエーションだが、面白さを、各人の言葉、話の取り違えだけの笑いを種にしているので、話が弾まない。関西ものらしい破天荒さもなく、なんとなくいじましい。会話が全部台詞に書いてあるところや、ストーリーがあることから演劇としているのだろうが、これはやはり演芸だろう。台詞も、全員外国人でヘンな日本語や所作で話すというあたりも、しらける。素直に笑えないのである。三鷹の星のホールの若い劇団を上演させる試みは00年代には生きの良い面白い劇団がここから続々と現われてきたものだが、それも10年近く前のiakuあたりを最後に、ここのところ面白い劇団に出合わない。若者の方もこの場所に魅力を感じなくなったのかも知れない。今日の開場は三割30人ほどの入り、この観客では、こういう笑うだけが狙いの作品にはきつかったかも知れない。だが、そこへ行く前に、登場人物やシチュエーションの設定などが安易すぎることも主催者は指摘してあげないとこういう試みは役に立たない。

ネタバレBOX

このイベントも25年やって役割を果たしたと言えるのかも知れない。ホールも人手はたくさん居て、今日に限れば、観客より、劇場側の人数の方が多かった。これはまずい!。だが劇場側は主人風になってしまっていて、観客もあまり良い気分にはなれない対応である、たとえば、開場前に係員が出てきて、今日は雨だから、いつもは並んで入場のところを到着順にしますと触れ回る。さっさと時間になれば開ければ良いだけの話である。つまらないところで主人顔という由縁である。
夏の夜の夢

夏の夜の夢

オールアクトカンパニー

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2024/10/01 (火) ~ 2024/10/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

2回目の観劇も楽しかったです。若者たちの取っ組み合いの転がり方とか倒れ方が、1回目とちょっと違っていたように思えたのは、演出なのか偶然なのか。1回目の方が派手だった気もするので、危ないから少し控えたのかな?とも思いました。じいさんたちは相変わらずパワフルで楽しかったです。
さて・・・ネタバレになるのかなあ・・・

ネタバレBOX

妖精なんかが出てくるのでいわばファンタジーと思えば時代設定などはどうでもいいのかもしれませんが、原作だとアテネ公爵とかアマゾン女王とか出てくるので、ずっと昔の物語と思われます。原作は難しいので、子ども(小学生くらい?)向けに翻訳されたものを2冊読みましたが、どちらの本もギリシャ神話のような衣装の挿し絵でした。以前見た舞台でもそのような格好をしていたような気がします。それで当然そのような衣装で登場するものと思っていたら全然違う。妖精たちはかっこいいオーベロンさまを始めとして、みんな可愛かったですし、若者たちも違う気はするけどまあいいか・・・な感じでしたが、素人芝居のじいさんたちの格好はさすがに「それは無いんじゃない」と思ってしまったのでした。西部開拓時代の田舎のおじさんという感じでしたから。
脚本、演出の方に聞いてみたかったです。
そして、今回はあまりにおかしくて最高だったじいさんたち(村人たち)の素人芝居ですが、以前見たときは結構退屈で「王様たちの前のシーン、なくてもいいんじゃない?」と思ったりしたのでしたが、今回読んだ「夏の夜の夢」のうちの1冊はそのシーンはバッサリ無くなっていました。代わり?に村人たちが広場でニックが帰ってこないとやいのやいのしている、これもなくていいのでは?と思えるシーンがありまして、仕方ない、ちゃんと大人用?の「夏の夜の夢」借りてこようと思っている今です。

これ読む人いるんかいな?(笑)
遺失物安置室の男

遺失物安置室の男

劇団夢現舎

新高円寺アトラクターズ・スタヂオ(東京都)

2024/10/04 (金) ~ 2024/10/14 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 タイゼツベシミル!! 華5つ☆。条理を全うしたが故に不条理と化した物語。不条理劇の快作・傑作、白眉。初演から19年の歳月を掛け、即興、試行錯誤を重ね改稿を重ね纏められた今作。脚本の素晴らしさは出版社に出版させたい程の出来である。

