満足度★★★
どこが
最高だか
ネタバレBOX
自身では増やすことのできないクローン生物として存在意義に悩むソメイヨシノが、武田勝頼などの歴史上の陰の人物の生き方を見て立ち直ったのかもしれないという程度の話。
小西真奈美さんは立っているだけだし、どこが最高だか分かりませんでした。
歌詞を映し出しながらのラップって、要するに聞いても聞き取れないということなのでしょうか。
満足度★★★★★
電波人間
照れ隠しの中に真実があるような感じでした。
ネタバレBOX
ドーナツ状の頭になるドーナツ症の疑いのある胎児とその妊婦の話。
遺伝子検査によってダウン症の疑いがあった場合あなたはどうしますかというテーマを念頭に、あまりにも重たい問題で、もしかしたらあるべき答があるのかもしれないのですが、作者はそんなことは未経験だし、葛藤もあるだろうし現時点では正面切って言えませんとばかりに、頭にペットボトルを置いた電波人間かと思わせるような家族に演じさせ、笠地蔵の恩返しみたいなお茶ら気的要素を入れてぼやかしていました。
なんだこんな方法でドーナツ症が完治したのかと気が緩んだ瞬間にドーナツ症の姉に暴力を振るわれるというオチも良かったです。
意思がはっきりしている場合でも、していない場合でも、事の重要性を問う作品が作れるのだと認識しました。
満足度★★★★★
濃密な村社会
全員が個性的でした。
ネタバレBOX
1930 年代半ば、世はヒトラーが台頭しようかという時代、そんなこととは全く関係のないアイルランドにある小さな島の濃密な村社会の中に住むびっこのビリーという仇名が付けられた青年の塞翁が馬みたいな経験話。
結核治療のためと称して足の悪い役がもらえるかもしれないとハリウッドに行き、足の悪い人の演技ができる役者に負け、父母は自分を捨てようとしたのかとかねてからの悩みに対して自分の治療費を捻出するための自殺だったと聞いてほっとし、好きな女子に振られ自殺しようとしたらデートの誘いに応じてくれて嬉しくなり、と思ったら結局は結核だったと乱高下の激しいジェットコースター的展開でした。
生卵割りも実際に見ると凄まじいものがありました。最前列のお客さんにビニールシートが配られていたのは知りませんでした。
ニュースとはどんなものか、情報が金になることの面白さも知りました。
満足度★★★★
生活
働くということ
ネタバレBOX
何とか日々を暮らしながら、一家言持ちながら全く自身の生き方に活かせない男が、ゴドーを待ちながらみたいに来るはずもない転機、あるいは死期を待っている話。
近くで山菜採ったり魚取ったりすることもできず、都市部の引きこもり中年は何かバイトでもしているのでしょうか。具体的なエピソードを取り入れると生活感が必要になり、新しいゴドーを待ちながらを作るのも大変です。
満足度★★★
あっちもこっちも
パフォーマンスでした。
ネタバレBOX
人と人が支え合うことでできるダンスパフォーマンス。
本能的に喉から絞り出す音よりも、物を叩いて音を出す方が言葉の始まりとして先のように描いていたと感じましたがそれは違うだろうと思いました。
アゴラも春風舎もパフォーマンス上演中、春風舎のパフォーマンスよりは良かったです。
満足度★★★
そもそももあり
ちょっとチャチっぽかったところもあり
ネタバレBOX
談合疑惑の通報を受けて、県の部長が当該企業を懲らしめようと考えたことから各人の思惑が絡んで起こった事象を描いた話。
ステージが大きくて、しかも響いて、役者さんの生声が聞こえませんでした。
推測も含め、原作を限られた予算で舞台化する苦労は察しますが、影絵の人物がチャチで、声もわざとらしく、全体を安っぽくしてしまいました。
原作については、海外の美術館に行けなくなったら絵を買ってしまえばいいじゃんという発想は面白いと思いましたが、そもそもなところで疑問を抱きました。
