最新の観てきた!クチコミ一覧

2021-2040件 / 186164件中
キミと奏でる音色

キミと奏でる音色

SFIDA ENTERTAINMENT

劇場HOPE(東京都)

2024/12/17 (火) ~ 2024/12/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

役者さんたちの熱演が光る舞台でした。
正直ストーリ的には少し納得いかない部分もありましたが、それを知ったうえで
再度観てみると根底にある部分が見えてきて、また印象が大きく変わってくる作品
なのかなぁとも思いました。

トリオ

トリオ

NonoNote.

シアター711(東京都)

2024/12/18 (水) ~ 2024/12/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

3人の女優さん熱演です。
ストーリーも人物の設定もとても面白かった。大きな動きや表情がとても合っていたと思います。12/19昼の俳優さん、喋りが上手く良かったです。

ケレン・ヘラー

ケレン・ヘラー

くによし組

シアタートラム(東京都)

2024/12/19 (木) ~ 2024/12/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

アフロ子(中井千聖さん)とケイト(大場みなみさん)によるお笑いコンビ「ポジティboo」。十八番ネタの「ヘレン・ケラー」(ヘレン・ケラーの「WATER」を茶化す)にクレームが入り謹慎中。名村辰氏はアフロ子の内面として話の進行役を務める。二人はバイトしている古本屋の二階、ケイトの家で一緒に暮らしている。古本屋の性欲旺盛な店長(花戸祐介氏)、バイトの谷川清夏さん、新しく入ったてっぺい右利き氏。てっぺい右利き氏はケイトにガチ恋していてストーカーのように付きまとう。「ヘレン・ケラー」ネタはお母さんが初めて大爆笑してくれたもので、アフロ子にとって絶対に譲れないものだった。それをやれないことに我慢ならずコンビを解散。お喋りロボット、サリバンちゃん(柿原寛子さん)を購入して新しい相方に。タブーなしで面白いと思うこと全てをやる芸風で突き進む。

中井千聖さんは「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」の「いまきた加藤」を思い出した。
大場みなみさんは幸薄いATG顔。当時の原田美枝子っぽい。
谷川清夏さんも華がある。

ネタバレBOX

店長がケイトにプレゼントした香水「ケレン・ヘラー」をアフロ子が煙草の臭い消しに使っていた。実はそれは麻薬成分が混入された非合法の幻覚剤だった。幻覚として現れた神様さん(佐藤有里子さん)のアドバイスに従いどんどん過激な芸風にシフト。唯一自分の味方だったマネージャー(永井一信氏)をも踏み付け傷つけていく。SNSでケイトと谷川清夏さんの同性愛を暴露、花戸祐介氏の刺青を暴露、てっぺい右利き氏の童貞を奪い、永井一信氏に谷川清夏さんを襲わせる。周りの皆を傷つけ皆に嫌われて誰もが離れていく。そのうちネタにしていたヘレン・ケラーのように視力と聴力を失っていくアフロ子。サリバンちゃんを自分と世間との伝達役にするがいつのまにか自分自身を乗っ取られてしまう。失恋を逆恨みしたてっぺい右利き氏はケイトに硫酸をかけ、ケイトも失明。全てを失った二人は「NEWポジティboo」としてコンビを組み直す。角膜の移植手術で少しだけ見えるろう者のアフロ子と耳は聴こえる盲目のケイトのお笑いでラスト。

面白いとは何なのか?他人に受けるとは何なのか?他人の顔色ばかり伺ってやりたくもないことをやる無意味さ。自分が主でなくては意味がない。他人を主にすると自分なんてどこにもなくなってしまう。他人なんか所詮どこまでいっても他人でしかない。結局は「自分と他人」というテーマに行き着く。自分にとって他人の存在とは何なのか?

自分はこの作品を全く面白く感じなかった。作家の笑いのセンスが自分と根本的に合わないのだろう。

唯一、ケイトがてっぺい右利き氏の童貞を奪おうとするシーンだけ笑えた。
トリオ

トリオ

NonoNote.

シアター711(東京都)

2024/12/18 (水) ~ 2024/12/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

 仲間内で1人の男の争奪戦! 

