NINAGAWAマクベス
ホリプロ
Bunkamuraシアターコクーン(東京都)
2015/09/07 (月) ~ 2015/10/03 (土)公演終了
満足度★★★★
度肝抜かれる演出
17年ぶりの再演。前に見た人ならそうは思わないかもしれないが、私は初めて見たので、まず、その演出に度肝を抜枯れた。開幕前にどーんと鎮座する巨大な仏壇に圧倒され、2人の老女がその仏壇の扉を開いて開演となる。海外でやった時はものすごい反響だろうな、と想像される。
マクベスは市村正親、妻は田中裕子。さすがにこの2人の演技力は抜群で、柳楽優弥ら若い俳優をたちをぐんぐん引っ張っている。前回は北大路欣也と栗原小巻だったとか。このペアでのNINAGAWAマクベスも見てみたいものだ。
シェークスピアの悲劇を日本風にするとこうなるのか、という意味でも初演時はきっとエポックメーキングだったと思われる。シェークスピア劇は今でも各劇団が演じているが、そのまま輸入して演じるのでなく、日本人が作るとこうなるんだ、と堂々と演出家である自分の名前を冠して世に問うた、蜷川幸雄さんには拍手を送りたい。
その頬、熱線に焼かれ
On7
こまばアゴラ劇場(東京都)
2015/09/10 (木) ~ 2015/09/20 (日)公演終了
満足度★★★★★
古川健 見事な脚本
オンナナ(On7)は、青年座や文学座などの若手女優が集まった7人のユニット。この夏は、劇団チョコレートケーキの劇作家・古川健さんに脚本を依頼した。歴史的な事件を題材にした社会派舞台が持ち味の古川さん。今回、テーマとしたのは広島の原爆で顔などにケロイドの傷を負い、その治療のために渡米した若い女性たち、いわゆる「原爆乙女」である。
原爆乙女、と呼ばれるのは嫌だった、と劇中でも出てくるので、この呼び名はこれまでにしよう。被爆70年のこの夏、薄れつつある戦争の記憶をとどめるという意義だけでなく、彼女たちの胸の内をストレートに戯曲化した見事な脚本だった。オンナナの公演は今日が最後だが、これで終わりにしてしまうのはあまりにも惜しい。全国各地でやってほしい公演だ。
舞台には7人の女優しか登場しない。米国に渡り、治療に臨む7人の女性が、被爆時の悲惨な記憶、かろうじて生をつないだ終戦直後に待っていたひどい侮蔑。そして、選ばれて治療を受ける身となったことによる苦悩を次々に語る群像劇。青春を生きて、恋をし、結婚して子どもを育てる。当たり前にできたであろうことを遠い夢として封印を強いられた人生を、客席はまんじりともせず見つめることになる。
客席を舞台の両側に配した小劇場で、舞台転換もなく、女優たちの演技力、会話力だけで最後までいく圧巻の舞台。戦争も原爆も経験したことのない若手たちにより、迫力の会話劇が進行する。オンナナの女優たちが、ありったけの力を出して演じた。この脚本・演出に見事に応えて見せた7人にも、拍手をおくりたい。
天邪鬼
柿喰う客
本多劇場(東京都)
2015/09/16 (水) ~ 2015/09/23 (水)公演終了
満足度★★★
「演劇」が凶器に?
