ブラックジャックによろしく 公演情報 トウキョウ演劇倶楽部(活動終了)「ブラックジャックによろしく」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    骨太な熱血ドラマ
    研修医が困難を乗り越えながら成長していく熱血ドラマ。

    六行会ホールという広い舞台だが、敢えてシンプルなセットにし、その立ち振る舞いには 「動」 「静」 のメリハリを効かせた素晴らしい演出だった。
    照明は薄暗く、台詞を言う役者ヘライトを当てることで観客の目を集める。
    それゆえ役者の演技の善し悪しが舞台の出来・不出来に直結する。

    本公演は、人間の尊厳を内容とした重厚な脚本であるが、それを見事に表現していた。

    ネタバレBOX

    10年前の医療現場の状況が緊迫感をもって描かれていた。と同時に医療に携わる者の過酷な労働環境に対する痛烈な批判。

    フライヤーには、「超一流の永禄大学附属病院の研修医・斉藤英二郎、月収わずか3万8千円。同大学医学部卒業後、3ヶ月で初めて患者を持つ。研修医・斉藤は理想とかけ離れた日本の医療の矛盾に苦悩しつつも、懸命に日々を送る!」 
    と書かれているが、さらに大学病院の封建的・閉鎖的な体制への疑問も描き込まれる。

     さて、仮に 「生・死」 に 「勝・負」 という概念を持ち込んでもそれは意味がないことだと思う。人は必ず死ぬから、初めから負けは決まっている。
    それでも生きている、生きたいと思う。その思い、願いが十分伝わる芝居である。
    書くことは簡単だが、その状況に直面したら・・・。

     結論は決まっている終末医療にどう決着をつけるか、医師という立場だからこそ悩み苦しみ、その先にある苦渋の選択・・・見事に結実させた“緩和ケア科” に感動した。

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    2014/09/09 19:08

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