ケレン・ヘラー 公演情報 くによし組「ケレン・ヘラー」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    アフロ子(中井千聖さん)とケイト(大場みなみさん)によるお笑いコンビ「ポジティboo」。十八番ネタの「ヘレン・ケラー」(ヘレン・ケラーの「WATER」を茶化す)にクレームが入り謹慎中。名村辰氏はアフロ子の内面として話の進行役を務める。二人はバイトしている古本屋の二階、ケイトの家で一緒に暮らしている。古本屋の性欲旺盛な店長(花戸祐介氏)、バイトの谷川清夏さん、新しく入ったてっぺい右利き氏。てっぺい右利き氏はケイトにガチ恋していてストーカーのように付きまとう。「ヘレン・ケラー」ネタはお母さんが初めて大爆笑してくれたもので、アフロ子にとって絶対に譲れないものだった。それをやれないことに我慢ならずコンビを解散。お喋りロボット、サリバンちゃん(柿原寛子さん)を購入して新しい相方に。タブーなしで面白いと思うこと全てをやる芸風で突き進む。

    中井千聖さんは「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」の「いまきた加藤」を思い出した。
    大場みなみさんは幸薄いATG顔。当時の原田美枝子っぽい。
    谷川清夏さんも華がある。

    ネタバレBOX

    店長がケイトにプレゼントした香水「ケレン・ヘラー」をアフロ子が煙草の臭い消しに使っていた。実はそれは麻薬成分が混入された非合法の幻覚剤だった。幻覚として現れた神様さん(佐藤有里子さん)のアドバイスに従いどんどん過激な芸風にシフト。唯一自分の味方だったマネージャー(永井一信氏)をも踏み付け傷つけていく。SNSでケイトと谷川清夏さんの同性愛を暴露、花戸祐介氏の刺青を暴露、てっぺい右利き氏の童貞を奪い、永井一信氏に谷川清夏さんを襲わせる。周りの皆を傷つけ皆に嫌われて誰もが離れていく。そのうちネタにしていたヘレン・ケラーのように視力と聴力を失っていくアフロ子。サリバンちゃんを自分と世間との伝達役にするがいつのまにか自分自身を乗っ取られてしまう。失恋を逆恨みしたてっぺい右利き氏はケイトに硫酸をかけ、ケイトも失明。全てを失った二人は「NEWポジティboo」としてコンビを組み直す。角膜の移植手術で少しだけ見えるろう者のアフロ子と耳は聴こえる盲目のケイトのお笑いでラスト。

    面白いとは何なのか?他人に受けるとは何なのか?他人の顔色ばかり伺ってやりたくもないことをやる無意味さ。自分が主でなくては意味がない。他人を主にすると自分なんてどこにもなくなってしまう。他人なんか所詮どこまでいっても他人でしかない。結局は「自分と他人」というテーマに行き着く。自分にとって他人の存在とは何なのか?

    自分はこの作品を全く面白く感じなかった。作家の笑いのセンスが自分と根本的に合わないのだろう。

    唯一、ケイトがてっぺい右利き氏の童貞を奪おうとするシーンだけ笑えた。

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    2024/12/20 16:55

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