満足度★★★
人気者がそろったが
わずか4日間の公演。千秋楽では、主演の矢崎広らが舞台挨拶をし、会場はスタンディングオベーションだった。
マキノノゾミが14年前に書いた、終戦からしばらくしての東京・新宿が舞台。だまし、だまされという展開がテンポ良く演じられ、飽きずに舞台に見入ることができる。
ただ、昭和30年前後の猥雑さと言うか、時代の空気が見せきれていないのが惜しい。今風の若い俳優さんたちを使っているからだとも言えるが、若いからといって時代の空気感を出せないはずがない。どこか、さわやかで、清潔感すら漂う舞台であるのは、若い女性客が中心の観客席にそういう形で見せようとしたのかもしれないが、違和感を感じる。矢崎演じる詐欺師たちや、売春防止法施行で職を失う女たちを、もっとリアルに見せてほしかった。