ミュージカル『パッション』 公演情報 新国立劇場「ミュージカル『パッション』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    至上の愛に泣けるか
    ミュージカル界のプリンス井上芳雄の登場に、女性客で埋め尽くされた新国立劇場。すべて与えるだけの無償の愛を知ることになる主人公の兵士ジョルジオを演じた、井上の熱演に最後はスタオベだ。さて、あなたはこの至上の愛に涙することができるか。

    ジョルジオに一目惚れをするフォスカは不治の病に冒されている。それでも執拗に追いかける姿ははっきり言ってストーカーだ。ジョルジオは、フォスカが上官のいとこゆえ、むげにもできず困り果てているが、常軌を逸するストーカー行為はどう見ても迷惑千万。さらに、「私なんか死んだ方がいいと思っているんでしょう」と言うフォスカは、その迷惑行為を自覚している。

    だが、ある瞬間から、その形勢は逆転する。ジョルジオが「無償の愛」に気付くからだが、これに心を動かされるかどうかで、この物語へのめり込めるかどうかが決まるのではないか。

    個人的には、フォスカを演じたシルビア・クラブが歌唱よりも演技で舞台を席巻したと思う。宮田慶子演出で大きな期待があったが、その演出も評価が分かれるところかもしれない。ツボにはまった人は、至上のミュージカルとなろう。

    ネタバレBOX

    ジョルジオが当初から熱愛していたクララには妻子がいて、つまり不倫関係だということで、どっちもどっち、と感じる向きがあるかも。舞台では、不倫関係にあるということが途中で分かる。有名な物語だから筋を知っている人も多いだろうから問題はないかもしれないが、この時点ですっと我に返るお客さんもあるではと思った。

    だから、本当に評価は分かれる。「パッション」すなわち熱情というタイトルにすら。

    それにしてもやはり。女性は現実的なのか。至上の愛に目覚めて人生を変えてしまうのは男なのか。

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    2015/10/17 22:49

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