対岸の永遠 公演情報 てがみ座「対岸の永遠」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    重厚
    才能のある人は素晴らしいです。

    ネタバレBOX

    プーチンが大統領になろうとする頃、1999年のサンクトペテルブルクのアパートに、祖国を捨てた詩人である父親の遺品を持った米国在住の人物が娘の許を訪ねてくるところから始まる父娘それぞれの思いが交錯する話。

    追放の原因がユダヤ人であることと詩人であること、亡命することを家族に伝えたら家族は一生監視下に置かれると言われたため何も言わずに去ったこと、重たい内容でした。1999年はチェチェン紛争があった時期でもあり、同じくチェチェンを捨てた女性の気持ちや、娘と娘の義理の娘との関係にも相通じるものがあり、重層的であり、着想から実際の演劇に仕上げる能力はさすがだと感服しました。

    マンハッタンの街を車で運河沿いに海まで走らせることが、水脈を通じてサンクトペテルブルクの運河沿いのアパートにまで繋がると考えると切ないです。海と運河の光景が目に浮かびました。

    以前は目がぎょろっとした印象がありましたが今はそれが無くなった半海一晃さんの枯れた風貌が素敵でした。

    それにしても、芸術的才能を有する人が本当に羨ましいです。著作権という形で娘に残せるのですから。

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    2016/03/11 15:56

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