ネタバレBOX

 物語は主として女性音曲漫才トリオの楽屋で展開する。この楽屋、かつて長らく小屋でピンを張っていたリーダーが、着替えが間に合わないと板に一番近い場所に作らせた楽屋とあってそれなりの格式と総支配人との様々な関係もアカラサマであるが、問題はトリオのメンバー3人総てが副支配人と関わっていることである。時は1970年代初頭、未だベトナム戦争は終結しておらずディケイドの初めには三島の割腹、72年には日中国交正常化、沖縄闘争をメルクマールとしての左派弱体化、舞台となっている新宿のヒッピー、フーテン、フォークゲリラ、サイケデリック流入と共に流行ったLやG等々、実に面白い時代ではあったが、今作ではそのような即面を持っていた昭和の特に新宿の騒乱状態は殆ど触れられておらず、脚本家は泥臭い時代だったと捉えているのではないか? と感じた。実際に当時宿で遊んでもいた小生などはそのように感じるのだ。まあ、ラリッた奴がアイスピックをカウンターに入って持ち出し他人を刺したりヤクで矢張りラリッている奴が刃傷沙汰を起したりはあったが、誰が店の人間なのか分かっていない客が多く、そいつらもラリッていたりしたので、怪我人の周りだけがワヤワヤしている状況で他は何てことはなかった。唯兎に角アナーキーな時代であった。
 そんな時代にⅠ人の男を取り合う女たちの三つ巴の戦いが描かれる。ソフィスティケートされていないギャグが多用されたり、サービスのつもりなのか、くどいと感じる場面が多かったのは脚本のせいなのか、演出のせいなのか不明だがスマートではない。(まあ、この辺り観客の好みもあるから一概には言えないものの)中盤から後半に掛けてはドンデン返しもあり楽しめた。
世界の果てからこんにちはⅢ

世界の果てからこんにちはⅢ

SCOT

吉祥寺シアター(東京都)

2024/12/13 (金) ~ 2024/12/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

「世界の果てから…」という題名が適格であったかどうかは疑問があるが、現代ニッポンへの警笛は同感の念を抱きました。
上半身、下半身という表現をアフタートークで鈴木さんも遣っていらっしゃいましたが、机上の空論と足が地に着くことの対比なのだろうか?

 演劇がエンタテインメントと名を代えて久しい感があるが、演劇の精神が宿る作品は、今やSCOTに期待するしかないのだろうか?
そんな風潮もまた、現代ニッポンの病巣なのかも知れないと思いました。

 鈴木さんのトークでの「充電」と「放電」には我が意を得たりという思いがしました。
行政は、これをやってはいけないという【不利益規則】は作るが、可能性を狭めてしまっていることには留意などしない。多様性を抑圧している。
全くだと思いました。
 『ハラスメント』に対する意見を演劇で見せてほしいと強く思いました。

病室

病室

劇団普通

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2024/12/06 (金) ~ 2024/12/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/12/11 (水) 14:00

時として口論などもあるが基本的にはありふれた日常会話なのに2時間超を見せてしまうのは何故?と予てから思っていたがこの回のアフタートークゲストの本谷有希子さんの「リズムや間合い、重なり方などが音楽のような会話」という指摘で「あ、それだ!」と氷解。
アフタートークではほかに石黒さんが親戚の会話を文字起こしして解析(?)していることなども披露され、「石黒戯曲」の秘密を垣間見たようで興味深かった。
終演後に「あの特徴的な茨城訛りを日常的に使っている方はどう見えるのだろう?」と思ったが、3年前の再演時に「標準語版を見たいような見たくないような」との感想を綴っており、発想が一緒。(笑)
ちなみに上演時間は初演が130分弱、再演が125分、今回が135分。

キミと奏でる音色

キミと奏でる音色

SFIDA ENTERTAINMENT

劇場HOPE(東京都)

2024/12/17 (火) ~ 2024/12/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

あらすじを読んでいたので、ある程度予想出来ましたが、それでも二転三転していく展開で楽しめました。同級生達の関係性がよく、基本的には良い人ばかりでしたので応援したくなります。歌唱シーンもとても近くで見応えがありました。