ネタバレBOX

 舞台美術は随分工夫の行き届いている点で驚かされる。というのもこの狭いスペースでよくぞこれだけの意味をその舞台美術だけで具現しているか! について驚嘆させられる程のものだからである。例えば舞台手前の上手には遺失物管理所入口と書かれ、看板下部に右下がりの矢印を添えた地下という文字が読み取れるが、舞台正面に見えるのはその地下にある遺失物保管所であり、地下へ通じる階段は、案内板の据えられたコーナーの対角線上に設置されている。これは単にスペースが狭い故の工夫というより寧ろエッシャーの絵のように不思議な空間を現わしていると解した方がしっくりくる。また、看板のちょっと奥には手前の椅子がより高い、高さの異なる丸椅子が置かれているが、何故高低差があるのか? これは観てのお楽しみだ。無論、この他に出捌けの際に袖となるよう然るべき位置に衝立も立てられている。下手側壁近くには衝立がほぼ‟」“状に置かれその向こうに小さな呼び出しベルを載せた、ベルのサイズに不似合いな大きな台が置かれている。件の階段は、この奥の側壁から延びてこの地下保管室へ通じている訳だ。舞台中央には黒幕に遺失物の沢山入った像が映った保管棚が極端に誇張された遠近法を用いて表現されており、如何にも遺失物管理室という奥行きのある雰囲気を濃厚に漂わせる。ホリゾント部分にも黒い暗幕が掛かっているが、これもそれだけに終わらない仕掛けだ。
 さて、物語の本題に入ろう。演劇の常道として最初の何分かのシーンで作品の本質を示すシーンが入っているのも近年の小劇場演劇としては珍しく新鮮である。極めて本質的でありながら、言葉遊びの現象学的展開、乃至は遊戯としての人間性の本質、或いは探偵モノの質疑応答と解しても良さそうな知的遊戯とも解せる対話群が嫌が上にも興味をそそる。ここを尋ねてきた男と保管室管理人との質疑応答のシーンであるが、この問答で今作の主題が余すところなく提示されているのだ。(その内容詳細に就いては観劇して欲しいが存在 être(一例を挙げればSartreのL'Être et le Néantに於けるêtre )に関わる根源的な疑義についての問答である。この問答は一般の方々には珍妙に映るかも知れないが極めて論理的で緻密な論を、記憶を喪失しているとされる保管室管理人が展開するので、哲学に興味のある人々はわくわくするに違いない。
 もっとも哲学などと構えるまでも無く、誰しも1度は抱えたに違いない以下の自問、ヒトは何処から来て何処へ行くのか? 人間とは何か? という問いに答えを出せぬと諦めた大多数の人々にあからさまに関わる大問題の根底が論議されていることは、このオープニングを観ただけで直ぐに分かる。擽りも随所に的確に置かれていることは、この台詞群が多様な解釈を許す点にも表れていよう。演出、演技(主人公の記憶喪失を患う男を始め、ボランティアとして男を手伝う若い娘、刃物を預けた女、最初に現れ害虫扱いされる男、この地域の名家の子息でエリート、磁石を預けた女、古物商、そして今作で唯一ある種の客観性を提示する男。これらの人物がどのように絡み、どのような人間関係にあるのか? そしてそうなる経緯は? を観劇中に探ることで一種のサスペンスとして楽しむことさえ可能であろう。余談ではあるが、物と語り合うことのできる記憶喪失の男は、登場するエリートの父であるが作品に直接登場することは無い。但し記憶喪失した彼が職を得たのはこの名士の命を救い、その恩返しをしたいと名士が彼に職を世話したということは物語中で示される。更に蛇足ではあるが、これらの登場人物1人1人のうち誰一人欠けてもこの劇の滋味は落ちるだろう。各々の役者が良い演技を自然体でしている証拠である。照明や音響も秀逸。
 因みに後半の公演日は少し間が空き10.11~10.14まで。
真空プール

真空プール

劇団フィータル

北とぴあ ペガサスホール(東京都)

2024/10/06 (日) ~ 2024/10/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

タイトルとチラシのイメージでかなり陰々滅々たる作品を想像していた。若松孝二監督・内田裕也主演の『水のないプール』は「仙台クロロホルム連続暴行魔事件」の映画化だった。しかも劇団名フィータルは胎児の意味。現実に窒息しそうな者達の喘ぎ声叫び声過呼吸SOSをイメージ。

