タッキーの観てきた!クチコミ一覧

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"The Beginning" Season2

"The Beginning" Season2

Knoq Eu down

パフォーミングギャラリー&カフェ『絵空箱』(東京都)

2014/07/18 (金) ~ 2014/07/19 (土)公演終了

満足度★★★

本公演に向け…
前向きな姿勢を崩さないでほしい。
第二次世界大戦を引き合いに出して“反戦”を表現したようだが、上演時間が40分程度で短く描き切れていない。当初から短時間公演であれば脚本・演出とも消化不良だと思う。
絵空箱という小空間での芝居は、舞台と客席の境界線を設けず、親近感を持たせやすい。しかし、本作は公演時間に比して、客いじりが長かったと思う。本当に演出上、必要だったのか?単に交流的なことであればないほうが…。
本公演は別に行うとの案内があった。今回は断章と受け止めた。
今後の公演に期待しております。

【全公演終了しました。ご来場頂いた皆様ありがとうございました。】こんにちわ、さようなら、またあしたけいこちゃん。

【全公演終了しました。ご来場頂いた皆様ありがとうございました。】こんにちわ、さようなら、またあしたけいこちゃん。

なかないで、毒きのこちゃん

王子スタジオ1(東京都)

2014/07/15 (火) ~ 2014/07/20 (日)公演終了

満足度★★★★

フェイント…フェイク
王子スタジオ1の壁際にパイプ椅子を並べ観劇する。さながら舞台稽古である。冒頭、脚本・演出担当の方から衝撃な発言が…。
(ネタバレBOX)

ネタバレBOX

当日の公演は準備が整わず、30分程度の稽古見学になるような発言。そして役者たちも次々に自己紹介と謝罪を繰り返す。自分も含め観客は唖然とする。タイムスケジュールが配付されるが、確かに「役者アップ」「通し稽古①」「ダメ&返し稽古」「返し稽古②」「ダメ&返し稽古?」とあり、途中休憩をはさみ終了時刻21:40とある。
この間、稽古は同じ場面の繰り返しであるが、段々とブラッシュアップしていく。休憩前まで、母親役は当の役者が遅れているため、演出助手(男性)が代役を務める。休憩後は母親役は当初予定の役者が演じる。すでにセリフも入っており、見事に演じる。
そう、全てが公演であり、劇中の「芝居稽古シーン」という設定であろう。
その稽古芝居は、母親との確執から素直になれない一人娘が、小学校時代から現在までの自分(役者7名)を回顧しながら母親への感謝を表すシーンを…。すでに母親は臨終、鬼籍となり切ないほどの思慕と悔悟シーンを稽古という形で繰り返し観せる。見事に騙されましたが、楽しかったです。
愛、あるいは哀、それは相。※無事公演終了致しました。ありがとうございました!

愛、あるいは哀、それは相。※無事公演終了致しました。ありがとうございました!

TOKYOハンバーグ

サンモールスタジオ(東京都)

2014/07/16 (水) ~ 2014/07/23 (水)公演終了

満足度★★★★★

考えなければならない
東日本大震災という重いテ-マを取り上げているが、日常生活を坦々と描くことでその現実感が出ていた。さりげない会話は、流されがちだがジャ-ナリストを登場させることで、日常会話に潜む憤りや悲哀が鮮明になる。そういう意味では、しっかりした脚本に見事な演出を施した芝居だと思う。また、役者の演技は確かであり、見事なキャスティング、そして舞台セット、音響、照明等、全てに満足しました。

ここからは、独白…地震・津波は天災とすれば、原発問題は人災であろう。しかし、観念的には被害にあった人達の苦しみは分かるが、どこか醒めているような気がしている。それだけに時間が流れると風化しそうになり怖い。再演ということだが、このテーマは都度上演してほしいと願うものである。
隠すことは優しいことではないが、考えなくなることは、無知を通り越して恐怖に繋がる。本公演を観て強く感じたことである。
今後の公演も期待しております。