誰が落札上限価格を漏らしたのかは不明なままでした。私が管理者なら、金額欄が空欄で会社印を押した入札用紙を必要ないときに社員に持ち歩かせることはしません。必要の都度押印します。せめて通し番号を振って発行簿で管理します。騒動に乗じて金銭を要求した公務員が業者と誰に見られるかもしれない街中を歩くことも考えられません。
満足度★★★
退屈
意味不明
ネタバレBOX
水にまつわる親子の記憶の話。
パフォーマンスが退屈でこんな状態が延々と続くのかと集中が途切れた間に長女が池に浮かんでいて、助けたのは父親でいいんだっけ、小さな池とボートのオールがピンと来ず、大人になって思い出した長女の記憶は正しいのだろうかなど、藪の中のような感覚を覚えたところだけが救いでした。
満足度★★★★
ああ
無常
ネタバレBOX
防御に有利な閉鎖的な個室キャバクラに立てこもり、檄を飛ばし、最後は集団自決した学生たちの話。
意味不明で暴力的なところがこの劇団らしいところでした。
政府を信じている過激派というのが不思議でしたが、三島の盾の会のようなものかと考えながら観ていました。レミゼをモチーフにしてとのことでしたが、青と赤はレミゼ的、登場はしませんでしたがコゼットという源氏名のキャバ嬢の存在や警察関係者の存在でああそうなのか、集団自決でああ無常、屍が立体的に配置されればもっとレミゼだったのかなと思いました。
そして、初日で良かったと思ったこと、声がかれて出なくなりそうな人がいたこと。
満足度★★★
見えづらいし
尺伸ばしだし
ネタバレBOX
妊娠に絡む話。
ですが、最後のエピソードをやりたかっただけで、妊娠に絡む文芸作品の朗読などは単なる尺伸ばしのように思いました。
お母さんが羊水検査を知らないのは不自然でした。妊娠した女性が売り言葉に買い言葉のような、ダチョウ倶楽部のどうぞどうぞに引っ掛かったような形でダウン症の恐れのある赤ちゃんを産む決心をしましたが、ウエイトレスの作戦だったのかもしれません。
小芝居ではありましたが、男女のぐだぐだ関係で、これは始発だーは面白かったです。
大相撲だって土俵の柱を無くしたくらいなのに、あの柱は何なのでしょう。見えづらいだけでした。
満足度★★★★★
自由
どんどんやってちょうだいって感じでした。
ネタバレBOX
日本國を中心にした世界地図でアメリカに似た名前の国も含めて日本から東が東軍、アジア大陸辺りが西軍という前提があり、東西で戦争が勃発し日本國は東軍に加担。西軍が生物兵器ウイルスを使ったものの、日本の研究所が開発したワクチンによってヴァンパイアとなり生き残ったわずかな日本兵の活躍で結局は世界は生き神である天皇が統治する日本が支配することになります。しかし、今度は人間対ヴァンパイアの争いが起こり、天皇も殺されヴァンパイアの方が優勢な気配ですが、代謝の激しいヴァンパイアは短命で、あまり明るい未来はなさそうな話でした。
旭日旗を振り回し、天皇を生き神扱いして、ホント大丈夫かなと思っていたら天皇を殺してしまい、何でもありのやりたい放題の設定でした。
殺陣のシーンは迫力ありました。血のりも有効でした。
別に右翼でもない、これが彼らのファッションなのでしょう。これからも自由にエンタメ演劇をやってちょうだいというところでした。
満足度★★★
こんだけ
気が抜けたんですね。
ネタバレBOX
大好きな母ですが、自宅での母の介護に疲れたためか、倒れているのに救急車を呼ばないなどの無反応な症状に陥り母を死なせてしまった青年が、喪失感と罪悪感から自殺した前後の家族や周囲の話。に、出奔していた父が帰ってきた話。
お世話しているという緊張感がなくなると気が抜け呆けたような状態になりがちです。それに罪悪感も加わって、しかもあの家族じゃ経済的バッファもなさそうだし、生きるのも大変です。
満足度★★★★★
重厚
才能のある人は素晴らしいです。
ネタバレBOX
プーチンが大統領になろうとする頃、1999年のサンクトペテルブルクのアパートに、祖国を捨てた詩人である父親の遺品を持った米国在住の人物が娘の許を訪ねてくるところから始まる父娘それぞれの思いが交錯する話。