コロナ禍の地方病院で実際に勤務していた作家のリアルな体験記。開演前と終演後に挨拶した作家(ジェシカ)さんは惣田紗莉渚っぽい、ほんわかした人。舞台が開幕するとミュージカルのように踊りながら笑顔で役者達が舞台美術をセット。愛知県豊橋市の三河弁が炸裂する。5年一貫看護学校を卒業するニ人、看護師国家試験に合格出来るか不安。二人共見事合格。安齋彩音さんと赤石さくらさん。配属された病院に待ち受ける厳しい新人指導担当の山本蓮さん、主任の宮本順子さん。主任の娘の同期にさとうあかりさん。男性看護師の関秀斗氏は陽キャなパリピ。研修医の坂本七秋氏も同期。これが普通に日常をめくるだけなのだが妙に面白い。特に何の事件も起きない。明るくて好感の持てる作風は東京向き。かるがも団地みたいに支持されそう。多分次来る時はもっと観客が期待大で待ち構えている。

夜、スナックでバイトしている安齋彩音さん、そこのママの渡邉理衣さんがいい味。凄く既視感があったのだが思い出せなかった。
宮本順子さんは宝塚顔。
関秀斗氏はありがちなキャラだがハマリ役。バカっぽさとパチンカスが嫌味にならない。
赤石さくらさんと坂本七秋氏のエピソードも巧い。
私利私欲を感じさせるキャラが全く出てこなかったことが観劇後の爽快感に繋がったのかも知れない。
面白かった。

ネタバレBOX

役者が歌い踊りながら場面転換するのは新しい。脇を固める役者皆楽しそうに演っているのでこの作家は凄腕。パチンコのシーンも良かった。
SKE48のメンバーで名前を決めているんじゃないかと勘繰ったが千恵だけ分からなかった。

まず量子ゆらぎ(不確定性)があった。次にインフレーション(急激な膨張)、そしてビッグバン(超高温の火の玉)。宇宙の誕生、その初めにあったゆらぎ。
ゆらぎの中を歩いていく皆。

開幕と終演の時に流れた曲が印象的だった。「月明かりが楽しいね」みたいな歌。
錦秋十月大歌舞伎

錦秋十月大歌舞伎

松竹

歌舞伎座(東京都)

2024/10/02 (水) ~ 2024/10/26 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

「夫婦役者による愁嘆場を堪能――『婦系図』」

 泉鏡花が1908年に発表した小説をもと翌7年に初演された新派の代表的演目のひとつである。過去に手掛けたことのある仁左衛門の早瀬主税、玉三郎のお蔦の初顔合わせが実現した。

ネタバレBOX

 少年時代はスリだった主税は酒井俊蔵(彌十郎)に助けられドイツ語学者に大成したものの、柳橋の芸者であるお蔦と密かに所帯を持っている。酒井に俺を取るか女を取るかと迫られた主税はお蔦に別れを切り出す。

 発端の本郷薬師縁日の場でスリの万吉(亀鶴)が追い詰められる窮地を主税が救う場面で、万吉を見て往時を思い起こす仁左衛門の思い入れが印象深い。その後の柳橋柏屋で酒井に迫られるくだりでは、正座のまま二回後ろに下がって酒井に頭をつく、ここから主税の苦悩が浮かび上がる。事情を知る柏屋の芸者小芳は、萬壽のおおらかさが師弟の厳しいやり取りをうまくとりなしていた。

 さて、原作にはなく新たに鏡花が書き下ろした湯島境内の場になると、まずは芝居の声真似の男二人が前幕の厳しいやり取りに沈む客席を盛り上げる。そこからいよいよ仁左衛門の主税と玉三郎のお蔦が入ってくる。玉三郎のお蔦のナチュラルな語りは『怪談 牡丹燈籠』のお峰を彷彿とさせる。主税の思いがけない告白をはじめは冗談のように受け取り、そこから真相を知り絶望に突き落とされるまでの怒涛のような感情の流れが手に取るようにわかってうまいものである。酒井からの手切れの金を渡されて思わず投げ返すところにこの女の意地が浮かんだ。主税とお蔦が涙を浮かべながら幕となる愁嘆場は決まりそうで決まらない、これが新派かと思わせる余韻を残した。