トウサンの娘たち

トウサンの娘たち

花企画

シアターX(東京都)

2014/07/15 (火) ~ 2014/07/17 (木)公演終了

満足度★★★

勿体なさすぎ
最前列で観劇したが、プロンプターの声が…。
トウサン役=主人公(作・演出家本人でもある)は、体調不良なのか練習不足なのかセリフが入っていなかったようだ。特に、最後の山場のシーンまでプロンプターの助けがあった。さらにプロンプターの喋り内容とセリフが異なり、結果として何を訴えたかったのか曖昧になった。主人公は、哲学者の西田幾太郎博士をモデルにしているが、その学者としての考えが示される重要なシーンが…本当に残念である。

ネタバレBOX

ストーリーは、大正から昭和(戦時中)にかけての西田家の家族生活を中心とし、そこに出入りする門下生、編集者の交流を描いている。しかし、激動の時代に生きた学者と家族(特に娘たち)という設定に絞っているのに、家族の愛憎が浮き彫りに出来ていない。本来なら「哲学」「戦争」という重要なキーワードがあるので骨太な作品になっていたと思うが…。脚本は面白いと思うが、それを上手く演出出来ていないこと、また演じきれていないと思うと、本当に勿体なく残念でもある。
今後の公演に期待しております。
魔女たちのエチュード

魔女たちのエチュード

ライト・トラップ

パフォーミングギャラリー&カフェ『絵空箱』(東京都)

2014/07/12 (土) ~ 2014/07/13 (日)公演終了

満足度★★★

セリフの交感へ
神話の神々をモチーフにしたエチュード、その魅力は伝わった。舞台美術は質素(舞台上に2階段を設けた感じ)であるが、雰囲気は照明効果であろう、耽美的である。また、役者は同じデザイン・朱色彩の衣装を身にまとい、表面的には没個性を貫き、あくまでタイトル・テーマの”エチュード”に沿った感情表現を…好感を持った。
ただし、エチュード…それぞれがメインになった時に発するセリフと他の役者のセリフが共鳴していないような感じがした。セリフは、音声の「交換」ではなく「交感」だと思っていたので、相手への想いを伝えるという点が弱かったように感じたが…思い違いだろうか?
今後も素晴らしい公演を期待しております。

come back school

come back school

劇団東京以外

ひつじ座(東京都)

2014/07/11 (金) ~ 2014/07/13 (日)公演終了

満足度★★★

学園の怪談…
劇団東京以外が送る”アフタースクール ミステリーコメディ”との銘であるが、その雰囲気は弱い。
演出がバタついていたと思う。もう少しミステリーな雰囲気を醸し出し、ストーリーを牽引させてほしかった。序盤がモタモタしていたので、中盤・後半になるにしたがい面白くなるが時間が足りないようだ。話のオチはなんとなく想像がつくが、サスペンスホラーとコメディを融合させたような公演を期待していただけに残念である。

ネタバレBOX

昔から言い伝えられてきた文化祭前夜の不思議な出来事。学校に泊り込んで学園祭の準備をした経験があるから分かるが、殺風景な教室、肌寒さ、消灯・暗闇など不安感が生まれる。そうした状況にスルッと入ってくる恐怖をコメディタッチに描いた方が…。
本公演は、大袈裟な動作で笑いを誘っているが、その場面が多くほど、ミステリーと乖離する。
また、演技はもう少し稽古をしないと感情移入が出来ない。総じて若い役者の方なので伸びしろがあると思う。
さて、伝承元は教頭先生だという。数十年前の同級生を偲び怪談めいた話を作ったそうだ。その心情は分かるがそんなに長く言い伝えられるだろうか?
今後の公演を楽しみにしております。
Peach Boys

Peach Boys

ぱるエンタープライズ

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2014/07/09 (水) ~ 2014/07/14 (月)公演終了