ネタバレBOX

少しタイムスリップ後の展開に関して難解な点もあり、観劇後に考えております。
ケレン・ヘラー

ケレン・ヘラー

くによし組

シアタートラム(東京都)

2024/12/19 (木) ~ 2024/12/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/12/19 (木) 18:30

笑っていいのか考えてしまう、笑えない、お笑い芸人の物語。深い。(1分押し)105分。
 2018年初演作品をリライトした再演で、初演も観てる。ヘレン・ケラーをネタにしたギャグをする女子2人が不謹慎だと活動休止に追い込まれるが…、の物語。不謹慎と笑いの境界がどんどん難しくなっている現在にこそ考えるべき作品だと思う。初演はもっと笑いが多かったように思うが、劇場の規模が大きくなったこともあって、観客が笑う場面が少なくなった気がする。國吉らしい細かいギャグはいっぱいあった。役者陣もみな好演だが、ロボット役を演じた柿原が特に良かった。

白衛軍 The White Guard

白衛軍 The White Guard

新国立劇場

新国立劇場 中劇場(東京都)

2024/12/03 (火) ~ 2024/12/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ブルガーコフ作品だと気付いたので急遽予定を組み、足を運んだ(チケットも余裕で取れた)。
劇場都合なのかどうなのか・・新国立主催公演では久々の中劇場。つい2階席を懐具合と相談して買ってしまい、残念な観劇となる確率が高いのだが、今回は二階からでも舞台が近く感じ、役者の姿も声もしっかり入って来た。(劇場都合なのか・・と疑問がもたげたのは小劇場が似つかわしい舞台に思えたので。)
ロシア革命前夜、ではなく革命直後のウクライナを、大ロシア帝国の王ツァーリを主と仰ぐ「白衛軍」側の家族の目線で描いた作品だ。スターリン支配下のソ連で苦悩の作家人生を送ったブルガーコフを題材にした劇団印象の前作をおぼろに思い出しながら、劇としては面白く観た。ソ連に組み込まれる以前のウクライナとロシアの関係(地続きに隣接するヨーロッパの国々の事情は測りがたいものがある)や、闘う者たちが帰依する対象(何に殉ずるのか)を相対的に評する視点があり、だからこそドラマを描くのだ、という作者の声が聴こえるような気がする。
物語の主人公はトゥルビン家の兄弟アレクセイ(白衛軍の部隊を率いる大佐)とニコライ(若さで血沸き戦いに漕がれている)、そして界隈のマドンナ・エレーナ。舞台はこの家の広い居間で旧知の者(殆どが軍人)が出入りする。この家の人たちに憧れて遠方からやってきた若い学生(従兄弟)が唯一の非軍人。厳しい戦いを強いられている白衛軍だが、ドイツの支援が期待され、エレーナの夫は「政府の用事」と称して序盤にベルリンへ赴くのだが、ついにドイツ軍は援軍をよこさず、白衛軍は敗北する。白衛軍の指導的立場であったゲトマン率いるゲトマン軍に属するレオニードもエレーナ目当てに家に出入りする一人だが、戦いの終盤においてこのゲトマンの逃亡を目の当たりにする。
作者は白衛軍の目線でドラマを描き出しながらも、陣営の正当性を主張するものでは勿論ない、のだが、ただ、国内のロシア支配から脱却せんとする民主勢力ペトリューラ軍は残虐に描く。日本における日本赤軍事件が象徴する「左翼」「過激派」のイメージに近い。そして終幕、ウクライナ首都キエフを陥落したのはロシアから進軍したボルシェビキであり、民衆は早くも彼らを歓迎し、それを自嘲気味に揶揄する白衛軍の居間の会話が「平和」の時間の中で交わされる。
古いロシアによる支配による平和秩序を尊ぶ白衛軍は歴史の必然のように表舞台から退場し、新たな時代を迎えた瞬間で物語は幕を閉じる。トゥルビン家の長男・アレクセイ大佐が戦闘で死に、それを目の当たりにした同じく建物内に追い詰められたその弟は命からがら帰還するが、精神を病む。
敗北の悲劇を経て、訪れた日常において人間が平和を享受する尊さを描きながらも、人間が「平和ゆえに」腑抜けて行く予感が漂う(とは穿った読みかも知れぬが)ラスト、人生の喜劇を滲ませる。