中屋敷法仁さんの脚本には注目していた。演劇は想像の世界に遊ぶこともできるファンタジックなものなのだが、子どもの戦争ごっこが実際に戦争に使われ、子どもが戦闘員に差し向けられるとは。いやあ、その空想と現実の融合にまずは、脱帽です。
劇場を出た後、「ああ、もう少し舞台の世界にいられたらな」という場合と、「ああ、これが現実でなくてよかった」と現実世界に安心する場合とがある。今回は、「あれは芝居でよかった」と思いながら下北沢駅の改札をくぐり、いつもの電車に安心感さえ感じてしまったのである。
舞台上はとてもシンプル。役者の演技力を真正面にぶつけて勝負するという感じだ。出演者たちは実力派揃いで、せりふも明瞭、テンポもいい。
だが、せりふの進行がとにかく速すぎてついていくのがやっとという場面や、説明調の部分もあって気がそがれたのが残念だった。
ギャグの「不発弾」も気になった。
人魚姫
Project Nyx
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2015/09/18 (金) ~ 2015/09/27 (日)公演終了
満足度★★★★★
五感を刺激する寺山ワールド
寺山修司の世界観を、女性だけの舞台で生演奏に合唱、甘美で妖艶な舞台で彩って見せた力作。寺山の盟友、宇野亜喜良が人形デザインから美術までを担当し、五感をたっぷり刺激する「美女音楽劇」が楽しめる。
新進気鋭の演出家・藤田俊太郎の仕事が秀逸だ。観客席をも海の底のファンタジーの世界に誘う仕掛け、ストーリーテラーとしてのバイオリンとアコーディオン。音楽劇と銘打っただけあり、コンサートで聴くような女性コーラスがこの上ない快さをもたらす。青野紗穂の澄んだ声に耳を、悠未ひろの長い足に目を奪われる。有栖川ソワレが舞台を泳ぐ(お魚の役なので、本当に泳いでいるような演技)のも見逃せない。
悲恋の物語をこれほどまでにファンタジックに見せてくれるとは。
「なみだは人間が自分でつくる、世界でいちばん小さい海のことだよ」
その涙がとても、美しい。
あの子はだあれ、だれでしょね
文学座
文学座アトリエ(東京都)
2015/09/16 (水) ~ 2015/09/30 (水)公演終了
満足度★★★
とても怖い舞台
別役実フェスティバル参加作品、初日に拝見した。
「尼崎連続変死事件より」というサブタイトルがついている。この事件を少しでも知っている人は、この舞台の怖さがさらに深まって襲ってくるという仕掛けである。
内裏びなの首がなく、ひしゃくが差してある。まあ、この舞台装置からして不気味なのだが、「それはそうと、そこに婆さん一人、が死んでいる」というせりふの直後に暗転するなど、別役さんの不条理劇というより、ある意味、ホラーなのである。
それを、百戦錬磨の舞台俳優さんたちが真剣勝負で演じるのだから、相当な迫力だ。
客席は静まりかえり、降り始めた強い雨が文学座アトリエをたたくのが聞こえてきた。
國語元年
こまつ座
紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)
2015/09/01 (火) ~ 2015/09/23 (水)公演終了
満足度★★★★
工夫を凝らした演出
井上ひさしのこの作品はあちこちで取り上げられ、かなり知名度が高い。栗山民也演出のこの舞台は、見ている人たちを飽きさせない、工夫を凝らした作品で、何回見ても楽しめる。
南郷清之輔を演じる八嶋智人だけでなく、多彩な方言を使ってでてくる人たちの個性が存分に発揮され、そういう意味での群像劇である。見ていて飽きないのは、そういう台本になっているからだとも言える。
井上ひさしが訴えてきた言葉の大切さ。例えば、政治家の言葉が今ほど軽く扱われているというか、軽い発言ばかりで自ら言葉を毀損している、そのような世の中だからこそ、國語元年を見直したいのである。
はるなつあきふゆ
劇団銅鑼
銅鑼アトリエ(東京都)
2015/09/07 (月) ~ 2015/09/13 (日)公演終了
満足度★★★★
モロさんできゅっと引き締まった
別役実フェスティバル参加作品。別役の不条理劇を余すところなく楽しめます。
家族として生活しているのだが、まったく違う感覚ですれ違っていく。季節を追うごとに家族があえて一緒に何かをするという姿に、笑いもちりばめられているのに、何かもの悲しさを感じてしまう。それはまるで、季節の移ろいに感じる何とも言えない悲しさのように。
1993年に木山事務所が初演してから20年以上たつが、この劇で描かれている家族の姿は、当時よりも今の方が実感として多くあるのかもしれない。劇団銅鑼は家族の肖像を演じるのはお手のものだが、モロ師岡さんが客演してぴしっと引き締まった感じがする。
銅鑼は今年3月、青木豪作の「父との旅」を一幕物で上演した。この作品を見て、今回もとても期待して見に行った。「引き締まった」というのは、前作と比べての印象です。