満足度★★★★

殺陣が素晴らしい
ストーリーは、よくあるシチュエーションだが、”見応えのある殺陣”というのが第一印象である。
東京芸術劇場シアターウエストという広い舞台を縦横無尽に使い、切返しも一度だけではなく、二度三度と行い迫力を増す。
脚本、演出は見慣れた感じがし、新鮮味がないと思う。逆に、それだけ多く上演される手法だから手堅い公演にはなっているが…。
説明文「 これは夢か現実か・・・」へ誘う動機に深み(社会性)を持たせると、もっと印象に残る公演になったと思う。

ネタバレBOX

農業を営んでいた父が突然に亡くなる。 父は弟に「あの土地を頼む。」と言ってこの世を去った。 弟は農業を手伝ったこともなく、急な父の死にどうすればいいのか悩んでいた。姉・美紗子はそんな悩みも他人事に聞いていた。そして葬式も終わり、疲れ果てた美紗子は眠りについてしまった。 気がつくと美紗子は見たこともない場所にいた・・・。
時は幕末の文政の時代の備前の国へ…。そこには年貢とは別に農作物を収奪する悪の集団がいた。まぁ、備前(今の岡山県か)だから、桃太郎の鬼退治が想像できる。ここからは、典型的な時代劇の様相で、勧善懲悪という展開になる。タイムスリップした美紗子は桃太郎達と行動をともにするが…。さて、農民の一人が自分の先祖という奇遇、ご都合的な面もあるが、この邂逅を膨らませて、もう少し深みのある訴えができていれば、と思う。物語が表層的(セリフだけで「命」の重みは伝えきれない)にならず、印象深い公演にできていればと思うと、残念でならない。
今後の公演を楽しみにしております。
梵天ヤモリ

梵天ヤモリ

ひげ太夫

テアトルBONBON(東京都)

2014/07/08 (火) ~ 2014/07/13 (日)公演終了

満足度★★★★

身体表現の素晴らしさ
組体操が芝居を構成している。間違ってはいけない…芝居の一部に組体操が入っているのではない。例えば、フライヤーにも記載されていたが、”風”という表現は、普通であれば音響技術に頼るところだが、それを身体表現で成し得る、というもの。自分は初めて観るので珍しかった。

ネタバレBOX

物語は現代という設定であるが、何故か時代劇風(江戸時代か)に感じた。冒頭、「橋」を表現する組体操があったが、その形「太鼓橋」が、時代劇によく見かける「日本橋」をイメージしたこと、さらに役者の衣装が独特で現代を想像し難いことが挙げられる。状況設定とイメージのアンマッチがストーリーをぼやかしたと思う。公演のビジュアル面(役者のメイクも含め)は印象に残ったが、ストーリーは…どうか?
脚本と演出がマッチしていたのか疑問が残った。せっかく組体操という強力な演出手法があるので、しっかりと印象に残る脚本があればと、残念でならない。
今後も素晴らしい公演を期待しております。
誰だ?俺を世界最強なんて言う奴は

誰だ?俺を世界最強なんて言う奴は

劇団前方公演墳

「劇」小劇場(東京都)

2014/07/09 (水) ~ 2014/07/13 (日)公演終了

満足度★★★★

突飛な物語だが…
プロローグとエピローグは、人生終末期を迎えた祖父への愛情が溢れる描写が…しかし、公演の見所は、当然祖父の若かりし頃の活躍?がメインとなる。そのストーリーは冗談とギャグのオンパレード。そして芸達者な役者がおバカキャラを魅せるが、そこには品性のかけら…(褒め言葉です)。
実に面白いエンターテイメント作品だ。
ところで、説明文にある「現代社会に潜む矛盾というテーマ」はどこで表現されたんでしょうか(笑)。