装置、音響が優れ、演出の勝利にも思える(ワンツーワークスの古城氏が今年の記憶に残る演劇作品として本作の「二幕」を挙げていた。二幕って・・)。
戦闘シーンの頻出する芝居だが、ある局面で舞台奥にある箱の中でかなりの衝撃だと分かる爆発音が鳴る。(銃の音もちゃちい火薬の鉄砲ではなく十分に衝撃音を出すものを使っている。)
ほぼ邸の居間が舞台。冒頭から秀逸であったのは、ロシア人気質というものを恐らくは体現しようとした男らの言動。妙に人懐っこく、喧嘩っ早く、日本人感覚では甘えん坊と揶揄されかねない人物像をそれぞれ作っていた。
現代のウクライナ・ロシア戦争を「評価」する際においても感ずる事だが、あまりに無自覚な自己投影(相手も自分らと同じ文化を有しているという前提)によって価値判断をしていないか・・。
他国領土に侵攻したロシアの行為は許されるものではないが、許す許さないを超えて事態は動く。そこでは「違反者=絶対悪」という単純思考では物事の先行きは見通せない事実に直面させられる。
ウクライナの西欧への接近は長い近隣の歴史の流れの中ではどう意味づけられるか・・100年前のウクライナの歴史という一つの点を、「他者(他国民)」理解の補助線を引くために活用し、文脈を見て行く態度を獲得していく事が肝要ではないかと思えてならない。「知る」という事は押しなべて人の人に対する「断罪」という愚かさを遠ざける側に機能するのだと思うし、そうありたい。「面白い!」とかみしめた味の中身は、そういう事であったかも。

イヨネスコ『授業』

イヨネスコ『授業』

楽園王

サブテレニアン(東京都)

2024/12/17 (火) ~ 2024/12/21 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

「イヨネスコ『授業』」とは何なのか。奇怪そのものの戯曲は人の心の深層を叩いて来るものがあるが、正体は漠としており強度の高い解釈を作り手に求める。
結論的には、面白いパフォーマンスであった。教授役は前回のリーディング企画で「お国と五平」の男役をやった男優で、人間の「狂気」の背後に流れる何かを、想像させるに十分な奇怪さを体現した。
私はSPACで西悟志氏の非凡な演出による本作を目の当たりにしたので、「あれを超えるものはあり得ないし」と敬遠する向きがあったのだが、楽園王なら観る価値はあるかなと、(他の公演と散々迷った挙げ句)新たな「授業」を観る気になり足を運んだ。
面白かった。
醸されていたニュアンスを言葉化するのは難しいが、言葉が見つかったらまた書いてみる。

ちち

ちち

座・だるま水鉄砲

小劇場 楽園(東京都)

2024/12/18 (水) ~ 2024/12/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

面白い、お薦め。この旗揚げ公演は観応え十分。
増澤ノゾム氏の脚本・演出による記憶・追想を辿るような物語…人が持っている表し難い感情を上手く表した人間劇であり家族劇。登場人物は男女4人、それぞれの性格を繊細に 立場を丁寧に描き、今ある状況を巧みに描き出す。人が抱えた問題は、その時の生活状況や社会情勢によって影響を受ける。そして思わぬ行動に出てしまうこともある。その心情が痛いほど伝わる。そして 紡ネン を介して蟠りが少しずつ溶けていくような。

役者陣の演技が圧巻。何処にでもいそうな人物をさり気なく演じる、その自然体の演技が物語へ巧く誘う。冒頭から一瞬のうちに引き込まれる。登場人物が4人しかいないことから、それぞれの関係性が鮮明に そして濃密に描かれる。これによって 1人ひとりの人間性が浮き彫りになってくる。
物語は、行方不明だった父親が見つかり 兄弟のところに引き取られたところから始まる。兄弟が覚えている父は暴力的な人だったが、目前にいる男は 記憶の中の父とは別人の 天使のよう。そして兄の恋人も巻き込んで という設定が妙。
(上演時間1時間35分) 