真珠の首飾り
秋田雨雀・土方与志記念 青年劇場
紀伊國屋ホール(東京都)
2015/09/11 (金) ~ 2015/09/20 (日)公演終了
満足度★★★
憲法に込めた、情熱を知る
日本国憲法の草案を作ったGHQ民政局のベアテ・シロタのことはよく知られている。草案を作ったメンバーらがいかに情熱を傾けて作業をしたかを、ベアテを主人公に描いている。
青年劇場は1998年の初演後も、何度も上演してきた。今回は、国会で安全保障関連法案が審議されているというタイミング。場合によっては自衛隊員が外国で戦争に加わるかもしれないという法案だけに、演劇界でも力が入っているのだ。
語り手として、89歳となり今に生きるベアテ・シロタ・ゴードンを置き、45年当時のベアテに今回が初舞台の新人、高木アヤ乃を抜擢。彼女の堂々たる舞台は、注目に値すると思う。特に、第一幕の最後のシーンには、思わずもらい泣きしてしまう迫力があった。
国家として戦争を放棄するという宣言をしたインパクトは大きかった。また、ベアテが日本在住での経験を基にして作り上げた「女性の人権」に関する条項は、画期的だった。憲法に込めた、メンバーたちの情熱を舞台は余すところなく伝えている。
それで十分であるのだが、今回は締めくくりに、この70年間日本が戦争に参加せず、一人も殺さず、一人も殺されなかったのはこの憲法があったからだと現在のベアテがとうとうと語る。人によっては、この部分で舞台観劇の熱が冷めてしまったかもしれない。上演する側としては、今なぜこれをやるのかとアピールしたかったかもしれないが、ある意味、言わずもがなである。個人的には、なくてもよかったような気がする。
後日談をやるのであれば、朝鮮戦争が起きる中で、米国が日本に対して、憲法の条文に手をつけずに警察予備隊(自衛隊)を作らせたことも含めた方がよかったのではないか。事実上の軍隊を「自衛隊」として軍隊ではないから憲法9条に違反しない、という論理は、「軍事を使ってでも積極的に守る」のが「平和」だと言い張っている今の政権のやり口とまったく同じなのだから。
それでも、憲法の成り立ちに疎い、特に若い人にはお勧めしたい。「平和」は努力しないと守られないということを知るためにも。
ミュージカル李香蘭
劇団四季
四季劇場 [秋](東京都)
2013/09/08 (日) ~ 2013/09/29 (日)公演終了
満足度★★★
もっと李香蘭を見たい!
2015年版を拝見。最後は度重なるカーテンコール、スタンディングオベーション。歌も踊りも完成度の高い舞台だけに、むべなるかな、である。
日中戦争で人生を引き裂かれ、数奇な運命をたどった李香蘭。その人生を描いてはいるのだが、満州国の樹立から終戦まで歴史を丁寧になぞるような舞台は、主役の李香蘭をかすませてしまっていると言えるかもしれない。ある程度は仕方のない説明なのかもしれないが、李香蘭が出演した映画の中身をもう少し再現したり、波乱の人生をもう少し見たいという気もした。
さらに、「月月火水木金金」など、当時の軍歌などをふんだんに舞台で使うなど、音楽で世相や当時の空気、歴史的な事実などをミュージカルらしく解説しているが、軍歌よりも、戦後70年たって、知る人が少なくなってきているだろう李香蘭の歌を、もっと聞きたかった。もちろん、蘇州夜曲や夜来香は披露してもらったのだが。
とは言え、日中関係が冷え込んでいる今、これを世代を超えて受け継いで鑑賞することは、とても大切だ。お客さんは比較的高齢の方が多かったのが少し残念。「ライオンキング」「リトル・マーメイド」もいいが、このミュージカルも一度は見ておきたい。
ホーボーズ・ソング HOBO'S SONG〜スナフキンの手紙Neo〜
虚構の劇団
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2015/08/25 (火) ~ 2015/09/06 (日)公演終了
満足度★★★★
快感にくるまれた冷や汗
冒頭のビーチのシーンに、まずは引き込まれる。これから何が展開するかという派手なワクワク感だが、終わってみると、ある意味、これが今のところ「平和」な現在だと引き戻されるという感じか。
日本を2分する内戦が起きて恋人が引き裂かれるという深刻な物語。記者会見で軍の高官が「それは秘密保護法に抵触するので申し上げられない」と答えたり、「悠久の大河に生きる」という趣旨の、先の戦争で国に殉じた人たちの言葉が真顔で語られたり、今の時代では相当現実感をもって迫ってくる場面が次々に登場する。これが現実になるかも、近い将来なるだろう、という冷や汗を舞台は否応なく突きつける。
だが、その冷や汗は軽妙なタッチと「快感」によってパクッと包まれる。冒頭のビーチが今のところはちゃんと現実なんだ、と冷や汗が遠のいていくのだ。
鴻上尚史さんの3年ぶりの新作。さすがだな、と感じ入る。
余計なことですが。