ネタバレBOX

説明文の一部を利用して、ストーリーを記すと「人生の終末を迎えつつある祖父を気遣う姉妹。 祖父には、さらに認知症の症状が現れ始める。 大好きだった祖父が度々口にする、ありえない言動に戸惑い悩まされる…」となるが、その言動が話のメインとなる。
若い頃、祖父は世界最強のスパイで、世界各国のスパイが命を狙いに来た、というもの。各国のスパイは個性豊かというより、突き抜けたおバカキャラで、その身体表現(ダンスもあり)やセリフが笑いを誘う。
時は昭和39年で、東京オリンピックや東海道新幹線開通直前という設定で、舞台雰囲気は十分出ており、楽しめる。その昭和の匂いがプンプンする芝居は、それだけで温かみを感じてしまうのは、その世代の人間だからだろうか。
祖父が亡くなったのでシリーズ化は難しいのかな。いっそ生き返らせて…、と無理なお願いをしたくなるような公演でした。
なつきとオバケくぬぎ

なつきとオバケくぬぎ

KENプロデュース

戸野廣浩司記念劇場(東京都)

2014/07/05 (土) ~ 2014/07/13 (日)公演終了

満足度★★★★

「平和」と「生きる」
生きがいを見つけられず、惰性で生きている女子高生が、昭和20年へタイムスリップして、その時代に生きる困難さを経験し、”生きるとは“を考える、と言うストーリーである。よく用いられるシチュエーションだが、訴えたいテ-マは明確である。多少、説教じみた内容になるところだが、登場人物が学生ということもあり、戦時中の恋愛模様を織り交ぜホロリとさせる。人数的には少ないが、戦時中の青春群像劇という感じもする。
(後日追記)

うちの犬はサイコロを振るのをやめた

うちの犬はサイコロを振るのをやめた

ポップンマッシュルームチキン野郎

駅前劇場(東京都)

2014/07/04 (金) ~ 2014/07/13 (日)公演終了

満足度★★★★

突き抜けた~
多くの人が書き込んでいる…“ブラックコメディだが、根底は骨太な公演”は間違いないだろう。虚実を「芝居」と「映像」を上手く融合させた演出は事実認識させる上で効果的だった。個人的には、シアターメディアの手法はあまり好きではないが、本公演は数少ない成功例だと思う。ただし、芝居がコメディタッチなのて、映像はニュース映像(版権の問題はあるが)のような社会性のあるものにし、対象的または硬軟を浮き彫りにするほうが印象に残ったと思う。演技は、主人犬を筆頭に上手くキャラクター設定が出来ており見応えは十分であった。
今後の公演も期待しております。

「6月のパンティ」

「6月のパンティ」

モーレツカンパニー

Geki地下Liberty(東京都)

2014/07/04 (金) ~ 2014/07/13 (日)公演終了

満足度★★★★

善人ばかり
オネエが弟の結婚式に「兄貴」としてか「お姉」として出席するか、というストーリー。その心の葛藤と働くバーの仲間・常連客との交流が温かく、また微笑ましい。また、舞台セットも下北沢のバーの雰囲気をよく醸し出していた。そのセットは中央にカウンター席を、上手・下手にテーブル席を設え、店内以外の状況をテーブル席で表す。暗転が少なく場面転換が効率よくできていたと思う。また、暗転の際に流す曲目は、バーのカラオケで聞くような選曲で、観客の集中力を欠かさない。実に見事な演出であった。
さて、フライヤーにあるパンティの色がピンクであったが、実は6月のパンティは…。男女問わず、相手を思いやる優しさに心打たれた。
今後の公演も期待しております。

記憶の水平線-初日完売致しました!-

記憶の水平線-初日完売致しました!-

マニンゲンプロジェクト

シアター711(東京都)

2014/07/02 (水) ~ 2014/07/06 (日)公演終了

満足度★★★

記憶が難しいかも…
説明文は、力強いメッセージが記載されていたが、芝居はそれを描き切れなかったようだ。そぅ「死んでからもなお繰り返される後悔と愚痴。死んでから考えだしている、生きる意味。という無意味さ」という死後の世界を現世のような考えで描いても無理だと思う。”不幸自慢“にどんな意味があるのだろう。ベタだが、精一杯の”生きる“を全うして、なお現世に未練が…と言うほうがわかりやすい。芝居は演技で状況説明というよりも、セリフでの説明だ。まるで朗読劇のようになったのは残念だ。今後の公演を期待しております。