だいたいみんな躍ってる2024

だいたいみんな躍ってる2024

ユトサトリ。

小劇場 楽園(東京都)

2024/09/11 (水) ~ 2024/09/16 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2024/09/15 (日) 14:00

終業後に職場の先輩の披露宴での余興の稽古をしている3人のもとに直帰の筈だった先輩本人や関係者も現れ……な状況で始まる会話劇。ちょっとした不満の吐露から飛び火/誘爆的に展開されてゆく様は「給湯室のぞき見」的で傍観者としては笑えるがあんな状況に身を置くのは御免だな。いつ自分に思わぬ方向から弾が飛んでくるかワカったもんじゃない。(笑)
そうして、どう落とし込むのか?と思わせておいてのチカラ技からの「あれ」を使った隠喩(ネタバレboxに記述)、巧いなぁ。
巧いと言えば蛍光灯を使ってオフィスの「それらしさ」を表現した照明も見事。

しかし初日を終えてすぐに上演時間105分との情報が流出しており、何ステージかを経てこの日も105分だったのに関係者のツイート/ポストも開演前アナウンスも90分という「詐称」を続けていたのはいかがなものか? それは誰にどんなメリットがあるのか見当もつかない。団体としての信用にかかわるのでは?(よって満足度の★を1つ減ずる)

ネタバレBOX

終盤、他の4人が退出した後にほたるが活けた花を直しながらゆかりが言う活け花に関する言葉が生き方を諭すようで「踊りましょう」による「チカラ技」の着地の後だけに画竜点睛を打つ感じ。
また、「黄金比」に対して「白銀比(1:1.4142…)」もあること、そして前者が動的、後者が静的なものに適していることを知り、さらに調べて「青銅比があることも知った。
流れ星

流れ星

劇団五期会

ABCホール (大阪府)

2024/10/04 (金) ~ 2024/10/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

何回も観て結末を知っているので、冒頭のシーンから泣けました。(はや!)
見事に再現できていて、タクフェスに負けないイイ舞台でした。
布巾が飛ぶシーン、うまく出来てましたね。

9 to 5

9 to 5

TBS / サンライズプロモーション東京 / 研音

日本青年館ホール(東京都)

2024/10/06 (日) ~ 2024/10/21 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/10/06 (日) 18:00

華やかなオフィスコメディで面白かった。
素敵な歌声が良かったです。

開場時の長蛇の列が長く時間がかかるのは、何とかならないものだろうか。

遺失物安置室の男

遺失物安置室の男

劇団夢現舎

新高円寺アトラクターズ・スタヂオ(東京都)

2024/10/04 (金) ~ 2024/10/14 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

あなたがあなたであることを証明せよ
言われてみるとなんと難しい課題であろうか
それと「過去」をどう捉えるのか

簡素な舞台だが、遺失物の棚を描いた壁(幕?)の絵が、まるでパースのお手本のように実に上手く設定したバニシング・ポイントの遠近法が用いられ、しかも中央が明るく、光がさしているように描かれていることから、奥行きが感じられた
鈴の音が印象的
男の空虚な表情がなんとも言えない
古物商はじめ他のキャストもそれぞれの役の性格描写が良かった
ある意味シュールな演劇だが、なかなか楽しめた(証明の話は少しうすら寒くなった)
ミニビールのサービス付き
浴衣姿のひな役の久保さんに渡してもらうとちょっと縁日か浅草の演芸に来た気分になった

諸国を遍歴する二人の騎士の物語

諸国を遍歴する二人の騎士の物語

劇団青年座

吉祥寺シアター(東京都)

2024/09/28 (土) ~ 2024/10/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

別役作品の中でも骨の太い戯曲、との10年前テアトル・エコー公演での印象は変わらず、やはり名作。
演じる俳優によって、とりわけ二人の騎士役の風情で、舞台風景が変わる、役者本位の作品であるのは別役実戯曲の特徴でもあり、氏のかねて主張する「演劇的」演劇とは、10年前の舞台と二つを見比べて実感する所だ。