佃井皆美だけでない、若手女優さんたちの手足の長さに目を見張る舞台でもあった。
転校生
パルコ・プロデュース
Zeppブルーシアター六本木(東京都)
2015/08/22 (土) ~ 2015/09/06 (日)公演終了
満足度★★★
新感覚の舞台
女子高校生たちの他愛ない会話が同時進行で繰り広げられる。さらに、その舞台をリアルタイムに撮影した映像が効果的に使用される。舞台の楽屋を思わせるセットを背面に置き、女優たちが舞台と「楽屋」を往復する様子も観客に見せる。舞台で進む複数の会話を同時に見せるのは平田オリザの「技術」である。それを本広克行のテイストで味付けられた舞台は、これまでの演劇とは違う、新感覚の戯曲と言える。
会話劇なのだが、丁寧に会話を追っているとたぶん、相当疲れる。台本が背後に投影されるという、これもかなり新しいテイストだが、おそらく作・演出側は台本を目で追わせるということは狙っていないだろう。高校生たちの学校生活の一場面をリアルに見せる、仕掛けであると思う。
これらを受け入れて楽しめるか、どうか。もう一つ、ももクロファンであるかどうか。これが、「転校生」を心から楽しめるかどうかの一つの鍵になるかも。
ここに登場した女優たちが、次世代の演劇文化を楽しく支えていってほしいと、おじさんは思うのだ。
ただ一つ、言っておかねばならないと思う。(おじさんの繰り言)
女優は、観客より先に感極まって泣いてはいけないよ。あ、でも、これも舞台や女優に感情移入できるお客さんであれば、たまらないポイントにもなる。
ともあれ、演劇にタブーはあってはならない。「転校生」をいろんな角度から楽しみたい。
滝沢家の内乱
加藤健一事務所
本多劇場(東京都)
2015/08/26 (水) ~ 2015/08/30 (日)公演終了
満足度★★★
加藤忍さんの妖艶さ
ご存知、南総里見八犬伝の滝沢馬琴の物語。馬琴の息子の嫁役、加藤忍さんがいい味を出している。若き後家さんの色気というか、その妖艶さがいい。カトケン事務所らしい爆笑シーンは少ないが、しっとりと味わえる舞台。
加藤忍さんは、近く下北沢で一人芝居の舞台に臨むとか。楽しみだ。
バートルビーズ
燐光群
ザ・スズナリ(東京都)
2015/08/24 (月) ~ 2015/09/09 (水)公演終了
満足度★★★★
フクシマを投影する衝撃
坂手洋二さんのことだから、NYウオール街の代書人の話をどう今の日本に引っ張ってくるか、その驚きを味わおうとスズナリへ行った。劇場を出たときの衝撃度は、想像を超えていた。バートルビー的人間はあちこちにいるんだろうが、福島第一原発事故の被災地でこれを目撃するなんて。
I would prefer not to. できれば私、そうしないほうがいいのですが。
この言葉が矢のように飛び交い、残像を残して重なっていく。ラストシーンの衝撃度もかなりのものだ。特に、原発事故後にフクシマに行き、被災地の現状を見た人には、特に胸に突き刺さるだろう。
人民の敵
オフィスコットーネ
吉祥寺シアター(東京都)
2015/08/21 (金) ~ 2015/09/02 (水)公演終了
満足度★★★★
思考停止する怖さ
イプセンがこれを書いた時代と現代日本は、恐ろしいほど共通点がある。だから、この戯曲は今見るととても怖い。「世論」は流され、作られ、道を誤ることがある。そんな世の中で強く生きていくとはどういうことなのか。この舞台では、最後のセリフにそれが象徴されるのだが、3時間の上演の間、お客さんはプロレスリングのような正方形のステージで繰り広げられる物語のこの問題を考えることになる。
問題をなかったことにして隠し、平穏な毎日を続ける。それは原発政策であり、安全保障の問題にも通じるかもしれない。問題を公表すれば職を失う、仲間はずれにされる。。。「まあ、そう事を荒立てずに」という会話は、日常生活でもよくある。思考停止する怖さを、吉祥寺へ感じに行こう。
気づかいルーシー
東京芸術劇場
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2015/08/22 (土) ~ 2015/08/31 (月)公演終了
満足度★★★★
チャーミングなルーシー
ちょっとネタバレですが。
皮をはいじゃったりしてちょっと怖いんだけど、ルーシーはとてもチャーミング。深夜番組で活躍中の岸井ゆきのちゃんだからだ。ショートカットのかわいい髪型と水玉の衣装。くるくる回る大きな瞳、無駄のない軽快な動作……。彼女の魅力が全開の舞台で、注目女優のはつらつとした息遣いに幸せな気分になる。そういう楽しみ方もあります。
演出はノゾエ征爾さんだけあって、ジェンガあり影絵ありで飽きさせない。演奏は生で進行。音楽の人もしっかり舞台の一員となっている。
1時間半とコンパクトな構成なので、子ども連れでも楽しめます。最後にみんなで踊れます。開幕前に練習タイムもあるからご安心を。
マクベス - Paint it, Black!