『ベルサイユのばら―オスカル編―』 ~池田理代子原作「ベルサイユのばら」より~

『ベルサイユのばら―オスカル編―』 ~池田理代子原作「ベルサイユのばら」より~

宝塚歌劇団

東京宝塚劇場(東京都)

2014/06/20 (金) ~ 2014/07/27 (日)公演終了

満足度★★★★

夢多き…
「ベルサイユのばら」オスカル編を観たが、この「ベルばら」は、40周年を迎えると言う。そして、上演のたびに新場面、新曲が追加される。今回観た時は、主役のオスカル(凰稀かなめ)が、ペガサスに跨がり観客席前方にせり出し、上下・左右に飛翔する。
この物語は、少女漫画誌「マーガレット」に掲載された池田理代子氏の原作を舞台化している(有名なこと)。
時代は、フランス革命を背景としているので歴史劇としても面白い。内容は、もちろん愛と苦悩をしっかり描き込み、華やかさを加え魅せてくれた。

NO GOAL【ご来場ありがとうございました】

NO GOAL【ご来場ありがとうございました】

青春事情

駅前劇場(東京都)

2014/06/27 (金) ~ 2014/07/01 (火)公演終了

満足度★★★★

題材が妙。
スポーツもので、グダグダなチ-ムをまとめて勝利を目指す…よくあるシチュエーションだが間違なく楽しめる。本公演は、ホ-ムレス・ワ-ルドカップと耳慣れないが、実際あるという。そんな題材を上手く描いており飽きさせることなく観せたと思う。また、コメディタッチでありながら、さり気なく”社会復帰を目的”とする崇高なセリフを入れるあたりが上手い。さらにスポーツチ-ムらしく参加条件が5人の選手がいること。だから選手一人一人のおかれた状況を描きながらチ-ム全体がまとまっていく過程が楽しめる。ただその演出上、暗転が多くなったのは残念である。
今後の公演も楽しみにしております。

花咲く通りに君が舞う【ご来場誠にありがとうごさいました!】

花咲く通りに君が舞う【ご来場誠にありがとうごさいました!】

ラフメーカー

新宿眼科画廊(東京都)

2014/07/01 (火) ~ 2014/07/06 (日)公演終了

満足度★★

繊細な…
日常を坦々と描いているが、印象に残らない。登場人物の皆が善人で心優しいが、”何か“ピリッとこない。
芝居は、ジャ-ナリストになる修行のため、裁判記録を書く青年と、彼を取り巻く人たちの10年にわたる交流を描いた物語だ。演出が、あまりに平面的で感情移入出来なかったのが残念だ。
脚本での山場設定と演出の妙があったら、と思う。
今後の公演を期待しております。

「椿太助の治療法~外道な医者の病退治~&碧の幻燈」

「椿太助の治療法~外道な医者の病退治~&碧の幻燈」

劇団THE NEXT(ゲキネク)

シアターブラッツ(東京都)

2014/06/26 (木) ~ 2014/06/29 (日)公演終了

満足度★★★

現代劇…碧の幻燈
まったく異なる劇風が2作上演なので「観てきた!」は分けて記載する。
本公演は、現代劇。それも最近話題の八ツ場ダム建設に伴い、群馬県長野原にある川原湯温泉が水没するニュースを連想させる。
インターメディアを利用し公演に刺激を与えようとしていたのが印象的である。現実にある問題を題材にしたような内容であるが、その描き方があまりに個人の情緒的感情で、そこに暮らしている人々の苦渋の選択をせざるを得ない、という切実さが伝わらない。もう少し社会性に鋭く踏み込んだ描き方を期待したが…
上演時間60分、少し物足りなさが残った。今後の公演に期待しております。