追放の原因がユダヤ人であることと詩人であること、亡命することを家族に伝えたら家族は一生監視下に置かれると言われたため何も言わずに去ったこと、重たい内容でした。1999年はチェチェン紛争があった時期でもあり、同じくチェチェンを捨てた女性の気持ちや、娘と娘の義理の娘との関係にも相通じるものがあり、重層的であり、着想から実際の演劇に仕上げる能力はさすがだと感服しました。
マンハッタンの街を車で運河沿いに海まで走らせることが、水脈を通じてサンクトペテルブルクの運河沿いのアパートにまで繋がると考えると切ないです。海と運河の光景が目に浮かびました。
以前は目がぎょろっとした印象がありましたが今はそれが無くなった半海一晃さんの枯れた風貌が素敵でした。
それにしても、芸術的才能を有する人が本当に羨ましいです。著作権という形で娘に残せるのですから。
満足度★★★★
良かったー
プロデューサーのハァが良かったです。
ネタバレBOX
良かったー、王道でというのが素直な感想です。これ自体がネタバレになるのでここに書きました。
犯人役の俳優が部屋で死んでいたにも拘わらず、癌を宣告され後がないプロデューサーが脚本を変えさせたりしながら撮影を強行しようとすることで起こるドタバタ劇。
アジアで活躍し、日本でも今人気の日本人俳優を皮肉った話。海外での事件の捜査でしたか、なるほど、幽霊役が二人いた訳です。
誰も死なない王道ではありましたが、スポンサーである製薬会社のバカ息子が独断で仮死状態にできる薬を開発したというのはあまりにもあり得ないこと、癌が人違いだったというのは逆にありがち過ぎでした。
阿達由香さんは若手プロデューサー役を演じるまでになりそれ自体は喜ばしいことですが、結果きゃぴきゃぴ感のある若手女優の存在感が感じられなかったのは残念でした。
満足度★★★★★
実に
ちょっと面白い!
ネタバレBOX
12歳のときは天才子役、30歳の今は過去の栄光に囚われているだけのぐうたら男ワラビが、過去の仲間とひょんなことから関わってきた天才変態博士の力によって前向きに生きようと立ち直る話。
当日パンフレットに1998年と2016年の配役が書かれていたので、タイムマシーンを使ってぐうたら男が現在も俳優として、あるいはコメディ作家として活躍するという風に進むのかと思って観ていましたがそうではありませんでした。
脳内の過去の記憶に働きかける話でした。そして、夢が叶わなくてもそれを受け入れて、過去に縛られることなく、どんな生き方でもいいからとにかく前を向いていてほしいというメッセージが込められていました。甘っちょろいものを予想していて恥ずかしくなりました。
そして、ここにもまた30歳問題があり、重たい現実に心が痛みます。
シーン60の凄まじい繰り返しは大人のサクラちゃんじゃなくても正直疲れますが、立ち位置、首の振り方など何度見ても同じで、演出家の無茶振りに耐えた役者さんたちの苦労は並大抵ではないなと思うと本当に頭が下がりました。
ところで、もし天才変態博士が変態でなかったらサクラちゃんは博士の方になびいていたかもしれませんね。変態で良かったです。
鈴木アメリさんは忙しかったのでしょうか、出演されていなくて残念でした。
満足度★★★★★
まあ凄い
ナカゴーらしいインパクトのあるお芝居でした。
ネタバレBOX
片腕を切り落とすともう一方の腕の能力が上がると信じたとんかつ和幸の店長が従業員やバイトの腕を切り落とすというドタバタ惨劇から、噂を聞いた新宿さぼてんや肉の万世の経営者もその手法を参考にしようと近づき、騒動に巻き込まれるドタバタ劇。
友情改めとんかつ戦争と前説で言っていましたが、店長から友人の腕を取り戻したのですから別に題名に嘘はなく、かえってそういう話かと思って観てしまい、意外性を損なうことにもなりました。前説のあの一言は言わなくても良かったのではないかと思いました。