とある村を二人の騎士が(申し合わせた訳でなく)訪れた事の「意味」(理由、ではなく)が分かるのは劇の終盤である。別役一流の「会話がもたらす転倒」が事態を動かす動力としてでなく、結語となっている点で特異な作品でもある。それだけに結末には震撼とさせられる。
満場の拍手は自分も頷ける所で☆五つやって良い出来だったが、自分にとって別役作品は「衝撃的」がスタンダードであるので、点は渋くなる。

ゆうせいむしむし

ゆうせいむしむし

劇団芝居屋かいとうらんま

OFF OFFシアター(東京都)

2024/10/04 (金) ~ 2024/10/06 (日)公演終了

実演鑑賞

面白かったです
役者の皆さんの演技や声がとても良かった
現在の問題にも少し関わる感じもしました
開演前に流れていた歌が良かった

広い世界のほとりに

広い世界のほとりに

劇団昴

あうるすぽっと(東京都)

2024/10/02 (水) ~ 2024/10/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

秀作。
大山くんだりまで出向くようになったのも最近の事だが、昴の海外戯曲舞台を観た帰路は足取りも軽い。初の作家の翻訳物でも不安はなく、今回も詩的なタイトルに惹かれ観劇に臨んだ。
このたびの劇場は、客席は勿論、ステージでもアトリエの2倍以上はありそうなあうるすぽっと。二幕物で二時間半。
このテンポは往年の「新劇」のものだったろうか、と思う所があったが、芝居は緻密に構築され、広い空間もうまく使っている。天井の高い室の壁と古式ゆかしい扉、天井近くの梁と、杉山至にしては具象性の高い美術が意外であったが、これは住宅の修復を生業とする父(先代からの家業)と依頼主の女性との交流の中で、家族や人間関係の暗喩として「建物」が語られる所があって視覚的にも大きな部分を占める(戯曲は父をして「こういう堅固な家屋の修繕はじっくりと半年程かけてやるのが良い」と誠実な提案をさせ、その事により依頼主である妊婦との間に時間経過に伴って生まれた関係性の深まりを表現し、逆にこの場面を通して時間経過を伝える仕掛けとしてある)。修繕が終わった日、最後の挨拶を交わした二人の背後にいつの間にか建物の梁の影がくっきりと映り、夕陽が二人を包む絵が浮かぶのが超絶に美しい。
彼と妻との間には息子が二人あって、19になる兄には彼女が出来、冒頭は二人のデートの場面。16の弟は明示してはいないがアスペルガーのような特殊な性質を匂わせる。兄の彼女に一目ぼれして悩むが、それが発展する事はない(なぜなら程なくして亡くなってしまうので)。父の両親は健在であり、前世代にありがちな夫婦問題を抱えるが、二人の孫に対しては良き祖父母。会話の場面の多くは舞台の上手前、下手前、奥、中央といった狭いエリアで、または上手半分、逆といった具合に行なわれ、瞬時転換する(完全暗転は二、三回だったか)。
そして場面によっては「そこに居ない」人物が部屋の隅に佇み、あるいは立っていたりする。死者または超越的存在の眼差しが仄かに、その場面を性格づける趣きとなり、全般に不安が漂う物語展開を、和らげているのか、強調しているのか・・。
一幕を終えた時点では全てが宙ぶらりんで些か耐えがたいものがある。
(この休憩時に近くの女性らが「再生を描くってあるから大丈夫だよ」と一縷の望みを見出したように言っていたのを聞いて、自分も救われた。)
ストーリーには「ラビット・ホール」と重なる展開があるが、こちらはその重なる部分を物語の「当て馬」的に使っていた。その作者もこちらの作者も同じイギリスのほぼ同年代、どちらかの影響というのはあったかも知れない。
俳優たちの健闘が最後には胸を熱くする。こういう舞台を目にすると演劇という芸術があって良かったと実感する。

ゆうせいむしむし

ゆうせいむしむし

劇団芝居屋かいとうらんま

OFF OFFシアター(東京都)

2024/10/04 (金) ~ 2024/10/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

面白かったです。
ちょっと怪し気で不思議な雰囲気があり、演出も良かったです。
ストーリーは意外性があり、今も世界中で戦争が起きている現状について、改めて考えさせられました。
役者さん達の演技も良かったです。
良い舞台でした!

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