廻り巡って蝶を飛ばす
劇団ホリック
アトリエS-pace(大阪府)
2024/07/06 (土) ~ 2024/07/07 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
旗揚げ公演でここまで完成度が高いとまず驚きます。設定は少々異常だが、不気味で哀しい現代をしっかりと描いていると思う。時間も90分越え。立派だねえ。頼もしい劇団が誕生した瞬間をしかと見た。
暗幕が始まる寸前に使用した小道具をすべて大切に堀炬燵のような空間に放り込む。これが面白かった。最後は主人公までも同じく空間に放り込む。これは何を意味するのか不明だが、今まで見てきた劇では皆無の手法だ。次作がもう楽しみになってきた。秀作劇です。
逃奔政走
フジテレビジョン
三越劇場(東京都)
2024/07/05 (金) ~ 2024/07/16 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
価格10,000円
「政治あるある」を巧みに織り交ぜて、リアル感あり笑いありの舞台に昇華させていた。
少し残念は、主演のマイクの付け方か、音圧の低さか、衣装の擦れるノイズ。後半、改善されたけど、その分星ひとつマイナス。観劇して良かったと思う内容です。
駈込み訴え
中瀬古健
MUSIC BAR道(東京都)
2024/07/05 (金) ~ 2024/07/07 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
面白い、お薦め。
中瀬古 健 氏による一人芝居、熱演。
「可愛さ余って憎さ百倍」という言葉があるが、物語(小説)は イスカリオテのユダのキリストへの狂おしい思い〈思慕と裏切〉を大胆に解釈し語られる。嫉妬、愛憎相反するような感情、その複雑な思いを繊細に演じる。それによって ユダの心情が抒情豊かに描かれる。
(上演時間1時間15分)
心の声など聞こえるか
範宙遊泳
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2024/07/06 (土) ~ 2024/07/14 (日)公演終了
ナイロン100℃ 49th SESSION 「江戸時代の思い出」
ナイロン100℃
本多劇場(東京都)
2024/06/22 (土) ~ 2024/07/21 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
ナイロン観劇4度目になるか。比較的、見応えある舞台だった。と言っても以前観た「わが闇」等は一定評価されているので、自分の感受性の問題かも知れぬ。で、今回はナイロン的アプローチを漸く理解し始めたという事なのかも・・?
所詮遊び以上のものではない、と作者は腹をくくってるのだろうと推測しているのだが、何かメッセージらしきものを込めて来る瞬間があり、それが茶化しなのか、その逆(日和った)なのか、どっちだ。やっぱ日和ったのね、と。「いい話」にしたいなら直球でやってみろ、と言いたくなる感覚?それかも知れない。
ただ、死体の腕や足が出て来ても平気で見れてしまうシュールなワールドへの巻き込み術は、さすがである。心から笑えるギャグも一つあった(一つかいっ)。
シュールなワールドでの、俳優の肉体の「力」の貢献を実感する所あり、途中で気づいた存在がズームされて目に入って来る池田成志、同じく途中で気づいた奥菜恵(どこまでも変らない)、コールでやっと気づいた山西惇らの圧は中々であった。客演四名の一人坂井真紀はビッグネームと悟るも、判別できず(坂井美紀、水野真紀、水野真紀未だに識別できない)てな塩梅。
だが、どこか「勿体ない」感が残る。それがナイロンと言えばナイロンなのだな。
小劇場への客演で目にしていた水野小論が出るとホームなのに何故かアウェイで頑張ってる錯覚に。
きく
エンニュイ
アトリエ春風舎(東京都)
2024/06/18 (火) ~ 2024/06/23 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/06/22 (土) 13:00
主題が提示され別の主題が現れたり主題の変奏があったりソロや合奏があり最初の主題に戻り……という「言葉/台詞/会話による交響曲」、5年前の初演と較べて歌や漫才(?)なども加わって多彩な展開となり、初演が「デッサン」ならこちらは「油彩画」な印象。
ちなみに前日観た同じく「会話とは?」な劇団普通の作品はタイトル通り「水彩画」であり、先述の音楽の喩えで言えば室内楽か。
が、これだけ対照的なな2作品、「物語」ではなく「状況とそこでの会話」を描いているのが共通。「会話とは?」を演劇で表現するとそうなるのかしら?