ネタバレBOX

舞台美術は入口の対角線上にソファとローテーブル、右手にパソコン。登場人物に「紡ネン」とあるのは、完全AIで活動を続けるAI VTuberで、主にYouTuber配信を中心に活動。そのアイテムが物語の肝。家族という他者との会話を優しく綴った”新”家族物語。

登場人物は 父 水戸雉太郎と息子2人(長男:一馬、次男:嗣春) 長男の恋人 雨宮かりん という4人、そして夫々の思いを交差させることで表現し難い親子の情を浮き彫りにしていく。今の状況や立場、性格を丁寧に説明することで、しっかり人物造形が立ち上がってくる。そして過去と現在、父不在の間の母の死など、登場しない人物の心情まで伝わるようだ。自宅だが落ち着かず所在がない雉太郎、その話し相手が紡ネン。仲が良いのか不器用なのか そんな兄弟間。そこに現代的なアイテムを登場させ、人間味という 家族関係とは違う味わいを出す奇知。

雉太郎は、バブル期の元銀行員で多忙を極めていたが、或る日仕事に虚しさを覚え 出奔し家庭を捨てた。幼い息子に暴力をふるい、物心ついていた一馬は父を恨んでいた。嗣春も同様だが 幼かったこともあり、父の記憶があまりない。今、父はホームレスになり過去の記憶を失いー認知症等とは違い 記憶の欠如といったところー昔の面影もなく穏やかな性格。一方 一馬は、組織という会社勤めに馴染めず、自宅でYouTuber配信するなど ある意味 自由人。嗣春は、生真面目で高校の社会科(倫理担当)教員、結婚し子供もいる。そして一馬の恋人 かりん は家族とは違う立場で物事、成り行きを見ている。4人の関係が微妙に接近したり すれ違うことで心が蠢く。俳優陣…剣持直明サン、堀之内良太サン、仲村大輔サン、稲村梓サンは、激しく動き続ける心情を巧みに演じ、生臭い人間模様を丁寧に描き出していた。

一馬は、雉太郎の存在が鬱陶しい。早く自宅を売却し 都心のマンションで かりんと一緒に暮らしたい。父の失踪の解除手続や自宅売買に係る契約等はすべて嗣春任せ。その嗣春は息子ー妻の連れ子ーが中学で苛めをしており家庭事情で悩みを抱えている。かりんはガールズバーで働き、それゆえ嗣春は快く思っていない。しかし何気に優しくされて…。昔の面影のない父、いつの間にか息子と立場が逆になったかのような。しかし息子は子供から大人へ成長したことで、新たな思いを刻むことになる。その心の機微を実に上手く紡いだ秀作。
次回公演も楽しみにしております。
長い正月

長い正月

20歳の国

こまばアゴラ劇場(東京都)

2023/12/29 (金) ~ 2024/01/08 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/01/06 (土) 17:00

石崎竜史さんの 100年を100分で描き切るテンポ、展開の速さにもかかわらず愛が封じ込められ、それぞれの時代のキーワードや流行語を挟み、まだ日本の伝統として1年の内でも大きな存在だった、大晦日と元旦を舞台にした、心に染み込んでくる戯曲。それぞれの時代の楽曲達と重ねて現わして行き、こまばアゴラ劇場の構造を巧みに使い、生と死を端的に現した演出が素晴らしかった。構成/展開が見事。8人の俳優に、5代にわたる家族と5代の内の3代の宮司家の人々を12人で演じることで、それぞれのキャラクターの違いを浮かび上がらせる構造になっていて、俳優達も、その 100年の年月/人々を素晴らしい演技で現わしていた。登場した人物にこれだけ愛着を感じた作品は記憶にない。

自分の70年弱の人生が、この100年間の、まだ生まれていなかった 大正12年からの30年間は、祖父祖母、父母が居た時代であって、まだ結婚していない(単に事実としてのこと)、娘と息子が家に居てと、他人事ではなかった。女の子の家に電話を掛けた時、お父さんが電話に出て来た時の絶望感は今の皆さんには味わえ無い悲劇なのだった。笑