それにしても、腕が飛び、血が流れるナカゴーらしいお芝居でした。
一方向をいっぽうこうと言っていませんでしたか。
満足度★★★★★
負のスパイラル
さも凄まじきものでした。
ネタバレBOX
母親の再婚が原因か、セックス依存症の女、離婚で母親が去ったことが原因か、眠り病に罹り現実と妄想の区別がつかない女、母親と死別したことが原因か、苦労することに喜びを感じていたものの耐えられなくなり過食症になった女、心を病んだ三人の女の出会いやそれぞれの家族との日々を描いた話。
負のスパイラルの進行が凄まじく、見入ってしまいました。
過食症の女のラストシーンでは少し光明が見えたのかと思いましたがそうではなく、むしろ悪化したとの弟の分析に空恐ろしくなりました。
昼ドラのようでした。
満足度★★★
セクハラ演劇、パワハラ演劇
演出家のセクハラ、パワハラには腹が立ちました。
ネタバレBOX
5歳の男の子が亡くなった交通事故の加害者、被害者家族、事故現場付近の住人の気持ち、思惑がぶつかり合う話。
花を供えている人を自宅に引き入れるというスタートは少し不自然に思いましたが、過失致死を起こした人のその後が気になるので話の進行を注視していました。花を供えることが死亡事故現場という印象を与え続けマンション価値に影響することなどは慰安婦像問題を思い起こさせます。罪のない傍観者はいないなども原発事故を想起させ心に響きました。
しかし、加害者の非よりも男の子の不注意の方が大きかったことが分かっていたのに、被害者の母親の上目目線的パワハラや、弱みに付け込んだ被害者の父親の性的暴行などのセクハラが行われていたのは許しがたいことでした。ただ、ここまではお芝居の内容としてのセクハラ、パワハラですから仕方ありません。
それが、加害者の女性に舞台上で生着替えをさせる演出を見たときには、演出家によるセクハラ、パワハラを強く感じて腹立たしくなりました。家の奥さんが「どうぞこちらで」と言ったように、いったんはけて着替えて出てくれば良いのです。何も舞台上で下着姿にすることはありません。
様々な気持ちがぶつかり合う興味深い内容だっただけに、自らぶっ潰した作演の責任は重いと思います。
満足度★★★★
逆に、
もう少し早かったら歯舞読めない問題は無かったかもですね。
ネタバレBOX
太平洋戦争がもう少し続いていたらという前提に立って、東西に分断された日本における所謂自由主義側の市民生活をノンフィクション風に描いた話。
様々な恋愛事情や国境警備に向かう志願兵の話などはその世界らしいと思いましたが、ノンフィクション風ですからで別に何が起こっても良いとはいうものの、脳へのモノポリーめいた手術を施す医者の話は少し異質でした。
ただ、昨年末に劇団チョコレートケーキの『ライン(国境)の向こう』を観たばかりだったので、申し訳ないのですが全体として新鮮味は感じませんでした。
満足度★★★★★
ほのぼの温かい
アナログスイッチらしい爽やかさに溢れていました。
ネタバレBOX
世代を重ねてきた勇者たちが200年振りかでラスボスの城を発見したことによって戦わざるを得なくなった勇者側とラスボス側の人たちの、複雑な思いを描いた話。
恐怖心、恐怖心から来るズル心に加え、泣いても笑ってもこれでお終いという寂しさ、切なさがあり、さらには爽やかな恋愛感情、健康的なお色気に溢れ、とっても楽しかったです。
シーン毎に親密度が増すなど素敵でした。
満足度★★★★
切ない
星が綺麗でした。
ネタバレBOX
7人の記憶・思考能力がそれぞれコピーされた7機の小さな衛星が、宇宙生命を求めて旅を続けている様子を描いた話。
ロケットに人間が乗っているのではなく、衛星それぞれが人間ダッシュだったのが斬新でした。
まだ数年ですから本人は地球にいますが、本人が亡くなった後もダッシュは若い頃の思考回路のまま生き続けていると考えると切なくなります。遠い親戚からの連絡を受けることになるのも嫌ですね。