「椿太助の治療法~外道な医者の病退治~&碧の幻燈」

「椿太助の治療法~外道な医者の病退治~&碧の幻燈」

劇団THE NEXT(ゲキネク)

シアターブラッツ(東京都)

2014/06/26 (木) ~ 2014/06/29 (日)公演終了

満足度★★★

時代劇…椿太助の治療法
全く異なる劇風の2作品が上演したため「観てきた!」は分けて記載する。
本公演は時代劇で、劇中案内役が手塚治虫原作のブラック・ジャックのような悪徳医者の話だと言う。しかし、それは少し違ったようだ。物語は、病気に苦しむ患者の患部に手を当て、“痛いの痛いの飛んで行け”と言う掛け声をかけると、まさしく”病魔”が現れ、その魔物を退治していく、と言うもの。病魔役は独特のメイクで醜怪さを表現していた。ただし、アクションシーンは観せているが、迫力に欠けていた。病魔退治の場面は面白いが、それだけに終わっていたのはもったいない。出来れば、自分に巣くう病魔と闘うという最高の見せ場があったら…
上演時間60分、少し物足りなさがあった。今後の公演に期待しております。

あやかし相談承り〼。萬屋ツジモリ

あやかし相談承り〼。萬屋ツジモリ

劇団だるま座

「劇」小劇場(東京都)

2014/06/25 (水) ~ 2014/06/29 (日)公演終了

満足度★★★★

優しい相談だった
観劇当日は、バケツをひっくり返したような大雨…それでも満席状態。
さて、目に見えないあやしきもの…妖怪は怖がられたり、忌み嫌われるイメージだろうが、本公演の妖しきものは、とても愛すべき存在として描かれている。
芝居は、「古ぼけた小さな中華料理屋。 二階の突き当たりの六畳一間。 配達のバイクで転倒事故。 退院して久しぶりに帰ってきた部屋。 そこにいたのは、見知らぬ男だった。 その男は」 妖しきもの、そして次から次に現われる妖しきものと不思議な出来事がこの物語である。笑いと少しのペーソスが散りばめられた味わい深い作品である。会場全体が温かい雰囲気に包まれ、サクラの香りが…本来感じられない芳香まで印象付けられる好公演であった。
家路につく頃にはすっかり雨も上がり、目に見えない”埃”も流され清々した気持ちになった。
今後の公演も楽しみにしております。

WILCO

WILCO

ミナモザ

座・高円寺1(東京都)

2014/06/25 (水) ~ 2014/06/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

魂の彷徨か
心の奥底にある”何か“に対して警鐘が鳴り響いた2時間だった。日本において「何故、戦争に行くのか」と言うセリフは、あまり現実味がない。説明にある「戦争に対する考え方」より「あなたは、何をしたいの」と言うセリフが印象的である。自分の心さえも持て余してしまう…そこにソッと入ってくる弱い、そして醜いもの。
さて、本公演は座・高円寺1とい広い舞台に常時いるのは、2人または3人だけ。照明は薄暗く、対象者だけを照らし出し、観客の視線を集中させる。そして濃密な会話が展開する。舞台セットは2階建て(一部3階建て)にし、1階中央に出入り口がある。上手・下手にある階段を昇降することで場面転換を行う。その方法が功を奏し観客の集中力を削がない程度の暗転回数と時間になっていたのは演出の妙だろう。
冒頭にも記したが、現代日本において、”戦争”は切迫感があまりないと思う。確かに世界のどこかでは紛争をしており、傭兵という言葉も新聞・雑誌で見たりもする。”対岸の火事”的な考えではいけないとも思う。
公演では、主人公(海外を転戦)と父親(日本在)の往復書簡のような展開である。そして父親への反抗、確執そして憎悪を吐露する… 自分は、主人公のインナートリップとして受け止め、魂が騒いだ。疑問は、戦場に向かわせる動機付けが必要だとしても、父親に対するマイナスの感情だけでは弱いと思うところ。
とても満足した公演です。今後も楽しみにしております。

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