悼むば尊し
かわいいコンビニ店員 飯田さん
駅前劇場(東京都)
2023/10/04 (水) ~ 2023/10/10 (火)公演終了
実演鑑賞
かなり昔に見たのだけど、改めて。
いじめられ役の人の芝居が凄過ぎて、チケット代の7割はこの人が背負った。
いじめのシーンはどうしても「やってる感」が出るものだと思った。
悪いやつの喋り方をしてる悪くない人に見えている。
台本は、誠実。
ただ、もう一回推敲したら、こうなってないだろうなというセリフがいくつかあって、そういうところは役じゃなくて作家が喋ってるように感じた。そもそも言語化する習慣がある人で、それがそのまま台本になってるシーンが少しあった。
誠実さを守ろうとする分、そうなるのかもしれない。現実にあることをドラマ化する上で、馬鹿にしているようにならないようにという思いを感じる。不快感はなかった。
笑いが少なかった。時々、絶妙に笑える感じになりそうな時もあって、そういうのもっとみたいと思った。
後半、全員立ってるシーンがあって、あれはちょっと。反省会みたいにアーチ状に立っていて、一人一人喋り出してはそれなりの尺をもらっていく。そうはならないような気がした。
その辺りのシーンは、言葉先行すぎるなと感じた。台本上で耳でセリフが鳴っていて、その時点ではいいけど、それをそのままやると、ただ言ってる、ただ聞いてるみたいになるのかもしれないと感じた。
でも、色々書いたけど、ちゃんとした本を書こうという気持ちが伝わる作品で、誠実さを受け止めた。
神話、夜の果ての
serial number(風琴工房改め)
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2024/07/05 (金) ~ 2024/07/14 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
この作家は作品によって作風がかなり変わることがあるように思うが、今作は独特の雰囲気がなかなか良い。カルトが描かれた作品にふさわしい。舞台上はベッド一つだけで場面が展開されるところや、主人公と弁護士役が対照となるのが興味深い。若い俳優たちも相当の実力を有している。しかし、タイトルの「神話」とはどういうことだろ?
【延期公演開催】エアスイミング
演劇企画イロトリドリノハナ
小劇場B1(東京都)
2024/07/04 (木) ~ 2024/07/07 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
なぜこの程度の事で「触法精神病施設」なる施設に幽閉されなければならないのか
なぜ家族は娘がこの様な目にあっているのを長期にわたって容認しているのか
それらの背景まで深掘りすれば、とてつもなく話は膨らんでいき、実際観終わった後には彼女達のキャラクターや台詞の端々から推測や憶測がいくらでも湧いてくる
そういった意味で目にした以上の情報、問題提起に富んだ作品
実際に舞台上で描かれるのは施設に収監された二人の女性(ペルセポネーとドーラ)の長期にわたる風呂場掃除タイムでの交流シーン
収監歴ではペルセポネー(森下知香さん)より2年先輩となるドーラ(室田百恵さん)はきっと社会に出ていれば並みの男以上に社会貢献できそうな頼もしい女性
お嬢様育ちで現状把握さえちゃんとできていないペルセポネー(天然が入っていてユーモラス)の良きアドバイザーであり良き話し相手
一見楽しげな会話シーンの連続でありながら、この病院ではろくな治療行為も行われず閉じ込めっぱなしである事がハッキリ炙り出される光景でもある
やがて二人が編み出した別の名前になって繰り広げられる現実とは別の世界
そこにはもはや恋愛欲求や食欲など入り込まず、ひたすら“憧憬”に特化されていくようで何とも切なく、時には狂気が混ざり込んだ美しさで妖しく輝いて見える
“相互依存”という状況は悪い意味で使われる事の方が多いけれど“相互依存”がなければきっとこの二人は廃人になっていたに違いない
後半 気の遠くなる様な50年を経て、彼女達がどの様に変貌していったのかは必見
お二人の女優魂を存分に味わい、その後の人生に思いを馳せ、前に述べた「実際観終わった後には彼女達のキャラクターや台詞の端々から推測や憶測がいくらでも湧いてくる」に繋がっていくのでした
大きな声で、いただきます。
試験管ベビー
愛知県芸術劇場 小ホール(愛知県)
2024/07/05 (金) ~ 2024/07/07 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
リアルな表現で、肉がたべられなくなりそう。困ったな。
昔、4キロメートル離れた屠殺場から殺され損なってわが家まで逃げて来た牛の事を思いだし、その時の恐怖までよみがえってしまいました。
でもまた観客参加型で楽しませていただきました。
大きな声で、いただきます。
試験管ベビー
愛知県芸術劇場 小ホール(愛知県)
2024/07/05 (金) ~ 2024/07/07 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/07/06 (土) 18:00
養鶏場や牧場や養豚場のことなどよく調べて話が作られてい、感心しました。
今回は特殊演出効果参加席もあったりして、そちらも楽しかったです。
もちろんいつもの参加席も!