流山児★事務所
座・高円寺1(東京都)
2015/08/14 (金) ~ 2015/08/23 (日)公演終了
満足度★★★
ライブ感が楽しめます
シェークスピアの四大悲劇の一つ「マクベス」は、日本でもさまざまな形で上演されてきた。流山児★事務所では、初めての海外公演を成し遂げた記念碑的代表作という。
今回の「流山児マクベス」、音楽を「見せるライブ」で行い、歌や踊りも見せ場の一つ。現代社会に物を申しながら、暴君が滅びていくさまを派手なパフォーマンスを交えて群像劇ふうに描いてみせている。
引き込まれる舞台ではあるが、若干、難解な部分もある。
ライオンキング【東京】【2023年1月22日昼公演中止】
劇団四季
四季劇場 [春](東京都)
2000/01/01 (土) ~ 2016/05/28 (土)公演終了
満足度★★★★
動物の動きがすばらしい
国内上演10000回のこの名作。お客を楽しませることに力点を置いた俳優の歌やパフォーマンス以外で注目すべき点は、動物たちの動きでしょうか。キリンやシマウマなど、動物たちの豊かな表情、動きを研究し尽くした舞台美術。そして、それを実現する舞台俳優たち。鍛え抜かれた演出はこういうところも取りこぼしがない。
サウンド・オブ・ミュージック
劇団四季
四季劇場 [秋](東京都)
2013/01/16 (水) ~ 2013/05/06 (月)公演終了
満足度★★★★
子どもたちがすごい!
この名作を映画でなく舞台で見るなら、注目はやはり、7人の子どもたちの歌や演技だ。歌や踊りが素人の目から見ると、もう、この子たちは天才ではないか、特に末娘役はまだ7歳!なのだが、そこはやはり、劇団四季の舞台。完成度の高さは期待を外さない。
四季劇場「秋」で今日が初日。2010年が四季の初演で、東京では今回が2年ぶり。
おどるマンガ『鳥獣戯画(ちょうじゅうぎが) 』
世田谷パブリックシアター
シアタートラム(東京都)
2015/08/05 (水) ~ 2015/08/09 (日)公演終了
満足度★★★★★
絶対楽しめます
片桐はいりが、小学校の先生役で登場。鳥や動物が歌い、踊り、子どもの頃に夢に見たような世界に連れて行く。客席の子どもも巻き込んで作り上げる仕掛け。CGを効果的に使って見せる軽妙な舞台装置がいい。
大人も子どもも一緒に笑える、楽しめる。スッキリ笑える、損しない舞台です。
時をかける少女
演劇集団キャラメルボックス
サンシャイン劇場(東京都)
2015/07/28 (火) ~ 2015/08/09 (日)公演終了
満足度★★★★
高い完成度、親しみやすい舞台
昭和に青春を送った世代には、「時をかける少女」と言えば、大林宣彦監督、原田知世主演の映画である。キャラメルボックスは動員力のある劇団だけあって、原田知世の名作を知る人も知らない人も、十分楽しめる舞台だ。劇団最年少?で主演を射止めた木村玲衣は原田知世よりずっとかわいいし、映像なら迫力を持って表現できるであろうタイムリープを、生の舞台で非常にうまく俳優たちがこなしている。32年後の話として過去と現在がうまく交錯しているところは脚本の魅力で、完成度は高いと思う。
笑いのツボを押さえ、軽快なテンポ。客席が親しみを持てる演技はこの劇団のいいところ。木村玲衣は長大なセリフに果敢に挑戦していたが、迫力という点ではまだまだこれからだろうか。