時代に重ねてくる曲達も、昭和の懐かしい曲達で、「また逢う日まで」や「時代」がこの物語のそれぞれのシーンと重なり、感情を揺さぶって来て涙なしでは見られなかった。ワンタッチカレーって言葉など、良く探して来たなと。

そして、俳優が端的に現すキャラクターに引き込まれた。
力強く素晴らしい歌声にそれまでのシーンを大きくシフトチェンジするパワーを持たせ、流れを切り替えた菊池夏野さん。あらゆる演技が素晴らしかった。
祖母、子供からOLへと目まぐるしく演じ分ける Q本かよさん。
死の口に向う土間から2段を登る時のつま先の在り様。寿美という一人の人生を子供から老婆まで演じた田尻祥子さん。田崎宮司さんではないことを知った時の変顔のインパクト、そして八の字眉ごとでの年代の演じ分け。
恋人から母に、そして老婆へと、爆発的な演技も冴えていた櫻井成美さん。
説明的な台詞を巧みに操った山川恭平さん。「また逢う日まで」の歌の上手さたるや。

本当に素晴らしい上演を拝見出来ました。皆様ありがとうございます。宝物です。

トリオ

トリオ

NonoNote.

シアター711(東京都)

2024/12/18 (水) ~ 2024/12/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

とても面白かったです!
キャラの濃い(濃すぎる)登場人物を演じる役者さん達のパワーが凄かったです。
役者さん、怪我をしないか心配になる程の熱演でした。
ストーリーも面白く「えぇぇ!?」と思うような場面もあり、目が離せませんでした。
楽しくて、あっという間の時間でした。
大満足でした!

ちち

ちち

座・だるま水鉄砲

小劇場 楽園(東京都)

2024/12/18 (水) ~ 2024/12/22 (日)公演終了

実演鑑賞

面白かったです。

穏やかな人と機

穏やかな人と機

劇団青年座

新宿シアタートップス(東京都)

2024/12/12 (木) ~ 2024/12/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

会話劇を見たのは初めてですが、とても良かったです。
役者さんの熱量が伝わってきました。
ラストシーンでは色々考えさせられました。

星降る教室

星降る教室

青☆組

アトリエ春風舎(東京都)

2024/12/07 (土) ~ 2024/12/15 (日)公演終了

実演鑑賞

この作品をラジオドラマにしたNHKのスタッフはすごいなあと素直に感心。

ネタバレBOX

来年は完全演劇化とのこと。
きっと更にぐんと良くなる気がします。
口三味線でのSEはなくなっちゃうのかな?
あれ面白かったけど。
ペンション林檎の樹物語

ペンション林檎の樹物語

昭和歌謡コメディ事務局

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2017/05/25 (木) ~ 2017/05/28 (日)公演終了

実演鑑賞

昭和のバラエティ番組の公開収録ってこんな感じだったのかな?なんてことを想像しました。

ポプコーンの降る街2024

ポプコーンの降る街2024

劇団大樹

Route Theater/ルートシアター(東京都)

2024/12/04 (水) ~ 2024/12/08 (日)公演終了

実演鑑賞

暖かみのあるファンタジー。
クリスマスにぴったり。

アコーディオンの生演奏が素晴らしかった。
私ゃハーモニカ、アコーディオン、バンドネオンなんかの音色が好きなので、なおさらに。

ネタバレBOX

最後がよくわからなかったかな。
ちち

ちち

座・だるま水鉄砲

小劇場 楽園(東京都)

2024/12/18 (水) ~ 2024/12/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

あの劇場のスペースをうまく使った95分。出演者の紡ネンってそういうことだったのね。なんだか稲村梓さんが天使のように見えた。

イノセント・ピープル

イノセント・ピープル

CoRich舞台芸術!プロデュース

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2024/03/16 (土) ~ 2024/03/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

20代から90代まで、その年代だとしかみえない演技力に感嘆した 
考えさせられるストーリーに心がえぐられてすぐには観れなかったが今になってもう一回観ておけばよかったと後悔している
配信、もう一回観れるようにならないかな

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