大きな声で、いただきます。
試験管ベビー
愛知県芸術劇場 小ホール(愛知県)
2024/07/05 (金) ~ 2024/07/07 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/07/06 (土) 18:00
今回は顔なじみの方もいましたが、若い新人さん?が多かったみたいですね。
若いからものすごく元気もあって、開演前もキャッキャッととても賑やかでした。
今回は牛・豚・鶏の肉についていろんなことを語ってくれ、よく調べたな~という部分も!
観客参加型も楽しかったです。
肉のことについてかなり語ってくれた感があったので、題名は「大きな声で、いただきます。」じゃなく、「やっぱり肉が好き」みたいな方がよかったような……。
逃奔政走
フジテレビジョン
三越劇場(東京都)
2024/07/05 (金) ~ 2024/07/16 (火)公演終了
ゴースト&レディ
劇団四季
JR東日本四季劇場[秋](東京都)
2024/05/06 (月) ~ 2024/11/11 (月)公演終了
ANGERSWING
劇団Q+
駅前劇場(東京都)
2024/07/03 (水) ~ 2024/07/07 (日)公演終了
~喜楽に落語~ ハルカス寄席
近鉄アート館
SPACE9(大阪府)
2024/07/02 (火) ~ 2024/07/25 (木)公演終了
駈込み訴え
中瀬古健
MUSIC BAR道(東京都)
2024/07/05 (金) ~ 2024/07/07 (日)公演終了
狐晴明九尾狩
創像工房 in front of.
慶應義塾大学日吉キャンパス塾生会館(神奈川県)
2024/07/03 (水) ~ 2024/07/07 (日)公演終了
【延期公演開催】エアスイミング
演劇企画イロトリドリノハナ
小劇場B1(東京都)
2024/07/04 (木) ~ 2024/07/07 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
これは演じる側からするとかなり刺激的な戯曲なんだろう。最近、上演が多いのも納得というか。
先日、G・W・パブストが1929年に撮ったドイツの無声映画『淪落の女の日記』を観たが、父の助手に誘惑されて妊娠した薬局の娘がヒロイン。親族会議の結果、無理矢理子供と引き離されて感化院に入れられるが、そこは虐待に近いことが行われている場所だったというもの。映画は仲間と感化院を脱走してからの展開の方が長いから、この舞台と内容は異なるけれど、男側の倫理規範が女性に押し付けられる社会を描いていて、結構重なるシーンがあるなあと思いながら観てました。
廻り巡って蝶を飛ばす
劇団ホリック
アトリエS-pace(大阪府)
2024/07/06 (土) ~ 2024/07/07 (日)公演終了
満足度★★★
旗揚げで、この時間帯満席はすごい
何事にも恵まれない子供達の話
女の子に生まれて欲しかったのに男の子が生まれたことで、赤ランドや女装を強要されてきた男性 両親が行方不明で身体を売ってお金を稼ぐ女性 愛してるという薄っぺらな言葉で満足する彼らは、愛情を感じらレズに育った(ある意味親は親なりの愛情を与えていたのかな〰️)子供たちの行く末はいかに… 与えたことを真っ直ぐに受け止められる子供は少ないと思う